2022年10月20日木曜日

見事な落語でした~小向小学校学芸会

最後の稽古が終わって記念写真

「出来心」を演じる「コムケ亭小陸」こと渡邊陸君


「寿限無」を演じる「コムケ亭智楽」こと古屋智貴君
   


 10月5日、小向小学校の学芸会を迎えました。朝から、なんだか気もそぞろ。それもそのはず、二人の弟子?の初舞台が待っているのですから。

 教育委員会から落語の指導をとお願いされ、初めて子どもたちに会ったのが9月15日。それから4回、小向小学校に通い稽古をつけてきました。

 はじめは、言葉も声も出ない状況から、一つ一つ課題を見つけて、一つ一つクリアしながら、最後にはもう立派に噺をこなせるまでに成長しました。

 その前向きさには、こっちが感心させられました。

 学芸会の会場には保護者をはじめ、地元の人たちや「小向寿クラブ」の方々など約40人が集まりました。

 二人の晴れ舞台です。私も、わくわくドキドキです。

 陸君は、間抜けな泥棒の滑稽話「出来心」。そして、智貴君はおなじみ「寿限無」。

 二人とも、見事な出来でした。会場からも大きな笑いが起き、一安心です。

 きっと、私の稽古だけでなく、家でも一生懸命練習したんだろうな、と思います。

 私自身、貴重な経験になりました。そして、落語って楽しいものだな、とあらためて実感しました。

 子どもたちも、できなかったことが一つ一つできるようになり、演じる楽しさを感じているようでした。

 学芸会が終了し、最後に陸君、智貴君から学校で栽培した長ネギとピーマン、カボチャをプレゼントされました。

 なんだか、名残惜しい気分です。二人にとっても、楽しく忘れがたい経験になってくれたらと思います。


地元新聞にも大きく報道されました



 

 

2022年10月6日木曜日

議員研修で大いに学んで


 9月の28・29日で雄武町のオホーツク温泉ホテル日の出岬で一泊二日の議員研修を行いました。

 メンバーは、遠紋地区の共産党議員の4人。紋別の市議選も無事終わり、ご苦労さん会を兼ねての研修です。

 ここホテル日の出岬は、しんぶん赤旗にも広告を載せていただいており、今年1月に次いで2度目の利用となりました。

 前回1月の研修では「地方財政のいろは」を、今回は
「国保問題のいろは」について学びあいました。

 私が講師になって3時間。去年初当選した遠軽町の戸松町議を中心に、国保のそもそもから都道府県化の狙い、国保会計の予算書の読み方と分析の仕方、国保問題での議会質疑のポイントなど、きわめて実践的な内容で行いました。

 夜は、ホテル自慢の料理が並びます。



 少々、お酒も入って話に花が咲きます。温泉にも入って、久しぶりにゆっくりと。

 翌日は、雄武町の図書館の視察です。





 令和元年にオープンした図書館。桜井係長の案内で見学させていただきました。

 なかなかユニークな図書館です。図書館でもあり、博物館でもあり、美術館である。そんな楽しい空間は広がっています。

 「少しぐらいならおしゃべりしてもかまいません。コーヒーも自由に飲んでください」と桜井さん。

 テラスからはオホーツク海も望めました。

 たっぷりと、学び、味わい、語らい、そして視察の研修となりました。

 

「機雷殉難の塔」を訪ねて~湧別機雷爆破事故

機雷殉難の塔の碑文


機雷殉難の塔

塔の前の砂浜


 先日、湧別町の「機雷殉難の塔」を訪ねてきました。

 ここでかつて、言葉にもできないほどの大惨事が起こったことなど、まったく想像すらできない穏やかな浜風が吹いていました。

 この事件を知ったのは40年以上も前です。その時私は、紋別市で『モペット』というタウン誌を作っていました。

 1982年、8月号の特集記事、「紋別今昔~終戦記念特別企画」の取材の中で、貴重な写真と遭遇しました。

 それをもとに、「空前の大惨事、湧別機雷爆発事故~故 岸本増太郎氏の記録より」と題した特集記事を執筆しました。

 40年も前の文章ですが、その記事を紹介します。


『ここに2枚の古い写真がある。今からちょうど40年前の昭和17年5月26日、下湧別村(現湧別町)サロマ湖畔ポント浜で起こった機雷爆発事故の模様を知らせる貴重な写真である。

 この写真の持ち主である岸本哲也さん(贈答品店経営)の話によると、当時警防団員の一員として紋別から派遣された、父故増太郎氏が所有していたものだという。

 さらに、その写真の裏には、細かい文字でびっしりと当時の惨劇の様子が詳しく書かれている。

 その貴重な資料をもとに、死傷者二百数十名を出した湧別村機雷爆発事件について探ってみたい。

タウン誌「モペット」1982年8月号より


岸本増太郎氏の写真

 <昭和十七年五月二十六日午前十一時、下湧別市街を距る一里の海岸に漂着するなつめ型機械水雷二個のうち一個、今日爆破さすべく、これが見物人の取り締まり上警防団後援に出動。紋別より十名。>と、まず記録されている。

 その日から、約一週間前の5月19日、サロマ湖内に浮遊している機雷が発見され、続いてオホーツク海沖合で、漁師たちによって二個目の機雷が発見された。

 この知らせを受けた下湧別巡査部長派出所はもちろん、管轄の遠軽警察署は一気に色めき立った。

 戦時下とはいえ、オホーツクの一寒村に、戦争中だという緊迫した空気はまだなかった。

 それよりも、まず村の人たちは生きることに懸命だった。このような村にふってわいたような大事件に、うろたえるのも無理はなかった。

 二つの機雷は、下湧別市街から約4キロメートル離れたポント浜まで曳航し、これを点検した結果、まさに「なつめ型震動式機雷」と認められた。

 しかし、どこの国のものなのか、なぜこの地に漂着したのかは不明のままだった。

 いかに処理するか。遠軽署では議論が続けられた。その結果、二つの機雷はポント浜で爆破することとし、処理にあたっては国防訓練として位置づけ、実物処理の状況を関係者および一般に示して戦意高揚の絶好の機会とするため、いくつかの事項が決定された。

一、爆破は生田原鉱山の火薬専門家によってダイナマイトを使用。

一、警防団は湧別分団、芭露分団、上湧別分団を全員出動させる。

一、近隣町村の警防団には参加見学を認める。(準出動)

一、湧別をはじめ、近隣各町村に見学を勧める。(青年学校は見学必須)

