2014年3月15日土曜日

第4回定例市議会報告①-「特定秘密保護法(案)」について

○野村淳一議員
 最初に、さきの臨時国会で成立した「特定秘密保護法」について質問いたします。

 このたびの臨時国会で特定秘密保護法が多くの反対の世論と慎重審議を求める声を無視して、政府・与党によって強行的に採決されました。

 この法案は審議を重ねれば重ねるほどその危険性が明らかになり、主義主張の垣根を越えて反対の世論は日増しに拡大し、成立した今もなおその声はとどまることなく広がっています。

 政府が安全保障に妨げがあると判断しさえすれば、軍事、外交、スパイ防止、テロ対策など広範な行政情報を特定秘密と指定でき、その範囲はどこまでも広がる仕掛けであり、原発事故も、TPPでさえ特定秘密に指定される危険性もあります。

 何が秘密なのかも秘密のままなのです。

 また、特定秘密を扱う公務員は家族まで調査され、故意でなくても、過失でも、秘密を洩らせば厳罰となり、国民も何が秘密かわからないまま、秘密を洩らせと働きかけたとか、知ろうとしたとか疑いをかけられ、共犯にされるおそれがあります。

 まさに国民の目と耳と口をふさぐ戦前の暗黒政治を復活させる現代版治安維持法と言えるものです。

 日本の民主主義と国民の知る権利を守りぬくために、この法律は絶対廃止しなければならないと考えるものです。

 そこで、この特定秘密保護法における地方自治体、地方公務員の関係についてお尋ねします。

 この法律には地方公共団体なる言葉は一切登場しません。地方自治体と特定秘密をなぜ遮断するのか。そこにこそ重大な問題がはらんでいると考えるものです。

 特定秘密保護法第6条では、特定秘密を保有する行政機関の長が他の行政機関に当該特定秘密を提供することができると定めています。

 しかし、提供を受けることができる行政機関には地方自治体は含まれていないのです。

 しかし一方で、地方自治体はいわゆる武力攻撃事態法や国民保護法によって住民の生命、身体及び財産の保障を担う機関とされ、住民の避難などの対処措置は自治体職員と消防が担当することになっています。

 にもかかわらず、住民避難が現実化するとき、国民保護を担うべき地方自治体には特定秘密が提供されないということになります。

 これでは、責任を持った住民保護という地方自治体の責務を果たすことはできないし、地方自治体の自律的判断をも奪うことになりかねません。

 地方自治の観点からも到底看過できない深刻な事態をはらんでいると言わざるを得ず、極めて重大な問題です。この点について、どのような判断と認識を持っているのかお聞かせください。

 これらの問題を含め、特定秘密保護法は廃止しかないと考えますが、宮川市長の認識をお聞きするとともに、政府に対しても地方自治体の存在をかけて反対の立場を明確にするよう求めるものですが、いかがでしょうか。見解をお尋ねします。

○宮川良一市長
 初めに、特定秘密保護法についてであります。

 本法につきましては、国の安全保障に資する一方、国民の知る権利への影響などが懸念されているところであります。

 法律の中では、拡張解釈しないことや、報道や取材の自由に十分配慮すること、秘密指定の恣意性を排除するための第三者機関の設置を検討することなどが盛り込まれておりますが、特定秘密の範囲が不明確であり、運用によっては安易に広がるおそれがあることなどから、国民が大きな不安を抱いているものと考えております。

 市といたしましては、本法の運用など詳細が不明なため、引き続き地方自治体とのかかわりなどについて情報を収集するとともに、国においては、国民の不安を解消されるよう、丁寧かつ分かりやすい説明を行い、法律の趣旨を逸脱することなく厳格に運用されることを期待しております。

 また、本法への対応につきましては、議会での議論などを踏まえ判断してまいりたいと考えております。

○野村淳一議員
 今日の道新でも報道されておりましたが、この法律成立をしたんですが、廃止や修正を求める世論が8割を超えるという状況です。

 どれだけこれが乱暴な形で決まったかということを如実にあらわしていると思います。

 私自身も政府・与党のやり方に怒りを込めて抗議したいというふうに思いますし、国民はこの暴挙を忘れないというふうに思います。

 地方自治体との関係では、重大な問題をはらんでいると指摘をさせていただきました。

 これは何も紋別市に限らず、自治体全部にかかわる問題です。特定秘密が自治体に提供されない可能性があるということであって、住民の安全や財産を守ることができるのかということの根本にかかわる問題です。

