2020年7月19日日曜日

猿払村の「合葬堂」を視察して

猿払村「合葬堂」

 今回の視察の最後に訪れたのは、オホーツク海に面した猿払村。

 言わずと知れたホタテの一大産地です。

 ここにこの4月「合葬堂」という施設が完成したのです。

 少子化のもと、お墓の継承をどうするかーー実は多くの人が悩んでいます。いまや、一つの社会問題にもなっています。

 その一つの解決方法として、この数年、市町村立による「合葬墓」の建設が増えてきています。

 紋別市も「合葬墓」の整備が緊急な課題となっています。

 私も、実に多くの市民から要望されます。議会でも繰り返し取り上げてきました。

 今回訪れた猿払村の合葬堂。納骨棚を備え、良く考えられた施設なのです。いろいろと感心し、参考になりました。

 特に私自身気になっていた「遺骨」に対する畏敬と慰霊の思いをどう形にするか、その一つの在り方が見えたような気がします。

 住民へのアンケートの実施や宗教者との丁寧な協議、そのうえで生かせるもはしっかり生かしていく姿勢。村長と村の担当者の真摯な取り組みにも感心しました。

  

 中央にモニュメント。左右に納骨棚があります。納骨棚には3年間保管できます。


 モニュメントには両脇に「粉骨」の投入口があります。



 合葬堂の建物の外に、室内のモニュメントと同じモニュメントを設置しています。ここでは、各人が花を手向けたり、焼香したり、故人をしのんで供養することができるようになっています。僧侶を頼むことも自由です。

 あくまで室内、堂内は政教分離の立場から宗教色はいっさい排除しますが、建物の外の行為については関知しない、というのが村の立場です。

 よく考えらえていると思います。参考にしたいものだと強く感じました。

 視察を終え、昼食はもちろん、道の駅さるふつ公園にあるレストランで「ホタテカレー」。おいしかった。 

 2泊3日の今回の視察の旅。なかなかハードで、でも中身のある視察でした。

 豊富温泉での宿も風情があってよかったですよ。


 
 そうそう、帰りに浜頓別のクッチャロ湖に寄り、「NPO法人クッチャロ湖エコワーカーズ」にお邪魔しました。

湖畔に佇む「エコワーカーズ」の事務所

 ここもまた、クッチャロ湖の自然保護に取り組んでいる団体です。

 今回は短時間でしたが、次回はじっくりお邪魔しようと思っています。 

大規模風力発電について考える

 

 今回の視察の目的の一つに、大規模風力発電事業について学ぶことがありました。

 北見市と網走市をまたぐ常呂町の山腹に大規模風力発電の計画があるのです。

 私にとっては隣町のことではあったのですが、私の友人でコムケ湖のラムサール登録に向けて活動している彼が、この発電計画に否定的な意見書を提出したと聞き、急に興味を持ちました。

 そこで調べてみると、実は道内各地で大規模風力発電の設置計画が目白押しであることがわかってきました。

 そこには単に再生可能エネルギーの発展にとどまらない何か重大なことがあるのではないか、以前から語られていた自然や人体への影響についてはどうなのかなど、しっかり知ることが必要だ、と感じてきました。

 現に紋別市でもソーラーパネルが林立し、大規模な木質バイオマス発電所が開設され、もはや他人事ではありません。

 そこで今回、風力発電の問題で広く調査研究している北海道自然保護協会理事で大規模風力発電問題研究会の佐々木邦夫氏にお会いすることにしたのです。

 
 豊富町から稚内市に移動し、佐々木氏とも2時間近くじっくりと意見交換させていただきました。

 常呂・能取風力発電事業にかかわる資料も作ってきてくださり、風力発電の課題と問題点を学ばさせていただきました。

 とにかく驚いたのは、その開発計画のすさまじさです。なぜ、これほどまでに大規模風車が林立するのか。
 

 そこに見えてきたのは、日本のあるべきエネルギー政策の将来像というより、再生可能エネルギーの名のもとに、地域の自然に大きな負荷を与えながら、大手企業が利潤を吸い上げる構造になっているのではないのか、ということであり、

 ましてや生物の多様性や人の健康への畏怖の念もないまま、利益優先の規制なき無秩序な開発になっている姿ではないのか、ということでした。

 佐々木氏の明快な話に、それらを強く感じました。

 再生可能エネルギーの拡大は重要な課題です。それだけに、住民としての監視が大切です。

 「エネルギーの地産地消」こそが重要な課題です。

 北海道のこの風景も、この自然も、そこに住む人々の暮らしも、みな生かされてこそ再生可能エネルギーの価値があるはずです。

 簡単なテーマではありませんが、今回いろいろと考えさせられました。これを機会に私も勉強しなくては、と思っているのですが……
 

2020年7月18日土曜日

「NPO法人サロベツ・エコ・ネットワーク」を訪ねて

 続いて訪れたのは豊富町にある「NPO法人サロベツ・エコ・ネットワーク」です。

 日本海にのぞむ日本最大の高層湿原でラムサール条約にも登録されているサロベツ湿原の自然保護に取り組んでいる団体です。

 そして、利尻礼文サロベツ国立公園サロベツ湿原センターの管理運営も担っています。

 同時に、全道のラムサール登録湿地ネットワークの事務局を務めています。

 
サロベツ湿原センター


私も「紋別市のコムケ湖をラムサールに」と議会などで訴えてきましたが、なかなか実現には至りません。


 どうも産業界の理解が得られない状況のようなのです。

 そこであらためて、自然保護とラムサールとの関係や産業とのかかわり、今後の運動の進め方などについて学ぼうとやって来たのです。

 多くのスタッフに迎えられ少々緊張しましたが、話は熱のこもったものになりました。


 具体的なアドバイスなどもいただき、大いに参考になりました。

 それにしても、自然保護に関する熱量には圧倒されっぱなしです。

 こういう熱いスタッフに支えられて、この豊かな自然は守られているんだな、としみじみ感じました。

 