一、見学者のため、鉄道・馬車の臨時便増発を要請。

 そして日時を、海軍記念日の前日、5月26日午後1時と決定した。

 こうして下湧別村に漂着した国籍不明の二つの機雷は、軍国主義の浸透のための舞台装置として利用されることになったのである。

 翌日から回覧板が町内会、隣組に回され、機雷漂着事件は一挙に村の話題となった。

 紋別町役場を通じて、紋別警防団にも通達が届けられた。

 増太郎さんの記録によると、その時紋別から出動したのは10名である。

 爆破当日ー。

 当時25歳だった岸本哲也さんは「その日は、とにかく暑い日だったですよ。フェーン現象というんでしょうか、むっとする暑さでした」と、40年前を振り返る。

 その暑さの中、地元下湧別をはじめ、近隣町村から警防団員、青年学校生徒、一般見学者など約一千名が現地に参集した。弁当、酒を持参の、まさにお祭り騒ぎだった。

 現場は一帯の草原で、付近に人家はなく、遠軽警察署長警部千葉豊指揮のもとに作業が開始された。

 爆発の瞬間を、増太郎さんはこう記録している。

<爆発は当日高温なりし為、現場(漂着)より約十八・九間をころがし、爆破の現場に至りたる時、突然大音響と共に破裂したるものなり>

『北海道警察史』によれば、

「二つの機雷は、当初五十メートルくらい離れたところに陸揚げしてあったが、一個を爆破する際その爆風・震動によって他の一個が誘導的に爆破するおそれがあったため、さらに約二十メートルずつ引き離す作業をしていたのである。機雷の一端にロープをしばりつけ、慎重な作業を進めて予定地まで移動することができた。しかし一方の機雷は、少し座りが悪く自然にころがるおそれがあったので、その位置を直すべく十七名が力を合わせてロープを引っ張ったのである。一瞬、機雷が爆発し大音響は付近の山々に反響した。煙が立ち去ったあとの現場には、直径十メートル、深さ三メートルの大穴があき、五〇メートル四方には死傷者二百数十名が折り重なっており、これらの悲鳴とうめき声でさながら地獄絵図を現出している。」

 まさに爆発は、不意の出来事だったのである。

 爆発の瞬間、紋別でも窓ガラスがビーンと鳴ったという。

 増太郎さんは、爆発直後の「地獄絵図」の模様を克明に書き残している。

<遠軽署管下警察署員、警防団員、一般見学者三百四・五十名現場付近の者寸秒の内に死す。

 自分は、爆破現場を去る事、実に十三間の個所にて立ち、望遠鏡にて見てありし為、突然の破裂に第一目鏡に破片を受け、直ちに伏せたるも身体の自由なるを知り、速に立ち上がり逃げるべく目を開けたる時、数十丈の高い土砂を巻き上げ居たり。同時に両足非常に痛しを覚ゆ。我ながら自らの活きて居るを知れり。初めて穴の現場付近迄近寄たるが、一人として生あるものなし。肉片の中よりうごめきあり、手足の動く者もいで、亦遠きに居たる人々の駆け寄たる人も見ありたり。>

 夏、一面に赤いハマナスが咲きみだれるこの砂浜に、その時血の赤い花が咲いたのである。

 増太郎さんはその時、股間に傷をうけた。そして、胸ポケットに小指大の機雷の破片があるのに気がついた。

 たまたま胸ポケットに入れていた財布の金の留め金にあたったものである。まさに、九死に一生を得たのであった。

 この事件は、紋別にもすぐに伝えられ、大さわぎになった。

 岸本哲也さんは、当然父も死んだものと覚悟を決めていたと言う。

 夕方、哲也さんはポンプ車から降りてくる父増太郎さんの姿を見つけた。「びっくりしましたよ。生きているんですから」思わず涙がにじんだという。

 この大惨事は、ほとんど報道されることはなかった。事件の翌日、海軍記念日の「小樽新聞」(道新の前身)には、わずか二段の小さな記事で

『遠軽署長以下七五名即死ー「漂着機雷」爆破の惨事』として報道されたのみである。

 再び、増太郎さんの記録をみよう。

<六月五日、下湧別小学校に於て合同葬儀施行。位牌百七個、道庁長官外道内各官公職参列。戦時災害法に依り遺族を取り扱い、重軽傷者にはそれぞれ町村より手当見舞す。自分にも二十円也役場より見舞金下附ありしが、其他の見舞金と共に之を銃後後援会に寄付す。重症者は其の九割までは、其後に死亡せり>

 それから二十四年後、昭和四十一年一月、岸本増太郎さんは、これらの貴重な記録を残して亡くなった。享年七十六歳であった。

 事故の翌年、ポント浜の現場に慰霊碑がたてられ、終戦後湧別神社に移された。

 今は、ポント浜に群生していたハマナスはもうない。砂浜だけが延々と続くだけである。

 四十年前のある日、この砂浜に突然狂ったように「赤い花弁」が咲いたことも、もはや遠い記憶の中に残るのみである。

(協力/岸本哲也氏、市史編纂室、湧別町役場。参照/「網走市史」「湧別町史」「北海道警察史」「汝はサロマ湖にて戦士せり」(宇治芳雄・著)他)』

 

 現在、ポント浜に立っている「機雷殉難の塔」は、爆発より50年にあたり建立されたものです。

 私が訪れたときも、真新しい花束が手向けられていました。

 


 

2022年10月4日火曜日

私が落語の師匠に?!




 9月議会も終わった15日、小向小学校にお邪魔しました。実は私、重大な任務を受けての訪問なのです。

 なんと、落語の師匠というお役目を仰せつかったのです。

 この日、弟子となる小向小学校の児童二人に初めて会うことになっていました。

 話は6月にさかのぼります。市教育委員会生涯学習課からある相談を受けました。小向小学校の児童に落語を教えてほしいというのです。なんでも二人の児童は落語が大好きで、今年の学芸会に落語を発表したいというのです。

 そこで学校側から落語を教えられる人を紹介してほしいという依頼があり、そこで私に話が回ってきたというわけです。

 市では、学校地域支援事業という取り組みを進めています。子どもたちの知りたい・やってみたいに応え、地域の大人が先生になって授業するというもの。私への依頼も、この事業の一環というわけです。

 確かに落語は好きでたくさん見てきたし、少しは噺もできるけど、人に教えるとなると…。と、躊躇したものの、子どもたちが落語をやりたいと言っている、学芸会でみんなに見てほしいと言っている、と言われたら、ここは一つ、と引き受けることにしました。

 この日、初めて会った陸君と智貴君。少々緊張気味です。
早速、私が先生となって2時限の授業の開始です。

 1時限目は「落語のいろは」。落語の所作、落語の「オチ」、キャラクターの演じ分けなどを短く落語を織り交ぜながら楽しくお勉強。

 2時限目はいよいよ落語の実践です。二人ともすでに披露する落語を決めており、内容も入っているとのこと。簡単な高座を作り、出囃子も用意して寄席気分で演じてもらいました。