 この問題について、これも何も紋別だけではありませんから、全道市長会あるいは地方6団体、これ都道府県も全部含めてそうです。

 この問題では、ここで十分にこの問題を精査し、あるいは取り上げて、この問題の是正あるいは廃止を求めた取り組みが必要だと思いますが、それについて見解をお聞かせください。

○寺井志郎企画調整課長
 全道市長会、それから全国市長会の現在の状況では、この法律については、国に対する要望という部分についてはまだ取り上げている状況にはございません。

 何分、法律が制定されたばかりでございます。施行については来年12月というふうになってございますので、その間この法律の内容を十分地方自治体としても精査する中で国に対して要望していくものと、要望すべきものは要望していくというような形になるかと思います。

○野村淳一議員
 この問題は看過できませんので、もっと強い姿勢でぜひ取り組んでいただきたいというふうに思います。
 

3・11 絆の灯り

 

 東日本大震災から3年。3月11日の夜、紋別市で「とどけ!オホーツクより絆の灯り」というイベントが行われました。

 犠牲者を追悼し、いまなお避難生活を送る被災者に思いを寄せようと、市民団体が企画したもので、会場の「まちなか広場」には、市民手作りの約900個のキャンドルが灯され、幻想的な景色を作り出していました。



 隣接する「まちなか休憩所」では、紋別市の震災ボランティアの手による岩手県遠野市の郷土料理「ひっつみ汁」もふるまわれ、あたたかい湯けむりが上っていました。

 私も妻もおいしくご相伴にあずかりました。

 この日、一般質問を終えた心地よい疲れの中、揺らめく灯りに体も心も温まりながら、そして被災地で出会った多くの人たちを思い浮かべながら、家路につきました。


「成年後見人制度」ってご存知ですか

 「成年後見人制度」というのをご存知でしょうか。名前だけは知っていても、内容まではという人が多いと思います。

 しかし、この制度の持つ意味は極めて大きく、そして極めて現実的で緊急性の高い制度なのです。

 今回の議会でこの問題を取り上げようと考え、関係者と意見交換を重ねて、そのことを改めて実感させられました。

 「成年後見人制度」とは、認知症や知的障害、精神障害などにより判断能力が不十分なため、預貯金の金銭管理や契約行為などを自分で行うことが難しい場合、家庭裁判所によって選ばれた成年後見人が本人に代わって財産管理や契約行為を行うことで、本人を保護・支援する制度です。

 高齢社会を迎える中で、この制度の重要さはますます高まっています。

 昨年紋別市に、成年後見制度に関するネットワークが誕生しました。市はもちろん、弁護士や司法書士、行書士に介護事業所や障害者相談員など、関係者が一堂に会して成年後見人制度の活用と普及についての協議が開始されたのです。

 このネットワークに参加し、積極的に運動を進めている紋別の二人の弁護士にお会いしてきました。

 流氷の町ひまわり基金法律事務所の脇島正弁護士は、「本人が認知症で身寄りもない場合、本人に代わって市長が成年後見を家庭裁判所に申し立てる『市長申立て』が、紋別市で初めて実現したんです。これは画期的なことです。まだ1件ですが、これがどんどん増えることを期待しています」と語ります。

 紋別ひまわり基金法律事務所の原田宏一弁護士は、「もっともっとこの制度を知らせ、気軽に相談できる体制が必要です。成年後見の相談窓口をつくり、私たちも積極的にかかわりながら、福祉や医療、介護との連携ができる仕組みをつくりたいですね」と語ります。

 お二人の話は、どちらも熱意にあふれ、人権を守るというたくましさを感じました。そして、どちらも本当に気さくで、楽しい方でした。本題を外れ、憲法談義に花が咲いたのも楽しいひと時でした。

 紋別市も平成26年度予算で、成年後見人にかかわる予算を増額しました。

 潜在的には、まだまだ多くの方が心を痛めて、苦労している問題だと思います。きっとそれは、お金の問題だけでなく、医療や福祉、介護の問題にもつながるものでしょう。

 市内の福祉のネットワークの底力が試され、求められる課題でもあります。今その一歩が、開始されました。

一般質問が終わって


 11日に一般質問が終わりました。この日は、国際婦人デーの取り組みの一環として、紋別の新婦人のメンバー7人が傍聴に駆けつけてくれました。そのせいもあってか、少々気合が入りすぎましたかもしれません。

