2020年1月16日木曜日

名寄「ここほっと」にホットして



 名寄市でもう一つ「ここほっと」にお邪魔しました。

 「ここほっと」は、名寄市社会福祉協議会が運営する多分野・多世代地域活動拠点とファミリーサポートセンターを併設した施設で、西條名寄店の一階に開設しています。

 実は昨年、紋別市でファミリーサポートセンターを突然廃止するとなったとき、この「ここほっと」に問い合わせし、いろいろとお話をうかがったのです。

 電話でしたが、その時の担当者が快く対応してくれて、「気持ちの良い人だな」と思っていました。

 そんなこともあり、顔を出させていただきました。

 そこにいた担当者のIさん。私のことを覚えていてくれました。

 施設の中には、子どものためのスペースがあり、子育てのサポートとして活用されているといいます。

 それ以上に驚いたのは、実に多彩な市民が入れ替わり立ち代わり次々訪れることです。

 ご婦人たちが「ふまねっと」の指導に出かけると打ち合わせをしていたり、買い物帰りにふらっと立ち寄ったり、奥のスペースでは障害をもたれた青年が一心に絵を描いていたり、まさに居場所になっているのです。

 ときには小学生が立ちよって宿題をしたりすることもあるそうです。

 午前中は、様々な心配事に対応する相談員も常駐しているそうです。 

 Iさんの気さくな笑顔もまた、人を引き付ける魅力があるように思いました。
 
 「居場所づくり」― この課題が大きくクローズアップされています。社会的孤立を防ぐ。気軽に、いつでも顔を出せる場所。心がホットできる場所。それが本当に必要だと思います。

 「ここほっと」は、そんな姿を見せてくれました。 



子どもの貧困問題を考える~義基祐正名寄市立大学講師に学ぶ


左が義基先生です

 昨年12月18日、名寄市立大学の義基祐正講師の研究室を訪ねました。

 義基氏は、名寄市立大学の保健福祉学部社会保育科の講師で、自らもスクールソーシャルワーカーとして活動してきた経験を持ち、子どもの貧困や保育労働など子どもにかかわる社会福祉の研究者です。

 これまでいくつか義基氏の論文を読んでいて、話を聞いてみたいと気になっていた人物でした。

 その義基氏が、なんと昨年名寄市立大学に着任したのです。そこでさっそくメールを送るとさっそく返事が…。

 というわけで、今回の訪問となったわけです。

 話はまさに多岐にわたりました。

 「不登校や貧困など、子どもの課題に寄り添うには、学校の先生だけでは無理があります。

 心の問題はスクールカウンセラーが、生活の問題はスクールソーシャルワーカーが、それぞれの専門性を生かして、一体となって支援することが大切です」と。

 「子どもの貧困対策には、当然経済的支援が必要ですが、それだけでは足りません。同時に居場所づくりが必要なのです。

 決して社会的に孤立させないこと、それが大切です」と。

 「貧困問題こそ社会福祉を考える土台です。

 子どもも高齢者も障害者も、ひとり親世帯も非正規労働者も、そこにあるのは格差の拡大と貧困の広がりです。

 そこにしっかり視点を置き福祉を考え、行動することが重要です」と。

 そのほかにも、児童虐待問題や発達障害への支援、そして不寛容と自己責任を押し付ける今の社会、それを推し進めるような安倍政権の福祉政策にまで話は及び、気が付けば2時間も経っていました。

 まだまだ聞きたいことはあったのですが、それは次回にということで、この日は終了…

 また一つ、貴重なつながりができました。

 子どもの置かれている現実は深刻です。自治体で何ができるか、それを考えるとため息も出てきます。でも、一つ一つできることを実践しないと、ますます息苦しい社会になってしまう。子どもたちの笑顔が輝く社会へ。しっかり学んで、あとはしっかり行動ですね。
 

 

2020年1月10日金曜日

後期高齢者医療広域連合議会で緊張の初質疑



 昨年の11月25日、後期高齢者医療広域連合議会が開催され、初めての質疑を行いました。

 平成30年度の決算認定に関する質疑です。とは言え、初めて見る決算書の数々。共産党の道委員会の援助も受け、緊張の登壇となりました。

 その時の模様を掲載した「ほっかい新報」(12月8日付)の記事を紹介します。

 『北海道後期高齢者広域連合議会は11月25日、議員構成が大幅に改選されるもとで開会され、新たに議員になった日本共産党の野村淳一・紋別市議、遠藤春子・比布町議が、連続する保険料の値上げの抑制策と検診率向上などを求めて質問。広域連合の姿勢をただし、2018年度決算認定に反対しました。

 保険料軽減の基金 積み増しが必要~
 75歳以上のお年寄りで構成される後期高齢者医療制度は導入から10年以上を経過。国庫負担を抑制する国の方針のもと、保険料は18年に引き上げられてきました。

 野村氏の質問に広域連合は、18年保険料改定で、一人当たり年間1579円(2.4%)増となり、影響額は11億円以上にのぼると答弁。

 さらに軽減特例の廃止による影響額は18億円になったことを明らかにしました。

 野村氏は、総額30億円もの負担増は、低年金などで苦しむ高齢者の生活を圧迫しているとして、「軽減特例の廃止は死活問題であり中止を国に申し入れるべき」「財政安定化基金の積み増しを道と協議すべき」と迫り、広域連合は「広域連合の協議会を通じて国に要請している」「積み増しも含めて協議したい」と答弁しました。』

 比布町の遠藤春子町議は、高齢者の健診率向上について質問しました。

 