 もちろん、まだまだ稽古は必要ですが、二人のやる気には感心しました。時々先生方も笑いでも出て、演じる楽しさを感じてくれたと思います。

 私も久しぶりに高座に上がって、お手本風に落語の雰囲気を伝えました。

 「まずは元気にはきはきと。失敗しても気にしない。楽しくやろう。それが落語というものです」と、最後に話し、頑張ろうと約束しあいました。

 それからすでに3度の稽古を重ねています。発表会は15日。だんだんものに近づいています。子どもたちと一緒に、私も楽しんでいます。

 

「対道交渉」で医師派遣を訴える



  8月24日に実施された日本共産党北海道委員会と党道議団による「対道交渉2022」に参加し、市民の要望を訴えてきました。

 まずは広域紋別病院の医師確保についてです。常勤医は現在17名で、コロナ感染拡大のなか、懸命な医療活動を行っています。その医師の増員は、この地域全体の課題です。

 この対道交渉を前に、広域紋別病院にお邪魔し事務局長とも意見交換を行い、実情を把握したうえで臨みました。

 私は、西紋地域のセンター病院としての機能を果たすうえでも医師の確保は緊急な課題だ。道もこの地域を医師少数地域として規定している。としたうえで、特に地域枠医師の派遣について求めました。

 この地域枠の医師の誕生で、地方の医師不足は少しは解消するかと期待していたものの、西紋地域には一人の派遣もありません。

 道の担当者は、医師や医局の要望なども検討し派遣先を決めており、広域紋別病院にも可能性はある、との回答。

 「可能性ならどの病院だってある。地域の現状をよく理解してほしい」と再度要望しました。

 そのほかにも、道立紋別高等看護学院の移転新築にともなう道の安定的で持続医的な運営について。

 知床海難事故で明らかになった救助体制の問題にかかわって、ヘリを搭載できる大型巡視船の紋別港への配備について。

 など、しっかり発言し、訴えてきました。


 

「ダムカード」ゲットの旅


 市議選も終わり、一段落して妻と小旅行に出かけました。

 「ダムカード」というのをご存じでしょうか。それぞれのダムを紹介したカードで、基本的にそのダムに行かなければ手に入らないもので、それを収集しているマニアも数多くいます。

 ということで、今回の旅のテーマはにわか「ダムカード」マニアになってのダム巡りとなりました。

 最初に訪れたのは、沼田町にある「沼田ダム」。ダム手前にのほろしん温泉にある「炭鉱資料館」にお邪魔して初めて知りました。この町にかつて炭鉱がいくつもあり、にぎわっていたこと。その一つが今、ダム湖の下に沈んでいること。

 ダム展望台から望むホロピリ湖。静かな湖面を見ていると、なんだかジーンとしてきます。

 次は、小平町にある「小平ダム」。1992年に完成したダムです。ここの特徴はなんといっても道内最長といわれる湖上橋です。橋が苦手な私には、少々緊張しながら通り抜けました。

 次に訪れたのは幌加内町の「雨竜ダム」。国内最大の人造湖・朱鞠内湖をつくったダムです。ここではダムカードだけではなく、もう一つ目的がありました。

 戦時下、ダム建設に従事し命を落とした「強制労働犠牲者」の歴史を知ることでした。当時、3000人に及ぶ朝鮮人労働者が強制的に動員され、過酷な労働環境のもと多くの犠牲者を出しました。近年でも、犠牲者の遺骨が多数出土し、その犠牲を悼み民族の和解と友好を願う取り組みが行われています。

 雪で倒壊した「笹の墓標」と呼ばれる資料館の再生事業も進んでいます。歴史を風化させず、未来につなげることの大切さを実感しました。

 最後は下川町の「サンルダム」。2019年に完成したばかりのダムです。

 このダムは私にとっても印象深いダムで、共産党として建設反対を訴えてきたダムです。その必要性も希薄であり、自然環境への影響も大きく、まさに巨大公共事業でしかないと。実際、当初530億円程度の工事費が600億円近くにまで膨張しました。その日のサンルダムは、静かにたたずんでいました。

 岩尾内ダムにも足を延ばしたかったのですが、さすがに疲れて断念。

 「ダムカード」ゲットの旅。意外と奥が深いことを知りました。はまるかもしれません。


 

2022年8月13日土曜日

市議選が終わりました

選挙結果を報じた「オホーツク民報」

政策ビラ(表)

政策ビラ(裏)




 報告が少々遅れましたが、7月31日投開票で、紋別市議選が終わりました。

 689票という得票で4位で当選を果たすことができました。

 最初は「前回より34票しか伸ばすことができなかった」と悔しさもあったのですが、全体の票を見てびっくりしました。

 なんと、現職候補15人のうち得票を伸ばしたのは私だけでした。

 そこには、投票率が過去最低、得票数も前回より2500票も減るという背景があります。

 その中にあっても得票数を増やすことができたこと、その意味は極めて大きいと感じています。

 今回の選挙戦は、私自身確かな手ごたえを感じていました。どなたと話しても、今の暮らしに不安を感じていること。政治は簡単に変わらないと思いながら、それでも少しでも良くしたいと願っていること。

 多くの方とその思いを共有することができ、どこでも話が弾みました。

 ですから今回の私の政策は、命とくらしを守ることを中心につくりました。具体的で、「そうだそうだ」「わかるわかる」と実感をもってもらえるようにと。

 今回はいままでになく数多くの事業所を訪問し、挨拶をさせていただきました。どこも快く受け入れてくれました。これも長年の議員活動で信頼を培ってきたおかげだと思っています。

 そして選挙中は、ひたすら街頭から政策を訴え続けました。どれだけ私の政策が市民に届くか。とにかく一人でも多くの市民に届けたい。名前の連呼だけでなく、私の思いを伝えたい。それで判断してほしい。それが選挙というものだと考えてきました。一日30か所近く辻々に立ち訴えてきました。

 そして、わざわざ家から出てきて、また家の中で、庭の手入れをしながら、道すがら、と様々な形で本当に多くの方に聞いていただきました。

 選挙後、こんなメールをいただきました。「当選おめでとうございます。私の友人は、先日街頭演説を聞いて感動したと言っていました。ほかにも涙した人がいました」と。

 うれしいメールです。演説の一回一回が勝負だと思って頑張ってきた甲斐がありました。

 そして、選挙での公約の実現も待ったなしです。また、忙しい日々が続きますが、応援ただいた皆さんの期待に応えるよう頑張らなければ、と決意しています。

 最後に、この戦いを支えてくれた党員、後援会の皆さんに心からの感謝とエールを送ります。

 