 サロベツ湿原は初夏の装いでまぶしいばかりです。

 遠く利尻岳を望み、ノハナショウブが風に揺れています。

 コムケ湖に思いをはせながら、後世に引き継ぐ風景の大切さをあらためて感じました。


 

「南宗谷ひだまりの会」を訪ねて


 
 外出自粛も解除され、道内での新型コロナの感染も落ち着いてきたのを受け、2泊3日で視察に出かけてきました。

 訪れたのは4か所。かねてから気になっていたところばかりです。

 最初に訪問したのは、枝幸町にある障害者施設の「NPO法人南宗谷ひだまりの会」。

 ここでは、障害者の交流やレクリエーションなどを行う「枝幸町地域活動支援センター」と、就労継続支援B型と生活介護事業を行う多機能型事業所の「ワークセンター南宗谷ひだまり」を運営しています。

 そのほか、グループホーム2棟と障害者相談支援センターも運営し、南宗谷地域の障害福祉サービスの拠点ともなっている法人です。

 紋別市の近くにありながら、なかなか訪問できていなかった施設。やっと念願がかないました。

 開米一有理事長と多岐にわたり、たっぷりとお話をさせていただきました。

 
開米理事長、龍寛寺の副住職でもあります
 
 たまたまボランティアで参加した障害者の活動。それがいつしか当事者とともに事業を立ち上げ、その活動と運動を担うことになった開米氏。

 開米氏の話は歯切れよく、温かみがあり、いつしか引き込まれます。そこに、ぶれることない信念を感じます。

 親亡き後を見据えた障害者の自立と居場所つくり、そして若いスタッフの育成と、活動は広がっています。



 作業所で作っている利尻昆布の詰め合わせです。私も購入しました。枝幸町のふるさとの税の返礼品にもなっているそうです。

 そのほか、紙すきハガキなどの作成や弁当作り、国保病院の売店業務や総合体育館の清掃などで、利用者の工賃は2万円ほどになるといいます。



 共生型のグループホームも見学させていただきました。

 小さな町の大きな取り組みに感動しました。

 また、機会を作ってお邪魔したいと思っています。



2020年7月16日木曜日

不登校児に寄り添った支援を~2020年第1回定例市議会一般質問⑤

〇野村淳一議員

 次に、不登校の子供たちへの対応について質問します。 

 市政執行方針の中で、市長は、不登校やいじめ、児童虐待などの課題に適切に対応するため、スクールソ ーシャルワーカーを新たに配置するとしました。

 私は、その取り組みに期待したいと思います。 

 そこでまず、ここでうたわれている不登校、いじめ、児童虐待の現状はどうなのか、それらの件数とその対応について、まずお知らせください。 

 スクールソーシャルワーカーは、福祉的な面から児童や保護者の悩みに接近し、その困難の改善を図るのが役割だと思います。

 従来のスクールカウンセラーが子供の心のケアに重点を置くのに対し、スクールソーシャルワーカーは、子供の相談に乗りながら、学校やPTA、地域社会や医療機関、児童相談所や発達支援 センターなどとの各団体、機関をつなぎ、子供の発達を支えるものだと考えます。 

 同時に、学校側とは立場の異なる第三者として家庭に接することのできる存在でもあると考えます。  

 まず、今回、スクールソーシャルワーカーを配置した目的をお聞きするとともに、紋別市としてどのように役割を担ってもらおうと考えているのか、また、各機関との連携についてはどうお考えか、具体的な内容を含め、お尋ねします。 

 また、不登校の子供や家族が残念ながら学校側に不信感を持つケースも少なくありません。

 そんなとき、 同じ悩みを持つ保護者たちの集まりの開催や、スクールソーシャルワーカーや発達支援センターの療育アドバイザーを活用した相談会など、学校とは少し距離を置いた立場で不登校の子供や家族が相談できる集まり や取り組みも必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか、見解をお聞かせください。  

 不登校は、その子供が悪いわけでもなく、怠けているわけでもありません。子供も親も学校に行けないことに苦しんでいます。

 そこには、先生との関係や友達との関係で悩み、何らかの障害や学習のおくれなどで苦しみ、それら複雑な理由が絡み合って、子供は心を痛めています。

 だから、つらいときは、学校を休むことも大切だ、でも、学校は君のことをずっと見守っているというメッセージを送り続けることが必要だと思っています。  

 今ここで心配なのは、不登校のまま、義務教育機関である中学校を卒業した子供たち、卒業する子供たちについてです。

 その子たちのその後の状況についてはどのように把握されているのでしょうか、そして、ど のように対応しているのでしょうか、それぞれお尋ねします。 

○堀籠康行・教育長

 それでは、野村議員のご質問にお答えいたします。 

 初めに、不登校の子供たちへの対応についてであります。  
 1点目のスクールソーシャルワーカーの配置に関し、不登校、いじめ、児童虐待の現状、件数、対応についてですが、不登校児童生徒数は、平成30年度末現在、小学生16名、中学生29名であり、いじめ実態調査に基づく認知件数は、平成30年度末現在、小学生30件、中学生18件であり、児童虐待通報件数は、本年は2月 末までの累計で30件となっております。  

 それぞれの問題に共通した対応として、積極的認知での早期の対応が必要と考えており、教育支援アドバ イザーを派遣するほか、校内及び関係機関との連携した会議などを行い、いじめや児童虐待について、重篤な事態に至ったものはありません。  

 スクールソーシャルワーカーの配置目的、役割、各機関との連携についてですが、児童生徒を取り巻く問題は、年々、多様化、複雑化している状況にあるため、社会福祉などの観点から問題解決を図ることを目的に配置するものです。 

 役割としては、福祉の視点や手法により、児童生徒が置かれた環境、特に家庭に働きかけていくことであり、関係機関との連携でも家庭への支援に関して調整や仲介を進めてもらいたいと考えております。 