 今度は予算議会が2月の25日に開催されます。保険料の値上げが予定されています。高齢者の窓口2割負担の動きもあり、ますます気を引き締めて望みたいと思っています。

 それにしても、まだ勝手がわからず緊張しますよ…

こどもへのフッ化物洗口実施に疑問~2019年第3回定例市議会一般質問⑤

〇野村淳一議員

 次に、子供の口腔ケアについて質問します。

 まず最初に、子供たちの虫歯の現状と対応についてお聞きします。

 成長期の子供たちの口と歯のケアは極めて重要です。食べること、話すことをはじめ、あらゆる機能の成長にとって不可欠だからです。

 そこでお聞きしますが、紋別の子供たちの虫歯の状況と推移についてお知らせください。課題があるとすれば、その内容と対応策についてもお聞きします。

 その上で子供たちの口腔ケアと虫歯の予防、そしてその
対策にとって、何が重要で、何が必要と考えるのか、見解をお尋ねします。

 2つ目に、フッ化物洗口についてお尋ねします。

 これはフッ化物を含んだ水でうがいをする行為ですが、小学校においてこれまで小規模校での実施のみでしたが、紋小、潮小、南小の大規模校でも集団フッ化物洗口を実施する方向だと聞いています。そこで、何点かお聞きします。

 まず、このフッ化物洗口の実施目的と、なぜ今実施校を拡大するのでしょうか。また、どのような薬剤を使い、どのような手順で行う予定なのか、それぞれお聞きします。

 フッ化物洗口の安全性と有効性については、実はさまざまな意見があります。それは当然教育委員会も承知していると考えます。

 もともと6歳以下の子供にフッ素化合物を使用すること自体、絶対やってはならない禁忌としたWHOの報告があります。

 さらに安全性に疑問があるとして薬害オンブズパーソン会議、日弁連、主婦連合会、日本消費者連盟などがフッ化物洗口の中止を求める意見書を国に提出しています。

 フッ化物を含んだうがい液の誤飲、うがい後のアレルギー反応、吐き気、よだれ、頭痛などの例も報告されています。
これらは到底無視できるものではありません。

 フッ化物洗口について、市教委はその安全性についてどのように認識し、どのように担保するお考えなのかお尋ねします。

 それらを踏まえ、保護者に対する説明はどのようにされるお考えなのでしょうか。

 フッ化物洗口を実施するに当たって、道の手引でもインフォームド・コンセントの必要性を述べています。これは正しい情報を得た上での同意とされるもので、きちんとした説明が義務づけされているものです。

 この場合の説明とは、行為の期待される効果、メリットだけでなく、それに伴う副作用、デメリットをも含めたものです。

 国際的にも国内的にも安全性、有効性への意見が分かれているもとで、このインフォームド・コンセントを誰がどの
ような内容で行い、どのような形で同意を得ようとしているのかお聞きするものです。

 ご存じのとおり、フッ化物洗口は医療行為です。したがって、歯科医師の指示、指導により薬剤師が調剤するべきものです。

 学校現場で実施するに当たり、責任は誰にあるとお考えなのかお尋ねします。

 学校歯科医、養護教諭及び学校長や教職員からの理解と合意はどうなのかお聞きします。

 私はこのことでまた一つ、教職員の責任と業務が増えることになり、多忙化に一層拍車がかかるのを懸念するものです。

 言うまでもなく、虫歯の予防は自己の管理であり、児童においては保護者の責任でもあります。歯科医のもとで医療行為として直接フッ素治療することは問題はありません。

 しかし、学校という場で集団で、半ば強制的に行う意味がどこにあるのでしょうか、しかも賛否が分かれる中でです。

 市内にも学校での集団のフッ化物洗口に疑問を感じ、中止を求めている保護者も少なくありません。札幌市、江別市、士別市、石狩市、小樽市などでは、少なくとも小学校でのフッ化物洗口は実施していません。

 虫歯の予防の基本は、食生活の見直しとブラッシングの励行です。それこそを教育の一環として積極的に取り入れるべきではありませんか。それこそが本道です。

 したがって、現段階での集団でのフッ化物洗口の実施を見送るよう求めるものですが、いかがでしょうか、お考えをお聞かせください。

 3つ目に、学校での歯科検診についてです。

 歯科検診の結果、さらに歯科医院で検診、治療が必要とされた児童生徒に対し、どのように対応し、その結果をどのように把握してるのか、お聞きするものです。

【 答弁 】

〇斉藤房生教育長

 次に、子供の口腔ケアについてであります。

 1点目の紋別の子供たちの虫歯の状況と推移につきましては、平成30年度の1人当たりの平均虫歯数は1歳6カ月健診の歯科健診の状況で虫歯保有の幼児はいなく、3歳児健診で1.2本、小学校の歯科検診では1年生0.09本、2年生0.12本、3年生0.46本、4年生0.85本、5年生1.58本、6年生1.63本、中学1年生1.97本、中学2年生2.11本、中学3年生2.86本となっております。

 虫歯の推移については、乳幼児健診の1歳6カ月健診で平成元年度は0.7本、平成11年度は0.4本、平成20年度は0.1本、3歳児健診で平成元年度は2.8本、平成11年度は2.2本、平成20年度は1.3本と、乳幼児期の平均虫歯数は徐々に減少しております。

 課題といたしましては、小学3年生ごろから徐々に平均虫歯数が増加していることと、治療率が3年生までは2割から3割程度で、4年生以上でも4割から5割程度にとどまっていることから、永久歯を失うことのないよう虫歯の重症化を予防することであります。

 虫歯予防と対策については、規則正しい食生活と口腔清掃が必須となり、食生活を見直して生活習慣を改善し、口腔内を清潔に保つよう家庭への虫歯予防に対する意識づくりと子供へのかかわりのほか、子供自身が虫歯予防を意識できるよう、学校はもとより家庭における環境整備が必要と言えます。