 

2022年5月24日火曜日

2022年第1回北海道後期高齢者医療広域連合議会 質疑より(2月18日)

 



○野村淳一議員 

 紋別市議会議員の野村淳一です。よろしくお願いいたします。 

 それでは、議案第3号北海道後期高齢者医療広域連合後期高齢者医療に関する条例の一部を改正する条例案及び議案第4号令和4年度北海道後期高齢者医療広域連合一般会計予 算、議案第5号令和4年度北海道後期高齢者医療広域連合後期高齢者医療会計予算、これら3議案について一括して質疑をさせていただきます。 

【最大限の保険料の引き下げこそ】

 まず最初に、令和4・5年度の保険料に関して何点かお尋ねいたします。 

 議案第3号及び議案第5号において、令和4・5年度の保険料を均等割で156 円引き下 げ、5万 1,892 円とし、その結果、1人当たりの保険料は 92 円引き下がり、9万 4,348 円、 0.1%引き下げる提案となっております。 

 保険料の引下げそのものは評価できるものですが、まず、この保険料引下げの提案に至った背景と理由についてお聞かせください。 

 今回の保険料引下げに当たっては、保険料上昇抑制策として240 億円の剰余金を活用するとしています。この剰余金 240 億円とはどのようなものなのか、その内容についてお聞 きするとともに、この240億円の根拠についてお聞きするものです。 

 令和2年度の医療会計決算では 542 億円の剰余金が発生し、その中から177 億円が運営安定化基金に積み立てられました。 

 そこでお伺いしますが、令和3年度の決算についてはどのような状況なのか、医療費の動向を含め、見通しをお聞かせください。

 特に剰余金はどの程度となる見通しなのか、さらに令和4年度予算に繰越金として計上されている 65 億円の内容と根拠についても併せ、お聞きします。 

 さらに、保険料上昇抑制財源とされている運営安定化基金についてですが、これは今回どのように活用されているのかお聞きするとともに、基金の現在高と併せ、令和4年度予算における運営安定化基金の収支の見通しについてもお知らせください。 

 次に、これまでも運営安定化基金と同様、保険料上昇抑制財源とされてきた財政安定化基金の活用については、どのようになっているのでしょうか、お知らせください。 

 さらに、財政安定化基金についてですが、令和4年度予算では、歳入としての道からの交付金も、歳出としての道への拠出金も、いずれも皆減、ゼロとなっています。これはどのような理由によるものなのかお聞きするとともに、財政安定化基金の現在高と、今後、道との協議を含めた方向性についてお尋ねするものです。 

 言うまでもなく、高齢者の置かれている経済的状況は深刻化しています。今回、保険料を引き下げたことは評価しつつも、その額は 92 円と僅かだと言わざるを得ず、後期高齢者 の大幅引下げの願いに応えたものとは言えません。 

 また、軽減特例の廃止により新たな負担増も生まれています。その下で、コロナ禍において図らずも受診控えを要因とした医療給付費の多額な剰余金の発生が継続しているのではないでしょうか。

 それらを活用すれば、保険料の一層の大幅引下げが可能となるのではないでしょうか。92 円の引下げにとどまらず、もっと引下げ額を広げることで、高齢者の願いに応えることができるのではないでしょうか。それらへの検討と努力はどのようになされてきたのか、その対応と認識をお尋ねするものです。 

【医療費窓口2割負担導入に反対を】

 大きな2つ目に、窓口負担2割導入についてお尋ねします。 

 後期高齢者の窓口負担を単身世帯で年収 200 万円以上、複数世帯では合計 320 万円以上の約 370 万人を対象に現行の1割から2割に引き上げることが、この 10 月1日から実施されようとしています。

 これは高齢者にとって極めて厳しい負担増であり、一層の受診抑制が懸念されます。 

 そこで、まず2割負担導入による影響について、その対象者数と負担増となる影響額についてお聞きするとともに、令和4年度予算における影響と対応についてお尋ねします。 

 一方、国は、2割負担導入の影響が大きいことを自覚した上で、緩和措置を講ずるとしています。しょせんこの緩和措置も3年間だけにすぎませんが、その内容と手続などについてもお伺いいたします。 

 日本高齢期運動連絡会が昨年3月に公表した調査によれば、2割負担になったら「通院回数を減らす」「受診科を減らす」などと答えた人が3割を超えています。日本医師会も、「後期高齢者は1人当たりの医療費が高いので、年収に対する患者一部負担の割合は既に十分に高い。患者一部負担金を引き上げることによって受診控えのおそれがある。また、たとえ受診したとしても、患者負担が重荷となり、必要な医療を遠慮される懸念がある」と指摘しています。 

 高齢者は今、消費税増税、物価高、灯油代の高騰、公的年金のさらなる引下げ、そしてコロナ禍の中で必死に闘っているのです。この現状にさらに追い打ちをかける2割負担の導入は、高齢者から必要な医療をますます遠ざける、文字どおり死活的な問題ではありませんか。

 2割負担の導入は、決して認められるものではありません。この実施は 10 月からであり、高齢者の命と健康を守る役割を担う広域連合として、せめて最後まで実施を見送るよう国に働きかけるべきと考えます。

 広域連合としての認識と対応をお尋ねするものです。 

【市町村保険料負担金の訂正について】

 3つ目に、市町村保険料負担金についてお尋ねします。 

 令和2年 11 月 20 日付けで広域連合から、各市町村後期高齢者医療担当課長宛てに1通の通知が出されています。

 これは「令和2年度市町村保険料負担金に係る歳出予算額の確保について」というタイトルで、次のように書かれています。

 「市町村保険料の算出方法について検証したところ、推計が過少であり、多くの市町村において当方に支出いただく市町村保険料負担金の歳出予算枠が不足するおそれがあることが判明いたしました。誠に申し訳ございません」とした上で、「補正などにより必要な予算枠を確保していただきた い」と、各市町村ごとに具体的な金額を提示しています。 

 これにより、私の町、紋別市でも補正予算を組んで急きょ対応するという状況になりました。まさに市町村は戸惑い、混乱したと言っていいのです。 

 これは一体どういうことなのか、このいきさつと内容についてお聞きするとともに、なぜこのような事態が発生し、なぜ誤りが見過ごされたのか、さらに広域連合としてどのように対応し責任を果たされたのか、それぞれお尋ねするものです。 

【マイナンバーカードと保険証の一体化を急ぐべきでない】

 4つ目に、マイナンバーカードと個人情報保護に関連してお伺いします。 

 私は、昨年の予算議会でも、マイナンバーカードと健康保険証の一体化について取り上げ、医師会などの反対も根強く、個人情報の漏えいなどへの不安も強いことから、強引に 進めるべきではないと指摘しました。 

