2013年6月28日金曜日

コムケ湖の初夏~コムケ自然観察会にて

 23日、コムケの会が主催するコムケ自然観察会に妻と参加してきました。

 初夏の日差しもまぶしい青空のもと、8時30分、集合場所であるコムケ湖の湖口にある三室番屋に到着。

 コムケ湖は、紋別市の南西部に広がる湖で、アイヌ語で「コムケ・トー」(曲がっている沼)からコムケ湖と呼ばれるようになったと言います。

 コムケ湖は、3つに分かれたとても細長い湖で、面積は5平方キロ弱とそれほど大きくはないですが、その細長さゆえに周囲は22.7kmもあります。

 そこで、自然保護の活動と観察を続けているのが「コムケの会」です。

 今回の観察会は、花コースと鳥コースに分かれており、私たちは鳥コースに参加しました。

 高校生も含め、30人ほどの参加者。予想以上の賑わいです。

 さて、観察開始です。「もんべつかいはつくらぶ」の大舘さんのガイドで、湖畔の小道をスタートです。
 
 早速、枯れ茎の上で盛んにさえずるコヨシキリに出会えました。自分のテリトリーを主張するように早口でにぎやかです。

 湖面にはアオサギが悠然と立ち尽くしています。

 空には、オジロワシ、ウミウの姿もありました。

 「オオジュリンがいるよ」との声にスコープをのぞくと、頭が黒く頬に白い線があり、羽に黄色い模様が美しい鳥の姿がありました。

 それがオオジュリンです。名前は聞いたことがありましたが、実物を見るのは初めて。美しい姿に、しばし見とれました。

 今回の観察会で注目されていたのが「ツメナガセキレイ」です。

 かつては、サロベツなどもっと北の地域でしか見られなかった鳥ですが、近年コムケ湖でも観察されるようになったといいます。

 やぶの中からつがいの「ツメナガセキレイ」が現れました。文字通り、ツメは長いのですが、それ以上に黄色い姿が目に焼きつきます。


 近づくと羽を広げ、ホバリングするように私たちに迫ってきます。

 近くにいるヒナを守るため、威嚇をしているのだそうです。その懸命な姿は、心を打ちます。

 大舘さんは、長年にわたってコムケ湖の自然と向き合ってきた人です。

 「渡り鳥は、ピンポイントでこのコムケ湖の同じ場所に戻ってきます。だからこそ、コムケ湖の自然はなくせないのです」と言います。
 

 この日だけでも10種類の鳥と遭遇しました。全体では200種類もの野鳥が飛来すると言います。

 この貴重な自然を守り、地域とも共同できる「ラムサール条約」への登録が急がれています。

 私もこれまで議会の場で、ラムサール条約の問題を幾度も取り上げてきました。市の対応に「もっと本腰を入れよ」と訴えたこともありました。

 コムケ湖の自然。失ってはならない紋別の財産です。

2013年6月20日木曜日

「世界が食べられなくなる日」

 先日、ドキュメンタリー映画「世界が食べられなくなる日」を見てきました。

 そこに描かれているのは“遺伝子組み換え”と“原子力”の暴走するテクノロジーの世界です。

 これが現実だとしたら、いや現実だからこそ、我々は直視しなければならないのだと強く感じました。

 この先にどんな世界が待っているのか? どんな世界を次の世代に残せるのか? その問いを、突きつけられた思いがしました。



 2009年、フランスの生物学者セラリーニ教授によって、ある動物実験が極秘に開始されました。

 それは、ラットに遺伝子組み換えのトウモロコシを2年間にわたって与え続けるというものでした。

 映画は、その経過を映し続けます。

 やがてそこには、体中にボコボコと腫瘍ができたラットが映し出されます。

 体の25%もの巨大な腫瘍もあります。あまりに痛々しく、ショッキングな映像です。

 現在、遺伝子組み換え食品の安全基準は、ラットに3か月与え続けても問題がないかどうかで判断されています。

 しかし、セラリーニ教授の実験によると、異常が出るのは4か月目からでした。

 遺伝子組み換え食品の安全基準のいい加減さが、事実を持って証明された映像です。

 実は日本は遺伝子組み換え食品の輸入大国です。
 
 年間約1600万トンのトウモロコシを輸入していますが、そのうちの9割がアメリカ産で、88%が遺伝子組み換え品種だと言います(2012年米国農務省調べ)。

 それが主に家畜の飼料をはじめ、食用油、コンスターチなどの加工食品の原料に使われています。

 また、大豆も同じような状況で、遺伝子組み換え食品の表示義務があるのは、豆腐、納豆、味噌の一部だけで、あとはそれとは知らずに口にしているのです。

 それが、TPP参加によって、さらに大量にアメリカから輸入されることは間違いありません。

 そして映画は、福島第一原発事故をも描き出します。

 セラリーニ教授は指摘します。

 「遺伝子組み換えと原子力。この命を脅かす二つのテクノロジーには共通点がある。

 それは後戻りできないこと、すでに世界中に拡散していること、そして体内に蓄積されやすいこと」だとー。

 「我々はモルモット扱いをされているようだ」と語った福島の農民の言葉が、胸に突き刺さります。

 巨大企業の利益ばかりが優先され、人の命が軽んじられる現実に、恐ろしさと同時に怒りを感じ得ずにはいられません。

 そして、事実を知ることの大切さを、あらためて感じさせてくれた映画でもありました。

2013年6月13日木曜日

福祉ショップかもめ

 久しぶりに「福祉ショップかもめ」にお邪魔しました。

 この店は、4月24日に「オホーツク氷紋の駅」内にオープンしたばかり。

 その名の通り、紋別市内の障害者が通う地域活動支援センターでの手作り品を展示販売する店です。
 「西紋地域活動支援センターつばさの会」「仲良し共同作業所」「いきいき陶芸会」の3団体が共同で運営委員会をつくって運営しています。

 これまでも各作業所では、思い思いに手芸や陶芸、木工品などを手作りしてきましたが、販売するといってもフリーマーケットやイベントなどに限られていました。

 今度はこの店で、作品を展示し、多くの市民に見てもらえます。

 そして、売ることもできるようになりました。

 障害者のみなさんにとって、大きな励みです。

 かつてパン屋さんが入っていたスペースで、明るい雰囲気に
内装も整えられ、棚には、刺しゅう入りのタオルや靴下などの縫い物、カップや皿などの陶芸品が所狭しと並んでいます。

 私もかつて、福祉の店ができないかと、道内の先進事例を見て回ったことがあり、議会でも取り上げたことがありました。

 その中でも、網走市の福祉の店が印象に残っています。

 ここでは、網走市で実施している古着のリサイクルを活用し、その古着を障害者施設で洗濯し、販売しているのです。なかなかの利益になるようです。さらに、軽食コーナーもありました。

