2024年6月21日金曜日

未来を担う子どもたちのために~2024年第1回定例市議会一般質問①

 

【 質問項目 】

未来を担うこどもたちのために 

 ①「子ども家庭センター」の設置について 

 ②特定妊婦への対応・対策と子育て世帯訪問支援事業について 

 ③生活困窮世帯と不登校の子どもへの学習支援について 

 ④スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーの配置について 

 ⑤子どもの国保税均等割の軽減について 

 ⑥第3期子ども・子育て支援事業計画の策定について


○野村淳一議員

 私は、さきに通告いたしておりました順に従い、質問させていただきます。 

 最初に、未来を担う子どもたちのために、幾つか提案を含め、質問いたします。 

 市長は、市政執行方針で、子どもから高齢者まで、誰もが紋別市民でよかったと実感できるまちづくりを目指すと述べています。

 そのためにも、私は、全ての子どもたちを誰一人見捨てることなく、まち全体で生き生きと育んでいくことが大切だと考えます。

 子どもたちを応援することは、子どもたちやその親のためだけではありません。子どもたちの笑顔があふれるまちは、全ての市民みんなの笑顔が輝くまちであると思っています。それこそが、紋別のまちづくりの大きな要ではないでしょうか。 

 異次元の少子化対策の掛け声の下、政府は、昨年末にこども未来戦略、2月には少子化対策関連法案を閣議決定しました。

 しかし、子どもと子育て当事者が抱える問題の解決にはいまだ遠いものがあります。子育てしづらい社会環境からの抜本的な改革が急務であり、子育てへの安心感を生むためには住民の身近な市町村の積極的な役割が重要です。

 誰一人置き去りにしない子育て応援の紋別のまちづくりのために、以下、質問いたします。 

 第1は、こども家庭センターの設置についてです。 

 児童福祉法の改正に伴い、今年、令和6年4月から全ての市町村でこども家庭センターの設置に努めることが義務づけられました。

 これまで、子育て支援は、妊娠、出産、子育てに関する相談に応じ、必要な支援を行う子育て世代包括支援センターと、虐待や貧困などの要支援児童、要保護児童への支援を行う子ども家庭総合支援拠点の二つが存在し、紋別でもそれぞれが設置されてきました。

 しかし、今度は、この二つの機能を一元化したこども家庭センターを設立し、子どもや子育て世帯を包括的に支援する拠点として、妊産婦への支援から、いじめ、不登校の相談、支援まで、幅広く切れ目なく、漏れなく支援を行うことを目的にしています。

 既に、千歳市や恵庭市、富良野市、室蘭市、士別市、岩見沢市などで設置が準備されています。

 紋別市総合戦略でも、妊娠、出産、子育てにわたるまでの切れ目のない支援に取り組むと明記されており、従来からの課題でもあり、今予算での具体化を期待しておりましたが、 その方向が示されず、極めて残念です。

 専門の市職員を配置し、分散している相談支援体制を一元化し、情報を共有しながら、子育て支援の統括拠点として、言わば紋別版児童相談所とも言える紋別市こども家庭センターの設置を早急に求めるものですが、その認識と見通しをお聞きします。 

 さらに、もう一つ提案ですが、このこども家庭センターを中核とした文字どおりのセンター、拠点としての施設が必要ではないかと考えます。

 相談窓口や個別の相談室はもちろん、談話室やおしゃべりコーナー、簡単なカフェ、そして、まちなか児童館や子育て関連のNPO法人、中高生の第三の居場所、さらには適応指導教室も併設した、まさに子育ての拠点としての施設の建設もぜひ視野に入れるべきだと考えます。 

 子育て支援に寄附してくださるふるさと納税の使い道としても適切だと思いますが、 いかがお考えか、お尋ねします。 

 

 第2に、特定妊婦への対応、支援と子育て世帯訪問支援事業についてお尋ねします。 

 特定妊婦とは、出産後の養育について出産前において特に支援が必要と認められる妊婦と定義され、望まない妊娠、若年の妊娠、精神疾患、支援者の不在など、家庭環境にリスクを抱え、育児が困難と予想される場合などです。 

 まず、市内における特定妊婦の状況とその方々への対応と支援についてお聞きします。 

 今回の児童福祉法の改正により、子育て世帯訪問支援事業が市町村の家庭支援事業に位置づけられ、計画整備が求められています。

 特定妊婦をはじめ、要支援・要保護児童とその保護者、支援を必要とするヤングケアラーなどの世帯を訪問し、子育ての相談に乗り、助言を行い、また、調理や掃除などといった家事援助も行うものです。 

