2、障害者福祉について
①「紋別ベジタブルファクトリー」について
②「障害者定住促進事業」について
③「親亡き後」の対策について
〇野村淳一
次に、障害者福祉について質問いたします。
第1に、紋別ベジタブルファクトリーについてです。
さきに触れたように、市政執行方針の中で宮川市長は、全ての市民が活躍し、輝き、幸せを実感できる共生社会の実現が私の信念だと述べ、その象徴的存在として障害者就労支援事業所紋別ベジタブルファクトリーの開設を紹介しています。
確かに、紋別ベジタブルファクトリーの開設は、障害者に就労の場を提供し、自立に向けた足がかりをつくってきたと言えるものです。
そこでまず、紋別ベジタブルファクトリーの現状をお聞きするとともに、障害者の利用者数の状況と高等養護学校からの利用者、そして今後の見通しについてお聞きするものです。
厚生労働省は昨年4月、就労継続支援A型事業所に対し、指定基準の見直しを行いました。
これは、一部に国の補助金頼みで生産活動が不十分な事業所が存在することを踏まえたもので、見直しの内容は、利用者の賃金はあくまで生産活動による事業収入で支払うものとし、国からの補助金、自立給付費から支払うことを禁止するというものです。
この指導の結果、経営が困難となり、全国で数多くのA型事業所が廃止される事態となっています。
これは、A型事業所である紋別ベジタブルファクトリーにおいても無関係ではありません。これら国の指導の結果、紋別ベジタブルファクトリーの事業運営は、当初の計画から大きく変えざるを得ない事態になっており、一層厳しさが増していると予想されます。
その点では、紋別市も無関係ではありません。これらの状況について、市はどのように把握しているのかお聞かせください。
言ってみれば、この事態は予想外であり、紋別ベジタブルファクトリーが安定的に維持できるように紋別市として何らかの対応策、支援策を検討することが必要ではないかと考えます。
その点で、さきにも議会で私が指摘した紋別市に毎月支払っている賃借料をさらに減免し、この際無料にするよう求めるものですが、いかがでしょうか。
紋別ベジタブルファクトリーは、紋別市にとって障害者との共生社会実現の一里塚として位置づけてきたものです。その事業の安定的な存続と継続を図るためにも、紋別市の一層の努力を求めるものです。
2つ目に、障害者定住促進事業についてお聞きします。
紋別市は、新たに20歳未満のグループホーム入所者に対し、入居費用の一部を助成する制度、障害者定住促進事業を創設するとしています。
まず、その目的と内容をお聞かせください。また、現在、市内のグループホームの現状と今後の整備の見通しについてもあわせてお聞きします。
3つ目に、親亡き後の対策についてお聞きします。
障害者、障害児を持つ親、家族にとって最も気になり不安なことは、自分たちが亡くなった後の生活、親亡き後の対応です。
私も、多くの親、家族からそれら不安の声をお聞きします。
たとえ親が亡くなり、障害者ひとり残されても、住みなれた地域で安心して暮らしていけるよう、さまざまな支援を切れ目なく提供できる仕組みづくりが必要なのです。それこそ、市長の言う共生社会の体現でもあるのです。
その親亡き後の取り組みに地域生活支援拠点という事業が、国により提起されています。しかも、広域を含め全市町村で取り組むことが提起され、各障害福祉計画に明記するよう定められています。
障害者の相談支援事業を中心に、グループホームの整備や緊急時の対応としてのショートステイの整備など、地域の複数の機関が連携して支援を行うとされています。
既に、富良野地区や苫小牧地区、北空知地区などで拠点整備が展開されています。
確かに、広域での取り組みとなれば、実現までには一定の時間はかかるでしょうが、少なくとも紋別市が中心にならなければ状況は打開できません。親亡き後の不安を解消するためにも地域生活支援拠点の整備は急がれます。
この問題での紋別市の認識をお聞きするとともに、地域生活拠点整備に向けて一定の目標を持って積極的な取り組みと働きかけを行うよう求めるものですが、いかがお考えかお聞かせください。
〇宮川良一紋別市長
次に、障害者福祉についてであります。
1点目の紋別ベジタブルファクトリーにつきましては、現在紋別高等養護学校を卒業した4名を含む13名が本施設で就労しており、新年度からは2名の卒業生も就労することとなっております。
施設で生産される野菜は、昨年の6月から出荷が始まり、途中設備にふぐあいが生じて生産が一時中断となったものの、現在ではベビーリーフやリーフレタス、パクチーなどが順調に生産され、札幌市の買取業者に発送しているところであります。
就労継続支援A型事業所の運営に関する基準の見直しによる影響につきましては、本施設の運営事業者は開設当初より法令を遵守しており、生産物の売上収入から利用者の賃金が支払われているため影響はありません。
来年度以降の事業運営につきましては、利用者が15名となり、生産効率が高まることや需要の高い高付加価値の野菜を生産、販売することで収益性を高めていくとお聞きしております。
施設の貸付料の無料化につきましては、運営事業者に対する施設の貸付料は毎月43万4,932円とし、経営が安定するまでの3年間はその半額の21万7,466円とすることで合意が得られており、昨年3月に契約を締結しております。