 2点目のフッ化物洗口の実施につきましては、フッ化物洗口は永久歯が生える4歳から15歳ごろまで続けることにより大きな効果が得られることから、小学校においてフッ化物洗口を実施することが効果的とされておりますことから、全校で実施することといたしました。

 薬剤と手順については、薬剤はオラブリス顆粒を水に希釈して使用いたします。希釈し、水で薄めたものは劇薬ではありませんが、顆粒の状態では劇薬扱いとなりますので、金庫など子供の手の届かないところに保管いたします。

 手順につきましては、年度当初保護者全員に希望調査を行い、希望者が実施することになります。回数は週1回行い、実施する曜日や時間帯は各学校で決定いたします。

 洗口液は、教育委員会または学校で希釈し、各学校、クラスへ配付することになります。紙コップ等によるうがいを約1分間させ、コップや水飲み場へ吐き出させて終了となります。

 安全性についての認識とどう担保するのかについては、WHO、厚生労働省、日本口腔衛生学会など、内外150以上の専門機関と保健団体に蓄積された科学的根拠に基づいてフッ化物利用の有効性と安全性を確認し、推奨しております。

 また、実施するに当たっては、学校歯科医師の指示書のもと、定められた手順に従い、適切な方法で行います。

 保護者に対する説明、インフォームド・コンセントを誰がどのような内容で行い、どのような形で同意を得ようとしているのかでありますが、導入年については虫歯の原因と予防、フッ化物を用いた虫歯予防等について説明会を実施いたします。

 新入学者へは就学時健診などで資料を配布、説明するとともに、年度当初保護者全員に希望調査を行い、希望者のみ実施することとしております。

 学校現場での責任者は学校長になりますが、学校の設置者である市の責任で対応いたします。

 学校歯科医、養護教諭及び学校長や教職員からの理解と合意については、学校歯科医を中心に学校長や教職員や養護教諭へは説明会を実施し、理解を得ており、教育委員会実施事業に対して協力のお願いをしております。

 集団でのフッ化物洗口の実施見送りについては、教育委員会では子供たちの虫歯の予防、歯の健康推進を図るためには、学校においてフッ化物洗口が有効と考えております。

 また、日ごろから家庭での歯磨きや適正な甘味摂取などの虫歯予防について習慣づけるよう保護者に対してもお願いするとともに、子供の歯と口の健康をその子供の将来にわたって守る手段の一つとしてフッ化物洗口が有効であることから、実施についてご理解を求めるものであります。

 3点目の学校での歯科検診につきましては、歯科検診結果につきましては各学校より保護者宛てに虫歯の状況が伝えられ、歯科受診の勧奨につなげております。

 また、受診結果につきましても、報告をいただき、把握しております。

【 再質問 】

〇野村淳一議員

 子供たちの口腔ケアの問題についてお聞きします。

 ご答弁いただきましたが、子供たちの虫歯の状況は年齢によっていろいろ差がありますが、流れとしては減っているんだなというのを実感しました。

 それは保護者の皆さんの意識の高まりとともに、皆さん方の歯科指導がやっぱり生かされているんだなというふうにも思っています。この傾向はこれからもぜひ続けていってほしいし、それが虫歯を予防する最大の私は力だと改めてそれを確信しました。

 フッ化物洗口についてです。

 使う薬剤はオラブリスだとお聞きしました。それで、教育長は劇薬扱いだと言って、管理は厳重にするとおっしゃいました。オラブリスというのは医療用医薬品ではありませんか、ちょっと確認させてください。

○浜屋武志学務課長

 薬剤で、そのとおりでございます。

○野村淳一議員

 そうなんです、医療用医薬品なんです。
 基本的に医療用医薬品を調剤できるの、これ顆粒なんですね、劇薬なんです。それを希釈して、薄めて洗口薬、いわゆるうがい薬にするんですね。これは調剤といいます。

 薬を調剤する。医療用医薬品を調剤できるのは、医師かあるいは薬剤師です。これはもう薬事法に定められているものです。これどうするんですか。

 それから、さっき希釈液を何か配付するような表現も一部ありました。ちょっとこれ希釈は、誰がどこでどうやるのか、もう一回教えてください。

○浜屋武志学務課長

 希釈の方法につきましては、現在小規模校については学校でやっていただいておりますが、大規模校については教育委員会のほうで行う予定でございます。

○野村淳一議員

 教育委員会のほうって誰ですか、教えてください。

○浜屋武志学務課長

 お答えいたします。
 学校歯科医師会の指示書に基づきまして、教育委員会の職員で行うこととしております。

○野村淳一議員

 ちょっと待ってください、教育委員会の職員ですか。いや、大丈夫ですか。これ法律に違反はしてないんですか、もう一回確認します。

○浜屋武志学務課長

 フッ化物洗口自体が今回医療行為かどうかということを言われてると思いますが、学校保健安全計画に位置づけられておりまして、学校における保健管理の一環として実施されるものという政府の見解がございます。

 学校で実施されるフッ化物洗口は医療行為に該当しないということでございます。法に抵触しないということでございます。

 ですので、歯科医師からの指示書に基づきまして、教育委員会の職員が実施するということでございます。

○野村淳一議員

 これ政府見解とか政府答弁がそうだということでしょう、これ。

 フッ化物洗口の希釈については、指示書に基づいて教員だとか、その他の人がやることは問題ないという政府答弁があるんですね、そういうことですよね。これどうも私よくわからないんですよ、これが。