 しかし、その後、国の強力な働きかけの下、広域連合としても、マイナンバーカードの交付申請に関わる手続を行ってきたと考えます。 

 まず、その経過と内容をお聞きするとともに、個人情報保護の対策と後期高齢者のカード取得状況についてお尋ねします。 

 その上で、マイナンバーカードと保険証との一体化の進捗と医療機関における対応状況についてもお伺いいたします。 

 税金によるポイントをつけてでもマイナンバーカードの取得を急がせる、国の強引であざとい手法に批判が出ています。

 特に高齢者にとってマイナンバーカードはなじみがなく、 特に必要性が強いわけでもありません。ましてや、様々な情報のひも付けで個人情報が管理、掌握され、常に漏えいする危険が付きまとうものです。

 広域連合として、後期高齢者にあえてマイナンバーの取得を促さなければならない理由はないと考えます。それは、かえって混乱と不安を助長するだけではないでしょうか。

 あくまでマイナンバーカードの取得は個人の意思で行うものであり、広域連合としてなぜ取得促進の働きかけを行う必要があるのか、改めてお伺いするものです。 

【新型コロナ対策について】

 最後に、今般の高齢者医療をめぐる情勢についてお尋ねします。 まず、新型コロナ対応についてです。 

 オミクロン株による急激な感染拡大は、若年層のみならず高齢者にも広がりを見せ、重症化、死亡するケースも少なくない状況です。

 高齢者への迅速で安全な3回目のワクチン接種などを進める必要があります。広域連合としても、国や道、各市町村に強く働きかける必要があると考えますが、認識と対応についてお尋ねいたします。 

 新型コロナ対応の2つ目に、保険料減免と傷病手当金の措置についてお伺いします。 

 まず、令和3年度の実績について、それぞれの件数と金額をお知らせください。さらに、令和4年度についてはどのような取組となるのかも併せ、お聞きします。 

 また、保険料の減免と併せ、患者負担を軽減する仕組みに、窓口一部負担金の減免制度があると思います。この制度の内容と実績及び周知の取組などについてお尋ねするもので す。 

【病床削減計画の見直しを】

 最後に、地域医療に関してです。 

 国は、地域医療構想に基づき公的・公立病院の病床数の削減を意図し、その流れを加速させようとしています。地方の公立病院は、コロナ禍における、まさに命のとりでであり、 現在も住民の命を守るために、その地域の核となって必死に闘っています。

 それを削減、 縮小するなどという計画は到底認められず、高齢者にとっては、まさに死活問題です。 広域連合として、病床削減計画の見直しを求め、一層の地域医療の充実を強く国に要請すべきと考えますが、いかがでしょうか。見解をお伺いいたします。 以上、1回目の質問といたします。 
 
【 答 弁 】

○金谷学事務局長

 大きく5点の御質問を頂きました。順次お答えさせていただきます。 

 まず、保険料の引下げの関係について、御質問があったところでございます。まず、引下げの背景と理由ということでございます。 

 令和4・5年度保険料の料率の増加の要因といたしましては、保険料の算定要素でございます後期高齢者負担率、こちらが前回は 11.41%でございましたけれども、今回は 11.72 %ということで引き上げられております。 

 一方で、減少の要因といたしましては、診療報酬のマイナス改定、それから窓口負担割合の見直し、2割負担の導入ということでございます。これらによりまして医療給付費が少なくなるということがございます。

 さらに、コロナウイルス感染症の影響によって大きくなっております剰余金について最大限に活用して、結果として前回とほぼ同額の保険料率となったという状況でございます。 

 次に、剰余金 240 億円の根拠、内容ということでございます。 

 令和2年度決算整理の後、必要な精算を、国に返還するお金等もございますので、そういうふうな必要な精算を行った結果、運営安定化基金の残高が 174 億円となりました。

 令和3年度の単年度の剰余金は 66 億円を見込んでおりまして、これらを合計すると剰余金が 240 億円と見込んだところでございます。 

 次に、令和3年度の決算の見通しということでございます。令和3年度においても、新型コロナウイルス感染症の影響と考えられる医療給付費の変動は大きなものがございまして、今後の動向を見通すということがなかなか難しい状況に なっております。 

 令和3年度につきましては、これまでの医療給付費の動向、今のところ 11 月ぐらいまで見ることができるのですけれども、それまでの状況を踏まえて令和3年度は剰余金を約 66 億円と見込みまして、令和4年度の予算に繰越金として計上したものでございます。
 
 次に、運営安定化基金の活用と現在高、令和4年度における収支の見通しということでございます。 令和3年度末の運営安定化基金の残高は 174 億円、これにつきましては全額を令和4・ 5年度の保険料率改定における財源として活用しているところであります。 

 令和4年度における収支の見通しでございますけれども、令和3年度決算が今年の2定で確定することになりますけれども、そのときに運営安定化基金への積立金の見通しが立つというようなことになりますので、現段階で収支の見通しをお示しすることは、なかなか難しいという状況であります。 

 続きまして、財政安定化基金についての御質問でございます。 今回の保険料率につきましては、北海道との協議の中で、現行の保険料率とほぼ同額となる見通しが立ったということから、基金を活用しないという結論に至ったところでございます。 

 財政安定化基金は北海道が管理する基金でございまして、北海道に確認もいたしましたが、現在高は約 20 億 9,000 万円でございます。

 この基金そのものは、通常の予算を執行していく中で、保険料が著しく収入、収納することができなかった、あるいは医療費が見込みよりもものすごく大きくなってしまったというような不測の状況に対応する基金ということでございまして、現在高 20 億 9,000 万円については、今年度については、この 20 億 9,000 万円で基金を維持していこうというお考えだと聞いております。 

 次に、保険料率改定、2年後でございますけれども、そのときには、また新たに北海道と財政安定化基金の活用について、給付費と収入を適正に見積もるのと並行して、引き続き協議してまいりたいと考えております。 

 次に、保険料の一層の引下げということでございます。 今回の保険料の料率の算定に当たりましては、剰余金を 240 億円と見込んでおります。

 これは前回の剰余金よりも相当多い金額となっております。 剰余金の発生は、お見込みのとおり、主に医療給付費が見込みよりも減少したということが原因でございますけれども、令和4・5年度の保険料率算定に当たりましては、当広 域連合としては、確実に見込むことができる最大限の剰余金を見込んで料率を設定していると考えております。 

 次に、大きな2つ目、2割負担の導入の関係でございます。 

 2割負担の対象者数と影響額という御質問でございます。 北海道におきましては、窓口負担割合が2割となる対象者の数については、令和3年度 の被保険者証一斉更新時の情報を基に推計をいたしますと約 15 万 3,000 人でございます。 
被保険者全体の 18%程度という推計をしております。 

