2018年10月10日水曜日

介護の人材育成と認知症対策を~2018年第1回定例市議会一般質問⑤

5、介護保険事業について
 ①第7期介護保険事業計画について
 ②介護職員の人材確保と養成について
 ③「生活援助」サービスについて
 ④認知症対策について
 ⑤介護保険料の引き上げについて

〇野村淳一
 最後に、介護保険事業について質問いたします。
 1点目は、第7期介護保険事業計画についてです。

 この間、計画策定委員会による議論、さまざまなアンケートや調査、パブリックコメントを経て第7期計画が策定されたと思います。

 今後3年間、介護事業を展開するに当たって、どこに主眼を置きどのような取り組みを行うのか、第7期計画に盛り込まれた主な特徴と事業についてお聞きするものです。

 2つ目に、介護職員の人材確保と養成についてお尋ねします。

 現在、介護現場での最大の課題は、何よりも介護職員の確保であり、その養成です。高齢者の介護需要は高まるのに、多くがそれを担う人材を確保できない現状にあるのです。

 紋別市としても無関心であってはならず、人材確保と養成に向けた取り組みを展開し、支援する必要があると考えます。

 介護職員の処遇改善を含め、人材確保とスキルアップに向け紋別市としてどのような対策と支援策を考えられているのかお尋ねします。

 3つ目には、訪問介護の生活援助サービスについてであります。

 国は、今年度10月から、生活援助の一月の訪問回数が一定数以上を超えた場合、そのケアプランをケアマネジャーが市町村に届け出ることを義務づけました。

 そのケアプランは、地域ケア会議にかけられ、自立支援や地域資源の有効活用などの観点から、必要に応じて是正を促すとしています。

 これは、一部の利用者の使い過ぎを抑制するためだとしていますが、生活援助のサービスは要介護者の在宅生活を基本から支えるものであり、重度化を防ぐ役割を担っているものです。

 必要な支援を抑制し、地域での尊厳ある暮らしを脅かす利用制限があってはなりません。この点での紋別市の見解と対応をお聞きするものです。

 4つ目に、認知症対策についてお尋ねします。
 まず今後、認知症高齢者の出現数はどのように分析されているのかお聞かせください。

 その上で、認知症対策として今年度、認知症初期集中支援チームの立ち上げ、認知症ケアパスの作成などが挙げられていますが、それら具体的な事業展開についてお知らせください。

 同時に、若年性認知症についてお聞きします。
 64歳以下の人が発症する認知症、総じて若年性認知症と呼ばれています。この若年性認知症は、高齢者と比べ進行が早いとの指摘もあり、早期の診断と治療で進行をとどめる取り組みが極めて重要です。

 現役世代で発症することから就労の継続や経済的な問題も大きな課題となってきています。

 そこで、紋別市内における若年性認知症の方は何人いるのか、その方々への対応と対策は、支援はどのようになっているのか、今後の取り組みとあわせお聞きするものです。

 最後に、介護保険料についてお尋ねします。
 第7期介護保険事業計画で、介護保険料の値上げが決まり今議会に条例改正案が提出されています。まず、値上げの背景とその内容についてお聞かせください。

 確かに、高齢化に伴い介護給付費は引き上がっています。しかし言うまでもなく、3年ごとの値上げで高齢者の負担は限界に近いものになっています。

 何とか値上げを抑えることはできなかったのか、上がるとしても値上げ幅を最大限に抑える努力を講じてきたのか、このことが問われていると思います。紋別市の見解をお尋ねするものです。

〇宮川良一紋別市長
 次に、介護保険事業についてであります。

 1点目の第7期介護保険事業計画につきましては、計画に盛り込まれました主な特徴と事業として、医療介護連携の取り組みをはじめ、認知症初期集中支援チームと認知症地域支援推進員を中心とした認知症施策を基盤に、地域包括支援センターの機能強化を図り、地域包括ケアシステムの着実な深化とさらなる推進を目的に位置づけているところであります。

 2点目の介護職員の人材確保と養成につきましては、支援策として、平成28年度から介護福祉士、介護支援専門員を含めた人手不足業種に係る資格取得や支援事業を通じて対象経費の一部を助成しており、本年度は介護に係る資格取得の実績は6人となっております。

 また、新年度より、ひとり親世帯を対象としてホームヘルパー等の資格取得の助成も始まりますことから、今後も有効な支援ができるよう関係部局と連携協議を進めてまいります。