 今言ったようにオラブリスそのものは劇薬扱いです。非常に危険なものです。それを希釈するというのは極めて重要な責任を負うものです。だから、医療用の医薬品は薬剤師がやると決まってるんですよ。

 ところがこのフッ化物洗口に限っては、政府答弁は先生でも職員でもいいというふうに、わざわざ政府答弁してるんですよ。

 逆じゃないんですか、これ。子供たちの安全や健康を守るためには、この医薬品の法律を厳守しなさい、そうやって子
供の健康、安全を確実に守りなさいというならまだしも、この希釈は先生でも素人でも職員でもやってもいいなんていう政府答弁が出てるんだもの、これ自体私は信じられないんですよ。

 だから、僕は紋別市は、そんな幾ら政府答弁がそう言ったからといっても、私たちは子供たちの安全、健康を守るために法律どおりにやります、薬剤師のもとで責任を持って希釈をさせますというぐらいやったほうがいいんじゃないですか、いかがです。

○浜屋武志学務課長

 同じ答弁になりますが、政府見解に基づきまして、紋別市の教育委員会としては対応していきたいということでございます。

○野村淳一議員

 いろんなことも考えられますから、わかりました。

 最後に、保護者に対するインフォームド・コンセントの徹底について、もう一回聞きます。

 私は質問でも述べましたが、メリットだけではなく、デメリットの問題もきちんと報告すべきだという話をして、その上できちんとした同意を得るべきだというふうに言いました。

 保護者への説明というのは今後どのようにされるつもりなのか、予定があれば教えてください。

○浜屋武志学務課長

 保護者への説明ということでございますが、実は本日夕方になりますけれども、紋別市内の保護者に向けましてフッ化物洗口の説明会を教育委員会主催で行う予定でございます。

○野村淳一議員

 最後になると思います。
 この保護者への説明ですよ。きょうだということですが、この目的は何かというと、子供たちの虫歯を予防することですよね、虫歯を増やさないことですよね。

 そうであれば、保護者の説明にぜひ私は保健センターの人たちも、保健師さんも来てもらって、子供の歯をどう守るか、虫歯をどう予防するか、歯の歯科保健の基本の基本をしっかり伝えるということが私は目的だと思ってるんです。

 それをやってこそ私は説明会だというふうに思ってますが、いかがお考えですか。

○浜屋武志学務課長

 今回保護者説明ということで行う、対象者は保護者になりますが、当然子供たちの歯科を守っていくということであれば、幼児期から大人までということになりますので、市全体で担当部署につきましても説明会には参加していただくようお願いしてまいりたいと思っております。



こどもの読書活動と学校図書館の充実を~2019年第3回定例市議会一般質問④

〇野村淳一議員

 次に、子供の読書活動について質問いたします。

 1つ目は、先ほども議論がありましたが、子どもの読書活動推進計画についてです。

 子供たちが気軽に本に親しみ、読書を通じて豊かな感性と想像力を培い、言葉の力、言語能力を高めることは考える能力、生きる力を養うことにつながるものです。

 相手の言葉を理解し、自分の気持ちを言葉で伝える、この基本的な力が今ほど子供たちに必要なときはないと考えます。この言語能力の向上なしに、いわゆる学力向上は望めません。

 その土台ともなる子どもの読書活動の推進事業は重要で、しかも緊急な課題となっているのです。改めて子供たちの読書活動の意義について、またその取組状況と推進に向けた方向性についてお聞きします。

 その点で3月の予算委員会でも指摘しましたが、第4次の紋別市子どもの読書活動推進計画がいまだ策定されていないのは極めて遺憾です。なぜおくれているのか、その理由とともに今後の対応策をお尋ねします。

 2つ目に、学校図書館の充実と学校司書の整備についてお尋ねします。

 まず第1に、その重要な拠点となる学校図書館の持つ役割とは何なのか、そしてその役割を果たしているのかどうか、まず現状としての認識をお聞かせください。

 2つには、学校図書館の整備についてですが、まず整備すべき蔵書の標準、いわゆる図書標準について、その達成率はどのような状況なのかお聞きするとともに、その達成に向けた取り組みと見通しをお尋ねします。

 それと関連しますが、国は学校図書館図書整備5か年計画を策定し、そのための財源を地方交付税に措置していますが、その取り扱いを含め、現状についてお聞かせください。

 また、その図書整備5か年計画には新聞の配備予算も含まれていると思いますが、これもその活用を含め、現状についてお尋ねします。

 3つには、学校図書館の充実とともにそれを活用するための体制の整備についてです。

 現在巡回の学校司書が2名配置されています。まず、現在配置されている学校司書の役割とその評価についてお聞きします。

 学校図書館を生かすためにも、司書教諭をはじめとした学校との連携強化とともに、日常的に子供たちと触れ合い、図書業務を行う学校司書の役割は決定的だと思います。全校での学校司書の配置を目指すべきと考えますが、いかがでしょうか、お考えをお聞かせください。

【 答弁 】

○斉藤房生教育長

 それでは、野村議員のご質問にお答えいたします。

 初めに、子供の読書活動についてであります。

 1点目の読書活動推進計画につきましては、子供の読書活動の意義は、言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身につけていく上で欠くことのできないものであり、社会全体で積極的にそのための環境の整備を推進していくことは重要であると考えております。

 現在の取組状況については、読書活動は子供の発達段階に応じて、あらゆる機会と場所において自主的に行うことができるよう環境を整えていかなければならないとの考えから、乳幼児期から家庭、学校等において子供たちが多くの本に触れられる環境をつくるため、ブックスタート事業や配本事業を行い、それらの本が読み聞かせや朝読書に利用されております。