 こんな取り組みも生かせればいいですね。

 今回「福祉ショップかもめ」にお邪魔して知ったのですが、近日より喫茶コーナーを開始するとのことです。

 ソフトクリームとコーヒーなどを提供する予定です。これも楽しみです。

 この日も、支援センターに通う障害者が会計を担当していました。

 「とても楽しいです。緊張もしますが、一生懸命やっています。」と、本当に明るい笑顔で話してくれました。

 この店は、紋別市が年間のテナント料96万円を補助する形で実現しました。

 そしてこの店が、障害者の社会参加の大きな力になることを期待したいと思います。

 ぜひ、みなさんも立ち寄ってみてください。

 ささやかでも、一生懸命手作りした作品・商品を手に取ってみてください。

 頑張っている障害者に、エールを送ってください。

 私もこの日、ティッシュカバーを購入しました。

2013年6月9日日曜日

満開でした~滝上のシバザクラ


 ふと思い立って、滝上町のシバザクラを見に妻と行ってきまし

た。汗を拭き拭き丘を登れば、そこはまさにピンクの絨毯を敷

き詰めた光景が目に飛び込んできます。まさに、今が見ごろ。

園内に漂う甘い香りに包まれて、思わず深呼吸。

 今年は5月の低温続きで、いつもより2週間ほど開花が遅れ

たそうです。その分、芝ざくらまつりも1週間延長し、16日まで

開催されるようです。

 この日も、晴天に誘われて多くの観光客が訪れていました。

 この時期、滝上町は一気に華やいだ、活気に満ちた街へと

変身します。会場では、長屋栄一町長による園内ガイドも始ま

っていました。


 「こんな風に、シバザクラを見に来たのはいつだっただろう。」

「きっと、子どもたちがまだ小さかった頃だったじゃない。」「そん

昔か。どうりで登りがきつくなるはずだ。」


 ふと目を遠くにやれば、はるか山並の残雪もきれいに輝いて

いました。



2013年6月7日金曜日

新しい勤医協中央病院を見学して


 道交渉を終えて、その足で、この5月1日に新築オープンした

勤医協中央病院に向かいました。


 広域紋別病院の建設事業も本格化しています。いよいよ実

施設計の段階であり、建設業者の入札も間近です。図面だけ

ではなく、最新の実際の病院を、この目で見てみたい。この思

いで出かけました。

 村口事務長、松田副事務長じきじきに案内をしていただきま

した。450床と紋別の150床と比べると規模は大きく違います

が、高い医療水準と快適に過ごせる空間を作ることは同じで

す。それにしても、患者さんの目線に立った環境、徹底して院

内感染を防ぐ衛生対策、医師やスタッフの働きやすい動線の

確保、そして開放的で明るい院内。それぞれに、現場の声と現

場の工夫があちこちに生かされていました。あらためて、今の

病院って、こんなにも進んでいるのか、と大いに認識が変わり

ました。

 最新のがん放射線療法が行えるリニアック(高精度放射線治

療システム)も拝見することができました。これまでの外科療法

や化学療法に加え、これでがん治療を一貫して行える体制を

整えることができたと言います。6階には落ち着いスピス

アセンターも整備され、がん患者への精神的ケアも行ってお

り、総合的ながん療が勤医協中央病院の大きな特徴となっ

ていました。

 見学は実に3時間近くにも及びました。話は尽きません。紋

の地域医療の現状についても、詳しく意見交換できました。

別の病院づくりにも生かすべき内容がたくさんあったと思い

す。忙しい中、対応していただき感謝感謝です。

 紋別行の最終のバスに何とか間に合った旅となりました。