 3点目の生活援助サービスにつきましては、生活援助とは高齢者本人や家族が家事を行うことが困難な場合、訪問介護スタッフが掃除、洗濯、調理などの日常生活の援助を行うことでありますが、本市で実施しておりますケアプラン点検において、一定以上のサービス提供をしているケースの該当はなく、今後とも介護支援専門員に対しケアプランの適正実施に向けた指導の徹底に努め、要介護者に必要な支援を行ってまいります。

 4点目の認知症対策につきましては、認知症高齢者の出現数は要介護認定に用いる主治医意見書で、日常生活に支障を来たすような病状とされている日常生活自立度Ⅱ以上と診断される方を対象としており、これに高齢者数、要介護認定者数の伸びなどから推計しております。本計画の最終年度である平成32年度では、要介護認定者1,623人のうち829人が認知症高齢者であると見込んでおります。

 認知症対策の具体的な事業展開につきましては、認知症初期集中支援チームは認知症に係る専門的な知識及び技能を有する医師の指導のもと、複数の専門職が認知症を疑われる方及びその家族を訪問し、初期の支援を集中的に行い、自立生活のサポートを行うものであります。

 本市におきましては、本年2月より、サポート医、社会福祉士、作業療法士を配置し、2カ月に1度程度の検討会を行いながら支援を始めたところであります。

 また、認知症ケアパスとは、認知症は進行とともに病状が変化するもので、その時々の状態に応じた適切な支援について目安を示したガイドブックであり、本市におきましても本年3月に作成し、冊子の全戸配布と市ホームページにより周知してまいります。

 若年性認知症の人数と支援方法につきましては、本年2月末現在、第2号被保険者の要介護認定者で主治医意見書の診断名に初老期における認知症等の記載があった方は3名となっており、介護支援専門員の適正なプランにより介護サービス給付を受けております。

 若年性の認知症の疑いがある方についても、高齢者と同様に病院への受診がされていない方は認知症初期集中支援チームの関与によるかかりつけ医や専門医への受診勧奨などの支援を行ってまいります。

 5点目の介護保険料の引き上げにつきましては、値上げの背景と内容は、平成30年度の被保険者数は1万5,627人となり、第6期計画時の平成27年度と比較しますと376人が減少するのに対して、要介護認定者数は811人となり、同じ比較で67人が増えているなど、制度的な要因に加え要介護認定者数の増による給付費の増額が予想されること及び給付費における第1号被保険料の負担割合が22%から23%へ引き上げられることから、介護保険料の増額は避けられない状況であります。

 市といたしましては、介護保険料の増額を抑えるため、適切な給付量を推計し、給付費準備基金の取り崩しによる保険料の増額抑制に努めたところであります。


【 再質問 】

〇野村淳一
 介護保険について。
 生活援助についてだけお聞かせください。

 国は、その生活援助に対して月何回程度という基準を示してるんです。大体月30回程度ですね、1日1回というのが国の基準です。それより多いところはいろいろ指導が入るようなんですよ。

 そのやり玉に上がったのが、標茶町なんです。標茶町は、1日1人月100回を超えるというのがあって、こんなことをやってる自治体があるといって厚生労働省は標茶町をわざわざ名指しで言ったんです。

 でも、標茶町の方は、いわゆる精神疾患を持っていて1日3回、場合によっては1日4回生活援助が入って服薬をしたり食事の準備をしたり、必要だからやってたんだという話ですよ。

 でも、これが国の基準となれば、全く利用抑制が図られるんではないのかなという気がしてならないんです。そういうことはあってはならないんです。必要な介護が必要なふうに受けられる、これが重要です。改めてご答弁いただきたい。

○山本晃男介護保険課長兼参事山本晃男
 お答えします。
 当市におきましても、当然月に30回超えるケースはございますけれども、ケアマネジャーさんがケアプランの中で正しくケアプランを立ててるものについては継続的にサービス提供を行っていきたいと考えておりますことから、今の標茶町のケースでいきますと、我がまちでもサービス提供についてはケア会議の中にかかったとしても継続してサービス提供できるのではないかと考えてございます。
以上です。

○野村淳一
 認知症の問題です。
 
 若年性認知症の問題、今回取り上げました。

 今、市でつかんでいるのは、3人だとおっしゃいました。これは、サービスを受けている方というふうになるんですね。それ以外に診断をされている方、まだまだいらっしゃると思うんです。

 ショックですよね、家族も含めて、将来のことを考えたら。いらっしゃるんですよ。

 そういう方々が本当に今何が必要なのか、相談体制をしっかりと取り組んでいただきたい、このことを1つと、それから介護保険料については、これ条例審査でまた機会がありますのでそこに譲りたいと思います。これは要望にしておきます。

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