 推進に向けた方向性については、子供が読書に親しみ、習慣づけるためには、子供の発達段階に応じた取り組みを行っていく必要があり、家庭、地域、学校が協力して推進することが重要であると考えております。

 第4次計画がいまだ策定されていない理由と今後の対応策につきましては、さきに橘議員のご質問にお答えしたことでご理解願います。計画策定がおくれておりますことを改めておわびを申し上げます。

(橘議員への答弁 ~ 計画のおくれの原因と現状につきましては、策定作業は昨年8月に紋別市立図書館協議会におい
て第3次計画の総括と国や北海道の計画の内容を議論してまいりましたが、学校等の関係機関へのアンケートを実施し、集計作業を終えたところであります。現在はその結果の分析と関連する項目への反映作業、文言のチェック等を行っているところですが、その間、新規事業の導入などが重なり、策定がおくれたことをおわび申し上げます。策定の見通しにつきましては、9月中に計画案の審議、その後、パブリックコメントの実施、教育委員会の議決を経て、年内の策定を予定しております。)

 2点目の学校図書館の充実と学校図書館司書の配置につきましては、学校図書館には児童生徒が豊かな心を育めるよう自由な読書活動を行う場としての役割と、教科等の資料の収集など、学習活動を支援する場としての役割がありますが、蔵書数の不足や学校図書館の開館日が限られている点において改善の余地があるものと認識しております。

 蔵書の達成率及び達成に向けた取り組みと見通しについては、文部科学省で定めている学校図書標準に対する当市の達成率は平成30年度末で紋別小学校77.4%、潮見小学54.5%、南丘小学校75.3%、小向小学校79.4%、渚滑小学校70.6%、上渚滑小学校82.6%、紋別中学校67.4%、潮見中学48.0%、渚滑中学校51.1%となっております。

 このうち達成率が低い学校は、出版から年数が経過している図書を廃棄したものであり、不足している図書については市立図書館の学校ぶっくる便の利用や、授業等で必要な図書を巡回司書が選書し貸し出しすることで、支障のないよう取り組んでおります。

 平成30年度から学校図書館整備事業により標準図書の入れ替えや不足図書の整備を重点的に行っており、達成率向上のため、計画的に図書の整備を図っていきたいと考えております。

 地方交付税の財源措置については、学校図書館図書、新聞配備経費、いずれも財源措置されているものの十分な財源措置となっておりませんので、市単費により本事業を実施しております。

 学校司書の役割と評価については、学校図書館の運営の改善及び向上を図り、児童生徒及び教員による学校図書館利用の一層の促進に資するため、学校図書館の職務に従事する職員として学校図書館法で定められております。

 3点目の巡回の学校図書館司書につきましては、学校図書館巡回司書は司書教諭または学校図書館担当者と協力し、図書資料の選定、受け入れ、廃棄などの環境整備や図書だより、本の紹介、学校図書館の利用法指導など市立図書館と連携しての図書資料の提供などを行っており、各学校からは読書活動が活発になったと評価を受けております。

 全校での学校司書の配置を目指すことについては、昨年から2年間、文部科学省の委託事業を受け、学校図書館の利活用に係る調査研究事業を行っており、学校図書館の機能を発揮させるために、学校司書の役割や効果的な活用方法などについて議論しております。

 各学校への学校司書配置については、この事業における協議を踏まえて配置増員に向け、引き続き検討してまいります。

【 再質問 】

〇野村淳一議員

 図書活動について、先ほどの推進計画についてはいろいろ質疑ありましたので、これはわかりましたし、遺憾ではありますが、直ちに整備していただきたいと思います。

 学校図書館です。学校図書館は、図書、学習、情報の場にとどまらず、私は心の居場所という状況もあるのかなと思っています。

 なかなか教室に入れない子供たちにとって、今図書館登校などという言葉も生まれています。あるいは知的好奇心のたまり場でもあります。あるいは教員とは違う学校司書との触れ合いなどもあります。そういう意味では非常に多様な役割を担っている学校図書館だと思っています。

 その意味では常時開放されてるのが一番ベストですが、今現状、学校図書館はどんな状況になっているんですか、教えてください。

○志子田悟博物館長兼図書館長

 現在の学校図書館の開館状況なんですが、学校によってそれぞれ差があるんですが、例えば朝、昼、休みの時間など開館してるというところもあれば、常時開館、または都合によって週に1回というような形で、ばらつきが今ある状態でございます。

○野村淳一議員

 そうなんですね、学校によって随分と違うんですよ。例えば大規模校だって、巡回の人が来るのは週に1回ですよね。

 そのときは常時あいてたって、いないときは休み時間にちらっと放課後にあくぐらいなもので、今私が言ったような役割は到底担えないなと思っています。

 その意味で私は学校司書の配置というのは極めて重要だと思っていますが、先ほどご答弁の中で教育長は増員に向けて検討するという方向を示されました。

 非常に私、積極的な答弁だと思っていますが、もっと具体的に教えてください。少なくとも私は大規模校には専任の学校司書の配置が直ちに必要だというふうに思いますが、いかがですか。

○浜屋武志学務課長

 お答えいたします。
 大規模校への配置ということでございますけれども、まず今、今年ですね、昨年からやっております学校図書館利活用調査研究事業を行っております。

 その中で学校司書を招いて公開研究会も9月末日に開催を予定しております。そうした中で学校司書となりますと、その資格ですとか、そういった役割等も必要になってきます。

 ですので、大規模校で言いますと市内4校ということを言われてると思いますが、そういった人材の確保ですとか、そういった学校司書になっていただく人の役割ですか、そういったところも整理しながら、市内の4校配置に向けて検討していきたいというところでございます。

