カムイノミ・イチャルパ(紋別アイヌ協会) |
〇野村淳一議員
次に、アイヌ新法についてお尋ねします。
法律で初めてアイヌ民族を先住民族と位置づけたアイヌ新法が、4月19日、日本維新の会、希望の党を除く与・野党各会派の賛成多数で可決、成立しました。
アイヌ民族の誇りを尊重し、共生社会を目指すことを目的とし、差別を禁ずる基本理念を盛り込んだこのアイヌ新法の成立の意義は極めて大きいと考えます。
北海道の一自治体として、紋別市もまた当事者であり、その取り組みを実践する責任を負っていると考えるものです。
しかし、この新法にも課題は残されています。明治維新から現在に至るまで、北海道開拓と北海道旧土人保護法などによる政府の土地政策、同化政策が、アイヌ民族の言語も民族固有の文化も奪い、差別と偏見を生み出してきたのです。その責任は大きいものがあります。
政府は、この過去を直視して心から謝罪し、この誤った同化政策の歴史を国民全体の認識にする責任があるのです。
しかし、今回、残念ながら、それはなされませんでした。
同時に、2007年に国連で採択され、日本政府も賛成票を投じた先住民族の権利に関する国連宣言を尊重することも重要です。
そこには、先住民族の自治権や自己決定権がうたわれ、土地や森林、サケなどの自然資源の利用権なども含まれています。
しかし、今回、この新法にはこれらの内容は盛り込まれませんでした。
市長は、今回成立したこのアイヌ新法に対してどのように受けとめ、どのような認識を持っているのかお聞かせください。
今回のアイヌ新法の特徴の一つに、市町村向けに創設された交付金制度があります。アイヌ施策を推進する地域計画を作成し、認定を受けた場合、市町村に交付金が措置されるというものです。
まず、この制度はどのような内容なのかお知らせください。その上で、紋別市としては、この地域計画の作成についてどのように対応されるお考えか、見解をお尋ねするものです。
【 答弁 】
〇宮川良一市長
次に、アイヌ新法についてであります。
1点目のアイヌ新法に対する認識につきましては、先住民族への配慮を求める国内外の要請等に鑑み、従来の福祉政策や文化振興に加え、地域振興、産業振興等を含めたさまざまな課題を早急に解決することを目的とした新法は、アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための法律であると受けとめております。
2点目のアイヌ施策推進地域計画につきましては、交付金制度の内容は、国は認定市町村に対し、認定アイヌ施策推進地域計画に基づく事業の実施に要する経費に充てるため、予算の範囲内で交付金を交付することとされております。
対象事業といたしましては、アイヌ文化の保存または継承に資する事業、アイヌの伝統等に関する理解の促進に資する事業、観光の振興その他の産業の振興に資する事業、地域内もしくは地域間の交流または国際交流の促進に資する事業となっており、制度内容の詳細につきましては、6月12日に札
幌市で開催されますアイヌ政策推進交付金説明会にて示されることから、地域計画の作成も含め、まずはそ
の内容を確認してまいります。
【 再質問 】
〇野村淳一議員
アイヌ新法についてです。
交付金の問題などは、6月12日に具体的な説明があるということなので、それまでよくわからない状況なのかなと思いますが。このアイヌ新法にかかわる交付金制度を地域での計画づくりというのが必要になってきます。
もう既に新聞報道によれば、40近い市町村が地域計画に関心を寄せているという報道もあります。
具体的に作業を進めている自治体もあるようです。紋別にも紋別アイヌ協会が存在をしています。この計画策定に向けて、紋別アイヌ協会などとの意見交換というのをされる予定はあるんでしょうか。
○大平一也社会福祉課長
お答えをいたします。
紋別アイヌ協会等からの要望、相談等があった場合は、国及び道の基本方針に基づきまして要望内容に関連する部局を交えて検討したいと考えております。
詳細等々は12日の説明会の中で示されると思いますので、そちらの部分を十分確認した上で検討してまいりたいと考えております。
○野村淳一議員
わかりました。今の段階ではその程度だろうというふうに思います。具体的な内容が見えてきた段階でまた取り上げる機会もあるかと思います。よろしくお願いします。
もう一つ確認します。このアイヌ新法の地域計画づくりは社会福祉課なんですか。担当だけはっきりさせていただきたい。
今までは生活支援が中心だったので社会福祉課が担当していました。これからは産業にかかわること、あるいは観光にかかわること、あるいは教育や文化にかかわることも含めたアイヌ新法地域計画づくりになると思うんですが。確認だけです。担当は変わらないんでしょうか、変わる可能性もあるんでしょうか。教えてください。
○大平一也社会福祉課長
お答えをいたします。
相談、要望等があった場合の最初の窓口は社会福祉課のほうで受け付けをして、その後内容に応じまして関連部局のほうで対応したいというふうに考えております。
○野村淳一議員
わかりました。よろしくお願いします。
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