平成31年度末の契約満了時に運営事業者とは必要に応じて協議を行う予定でありますので、現在のところ貸付料の無料化は考えておりません。
2点目の障害者定住促進事業につきましては、特別支援学校卒業後、本市で就労する卒業生がグループホームを利用する場合において、本人や保護者の経済的負担を軽減させ、居住の場、就労の場の両面を支援することで本市の定住人口の促進につなげることを目的として創設したものであります。
本制度の内容は、障害年金の受給資格のない18歳から20歳までの2年間につき、本市に住民票を置き、グループホームに入居する世帯主に対し毎月2万円の家賃補助をするものであります。
また、グループホームの現状は、市内の福祉事業所が4月にグループホームを開設するほか、現在福祉事業所や企業などでグループホーム開設に向けた話し合いを行っているところであります。
3点目の親亡き後の対策につきましては、地域生活支援拠点は必要な5機能として、サービスのコーディネートなどを担う相談、常時の受入体制を確保する緊急時の受け入れ・対応、グループホームなど地域移行につなげる体験の機会や場所の提供、行動障害や高齢化に伴い重度化した障害者などの対応を担う人材を養成する専門的人材の確保や養成、社会資源の連携体制の構築を担う地域体制づくりがあります。
これに対し、地域生活支援拠点の整備と認められる状況として北海道が示した内容は、新たに住まいの場を提供する居住支援機能を加え、従来の相談と地域体制づくりを合わせた3機能を必須としております。
また、圏域が広大であり、社会資源の格差が生じている現状を鑑み、残りの3機能は圏域外の事業所を活用することを可能にするとしております。
本市の圏域は、西紋圏域が想定されており、必須とされる居住の支援機能としてはグループホームの整備を進め、相談機能としては基幹相談支援センターで必要なサービスのコーディネートなどを行っております。
しかしながら、地域体制づくりは、オホーツク総合振興局主催の地域生活支援拠点に関する会議の場において、西紋圏域の各自治体より拠点整備の必要性を求める意見が寄せられていないため、実施の予定はありません。
このようなことから、本市における親亡き後に向けた施策は、地域生活支援拠点の整備ではなく、基幹相談支援センターを中心とした相談支援、権利擁護、就労支援、グループホームなど、住む場所の確保により自立の支援を推進してまいりたいと考えております。
【 再質問 】
〇野村淳一
障害福祉です。
紋別ベジタブルファクトリーについてですが、今状況を伺いました。13人の障害者が、そして今年新年度から15人になる、これで定員に充足するのかなと思います。
私も何度かお邪魔をしましたが、やっとビニールハウスというんですか、大体ほぼ緑にだんだん覆われてきたな。1年たって、実はやっとスタートに立ったなというのが私の印象でもあります。
ですから、この1年間は本当に非常にトラブルもあって大変な私は事業運営をされてきたような気がしてならないんですよ。
先ほど、A型事業所の国からの指導の問題も言いました。母体の運営者はきちんと法定に基づいてやっているということでしたけども、それでもこの4月からまた報酬単価が変わって、さらに厳しさを増すのは明らかなんで。3年間減免措置を行って半額にしているということでした。
この3年後、また改めて協議をするということでしたので、ベジタブルファクトリーが担っている役割、そしてその運営状況も踏まえて、より状況を判断しながら進めていってほしいというふうに思うんですが、その点についてもう一度改めてご答弁いただきたいと思います。
○高橋信好社会福祉課参事
お答えいたします。
議員ご指摘のとおり、就労継続支援A型事業所に限らずこの4月から報酬の改定がございます。それは、全国的に利用者に対して不適切な支援を行ってきたというような事業所が増えたからということで認識してございます。
先ほど、市長からの答弁もございましたとおり、途中に設備のふぐあいが生じましたけれども、現在は利用者も13名に増えまして、新年度からは紋別高等養護学校の2名の卒業生もめでたく働くということになっております。
事業者からは、単価の高い野菜も生産することになっていることや、その15名となることで生産効率も向上する、あるいは今A型の事業所は紋別に2カ所ございますけれども、A型の事業所2カ所ともに15名の定員枠となってございますけれども、毎日の利用者数が多くて7名から10名ということもありますことから、その中におきまして、契約者をもう少し増やして毎日の利用者を増やすことで訓練等給付費の部分の事業運営にプラスになってくのかなというふうに考えておりまして、総じて収支は向上していくというふうに判断しております。
以上でございます。
○野村淳一
どちらにしても、これからの事業運営の内容もかかわりますので、それで言ったように4月から報酬単価が変わるということもどう影響するか、これからということもありますので、それについてもぜひ配慮していただきたいというふうに思います。
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