○野村淳一議員

 もちろん無資格ということではないほうが一番いいわけで、今課長がおっしゃったように、非常に前向きに、そしてスピード感を持って、これぜひ取り組んでいただきたいと思います。



2020年1月8日水曜日

待ったなしの『合葬墓』建設~2019年第3回定例市議会一般質問③

〇野村淳一議員

 次に、合葬墓の整備についてお尋ねします。

 私はこの間、繰り返し合葬墓の整備を求めてきましたし、他の議員からも提案がなされてきました。紋別市としても一つの選択肢として合葬墓整備が浮上していたと思います。

 それが昨年の12月の議会で、民間の合葬墓があるので公的合葬墓については慎重に対応すると述べられました。

 その中でも私は紋別市民のお墓としての公設の合葬墓の必要性を訴えました。その後も私のもとに多くの市民から公設の合葬墓の整備を求める要望をいただきました。

 紋別市は供養という意識が薄れるとも述べましたが、要望をいただいた中には、その場所に桜の木があり、ちょっとした公園のようで、みんなが、家族が、市民が集えるような合葬墓があればと語ってくれたご婦人たちもいました。

 多くの方は亡くなった方への思いをかみしめています。合
葬墓の整備は今や時代の要請でもあります。その後の検討とあわせ、市民のお墓として公設の合葬墓の整備を重ねて求めるものですが、紋別市の見解と対応をお聞きするものです。

【 答弁 】

〇宮川良一市長

 次に、合葬墓の整備についてであります。

 さきの平成30年第4回定例会で議員のご質問にお答えいたしましたとおり、宗派などの制約がなく、経済的な負担も少ない民間の合葬墓があることから、公設合葬墓については整備を見送っているところであります。

 合葬墓を公設で整備することにつきましては、少なくとも本市では意見が分かれるところであることから、両方のご意見とも尊重すべきと考えておりますので、今後とも慎重に対応してまいります。

【 再質問 】

〇野村淳一議員

 合葬墓ですが、これも同じなんですよ。残念です。

 公設の合葬墓については意見が分かれた、慎重な対応が必要だというふうに言っていますが、どうなんでしょう、ぜひ市民の皆さんの声を聞いてほしいと思うんです。

 これ富良野市ですが、平成29年に市民的なニーズが高まってるもとで市民アンケートなどを実施しています。

 そのようなこと、何か実施するとか、そのような計画は何かありませんか。

○清水博昭環境生活課長

 今富良野市のアンケートの問題とかありましたけれども、この問題に関しては合葬墓ということで、公設の合葬墓につきましてはここ数年来、非常に設置事例が増えたと。

 以前から20年、30年前から先進的な都市でやっておりますけども、少なくとも公設合葬墓、民間を除きまして、これ
についてはまだまだ公共については浅い歴史があるかなと思います。

 そういった意味で答弁書のほうにも書かせてもらったとおり、両方の意見、要するに遺骨への尊厳という、まずこれは仏教会さんの意見ですけども、そういった部分であるとか、市民の方の強い要望、これについても各議員から私のほうに伝わってきます。

 これどっちのお考えも、私としては紋別市が間違えてるというふうには考えておりませんので、そういった状況なので慎重に判断したいと。

 そういった中でアンケートという部分もあるんでしょうけども、アンケートにつきましては、これは非常に興味のある方は記載なさるんでしょうけども、アンケートをとっても余り無関心な方には伝わっていかない、あるいは若い方に関してはまだまだ先の問題ということでなかなか伝わっていかないなど、とり方にもよるんでしょうけども、現在のところアンケートを実施する考え方についてはございません。

○野村淳一

 それならどうするんですか。慎重に対応するという答弁で終わってるんですが、どうするんですか。

○清水博昭環境生活課長

 これは去年の第4回定例会の繰り返しになりますけども、民間のほうに墓地の経営許可ということで合葬墓をやっております。

 墓地埋葬法の経営許可につきましては、当然のことながら
基本的に宗教法人など永続性のある団体ということで、公共のほうとしては埋蔵施設、あるいは埋葬施設が現在の墓地需給状況に見合ってるかどうか、あるいは国民の宗教的な感情を見合わせまして設置許可というものを出すような格好になってございます。

 現在のところ民間でやってるものについて、もう当然のことながら十分な審査、永続性でありますとか経営上の問題点、あらゆる問題をクリアしてますことを紋別市については、繰り返しになりますけども、合葬墓について言えば需給状況については逼迫してないということで、そういう意味で整備は見送ってるような状況にございます。

○野村淳一議員

 いろんな話になるんでしょうけども、ただ現実問題としては、相当やっぱり市民的には要望もありますし、それから強い願いもあります。この問題はまた改めて機会があればと思います。



コムケ湖をラムサール条約に登録を~2019年第3回定例市議会一般質問②

コムケ湖

〇野村淳一議員

 次に、自然環境の保全に関して質問します。

 1つは、コムケ湖のラムサール条約登録についてです。

 この問題は、昨年の第2回定例会でコムケ湖のラムサール条約登録を進める立場から紋別市の取り組みについて質問いたしました。

 その際、宮川市長は利害関係者の考え方に隔たりがあることから手続を進めるのは難しい現状にあると答弁されました。

 しかし、少なくとも平成25年度までは市政執行方針の中で、コムケ湖のラムサール条約登録については次期締約国会議に向け、産業や観光など地域活性化に結びつけるワイズ
ユースの視点に立ち、地域総意の取り組みになるよう努めると極めて前向きな姿勢を示していたと考えます。