 令和4年度の予算において、療養給付費におきまして、2割負担導入の影響額を受診行動の変化による分も含めまして約 38 億円と見込んでおります。

 38 億円の減が発生すると いうことです。令和4・5年度の保険料率算定において、その影響を見込んでいるという状況でございます。 

 続きまして、2割負担導入に伴う3年間の配慮措置の内容でございます。

 2割負担該当者につきましては、外来の受診について、1か月の負担を最大で 3,000 円 の増に抑える措置を講じるというものでございます。 

 手続につきましては、高額療養費の仕組みを活用するということでございます。 高額療養費の手続を一度でもされたという方につきましては、申請をしていただいてお りますので口座情報が広域連合にございますことから、新たな手続は原則として不要でございます。 

 ただ、一度も高額療養費を受け取ったことのない方につきましては、事前に口座登録の申請書をお送りしたいと考えております。事前申請をしてくださいという勧奨を行いたいということでございます。 

 次に、2割負担を見送るよう国に働きかけるべきということでございます。当広域連合といたしましては、国に対しまして、全国後期高齢者医療広域連合協議会の活動を通じまして、窓口負担の在り方については現状維持に努めること、また、やむを得ず負担を変更する場合は、激変緩和措置を講じること、所得の少ない被保険者に十分配慮することなどを引き続き継続して要請してきたという経緯がございます。

 しかしながら、 こうした中で、昨年6月の法案可決によりまして窓口負担2割の導入が決定されたという状況でございます。 

 当広域連合といたしましては、定められた制度を円滑に運営していくということが重要な役割であると考えておりますので、今後は、制度を円滑に進めるために、被保険者の皆様に混乱が生じることのないように、先ほど申し上げました配慮措置も含めまして、丁寧 な周知広報に努めてまいりたいと考えております。 

 次に、令和2年度の市町村保険料負担金の算定についての御質問であります。 

 まずは、市町村保険料負担金について、御説明をさせていただきます。市町村が徴収をした保険料につきましては、金額にかかわらず、全て市町村から広域連合に納付していただく仕組みとなっております。

 市町村は、各市町村の歳出予算において支出の枠を適正に定めて、収納した保険料を広域連合に支出していただくことになります。 この支出が市町村保険料負担金というものでございます。 

 令和2年度の保険料負担金につきましては、令和元年度中に各市町村宛て見込額を通知いたしまして、当初予算において歳出予算枠を予算化していただいているところでございます。 

 令和2年度につきましては、段階的に軽減特例の見直しを行っていたということから、 保険料の負担金の算定に当たっては、軽減特例の見直しの影響について適切に配慮すべきでございましたけれども、考慮漏れがあったということでございまして、再度の通知を発出させていただいたというものであります。 

 なお、令和2年度分の被保険者の皆様に対する保険料額については適正に賦課をされておりまして、市町村において適正に徴収をされているというものであります。 

 本件につきましては、市町村において被保険者の方から徴収した保険料があるにもかかわらず、予算枠の不足によって広域連合に支出できなくなるという事態が生じてしまったということでございまして、大変重く受け止めております。 

 その後の対応といたしましては、制度変更などによる必要な事務処理の確認あるいは事務処理の内容について複数回のチェックを行うなど、現在も再発防止に努めている状況でございます。 

 次に、マイナンバーカードと個人情報保護の関係でございますけれども、マイナンバーカードの交付申請書の送付に関しましては、令和2年度及び令和3年度に厚生労働省から各都道府県の広域連合に対して、交付申請書を被保険者に郵送することについて依頼があったところであります。 

 当広域連合では、令和2年度は実施をしていないところでありますけれども、今年度につきましては、当広域連合から国に結構な数の懸念事項の要請をしているのですが、それについてはおおむね解消されているということなどから、現在、交付申請書を送付する準備を進めているという状況でございます。 

 この交付申請書につきましては、マイナンバーは記載されておらず、記載されているのは申請書IDというものであります。そのIDを利用して申請をすることができます。 

 また、申請先は広域連合ではなくて、マイナンバーカードの発行を担当しております地方公共団体情報システム機構、通称J-LISでございますけれども、そちらのほうに直接申請書を送っていただく仕組みとなっております。 

 個人情報保護の対策に関しましては、業務委託仕様書に厳格なセキュリティー要件を明記しまして、その履行状況についても書面で報告をするということを求めております。 

 後期高齢者のカード取得状況でございますけれども、令和4年2月1日現在で北海道は 34.1%となっております。 

 続きまして、マイナンバーカードを使いまして被保険者の資格を医療機関等で確認できる仕組みということでございますけれども、これを利用するためには、被保険者御自身によって申込み、いわゆる初回登録と言っていますが、申込みをする必要性がございます。 

 令和4年1月現在で1万 9,000 名ほど、北海道全体で約 2.26%ほどの方は、既に申込みをされていると聞いております。 

 医療機関等の対応状況でありますけれども、現在のところ全道で 981 の医療機関が運用を開始しているということでございますけれども、残念ながら北海道全体の 11%程度とい う状況でございます。 

 国におきましては、令和5年3月までに、おおむね全ての医療機関等において導入することを目指しているということでございます。 

 次に、マイナンバーカードの取得促進をなぜ広域連合が行うのかということでございます。 議員御指摘のとおり、マイナンバーカードの取得は義務ではございません。個人の意思 であるということは、もう議員御指摘のとおりだと思います。 

 一方、国におきましては、政府全体の取組といたしまして、当広域連合を含む各保険者、医療保険者から、それぞれの被保険者に対してマイナンバーカードの取得促進などを図ることというようなことを政府全体の取組として決めておりまして、当広域連合にも依頼があったというものでございます。

 最後の質問でございますけれども、今般の高齢者医療をめぐる情勢ということでござい ます。 

 まず1点目、コロナ対応ということでございます。ワクチン接種の関係でございますけれども、国や北海道などに強く働きかける必要があるのではないかということでございます。 

 ワクチンは必要なものであるという認識は議員同様持っているところでございますけれども、ワクチン接種に関しましては、現在、3回目の接種について国による広報が行われていますし、道や各市町村において、ワクチンの供給状況などを踏まえまして接種が開始されていると認識をしております。 

 当広域連合といたしましては、コロナ禍におきましても後期高齢者の皆様が安心して必要な医療を受けられるということが最も重要であると考えておりますので、ワクチン接種をはじめといたしまして、新型コロナの状況につきましては引き続き把握に努めてまいりたいと考えております。 