 2点目の相談支援のあり方につきましては、不登校の子どもや家族が相談できる取り組みについては、スクールソーシャルワーカーにより、学校とは異なる立場での相談体制がつくられるものでありますが、多様な相談の取り組みが行われることがさらに望ましいと考えており、継続して研究してまいります。 

 不登校のまま義務教育を卒業した子供たちの把握、対応につきましては、各学校や適応指導教室を通して、卒業後の進路相談体制を設けているところであり、全日制、定時制、通信制などの個々の状況に応じた 進路実現の働きかけを行っております。 以上、答弁といたします。

【 再質問 】

〇野村淳一議員

 次に、不登校の問題についてです。 

 昨年10月25日、文部科学省から、不登校児童生徒への支援の在り方についてという通知が出されています。

 改めて言うまでもありませんが、学校に登校するという結果のみを目標にしない、不登校の時期が休養や自分を見詰め直すなどの積極的な意味を持つというふうにも述べられています。

 また、学校に対しても、 なじめない要因の解消のために学校としても必要な体制をとることを求めているのです。 

 ご答弁のとおり、ぜひ進めていただきたいのですが、一つだけです。 ソーシャルワーカーの設置を期待していますが、予算書を見ると170万円でして、これでは人件費にも充 てられません。これは何の金額なのか、教えてください。 

○浜屋武志・学務課長

 お答えいたします。 

 基本、人件費と通勤の費用となっておりまして、配置の方法としましては、週1回、1日配置することと なっております。 

○野村淳一議員

 不登校への対応、そして、教育長が言ったソーシャルワーカーに対する期待からすると、週1回ではなかなか厳しいものだと思います。

 今後、それをさらに拡大していくという見通しはいかが ですか。 

〇浜屋武志・学務課長

 お答えいたします。 

 今回、新規の事業でございます。当然、スクールソーシャルワーカーの必要性あっての配置となっておりますが、まずは、週1回でしっかりと進めていきたいと考えております。 

○野村淳一議員

 ぜひ、事業の配置も含め、拡大を進めていただきたいと思います。  

 というのは、先生方の先ほど働き方の問題もありましたが、プロの手がしっかり入ることが、子供にとっても、先生方にとっても、家族にとっても、いいことにつながると思うからで、それを進めていっていただ きたいと思います。 


「ひきこもり」への実態調査と支援体制の強化を~2020年第1回定例市議会一般質問④

〇野村淳一議員

 次に、ひきこもり対策について質問します。  

 昨年、内閣府が行った中高年のひきこもりに関する調査で40歳から64歳のひきこもりが全国で61万3,000人に上るとの推計値を明らかにしました。

 2016年に発表された15歳から39歳の若年ひきこもりの推計値54万1,000人と合わせると、ひきこもりの総数は115万人を上回ることになります。

 この割合を紋別市に当てはめると、150人から200人がひきこもりの状態にあると推計されるのです。 

 孤立無業状態にある50代の子を80代の親が支え、親子共倒れのリスクを抱える、いわゆる8050問題を含め、ひきこもり問題は日本社会が直面する喫緊の社会問題となっています。

 この背景には、過度の競争社会、過密労働とストレスの増大、弱者たたきの風潮の蔓延、格差と貧困の拡大、そして、見過ごされてきた障害など、日本社会の矛盾があります。 

 ひきこもりを自己責任と捉えるのではなく、この現状を放置すれば、近いうちに莫大な孤立した貧困高齢者が生み出され、深刻な社会問題を引き起こしかねません。

 孤立状態にある人や家族の相談に乗り、訪問、 ケア、就労支援をするなど、社会的支援の体制については、国の責任のもと、市町村の取り組みで構築していくことが急ぎ必要となっているのです。

 国も自立相談支援の機能強化のためのアウトリーチによる支援事業を始めるとしています。 

 そこで、現在、紋別市のひきこもりの現状をどのように理解し、認識しているのか、お聞きします。

 その上で、紋別市のひきこもりへの対策の現状はどのようになっているのか、お尋ねするものです。  

 その上で、私として幾つか提案したいと思います。 まず、何より必要なのは現状の把握です。

 少しでもひきこもりの現状をつかんでいるだろう各関係機関、 すなわち、地域包括支援センター、保健センター、障がい者相談支援センター、民生委員、社会福祉協議会、自立支援サポートセンター、若者サポートステーションなどによる現状の把握と認識の共有化を図ることであり、そのための協議体をつくることです。

 そして、担当する部署、窓口を明確化し、たらい回しにし ない、断らない相談体制を確立することです。

 そのためにも、専門的な知見を有するひきこもりサポーターを養成するとともに、当事者や家族の孤立を防ぐ居場所づくりを進めることです。  

 当然、現在策定中の紋別市地域福祉計画にもひきこもり対策が明記されると考えますが、これらの提案を含め、紋別市としてひきこもり対策をどのように進め、展開しようとしているのか、お聞きするものです。

〇宮川良一市長

 次に、ひきこもり対策についてであります。  

 本市におけるひきこもりの理解と認識についてですが、ひきこもりの状態にある方は社会生活から孤立しており、その家族も周囲に状況を隠し、SOSを発信しないことでひきこもりの長期化につながるなど、ひきこもり対策は社会全体の課題であると理解しております。

 本市の現状といたしましては、紋別市社会福祉協議会や各関係機関等に、例年、ひきこもりに係る相談が数件あり、随時対応しておりますが、経済的困窮や虐待等の複合的な問題を抱え、複雑化、長期化しているケースもあることから、相談支援体制の見直しが必要であると認識しております。 

 今後の対策につきましては、まずはひきこもり支援等検討委員会を設置し、当事者やその家族が早期の段階で相談できるよう担当窓口を明確化し、広く周知を図るとともに、実態調査を行い、調査結果を分析、検討の上、専門的で包括的な支援体制を構築してまいります。