 まず、この考え方は今でも変わらないのかどうか、市長のお考えをお聞きします。

 現段階では利害関係者の考え方に隔たりがあるということでしたが、その主な内容は何なのか、お聞きします。

 考えられるのはラムサール条約の登録によって、漁業、農業における新たな規制が発生するのではないか、事業に支障が出るのではないかという懸念だと思います。

 そこでお聞きしますが、ラムサール条約の登録によってコムケ湖に何か新たな規制がかかるのかどうか、紋別市ではどのように理解されているのかをお示しください。

 市長は、さきの答弁で厳しい現状にあるとしつつも、引き続き関係団体の意見を伺っていくとしました。その後の動きと取組状況についてお聞きします。

 コムケ湖の持っている国際的な規模での潜在的価値は述べるまでもありません。

 ヘラシギなどの絶滅危惧種といわれる鳥類の観察や、オジロワシ、タンチョウの繁殖、常時1,000羽を超えるオオハクチョウの飛来など、コムケ湖の自然環境は極めて貴重であり、国際的にも重要です。

 さらに、サンゴソウなど貴重な海浜植物群も存在しています。ラムサール条約の登録条件は完全に満たしているのです。

 ラムサール条約を登録したからといって、何かが大きく変わるわけではないでしょう。しかし、その登録によってコムケ湖は世界的に認知され、世界的な存在になるのです。

 ラムサールの名は産業や観光など、あらゆる地域活性化に結びつけることも大いに期待できます。そして、紋別市の新しい誇りともなるでしょう。

 文字どおりコムケ湖を賢く活用するワイズユースの視点に立ち、ラムサール条約の登録に向けた地域総意の取り組みを進めるよう重ねて求めるものですが、いかがお考えかお尋ねします。

 2つには、自然環境の保全と環境調査についてです。
 平成25年度に策定された紋別市環境基本計画には、紋別市の責務としてコムケ湖やオムサロ原生花園などの貴重な生態系を維持するため、自然環境や景観保持に努めると明記しています。

 この内容は当然今も生きています。コムケ湖やオムサロ原生花園の環境や景観保持について、どのような取り組みを行っているのかお尋ねします。

 私は昨年の6月議会で、紋別市の豊かな自然環境を保全するためにも本格的な環境調査と体制づくりが必要ではないかと指摘しました。

 その際、市の答弁は、所管する部署について今後に向けて検討するというものでした。その後、どのような検討がなされ、どのような体制となったのかお知らせください。

 オホーツクの流氷と自然を守る寄附金には、森林、湖沼、河川等の環境保全、啓発等に関する事業という寄附項目があります。その項目に対しても多くの方から寄附が寄せられています。

 コムケ湖とオムサロ原生花園は、まさに湖沼、河川、そのものであり、その保全に期待を寄せ、寄附する方も少なくないでしょう。

 この寄附事業がコムケ湖やオムサロ原生花園の環境保全事業にどのように活用されているのかお聞きします。

【 答弁 】

〇宮川良一市長

 次に、自然環境の保全についてであります。

 1点目のコムケ湖のラムサール条約登録に係る市の考え方につきましては、平成30年第2回定例会において議員のご質問にお答えいたしましたとおり、条約の登録に向けては地元の利害関係者の合意形成が大前提でありますが、各関係団体や関係者の方々の考え方に隔たりが見られるなど、直ちに条約登録に向けた手続を進めることは困難な状況にあり、引き続きご意見を伺っていく必要があると考えております。

 考え方の隔たりにかかわる主な内容としては、条約登録に伴う規制の強化や生業への影響に対する懸念、条約登録によって生じる効果やその必要性についての見解の相違などであります。

 条約登録による新たな規制の有無につきましては、現在コムケ湖を含む周辺地域は北海道による鳥獣保護区の指定を受けておりますが、条約登録を目指すためには国による鳥獣保護区への指定変更及び鳥獣保護区内における特別保護地区の
設定が必要となります。

 これらの指定に伴い、特別保護地区において工作物の新設や漁場造成等を行う場合には、その規模等に応じて新たに環境省に対する許可申請が必要となるなどの新たな規制が生じることとなります。

 市の取組状況につきましては、改めてラムサール条約についての理解を深めることを目的に、先月オホーツク総合振興局の職員を講師として招き、条約の概要や登録までの流れ、規制の内容などについての勉強会を開催し、自然保護団体、産業団体、市職員など約30名が参加したところであります。

 今後に向けてはラムサール条約の登録には地域の合意形成が何よりも重要であり、そのためには関係団体相互における積極的な意見交換を行い、それぞれの立場の違いやコムケ湖の保全と有効活用に対する理解を深めることが不可欠であると考えております。

 市といたしましては、引き続き各団体や関係者の方々の意見の歩み寄りが図られるよう努めてまいります。

 2点目のコムケ湖における自然環境の保全の取り組みにつきましては、従前から行っている定期的な湖沼水質調査、巡回、観察活動、外来植物除去やごみ清掃等の環境保全業務の市民団体への委託、ごみ回収などの活動支援、環境整備に関する補助などを行っております。

 所管する部署の検討内容と体制につきましては、自然環境の保全は河川、湖沼の水質調査業務を担う環境生活課環境保全係が担当し、本年4月からはコムケ湖地域環境保全に関することを事務分掌に明記しております。

 コムケ湖やオムサロ原生花園の環境保全事業に対するオホーツクの流氷と自然を守る寄附金の活用状況につきましては、コムケ湖の水質調査に要する経費に継続的に活用させていただいております。