 次に、コロナ対応に伴う減免などの実績についてということでございます。 

 令和3年 12 月末現在でお答えをいたします。保険料減免は、1,390 人、約 9,500 万円、 傷病手当金につきましては、17 件、約 130 万円となっております。

 両制度とも国からの財政支援が前提と考えております。 

 傷病手当金につきましては、令和4年6月末まで国からの支援が継続されるということが先日示されましたけれども、保険料減免につきましては、現時点では示されていないという状況になっております。

 これからも国の動向を注視してまいりたいと考えております。 

 次に、一部負担金減免の制度でございますけれども、火災などで焼け出されたというのが典型的な例ですが、そのような場合、つまり一時的、臨時的に著しく支払いが困難になったというときに減免が認められる制度でございます。

 令和2年度の申請件数は8件でございました。 

 リーフレットや折り込みチラシなどにより幅広く周知を図っておりますけれども、引き続き必要な皆様が適切に制度を利用できるように努めてまいりたいと考えております。 

 最後の御質問かと思いますけれども、地域医療構想に基づく病床削減ということでございます。 

 この問題につきましては、既に当広域連合の構成団体でございます市町村の全国団体が意見を表明し、国と全国団体との協議の場も複数回設けられていると承知をしております。 

 後期高齢者医療制度の運営を担う立場といたしましては、何度も申し上げますけれども、高齢者の皆さんが安心して医療が受けられると、そういうような体制が確保されるという ことが一番重要であると考えております。 

 今後、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえて、地域の実情に応じた医療提供体制の構築について検討が進められていくものと認識をしております。 以上でございます。 

【 再 質 問 】

○野村淳一議員 

 御丁寧な答弁ありがとうございました。何点か確認を含めて再質問させ ていただきます。 

 最初に、保険料です。 92 円引き下がりました。そのこと自体は良かったと思っているのですよ。反対するものではありません。

 ただ、私も先ほど質問でも述べましたが、高齢者の生活実態を見るときには非常に物足りなさを感じるというのが率直な思いです。 

 令和2年度決算を見て、五百数十億円という剰余金が出ました。そして、177 億円、運営安定化基金に積む、そういう状況も生まれました。

 そして、令和3年度の決算はまだ見通しが見えないと言いながら、それでも令和4年度の当初予算で繰越金 66 億円を積んでいます。

 令和3年度の決算を見るときも、五百数十億円なのかどうかは分かりません。あるいは剰余金として運営安定化基金にどのぐらい積めるか、まだ国の精算がいろいろあるから分からないのだけれども、しかし私は非常にまだまだ可能性があるのではないのかと思っています。 

 今回、保険料上昇抑制のため、240 億円を繰り入れました。例えば、それが 300 億円になったら 1,000 円単位で引き下げることが可能なのです。

 そういう努力が本当にされていたのかなと少し思ったものですから、こういうような取り上げ方をさせていただいたのです。 

 そこで、1つだけ、令和4年度の予算を見ると、運営安定化基金を歳入として 177 億円繰り入れています。それから、逆に、歳出の中で運営安定化基金に対して 120 億円を積ん でいます。

 この 120 億円という運営安定化基金に積んでいるお金は、この原資は何なのですか。これも今までに見たことのない多額なお金なのです。

 例えば、去年で言えば1億円程度、おととしでも 20 億円程度です。

 財政安定化基金に積み立てる、歳出です。今年は 121 億円積んでいるのです。歳入として 177 億円を基金から繰り入れている。しかし、一方で 120 億円を基金に積み立てているのです。この辺がどのような仕組みになっているのかというのがありまして、令和4年度の運営安定化基金の収支の見通しを聞きたいという質問をさせてもらいました。 

 答弁では、状況はまだ分からないという話でしたけれども、その辺の中身を教えていただきたいのです。120 億円も運営安定化基金に積み立てることができるのであれば何とか ならないのかというのが、率直な思いです。

 それとも 177 億円、基金から繰り入れて、そ こから 120 億円を積んでいるということなのでしょうか。そんなことではないでしょう。 その辺の中身をお聞かせいただきたい。 

 それともう一つ、財政安定化基金です。これは、今、御答弁があったように、急激に医療費が高くなった場合などに道と一緒になって使うものだというのがありますが、同時に保険料が高騰するときに抑制するために使うのだというのも中身ですね。

 そのために、これからも今までも何度も財政安定化基金を使ってきたではないですか。

 でも、今回の御答弁は、今回はほぼ据え置いたので財政安 定化基金は使わなかったと、上昇していないからということですね。 

 少しそこでお聞きしたいのですけれども、今回、条例案として出された、先ほどの説明にもあったのですが、「令和4・5年度における北海道の保険料率(案)について」、こ の表があります。

 この表の太い囲みの中で、1人当たりの保険料9万 4,348 円、これが昨年より 92 円減ったということが書いてあるのです。

 1人当たりの保険料という、この形で出されてきたのは、実は前回、令和2年からなのですよ。その前までは、ずっとこの1人当たりの保険料は、軽減後の保険料を私たちに示してきたのです。

 軽減後の保険料で見ると、前回に比べると 121 円上がっているのですよ、今回。

 1人当たりの保険料は確かに下がっていますよ。しかし、軽減後の保険料は 121 円上がっているのです。

 皆さん方、北海道後期高齢者医療広域連合の運営協議会に出されている資料は、全て軽減後の保険料を示しています。それがスタンダードなのですよ。

 それで見ると 121 円上がっているのです。 上がっているのですよ。財政安定化基金を使うべきではありませんか。前年並みではないのです。前回並みではない。こういうときに私は財政安定化基金を使うべきだと思うのです。 

 それで、この軽減後という1人当たりの保険料の考え方、これは一体どういうものなのか、説明していただきたいのです。

 なぜこんな2種類出てくるのかということなのです。今言ったように引き上がっているわけですから、財政安定化基金を活用するというのは、 私、何も問題ないと思います。

 その辺、道との協議はどのようになっているのか、そうい う議論をされているのかされていないか分かりませんが、ぜひこのことも含めて御答弁いただければと思います。

 先ほど御答弁では精いっぱいの努力をされたとおっしゃっておりました。私もそう思いたいと思いますが、今、質疑をした中身について、改めて御答弁いただければと思います。 

 2割負担についてであります。 15 万 3,000 人、18%ということになりました。決して少なくない数字です。

 この方々は、 9月までは1割なのですよね。10 月から2割になるのです。ということは、保険証が変わるのですね。この方々は、1年に2回保険証が届くということになるのでしょうか。