【 再質問 

〇野村淳一議員

 次に、ひきこもりの問題についてです。  

 この問題は、市長からもご答弁をいただきましたが、社会全体の課題だという認識ですので、ぜひ取り組 んでいただきたいと思います。  

 ただ、ご答弁の中で検討委員会という名前が出てまいりました。そして、実態調査を行うという話や専門的な支援体制をつくるという話もありました。

 取り組みのメニューが幾つか述べられたのですが、具体的に教えてください。 

○大平一也・社会福祉課長

 お答えいたします。 

 具体的な取り組みにつきましては、検討委員会の中で検討を重ね、進めていきたいと思っているのですけれども、まずは、紋別市におけるひきこもりの実態調査を行いまして、その結果を調査、分析した上で、必要なサポート体制の構築に努めてまいりたいと考えてございます。 

○野村淳一議員

 この問題は意外と深刻だと思っています。8050問題を含めて、なかなか表面に出てこな いものでもありますし、なかなか実態が見えない問題であります。

 しかし、当事者やそのご家族は深刻な悩みを抱えているというのも事実です。 これが発見され、8050となったときにはもう支援の手がないということもあり、これこそ早期の発見と早期の支援が必要ですので、今言ったように、検討委員会では、実態調査も含め、ぜひ進めてください。よろ しくお願いします。  



子育て支援、経済的負担の軽減に努力を~2020年第1回定例市議会一般質問③

〇野村淳一議員

 次に、子育て支援について質問します。

 一つは、子供の貧困対策と経済的負担の軽減についてです。  

 紋別市における子供の貧困対策については、現在、策定中の第2期の子ども・子育て支援事業計画の中で新たに基本施策の一つとして盛り込むとしておりました。

 まず、その施策の内容をお知らせください。

 また、幼児教育・保育の無償化に伴い浮いた財源3,500万円について、私は、全てを子育て支援策の拡充に充当すべきと訴えてまいりました。

 その際、紋別市は、一般財源として、子供の貧困対策を含め、市の予算全体で優先順位の高い新規事業に充てると答弁しておりました。

 さて、その3,500万円はどうなったのでしょうか、その使途の内容をお聞きするものです。 

 現在、策定中の第2期子ども・子育て支援計画に当たって、保護者へのアンケートを行っています。

 そこに自由に記入できる自由意見があります。読ませていただきました。まさに、紋別市の子育て施策に対するさまざまな、そして、切実な声がたくさん寄せられておりました。  
 まず、目を引くのは、産科、小児科など、医療に関する意見、要望です。そして、経済的支援を求める声の多さです。

 高校生まで医療費の無料化の実施を、インフルエンザの予防接種に助成制度の導入を、子供服や学生服などのリサイクルの取り組みを、給食費や教材費の無料化の実施をなど、そして、子育て世帯への経済的支援が多ければもっと子供が欲しいという声が多いですという声もありました。

 これら一つ一つの要望と意見は、子育て世代共通の声だと感じます。 

 市長はこのアンケートを読まれたでしょうか。その感想をお聞きするとともに、これらアンケートで語られた保護者の意見と要望に真摯に応える観点で、子育てへの経済的負担軽減に向け、抜本的に取り組むよう求めるものですが、市長の見解をお伺いします。 

 次に、子育て世代包括支援センターについてお聞きします。  

 市政執行方針の中で、保健センター内に新たに子育て世代包括支援センターを設置し、妊娠期から子育て期に至るまでの妊産婦、乳幼児の相談支援体制の充実強化に努めるとし、保育士を配置すると述べています。  

 まず、この子育て世代包括支援センターの役割と具体的な重要な事業内容をお聞きします。

 その上で、保健、医療または福祉の関係機関との連携はどうされるのか、紋別市としての独自の取り組みについてはどうか、利用者への周知啓発についてはどうされるのか、それぞれお聞きするものです。 

 三つ目に、ファミリーサポートセンターの復活についてです。  

 さきにも紹介した第2次子ども・子育て支援計画での保護者のアンケートにファミリーサポートセンターの復活を求める声が多数あり、私自身も驚きました。

 現実問題として、ファミリーサポートセンターの必要性とその復活を求められていることが明らかになったのです。この状況を紋別市はどのように理解しているのか、まずお聞きします。  

 平成31年3月のファミリーサポートセンターの廃止は明らかに一方的で合意なき廃止だったことが示されたのです。

 必要なら、その内容の改善も含め、ファミリーサポートセンターの再開を早急に検討すべきと考えますが、いかがでしょうか、見解をお聞かせください。 

〇宮川良一市長

 次に、子育て支援についてであります。  

 1点目の子供の貧困対策と経済的負担の軽減に関し、現在策定中の第2期紋別市子ども・子育て支援事業計画で新たに基本施策の一つとした子供の貧困対策の内容についてですが、経済的支援としては、保育料の軽減、子ども医療費給付事業、産後ケア事業、小中学校就学援助事業、奨学資金貸与事業、インフルエンザワクチン予防接種事業、子育て短期支援事業などの予定であります。  

 幼児教育・保育の無償化に伴い生じた3,500万円の使途については、保育の充実や子育て支援に活用すべきとする令和元年第4回定例会での議員のご意見は、特定の事業に貴重な財源を張りつかせるもので、財政の硬直化を招くものであることから、終了した事業の一般財源は、予算編成時には一般財源総額の中に包含し、予算全体で議論した上で新規拡充事業に充当すると答弁したもので、個別事業を特定するものではありません。 

 第2期紋別市子ども・子育て支援事業計画策定に係るアンケート結果については、子育て世帯が抱える悩みなど、多数のご意見をいただいたと考えております。  

 子育てへの経済的負担軽減に向けての抜本的な取り組みについてですが、本市の子育て支援施策は、他市と比べても見劣りしないものと認識しておりますが、今後も子育て世帯の具体的なニーズの把握に努めてまいります。 

 2点目の子育て世代包括支援センターに関し、同センターの役割と具体的な事業内容については、さきの喜多議員のご質問にお答えしたことでご理解願います。  

 関係部署との連携については、庁内の関係部署を初め、医療機関、保健所、児童相談所、認定こども園、 障害児通所施設、学校などと連携し、適切な支援につながるよう努めてまいります。  