道交渉~全道から328項目の要望をもちよって

 5・6日と道交渉に行ってきました。日本共産党北海道委員会

と同道議団が毎年行っているもので、今年も全道各地から寄

せられた328項目の要望について、二日間にわたって交渉が

行われました。

 「泊原発をただちに廃炉に」「TPP反対を貫いて」など、切実

な要望が次々に出されます。担当者の回答は「国に要望して

まいります」「国の動向を注視してまいります」など、煮え切らな

いものも多く、道の役割と責任を果たすべき姿勢こそ重要だろ

うと、つよく感じました。
 紋別からも、広域紋別病院の医師確保問題や、サハリン沖

での油田開発に伴う事故対策の強化、国民健康保険制度へ

の道の支援の拡大、生活保護制度の拡充などを要望してきま

した。特に、広域紋別病院の医師確保では、担当の医師確保

推進グループの小嶋主幹とも個別に意見交換することがで

き、収穫もありました。

 それにしても、全道から集まった共産党の地方議員が60人。

それぞれに地元の思いをぜひ聞いてほしいと、熱気につつま

れた二日間でした。


2013年6月2日日曜日

アザラシの大冒険

 


 紋別市のオホーツクとっかりセンターと北海道大学によって、

保護されたアザラシの生態を研究調査する取り組みが続けら

れています。昨日、その研究成果を公開する市民講座が開催

され、参加してきました。

 とっかりセンターの飼育係長宮澤奈月さん、北海道大学北方

生物圏フィールド科学センターの三谷曜子助教による講演が

ありました。

 保護したアザラシに衛生発信機を装着して海にリリースし、

その後の動きを点検します。アザラシ君の大冒険がパソコン上

に映し出されます。紋別からトーフツ湖へ、サハリンのコルサコ

フへ、また紋別に戻って今度は知床、根室まで…。まさに大冒

険です。

 なぜ、方角がわかるのかなど解明されていない生態も多い

のだそうです。

 今年も、衛生発信機を着けたアザラシ君が、今日リリースさ

れました。さて、どんな動きを見せるのか楽しみです。

 講演会には、子どもたちの姿もあり、アザラシクイズなども出

され、楽しく学ぶことができました。

 ちなみに、そのクイズ。10問中8問の正解で、アザラシのポ

ストカードをゲットしました。

南ヶ丘児童館がオープンしました




 6月1日、南ヶ丘児童館がオープンしました。実は、4月にオープ

ンする予定だったものが、この日まで延期されていました。

 というのも、4月のオープンを前に室内空気中の化学物質濃度

を測定したところ、ホルムアルデヒドが国の指針値を0.01ppm上回

ったためです。直接健康被害が出るレベルではないというもの

、念には念を入れて、室内温度を上げ化学物質を揮発させ、ベ

イクアウトを繰り返し行うなど、2か月をかけて除去を行ってきまし

た。データを分析した道立衛生研究所からも「問題なし」のお墨付

きを得て、この日を迎えました。

 小向小学校のシックスクールの経験が生かされた格好です。

 オープンを待ちわびた地域の子どもたちが100人近くも詰めか

け、それは大賑わいです。オープンセレモニーの後、新しい児童

館には子どもたちのにぎやかな歓声がひびいていました。




 この児童館は、鈴蘭保育所を改装しただけに、スペースも広く、

部屋数も多くあります。それだけのびのびと活用できます。逆に

その分だけ、指導員の体制も必要になってくるでしょう。地域の保

護者などとの協働も大切になってくるでしょう。この施設をどう生

かすか。課題は、これからです。