 昨年の第3回定例会でもこの問題を取り上げ、令和6年度からの実施を求めた経緯があります。そのときは、必要性は認識しているが、スタッフなどの問題もあり、今後協議したいと答弁しておりました。

 しかし、残念ながら、今回も実施が見送られました。市内の子育て関連のNPO法人は、その実施に前向きだと聞いています。

 ともすれば、育児に疲れ、誰にも相談できず、孤独の中で苦しんでいる親子がいるかもしれません。そんなときに、ちょっと声をかけ、話し相手になり、家事を手伝う、そういうサービスがあれば、どんなに心豊かに安心できるでしょうか。 

 誰一人取り残さない紋別をつくるために、早急の具体化を求めるものですが、見解をお聞かせください。 


 第3に、生活困窮世帯と不登校の子どもたちへの学習支援についてお尋ねします。 

 生活困窮者自立支援法による子どもの学習・生活支援事業は、貧困の連鎖を防止することを目的に、学習支援をはじめ、生活習慣の改善や進路選択の援助などを行うものですが、紋別市は直営で学習・生活支援事業を実施していることになっています。まず、この内容と実績についてお聞かせください。 

 同時に、不登校となっている児童生徒への学習支援も重要な課題です。学習・生活支援事業には、センターなどの施設での拠点型とその家庭に出向いて学習をサポートする訪問型とがあります。

 この訪問型は、不登校の児童生徒にも活用を広げることで 学習効果が大いに期待できるものです。

 北見市では、委託事業により訪問型学習支援を実施しています。 

 本市でも、拠点型とともに訪問型の学習支援事業の導入に向けて検討すべきと考えるものですが、見解をお伺いします。 


 四つ目に、スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーの配置についてお尋ねします。 

 不登校やいじめ、さらには、学校内におけるトラブルや事件など、児童生徒をめぐる課題は山積しています。それは、学校や家庭は言うに及ばず、地域や社会の問題でもあります。

 様々な葛藤を抱えている一人一人の子どもの心に大人が本気で向き合う姿勢を示すことが大切です。そのためにも、専門家としてのスクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーの力と役割がなくてはなりません。

 今までの月数回、週数時間程度の勤務体制では、到底、継続的な支援と援助はできません。

 スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー両者とも常勤職としての配置が必要ではないかと考えます。それらの活動状況をお聞きするとともに、常勤化に向けた認識と方向性についてお尋ねするものです。 


 五つ目は、子どもの国保税均等割の軽減についてです。 

 過去にも同様な質問を行ってまいりましたが、改めて子どもの均等割の軽減を求めるものです。

 国保税の均等割は、加入者一人一人に課税されるもので、子どもが増えるたびに増税となり、こんな仕組みは国保にしかありません。

 しかも、今回、国保税額を引き上げる条例案が提案されています。それにはもちろん私は反対ですが、均等割額が年1人3万4,900円から3万7,900円へと3,000円も引き上げる計画です。

 これは、子育て世帯にとってはまさに大打撃です。少子化対策、子育て支援に逆行する均等割の増税ではなく、軽減策の実施こそ必要ではありませんか。 

 少子化対策、子育て支援策としての福祉的観点から、その経費を一般会計から繰入れし、均等割の軽減の実施を求めるものですが、いかがお考えか、お聞かせください。 


 子育て支援策の最後に、第3期子ども・子育て支援事業計画についてお尋ねします。 

 第2期の子ども・子育て支援事業計画は令和6年度で終了するため、第3期計画に向けた策定作業が必要となります。 

 そこでまず、第3期計画の策定に向けたスケジュールと子どもや保護者などを対象にしたニーズ調査の実施についてお尋ねします。 

 特に、今回の計画策定には子どもからの意見の聴取とその反映が義務づけられていますが、その具体的な取組についてもお聞きします。 

 また、国のこども基本法の中では、市町村こども計画を策定するよう努めることとされています。この内容と次期支援事業計画との関連についてもお尋ねするものです。 

 

○宮川良一市長

 それでは、野村議員のご質問にお答えいたします。 

 初めに、未来を担う子どもたちのためにについてであります。 

 1点目のこども家庭センターの設置についてでありますが、本市は、令和2年9月に保健センター内に児童家庭課所管施設として子育て世代包括支援センターを設置し、令和4年4月にはこども家庭総合支援拠点を児童家庭課内に設置したところであります。