【 再質問 】

〇野村淳一議員

 次に、ラムサールについてお聞きします。

 答弁は前回と全く変わりませんでした。ちょっと残念です。

 もう一回、改めてお聞きしたいんです。紋別市の姿勢についてお聞きします。

 平成25年に紋別市環境基本計画というのが策定されました。これ環境基本条例ができて、それに基づいて環境基本計画が策定された。

 これは市民も含めた策定委員会がつくられて、当時会長は青田昌秋さんでした、オホーツク流氷科学センターの。

 非常にエネルギッシュに、そして非常にリーダーシップを発揮されて、環境基本計画ができた。私も二、三回、それに傍聴に行ったことを覚えています。

 その環境基本計画の中で、この自然環境の問題の項で、紋別市の責務としてこう書かれている。コムケ湖についてですよ。『関係各団体の理解協力のもと、ラムサール条約登録を推進します』って、これ述べています。

 明確にラムサール条約を推進するというのが、この基本計画の中身、これを市の責務として平成25年に策定しています。この計画はいまだ変わってませんよね、変わってるはずがないんですね。これが基本方針だということで確認した
いんですが、よろしいですか。

○清水博昭環境生活課長

 お答えいたします。
 環境基本計画におけるラムサール条約の議論につきましては、当時そういった議論がなされましたわけでございまして、その考え方については変わってません。

 今市長の答弁にもございましたとおり、関係者といいますか、利害関係者の方々もなかなかの意見の食い違い等があるということで、今後とも歩み寄るような形で進めていければということで取り組んでいる現状でございます。
以上でございます。

○野村淳一議員

 わかりました。じゃあラムサール条約を推進する立場に変わりはないということで確認をしたいと思います。

 じゃあ、それでどうするかという話になるんです、次にね。次の取り組む行動は。

 それで、先ほど市長の答弁があったんだけど、勉強会、説明会というのは道の職員が来てやられたと、ついこの間です。私も参加させていただきました。いろいろと説明がありました。一番懸念されるのは、ラムサール条約による新たな規制が起こるんではないかという話だと思います。

 確かにラムサール条約になると、国の特別保護地区に指定をされます。しかし、そこで開発というのは今の事業とは何も変わりありませんよ、そのことを確認されたと私は思ってます。

 新たな開発をしようとするときに規制されるのは何かとい
ったら、その鳥獣に対して重大な侵害のおそれがある場合に、これが許可されない可能性があるんです。それが国の特別保護地区の規定なんです、許可されないというのは。

 コムケ湖を全部埋めたりされるなんてそんなような話全然出てこないので、私は基本的には今のままで十分できるし、産業活動と自然保護関係は共存できると思っていますが、改めて認識を教えてください。
- 100 -
○副議長(鈴木敏弘君) 富樫企画調整課長。
○富樫豪志企画調整課

 お答えいたします。
特別保護地区の設定に伴いまして新たな規制が発生するということで、ただ場合によっては、内容によっては許可を要しないものもございます。これは野村議員ご承知のことでご質問されていると思います。

 ただ、規制が新たに発生するのではないかという懸念と生業へ対する懸念という部分が何かという部分は、例えば環境省のほうでかねてから幾度とともなくご説明をいただいておりますけれども、具体的な規制が発生するか、許可を要するかどうかの判断については、個別の具体的な案件が出てきた時点で個別に判断するという部分がこれまで環境省のほうから説明がされていると思います。

 この説明に対して、説明の内容は理解できても、それによって、では生業に対する懸念は払拭されたのかというと、団体によってはそういう理解がなされていないというところがございます。

 したがって、そういった部分で意見の隔たりもありますし、野村議員がおっしゃられるとおり、共存ができるのかもしれませんけれども、地域の合意形成というのが大前提になっている以上は、そのあたりの懸念が払拭されて、意見の歩み寄りを図るという部分が最も重要ではないのかなというふうに考えてございます。
以上でございます。

○野村淳一議員

 もちろん基本はそうです。やっぱり歩み寄って合意というのが前提です。これがなければ前に進むわけにいかない、これもそのとおりです。

 なので、ぜひ合意をとるように、私から見ればですよ。私から言えば、ぜひ合意をとれるように働きかけをしていただきたいと思うんですが、先ほど市長のご答弁にもあったように、歩み寄りに向けて働きかけをこれからもしていきたいというご答弁でした。何か具体的に考えられていること、検討されていることがあれば教えてください。

○富樫豪志企画調整課長
 
 お答えいたします。
 8月末にも野村議員もご出席のもとで勉強会を開催いたしました。その場でも考え方を、異なる考え方を現状ではお持ちになられている団体の方々もお集まりの上で勉強会を開催したんですけれども、そういった中でも意見の歩み寄りがあれば、なおよかったのかなというふうにも思います。

 今後も定期的に私のほうでも、団体のほうの意見を伺う機会があればぜひ伺っていきたいと思いますし、歩み寄りを図っていくためには、市だけではなくて団体の方々みずからがそういった姿勢を持ちながら意見交換を重ねるということも有効なのではないのかなというふうにも思ってございます。
以上でございます。

○野村淳一議員

 そういう取り組みをこれから地道にということだと思います。わかりました。

 私としては、これ実は2021年に第14回の締約国会議というのが開かれて、そこでラムサール条約の登録というのが世界的に出てくるんですね。

 できれば紋別のコムケ湖も、そこでラムサール条約に実に登録するということができれば一番いいかなと思うんです。そうなると、時間的にはあと一年しかないので、今がぎり
ぎりだということで、そういう取り組みをされてると思うんです。

 今言ったように、まだ時間の問題ではないので、それはそれで歩み寄っていく、もっと時間をかける必要があるのかな、私もそう思います。どちらにしても貴重なコムケの自然環境をどう保全するかということでは、これからもともに力を合わせていけるかなと思っております。よろしくお願いしたいと思います。