2023年10月12日木曜日

「地域医療連携法人」って? 名寄市立総合病院を訪ねて

名寄市立総合病院
 
 春先、名寄市立総合病院に行ってきました。
と言っても、診察ではなく視察です。

 地域の医療をどう守り、どう維持するのか。名寄市立総合病院の取り組み、特に「地域医療連携法人」について学ぶためでした。

 どの街も地域医療を維持するために苦労しています。ここ西紋地域も同じです。紋別市内では、ここ数年で病院の閉院や縮小が続き、不安が広がっています。

 そんな中、西紋地域1市(紋別市)3町(興部町、滝上町、雄武町)1村(西興部村)の各医療機関を中心に「西紋地域医療連携法人」を発足させることが決まったのです。

 これはどういうものなのかを調べているうちに、すでに道内2か所に同じ法人が設立されていることがわかりました。

 その一つが「上川北部医療連携推進機構」で、その中心が名寄市立総合病院だったのです。

 岡村事務統括官のお話は実に明快で、長年医療事業にかかわってきた豊富な経験が感じられました。

 なぜ名寄市立総合病院を中心に連携法人を作ったのか。その問いの回答は、私にとって意外でした。

 名寄市立総合病院は、広域紋別病院の倍以上のベッド数(359床)を持つ道内でも屈指の公立病院です。紋別市民からみれば、うらやましい存在です。

 「それだからこそ厳しい」と岡本氏は言います。これだけの医療の質を維持し続けるためには、上川北部医療圏の人口は7万人以上が必要だが、すでに5万人台、2040年には4万人にまで減少する。

 今後も道北の3次医療センター病院として維持するためには、他の病院との機能の連携・分担が不可欠であり、士別市立病院と連携法人を発足させた、と言うのです。

 そこには、病院維持への使命感と危機感が背景にあったのです。

 先日、市内の開業医の方と意見交換をさせていただきました。医師と看護師の確保と養成が急務だと言います。地元から育てることの重要性を指摘します。

 さて、西紋地域での医療連携法人はどうなるのか。広域紋別病院の在り方や地域医療の方向性を含め、議会でも取り上げたいと思います。地域医療を守り、充実させていく。いつの時代も最重要課題です。

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