 こども家庭センターは、これらの機能を一元化したものであり、現在もその業務の大半を担っているところでありますが、児童家庭課の児童福祉機能と健康推進課の母子保健機能が別々の拠点に配置されており、こども家庭センターを設置するに当たっては、組織全体のマネジメントができるセンター長や、児童福祉と母子保健の双方の業務について十分な知識を有し、俯瞰して判断できる総括支援員の配置など、拠点 場所や人員配置等の多岐にわたる課題を整理するとともに、利用者の利便性を考慮しつつ、慎重に対応してまいりたいと考えております。 


 2点目の特定妊婦への対応・対策と子育て世帯訪問支援事業に関し、特定妊婦への 対応、対策についてでありますが、母子健康手帳交付時の面接及び妊娠届やアンケー トから特定妊婦を把握し、医療機関や関係機関と情報共有を図るほか、出産時の入院に協力者がいない場合を含め、緊急時に備え、消防署に情報提供を行うなど、本人の同意を得ながら生活環境を整え、安全に妊娠及び出産ができるよう、必要な支援を行っております。 

 また、出産後につきましては、リスクを抱え、育児をする母子の状況について、医療機関からの連絡及び養育支援連絡書により、新生児及び乳児、産婦の継続訪問等で養育環境を確認しながら、母子の健康及び子どもの発達、発育を把握し、医療機関や関係機関につなげるなど、支援を行っております。 

 子育て世帯訪問支援事業につきましては、令和5年第3回定例会で、議員のご質問に対し、民間事業者の活用も視野に入れ、訪問型支援の充実に向け、検討するとお答えしておりますが、現在、市内NPO法人と令和7年度の事業実施に向けて協議を進めているところであります。 


 3点目の生活困窮世帯と不登校の子どもへの学習支援についてでありますが、生活困窮者自立支援法による子どもの学習・生活支援事業において、学習支援は、現在、紋別市教育委員会で行っている学紋塾において、生活困窮世帯も含め、実施しており、実績につきましては、令和4年度は就学援助対象者8人、令和5年度は2月末現在で就学援助対象者2人となっており、両年度とも被保護者対象者はおりませんでした。 

 また、不登校などの児童生徒に対する訪問型の学習支援の導入についてでありますが、対象者の把握や運営する事業所の確保などの課題もあり、現在のところ、導入については考えておりません。 

 生活困窮者自立支援法による子どもの学習・生活支援事業の事業展開についてでありますが、生活困窮世帯に限らず、関係部署と連携し、市内の児童生徒全体に対し、事業を展開していくことが望ましいと考えております。 


 5点目の子どもの国保税均等割の軽減についてでありますが、国からの通知により、特定の対象者にあらかじめ画一的な基準を設けて減免を行うことは適切ではないとの考えが示されており、北海道においても、令和12年度の統一保険料率の実現に向け、減免基準の標準化や減免に係る財源の統一が進められているところであります。

 また、一般会計から繰入れを行うと、法定外繰入れとなって、本市のみならず、北海道への保険者努力支援交付金が減額されてしまうことから独自減免を行うことは難しいと考えております。 

 子育て世代の負担軽減に鑑み、全国一律に制度の拡充が図られるよう、今後も要望を続けてまいります。 

 

 6点目の第3期子ども・子育て支援事業計画の策定についてでありますが、令和6年度が策定年度である本事業計画のスケジュールにつきましては、現在、ニーズ調査の段階であり、本年4月中に調査票を配付し、回収は5月を予定しており、調査対象は就学児童及び就学児童の保護者となっております。 

 子どもからの意見聴取につきましては、ニーズ調査に盛り込むかについて委託事業者と検討中でありますが、令和5年第2回定例会で梶川議員のご質問にお答えしたとおり、紋別市青少年健全育成推進協議会などの従来からある子どもに関わる民間団体などと連携を図りながら意見聴取をしていきたいと考えております。 

 ニーズ調査後につきましては、9月頃までをめどに子育て世帯の現状と課題の洗い出し、市の関係部署における子育て支援分野別施策の整理、子ども・子育て支援サービスの提供見込み量を算出し、9月以降に計画骨子案・素案の作成を進め、本計画の完成に向けて、紋別市子ども・子育て会議で協議を重ねていく予定であります。 

 市町村こども計画につきましては、子ども・子育て支援事業計画とは別の計画に位置づけられておりますが、国のこども大綱と都道府県のこども計画を勘案して作成することとされており、北海道のこども計画は令和6年度に完成予定でありますことから、本市においては、北海道のこども計画が完成され次第、着手してまいります。 



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