 市の独自の取り組みについて、現在のところは考えておりませんが、効果的な施策があれば積極的に取り組んでまいります。 

 利用者への周知啓発についてですが、妊産婦においては妊婦相談や家庭訪問時などに周知するとともに、 子育て世帯には広報もんべつや市ホームページ、メール@もんべつ、地元新聞への記事の掲載など、広く周知し、啓発に努めてまいります。  

 3点目のファミリーサポートセンターの復活に関し、第2期紋別市子ども・子育て支援事業計画策定に係るアンケート結果で復活を求める声が多数あった状況をどう理解しているのかについては、送迎を含めたサ ービスを必要として復活を求めるご意見がありましたが、当センターを廃止した理由は、令和元年第2回定例会で議員のご質問にお答えいたしましたとおり、当センターの預かりサービスの利用者数の減少とそのサ ービスにかわる事業の受入れ体制の充実によるところであります。

【 再質問 】

〇野村淳一議員

 時間がありませんので、子育て支援に移ります。  

 貧困対策、経済的負担の軽減の問題に関し、市長はニーズの把握に努めると答弁されましたが、それは具体的にどういう内容なのですか。 

○北西忠宏・児童家庭課長

 お答えいたします。 

 今回、事業計画策定に伴いまして、未就学児等のアンケート調査を行ったのですけれども、子育てに関し、経済的支援という要望があったところです。 

 なお、その具体的な取り扱いにつきましては、具体的にニーズ調査を再度行い、市民のニーズを把握していきたいと考えております。 

○野村淳一議員

 ということは、子育て世帯に対し、何を求めているのか、経済的負担の軽減をどうするかなど、ニーズ調査をもう一度実施するということでいいのですか。 

○北西忠宏・児童家庭課長

 お答えいたします。 

 その方法等については今後検討していきたいと思います。 

○野村淳一議員

 どちらにしても、実際に、今、何が必要で、何を求めているか、そのニーズを調査し、 その上で的確な支援策を講じていきたいというイメージなのですね。重要な課題だというふうに思っていますので、ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思います。 


補聴器購入に公的補助を~2020年第1回定例市議会一般質問②

〇野村淳一議員

 次に、高齢者福祉と介護保険について質問します。 

 第1は、加齢性難聴者への補聴器購入の助成についてです。  

 高齢になるに従って聞こえが悪くなる、多くの人に生じるこの加齢性難聴は、日常生活を不便にし、人とのコミュニケーションを困難にするなど、生活の質を落とす大きな原因となるものです。

 最近では、鬱や認知症の危険因子になることも指摘されています。  

 身体障害者である高度・重度難聴は、補装具支給制度があるものの、加齢性難聴者の多くは、自費で補聴器を購入するか、あるいは、そのまま放置されている状況であります。

 高齢になっても生活の質を落とすことなく認知症を予防し、健康寿命を延伸するためにも、加齢性難聴者への補聴器購入の助成の創設を求めるものですが、いかがでしょうか。  
 北見市では、既に補聴器の現物支給の制度を実施しています。本市の見解をお伺いいたします。 

 次に、小規模多機能型居宅介護事業所の開設についてお聞きします。 

 令和2年は、第7期の介護保険事業計画の最終年度に当たります。今期の計画の目玉事業の一つに、小規模多機能型居宅介護施設の開設がありました。
 
 小規模多機能型居宅介護事業は、認知症の高齢者などが通いや泊まりを通してできるだけ住みなれた地域で生活を維持していくための重要な地域密着型の介護サービスです。

 紋別市では、高齢者や要介護認定者の増加を踏まえ、平成32年度に1事業所の開設を見込むとしていたもので、その需要と必要性は大きく、期待もされております。 

 しかし、今回の市長の市政執行方針の中にその記述はありませんでした。そこで、その理由と現状に対する認識、今後の見通しについて、それぞれお尋ねします。 

 三つ目に、高齢者の保健事業と介護予防についてお尋ねします。 

 高齢者の生活習慣病を防ぎ、健康寿命の延伸を図るためにも健康診査は極めて重要です。

 しかし、紋別市の後期高齢者の健康診査受診率は10%程度であり、極めて低いと言わざるを得ません。受診率の向上に向けた取り組みについてお聞かせください。  

 また、新年度から高齢者のフレイル予防対策を中心に実施される高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施について、その事業内容をお聞きするとともに、紋別市としての取り組みについてお尋ねします。 

〇宮川良一市長

 次に、高齢者福祉と介護保険についてであります。 

 1点目の加齢性難聴者への補聴器購入補助についてですが、道内における実施自治体は、北見市、赤井川村の2カ所となっており、対象要件と前年度実績は、それぞれ北見市が70歳以上の非課税世帯で5件、赤井 川村が65歳以上で、課税要件はなく、3件とお聞きしております。 

 このような中、障害福祉サービスの助成制度の対象とならない軽度あるいは中等度とされる高齢者の難聴については、どの時点で聞こえの問題として自覚するのかが一様ではないため、対象者の実数把握が困難な側面もあることから、市といたしましては、次期の第8期介護保険事業計画におけるアンケート調査などを活用し、ニーズや実態の把握に努め、今後の研究課題とさせていただきたいと考えております。 

 2点目の小規模多機能型居宅介護事業所の開設に関し、市政執行方針に記述しなかった理由につきましては、令和2年度当初に募集し、開設は年度末になることが見込まれるため、本格的な予算計上は令和3年度以降となることが主なものであります。 

 現状に対する認識と今後の見通しについてですが、認知症高齢者などができる限り住みなれた地域での生活を継続していくために重要なサービスであり、事業に対するニーズも高いと認識していることから、第7期介護保険事業計画に位置づけられたとおり、令和2年度中の開設を目指してまいります。  