 ちょっとその辺の中身について、ぜひ混乱がないように進めていただきたいと思いますので、 お示しいただきたいと思います。 

 それと、先ほど 3,000 円を上限にするという緩和措置です。 これ、高額医療と同じようにするとおっしゃっていました。口座の話もされました。

 もう少し具体的に聞きます。今まで外来に行って1割負担で 5,000 円を払っている方は、今度は1万円になるわけで す。だから、5,000 円余分に負担が増える。

 今度は国の制度で、これを 3,000 円に抑えると いうことになりますね。だから、これは 2,000 円戻ってくるという考え方なのでしょうか。 それが口座に振り込まれるというのでしょうか。だから口座が必要だということなのでしょうか。

 そうであれば、窓口に2割をまず払うということなのですか。それで、病院から届いた領収証を例えば皆さん方広域連合に送るということですか。

 そして、その分 3,000 円を引いた残りの金額をその方の口座に振り込むということですか。 

 その辺の中身をもう少し教えていただきたいのですけれども、どちらにしても、もしそうであれば、すごい負担ですよ、お年寄りの皆さん。これは広域連合の皆さん方もすごい ですよね。

 15 万 8,000 人です、対象者。その全てと言いませんが、2割負担になって口座 に戻るとなったら、その方々の口座を用意しなければならない、集めなければならないのですよ。

 お年寄りの状況からすると、現実的なのかなと思ったりもします。それについてもう少し教えていただければと。

 病院での委任払いみたいな形にならないのかということも含めて、お示しいただきたいと思います。 

 時間もあれですが、市町村の保険料の負担金の問題でした。 今、御説明がありました。二度とこういうことがないようにしていただきたいと思います。

 私、紋別で後期高齢者医療について質疑をしたときに、うちの担当課長から、広域連合からミスがあったという連絡がありましたという御答弁を頂いて、びっくりしたのですよ。

 そのとき、私、初めて知ったのですよ。私、北海道後期高齢者医療広域連合の議員でありながら何も知らなかったということになるので、それについても、ぜひ考えていただきたいと思いますし、これからそういうことがないようにしていただきたいと思います。 時間です。以上、終わります。 

○金谷学事務局長

 まず、2割負担の導入の関係のことについて御説明いたします。 保険証なのですけれども、上がる方が2割以下の方ということでしたので、その方々だけに保険証を送るのがよろしいのではないかと考えて国のほうにも提案をしていたところなのですけれども、2割の方が 18%ぐらい、それから3割以上の方がいて、1割証のままの方もいるというようなことが一遍に 10 月に起きるということが、さらに全国で起きるということから、実は保険証については全員に2回更新をしてくれというようなことを国のほうから示されております。

 1回目の証と2回目の証は色を変えなさいというようなことでございます。 

 これは被保険者の方は、一番最初の保険証が届いたときに、その方が2割になるかどうかというのが実はそのタイミングではまだ分からないのです。

 通常7月の上旬くらいに1 年分の証を送るものですから、その時期だとまだ判定が具体的には届いていませんので、正確に、あなたは9月までは1割で 10 月からは2割よというふうに各証を出せればいいのですけれども、そういう状況にはないので、大変うちも困惑をしているのですけれども、全員の方に証を送るという取組になっております。 

 それから、経過措置の関係につきましては、先ほど議員の例として 5,000 点かかった場合に5万円になりますので、本人負担は今まで 5,000 円でした。それが2割負担になるの で1万円となります。1万円と 5,000 円との差の 5,000 円が増の分でして、その増の 5,000 円を 3,000 円に抑えるという仕組みです。

 そうすると、簡単に言えば、5,000 円今まで負担していたものプラス 3,000 円の負担になると。それが1か月の上限になると。

 だから、 1か月1万円の御負担があった方については、1万 3,000 円が負担の上限になるということです。 

 それが高額療養費は、それぞれの方によって、収入ですとか、そういう状況によって限度額が変わってまいりますので、その高額療養費の仕組みを使ってというか、高額療養費 の一部としてお支払いするイメージですので、最初から高額療養費の対象になる方は、既に高額療養費分としてその増えた分が払われているものですから、それは関係がないのですけれども、高額療養費に至らない方の分について、高額療養費の仕組みを使ってお返しするという仕組みですので、一度でも高額療養費の登録をされた方が再度登録をしていただくという必要性はございません。

 今も高額療養費は、一度申請をすれば、その後は自動で広域連合で判定をしてお返しするというふうな、もちろんこういう金額をお返ししますよという通知は毎回送っているのですけれども、それでお支払いしているという状況ですので、今まで高額療養費を一回でも受け取ったことがある高齢者の方については新たな御負担はなく、黙って高額療養費として入ってくるお金が 10 月以降、大体 10 月診療分ですと1月ぐらいの支払いになりますけれども、3,000 円を超える分が増えて戻ってくる、そういうことになります。 

 次に、保険料の関係なのですけれども、2年度の医療会計の差額については、一旦3年度に繰越しをして、繰越しをした分から国の精算金を翌年に払って、2年度の余りだと3年度に一旦繰り越した後、2年度の余りを3年度に国に返して、その最終的な残高が3年 度は 177 億円でしたという仕組みです。

 積立後の残高は 253 億円なのですけれども、その 253 億円のうち必要な 79 億円を3年度の精算をするために一旦繰入れを行うという仕組みになっています。

 79億円を3年度の療養給付費に一旦繰り入れる形になるのですが、国に 返す金額が少なかったり、コロナの関係で状況が続いて、それほど増えなかったりした場合には、一旦取り崩した基金については、3年度の精算が終わった段階でもう一度基金に繰り入れるという仕組みになっています。

 ちょっと分かりづらくて恐縮なのですが、そういう仕組みになっています。 それで、今年度もう少し剰余が出るのではないかというお話だったかと思いますけれども、それについては、実はトレンドとしては元年度より2年度は大きく減ったのですが、3年度の医療費は戻ってきているという状況にあります。

 元年度までは戻っていないのですが、2年度よりは増えているという状況になっています。元年度が1だとすれば、何% かは分かりませんけれども、例えば2年度については 0.6 になって、3年度については 0.8 とか 0.9 まで戻っていると、そのようなイメージなのですね。

 その戻り方がこれからどうなっていくのかがまだ5か月ぐらい見えないものですから、精いっぱい見込んで 66 億円だ ったということで御理解いただければと思います。 

 あとは、軽減後の保険料の比較ということなのですけれども、軽減特例の見直しが行われている最中だったということから、前回から軽減後の保険料金額と、それも推計として は、これから4年度、5年度に軽減がこのぐらい適用されるだろうという、2、3の推計の適用の人たちがそのまま適用されたとすればこの保険料になりますというふうな算定になってしまうので、軽減特例の見直しをかけている最中では、その比較についてはあまり適切ではないのではないかということから、前回から変更しているという状況になっております。 こんなところでよかったでしょうか。