 今回は、大きく4つの問題を取り上げました。

 一つは防災問題です。ちょうどこの日が3・11。昨年、被災地を訪問した感想も述べながら、防災対策の充実を訴えました。中でも、昨年取り組んだ南相馬市の子どもたちを招いた取り組みに市の支援を求めたのに対し、前向きな答弁があり、ほっとしました。

 二つ目は地域医療と医療・介護の連携についてです。広域紋別病院の常勤医の配置には苦労が絶えません。この問題は、次の病院議会でじっくり取り上げることにしました。

 医療と介護の連携の問題は、お年寄りが入退院する際、その医療や介護情報がなかなか介護現場と医療現場にスムーズに届かない、というもので、私も多くの介護現場から要望を聞いていたもので、その仕組みを市がイニシアチブをとって構築すべきだ、と訴えました。その方向で検討するとの答弁でした。

 三つ目は、介護保険と高齢者福祉について。介護保険制度が根底から改悪される問題を取り上げ、国に撤回を求めるべき、と訴えました。

 今回、高齢者などの権利擁護の課題として成年後見人制度を取り上げましたが、驚いたことに私のほかに二人の議員も一般質問でこの問題を取り上げたのです。今までは、私だけしか取り上げてこなかった問題ですが、それだけ関心が高くなった証拠でもあり、それだけ必要性が認識される時代ともなった証だと実感しました。

 最後は、子育て支援と保育所行政についてです。特に、市立保育所を指定管理にしようとしている問題を取り上げました。市民にも、保護者にも何の説明もなく、合意もなく一方的な進め方に強く抗議しました。後で他の議員から「怒ってたねえ」と声をかけられました。ちょっと、エキサイトしたようです。

 そのほか、保育所の苦情処理の問題や「みなし寡婦控除」の問題なども取り上げました。

 詳しくは、あらためて報告します。

議会の真っ最中です

 3月議会の真っ最中です。2月28日に始まった議会は3月18日まで続く予定です。

 11日に一般質問が終わって、今は予算審議が続いています。

 2014年度の紋別市の一般会計の予算案は、総額188億8286万5000円で、前年度に比べ17.3%(約27億円)の増となています。

 この要因は、移転建設中の広域紋別病院への補助費や関連経費の増大とともに、木質バイオマス発電所用地取得費などで歳出が膨らんだものです。

 その増加分は市税の増収が見込まれると言っても、ほとんどが「市債(借金)」と「財政調整基金(貯金)」の繰り入れで賄われているのが現実です。

  市債は、前年度比で16億5740万円増の39億660万円となり、歳入全体の20%を占める結果となりました。これらの多くは「過疎債」で、地方には有利な借金とは言え、当然その発行には節度と慎重さ、見通しが求められるでしょう。

 また、それでも足りない経費を財政調整基金から3億5300万円取り崩し、歳入・歳出のバランスを図っており、厳しい財政運営であることは間違いありません。

 それでも、財政調整基金の残高は12億円を超え、4年前に比べ8億円近くも多く、消費税増税で苦しく市民生活への配慮や市民要求の実現に向け積極的に活用する姿勢が必要です。

 まもなく消費税が8%に引きあがります。それは市民にとって、市内経済にとって極めて厳しい現実です。特に低所得者への打撃は深刻です。

 しかし、残念ながら宮川市長の市政執行方針には「地域医療・中心市街地・観光の再生」の言葉はあっても、消費税にかかわる市民生活に直接触れた個所はありませんでした。

 国が国民に犠牲を強いるのなら、地方自治体がその防波堤になって市民の暮らしを守る―この立場こそ今必要なのではないでしょうか。

 予算の検討は数字漬けの毎日ですが、あと少し、気合を入れて頑張りましょう。

2014年3月3日月曜日

今日の流氷―3月2日

 ついに流氷は完全に去ってしまいました。
 
 2月の下旬は暖かい日が続いて、すっかり見えなくなりました。

 5日にはホタテ漁船の下架作業も始まります。そして、10日にはホタテ漁が、11日には底引き網漁が解禁となります。

 紋別も春はもうすぐです。