 3点目の高齢者の保健事業と介護予防に関し、後期高齢者の健診受診率の向上に向けた取り組みにつきましては、魅力ある健診とするため、がん検診も同時に受診可能な集団健診を年に4回実施しているほか、平成26年度からは後期高齢者医療広域連合から示されている検査項目に市独自の項目を追加して実施しております。

 また、健診周知のため、広報もんべつ4月号に1年間の健診スケジュールをまとめた折り込みチラシを同封しているほか、健診の開催案内を毎月広報もんべつに掲載しております。  

 さらに、昨年度からは、75歳で新たに後期高齢者医療保険の被保険者となった方に対し、保険証の送付時に受診勧奨リーフレットを同封しており、今年度からは、継続受診への意識づけを目的として、76歳の方に対しても健診日程などを記載したリーフレットの送付を始めたことから、この効果も検証しながら、引き続き健診受診率の向上に努めてまいります。 

 高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施についてですが、事業内容と本市の取り組みは、さきに梶川議員のご質問にお答えいたしましたとおり、「高齢者の特性を踏まえた保健事業ガイドライン」を踏まえ、 健診結果及び医療・介護レセプトの分析を行い、関係部署で協議しながら、高齢者の健康課題解決に向け、 対策を構築してまいります。 

【 再質問 】

〇野村淳一議員 

 次に、高齢者に関し、補聴器の問題についてです。 

 これは、先ほど梶川議員の質疑でもありました高齢者の皆さんが健康で暮らす健康寿命の話です。

 そのとき、フレイルの問題も含めてですが、高齢者の皆さんが社会参加をしながら元気で暮らしていく、このことが一番なのです。

 でも、耳が遠くなると、それがなかなか厳しくなりますし、外に出ることが面倒になってしまうのですよ。それは、話が合わないし、できないからです。 

 つまり、これは、長い目で見たら、フレイル予防につながるし、高齢者の社会参加につながるのです。 

 北見市では、先ほど市長が答弁したように、5件ぐらいなのです。予算は何ぼだと思いますか。40万円か 50万円なのです。長い目で見たらフレイル予防に極めて有効だと思いますよ。さらには、この高齢化社会での高齢者の社会参加にもです。 

 北見市は、40デシベル以上という基準を決めています。それに医者の診断書も必要です。障がい者は70デ シベル以上です。でも、この中間が問題なのです。 これはすごくいい仕組みだと思うので、ぜひ前向きに検討していただきたいのですが、どうですか、前向 きなご答弁をいただけませんか。 

○飯田欣也・介護保険課長

 お答えいたします。 

 補聴器についてですけれども、やはり、先ほど市長の答弁にもありましたとおり、なかなか自覚していただくのが難しいというようなことがあります。

 それに、日本は欧米諸国と比べてそもそもの補聴器の装着率が違い、欧米諸国が40%から30%というような高い割合である一方、日本は十四、五%というようなことがあります。

 つまり、国として高齢者の方が補聴器をつけることの啓蒙が足りていないのかなというような気もしてございます。 

 しかし、初期の認知症の症状ということもありますので、そういった認識のもと、国に進めていただきたいと考えておりまして、そうしたことが国全体に広がってこそ意義も出てくると思っています。 積極的な答弁にはなっておりませんけれども、そういうふうに進んでいけばいいかなと思っています。 

○野村淳一議員

 国の政策でもあるということは十分承知をしています。でも、国がなかなか動かないから、幾つもの自治体で行っており、全国的に広がってきているので、保健やお年寄りの介護予防も含めて、 聞こえの問題は非常に重要ですので、ぜひこれからも研究していただきたいと思います。 

誰もが安心できる公営住宅を~2020年第1回定例市議会一般質問①

南ケ丘団地


〇野村淳一議員
 
 最初に、公営住宅について質問いたします。  

 言うまでもなく、公営住宅は住宅のセーフティーネットの根幹です。

 国、自治体は、公営住宅法第1条で示されているように、住宅に困窮する低所得者に対して、健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備する責任を負っています。 

 そこで、紋別市における公営住宅政策について、以下、4点お聞きします。 

 第1は、公営住宅の長寿命化計画についてです。 

 紋別市は、平成27年に公営住宅等長寿命化計画を策定しています。その計画のもと、まちなか公住の建設や旭ヶ丘団地の整備などが進められてきました。この長寿命化計画も、前期の5年間が終了し、令和2年度 から後期の5年間を迎えることになります。

 そこには、今後、落石1丁目団地の個別改善、南ヶ丘団地の全面的改善、落石5丁目団地の修繕計画がそれぞれ明記されています。 

 そこで、これら各団地の改善計画についてどのように進められるのか、それぞれ具体化の方向をお聞きします。  また、まちなか団地の3号棟目の建設についての見通しもあわせてお聞きします。  

 二つ目には、連帯保証人の扱いについてです。 

 国土交通省は、平成30年3月、公営住宅に係る連帯保証人について、次のような通知を出しています。

 住宅に困窮する低額所得者への住宅提供という公営住宅の目的を踏まえると、保証人を確保できないために入居できないといった事態を生じないようにしていくことが必要であり、保証人の確保を公営住宅の入居に際しての前提とすることから転換すべきであると考えるとしたものです。 

 当時に、民法の改正により、今年4月1日から新たに保証人に対して責任負う上限額を明示する極度額を定めなければ、その効力が生じなくなるといった状況となります。 

 それらを勘案し、公営住宅の連帯保証人制度を廃止する動きが、北海道を初め、苫小牧市や釧路市、恵庭市など、幾つかの自治体で生まれています。  

 連帯保証人を確保できない高齢者がふえる状況の中で、公営住宅がセーフティーネットとして本来の役割を果たせるよう、紋別市においても保証人制度の廃止を検討すべきと考えますが、いかがお考えか、お尋ねします。  

 また、現在の公営住宅条例でも、高齢などにより保証人を免除できる条項がありますが、その件数はどれほどか、お知らせください。  

 三つ目には、家賃の減免制度についてです。  

 入居者の収入が著しく低額である場合、その基準に基づいて家賃を軽減する減免制度があります。 

 そこでまず、現在の減免制度の件数をお聞きします。 

 この数年を見ると、平成27年度は237件、約24%の減免率だったものが、平成30年度では194件、約 20%と、この4年間でも大きく減少しています。

 その主な理由についてはどのようにお考えなのか、お聞き いたします。 

 四つ目には、公営住宅における灯油価格についてです。 

 南ヶ丘団地の7棟及びまちなか幸団地、まちなかメモリアル団地では、一旦、灯油が大型タンクに給油され、ここから各戸に供給される仕組みになっています。

 したがって、入居者は個別に業者を選ぶことができず、一律の料金となっているのです。 

 そこでお聞きします。 ここでの灯油価格はどのように決められているのでしょうか。また、その価格に対し、紋別市はどのような認識をお持ちでしょうか、それぞれお尋ねします。 

〇宮川良一紋別市長

 初めに、公営住宅についてであります。  

 1点目の公営住宅の長寿命化計画につきましては、計画的に住宅政策や公営住宅の整備、活用を進めるため、平成27年3月に策定し、公営住宅全体の整備プログラムや実施方針を示したものとなっており、計画期間は平成27年度から36年度までの10年間で、この計画は5年ごとに見直すこととされていることから、本年度に見直しを行っているところであります。 

 これにより、落石町1丁目団地につきましては、計画策定時、平成32年度から35年度で個別改善を行うこととしておりましたが、この団地の改修の必要性や改修事業等の平準化を図り、令和8年度から11年度の改修とすることで計画を見直し、南ヶ丘団地については、平成33年度より全面改善3棟、用途廃止2棟、維持管理2棟という計画でありましたが、平成30年度に改修に伴う移転先のアンケートを実施したところ、南ヶ丘団地に残りたいとした入居者が減少したことから、2棟については個別改善を行い、そのほかは用途廃止の方向で計画しております。  

 落石5丁目団地につきましては、計画策定時と変わらず、随時修繕を行いながら、引き続き維持管理をすることで計画しております。 

 まちなか団地3棟目の見通しにつきましては、計画策定時、平成30年度より建設することで計画しておりましたが、土地の選定について時間を要していることもあり、令和4年度から建設することで計画を見直し、建設候補地について、土地所有者と交渉を重ねているところであります。  

 2点目の連帯保証人制度の廃止につきましては、平成29年5月に民法の一部を改正する法律が制定され、 令和2年4月1日から施行されることに伴い、国や北海道、各自治体が保証人制度の存廃についての方向性を示しており、昨年11月末に北海道が行った調査では、自治体の約4割が保証人制度の継続、約1割が廃止、残りの約5割が未定という結果であり、本市においても、納付催告や電話連絡、緊急時の対応など、保証人への協力を依頼していることもあり、保証人制度については継続する方向で考えております。  

 なお、紋別市営住宅条例施行規則において、高齢であることなどにより連帯保証人の確保が困難であると認められる場合は連帯保証人免除申請により免除しているところであり、現在、11件が保証人免除となっております。 

 3点目の家賃の減免制度につきましては、令和2年2月末時点で、入居戸数896戸に対し、減免件数は177件と、約20%が該当となっており、平成27年度と平成30年度の減免率の比較では、件数で54件、割合で約4%減少しておりますが、その主な要因といたしましては、市営住宅全体の入居戸数と、収入区分のうち、減免の対象となる方が含まれる第1分位の戸数について、平成27年度は、入居戸数1,004戸に対し、第 1分位の戸数は805戸、構成割合については約80%、平成30年度は、入居戸数919戸に対し、第1分位の戸数は718戸、構成割合については約78%、第1分位の戸数で87戸、構成割合で約2%減少しております。  

 また、第1分位のうち、所得額から控除額を差し引いた後の収入基準額が0円となる戸数の構成割合についても、戸数で65戸、割合で約3%減少していることから、所得階層の変化が見受けられ、このことは、公営住宅の入居者のみならず、本市における個人市民税所得割額においても、平成27年度と平成30年度の1人当たりの所得額の比較で、給与所得が約16万4,000円増加し、年金についても約1万円増加したことで、全体の所得が上がっていることから、公営住宅の入居者の所得水準も上昇し、減免率は減少しているものと考 えております。 

 4点目の公営住宅の灯油価格についてですが、紋別地方石油業協同組合では、生活協同組合が発表する単価や市場での動向に鑑み、価格の変動にも対応しながら設定していると伺っております。

 しかし、その単価は市への納入単価と比較しても2.2円高くなっていることから、紋別市と同単価での供給について交渉してまいります。 

【 再質問 】

〇野村淳一議員

 ありがとうございました。 この間、ずっと議論がされてきまして、一般質問では私が8人目ということであります。  
 260億円を超える最大規模の予算編成です。その多くがふるさと納税に寄与するものが多いですし、ガリ ンコ号Ⅲの建造費も含まれています。

 市長の言葉をかりれば、積極的な予算編成、スピード感を持った予算編成だということになるのだろうと思います。 

 同時に、私は、このまちの一人一人の市民の暮らしをどう守るかということも重要だと思っています。

 特に、弱者と呼ばれる人たちの声をどう酌み取っていけるかは重要ですし、一人も取りこぼさない、一人も置き去りにしないという姿勢が重要だと思い、今回、質問を構成しましたし、その立場で再質問を行います。 

 最初に、公営住宅についてです。 公営住宅等長寿命化計画について、後期に当たって見直しが行われるということでした。

 また、今、南ヶ丘団地のことを言われたので、それを聞きます。 

 もともと、長寿命化計画では、1号棟と2号棟を廃止し、そして、5号棟から7号棟は、エレベーターの設置を含め、全面的改善ということでした。

 しかし、今のご答弁では、2棟を残し、ほかは撤去という話です。

 極めて大胆で大規模な見直しなのですが、そういうことなのでしょうか、もう一回改めて教えてくださ い。 

○檜山博克・都市建設課参事

 お答えします。 南ヶ丘団地につきましては、当初、そのような計画を立てていたのですけれども、平成30年度にアンケー トをとったとき、南ヶ丘団地に残りたいとする方が63戸ということで、2棟ぐらいでおさまってしまうことが判明しました。

 そこで計画を見直しまして、2棟のみ個別改善を行って、残りは用途廃止をするという計画でおります。 

○野村淳一議員

 その方々がどこへ行くのかということもあるのだろうと思いますが、それがまちなかの3棟目なのかはよくわかりません。

 でも、新しい見直しの計画が決定するということになるのですね。それでは、それを見て改めて取り上げるとして、今回はこの程度にしておきます。  

 次に、保証人の関係です。 紋別市としてはこのまま保証人の制度を継続していくというお話でした。

 しかし、道内では、1割の市町村で廃止、5割が未定ということです。 

 そこでお聞きします。 民法が改正されて、極度額を設定しなければならなくなりますけれども、これは公営住宅との関係ではどういう性格のものなのか、教えてください。

○檜山博克・都市建設課参事

 お答えします。 

 今までは保証人に対する保証金額については上限がなかったのですけれども、今回の民法の改正で上限を決めなさいということでありまして、今、公営住宅の場合、12カ月分の極度額を考えております。 

○野村淳一議員

 国土交通省も北海道も含めて、保証人を廃止するという動きが一つの流れになっているというふうに思うのです。

 例えば、低額の所得者が公営住宅に入居するわけですが、身寄りのないお年寄りの方が多く、保証人をつけるのが大変なのですよ。

 しかも、紋別市の保証人の条件は、市内に居住し、独立 の生計を営むとなっています。 例えば、息子が札幌市や東京都にいるとなったら、市内にいないから保証人になれないのです。これは、 なかなか厳しいのですよ。 

 住宅を本当に必要としている人に対して提供するのが公営住宅でありますが、その基本に立ち返って、保証人のあり方はどうなのだというのが国土交通省の提案でして、これは当然だというふうに思っています。 

 時代は保証人の廃止という方向に流れているというふうに私は思いますが、改めていかがですか。 

○檜山博克・都市建設課参事

 お答えします。 

 保証人の関係につきましては、答弁にもございましたとおり、私どもでは、納付催告など、納付の協力依頼といいますか、お願いしているということがありますので、今は保証人を継続していくことで考えており ます。 また、保証人のつけられない方については、先ほど答弁したとおり、規則の中に保証人の免除申請というものがありますので、そちらで対応していこうと考えております。 

○野村淳一議員

 私としては、保証人の配置を含め、ぜひ検討を続けていただきたいと思っております。 

 ただ、今、課長がおっしゃった規則第8条です。これで保証人がつけられない方は免除できるということですが、そうであれば、この規則をぜひ生かしてください。

 そうすることで、住宅を本当に必要としている人が、身寄りのないお年寄りが、保証人がいなくて入居できないということがないよう、ぜひ活用をしていただきたいことを要望しておきます。 

  次に、減免制度についてです。  

 今、市長からいろいろとありましたが、結論としては、入居している人の所得水準が上がっているのではないか、だから減っているのではないかということでしたが、にわかに信じられません。 

 それでは、減免というのはどういう性格のものですか。対象者やその範囲について、簡単でいいですから、教えてください。 

○檜山博克・都市建設課参事

 お答えします。 

 減免制度の基準についてですが、生活保護基準がありまして、それと見比べまして、100分の110以下であ れば5割減免、また、100分の110を超え120以下であれば3割減免、100分の120を超え130以下であれば1割減免という基準となっております。 

○野村淳一議員

 そういうことなのです。生活保護基準の1.1や1.2、1.3ということですね。 

 特に、減免というのは申請主義です。基本的には入居者がみずから申請しなければ、これを受けることができません。

 でも、普通の人は自分の収入が生活保護基準の1.1だとか1.2だとかはわからないでしょう。

 私は、そういうことが影響しているのではないかな、該当しているのに減免を受けられないでいる方がいるのではないかと危惧しています。 

 ですから、減免制度というものがあるよ、ひとり暮らしの場合はこの程度、2人なら何ぼ、4人の世帯ならこの程度の収入で減免になる可能性がある、ぜひ相談してくださいというようなことが必要ではないのかと思いますが、いかがですか。 

○檜山博克・都市建設課参事

 お答えします。 

 減免制度の周知についてですが、まず、入居時に説明するとともに、納付書発送時にも案内文を同封しております。

 また、前年度に減免を受けた方にも継続して文書を送っているのですけれども、その他の方につきましては、家賃なども含め、収入が下がったというようなことがありましたら、減免についてお話をさせていただいているところでございます。 以上です。 

○野村淳一議員

 公営住宅は、先ほども言ったように、低所得者の最後のセーフティーネットなのです。 

 それに、こういう制度があるのであれば、積極的に活用してください、教えてください、周知してください。  

 家賃の滞納は、場合によってはこういうことが原因になっているかもしれないのですよ。ですから、積極的にきちんと周知していただきたいと思いますが、いかがですか。 

○檜山博克・都市建設課参事

 お答えします。 

 今、議員がおっしゃったとおり、納付相談のほか、収入が下がったということが相談あり次第、減免制度について説明していきたいと思っております。 以上です。 

○野村淳一議員

 私は、具体的な金額も含めてやってほしいと言っているのですよ。それも含めて研究してください。

 そして、積極的にこの減免制度の活用を進めてください。とりあえず、きょうはこのぐらいにしておきます。  

 次に、灯油の問題です。 紋別市が納入している灯油の金額を調べてみたら、それよりも高かったのですよ。

 これはどうなのか、せめて市役所の納入金額と同じようにすべきでないかということを再質問として用意していたのですが、市長から、市の価格と同じになるよう交渉するというご答弁をいただきましたので、ぜひそうしてください。よ ろしくお願いします。