2021年10月8日金曜日

コロナから命とくらしを守るケアに手厚いマチづくりを~2021年第1回定例市議会一般質問①

 野村淳一議員

 最初に、コロナから命と暮らしを守るケアに手厚いまちづくりについてです。 

 新型コロナウイルス感染症は、宮川市長が市政執行方針で述べたように、終わりの見えない緊張と我慢の中、私たちの生活を急激に一変させました。

 それと同時に、改めて、国民の命と暮らしを守るための手厚いケアが必要なことも実感させられました。

 そして、その体制があまりにも脆弱であることも。 

 現在、紋別市内においては、何とか新型コロナウイルスの感染は落ち着きつつあるようですが、コロナとの闘い、コロナとの共存はこれからも続くでしょう。

 そのためにも安心と安全なケアの体制を強化することが緊急に求められています。 

 市民の命と暮らしを守るケアに手厚いまちづくりに向け、以下質問いたします。


コロナ禍での病院削減計画ー国の方針にきっぱり反対を

 野村淳一議員

 一つは、地域医療体制の強化についてです。

 この非常事態の中、医療現場の最前線で奮闘されてきた医療従事者の皆さんに改めて感謝を申し上げたいと思います。 

 今回の新型コロナウイルスの感染拡大で実感したのは、やはり、地方の公立・公的病院の重要性ではないでしょうか。 

 これらの病院は、感染症の対応も通常の医療も緊張が続く中で市民の命を守ってきたとりでであり、まさになくてはならない地域の財産です。

 それを、国は、地域医療構想の名で削減、縮小、統合しようとしており、西紋地域からも興部、雄武、滝上の各国保病院がその対象になっています。 

 地域医療構想の動きは、今、コロナの関係で止まっているようですが、その狙いは消えてはいません。

 しかし、新型コロナウイルスの出現で状況は一変しています。 

 今後も地域医療構想の協議が進められると思いますが、市長においては、少なくとも、西紋地域から一つも公立病院をなくしてはならないとの立場を明確にし、強く主張していただきたいと考えますが、いかがでしょうか、見解をお聞きします。 

宮川良一市長

 それでは、野村議員のご質問にお答えいたします。

 初めに、コロナから命と暮らしを守るケアに手厚いまちづくりをについてであります。 

 1点目の地域医療体制の強化についてでありますが、地域医療構想につきましては、公立・公的医療機関の再編統合に向けた具体的対応方針の再検証等も含め、厚生労働省において改めて整理されることとなっております。 

 本市といたしましても国や北海道の検討状況を注視しているところでありますが、本構想に対するスタンスはこれまでと変わりなく、地域の実情に十分配慮する必要があると考えております。

 また、地域医療構想における2025年の必要病床数は、在宅医療等の確保が前提の上で算出されておりますが、当地域においては、在宅医療等の整備が進まない中で、医療従事者の不足等により病床の縮小が進行している状況にあります。

このような状況の中、地域において住民が安心して医療を受けられるような医療体制の構築が必要であり、地域内の医療機関が連携協力して病床の機能分化や在宅医療等の充実に取り組むことが重要と考えているところであります。

 報道等にもありましたが、滝上町の国保病院が本年4月から病床を縮小し、クリニ ック化する予定としているとお聞きしております。 

 地域医療構想に対しましては、各自治体及び公的医療機関において、それぞれの見解や対応の相違があると思いますが、本市といたしましては、地域の医療提供体制の安定維持のため、西紋各市町村の医療機関の存続と連携が不可欠なものであると考えております。 


地域医療を支えるー開業医の誘致に助成制度創設へ

野村淳一議員

 また、紋別市内においても地域医療体制の機能強化が急がれています。

 市内開業医の縮小や減少など、状況は逼迫しています。

 広域紋別病院の眼科の増設は朗報ですが、その2次医療を支えるためにも市内開業医の機能強化と拡充も大切になっています。 

 市長は、市政執行方針で、民間医療機関によるかかりつけ医の制度や在宅医療の充実を図るため、既存の医療機関が行う診療機能の拡充や開業医の誘致を促進するための新たな支援制度の創設を検討すると述べています。

 開業医の誘致に対する助成制度については、私も何度か議会で取り上げ、その実現を求めてきた経緯があります。今回の新たな方針は、その実現に向け、大きくかじを切ったと考えるものです。 

 新たな支援制度とはどのようなものか、その目的と内容についてお聞かせください。

宮川良一市長 

 民間医療機関に対する新たな支援制度の目的と内容につきましては、さきの阿部議員のご質問にお答えしたことでご理解を願います。 

(阿部議員への答弁)

宮川市長  民間医療機関に対する新たな支援制度についてでありますが、現在、民間医療機関の多くが、医療人材の不足や医師の高齢化など、診療を継続するための様々な問題を抱えており、将来的な開業医の減少が懸念されております。  また、高齢化の一層の進行により医療や介護の需要が高まる中、地域の限られた医療資源を活用するため、広域紋別病院と民間医療機関が連携して診療機能の分化を行い、住民が地域の中で安心して医療を受けられるよう、地域完結型の医療体制の構築が必要であると考えております。

 この体制を確かなものにするためには、かかりつけ医機能や在宅医療を充実することが重要な課題となることから、それらの役割を担っていただく開業医の必要性はますます高まっていくものと考えられます。 

 このような状況から、既存の医療機関による診療機能の拡充や開業医の誘致を促進し、地域の医療提供体制の安定を図るため、民間医療機関に対する支援制度の創出が喫緊の課題であると判断いたしました。 

 支援制度の内容につきましては、現在、先進的に取り組んでいる道内他市の開業医誘致制度等も参考に具体的な検討を進めているところであり、今後、医師会など、関係機関の意見を伺いながら、市の実情に合った支援策となるよう調整を行い、早急な制度の創設に向けて取り組んでまいります。 


保健所体制の拡充を早急に

野村淳一議員

 二つ目に、保健所体制の拡充について質問します。

 新型コロナウイルスの対応で最前線に立った機関の一つに保健所があります。 

 連日の奔走と奮闘に敬意を表しつつも、この非常事態における体制の弱さも指摘されているところです。 

 かつて、保健所は、遠軽や美幌にも存在し、機能していました。それが国の行革の流れの中で次々に統合、縮小され、人員も削減されてきました。

 現在のコロナ禍にあって、改めて保健所機能の拡充の必要性が浮き彫りになりました。 

 今こそ、全道・全国的に保健所機能の拡充を強く道や国に求める必要があると考えますが、いかがお考えか、お聞かせください。 

 同時に、紋別保健所の機能の拡充についても道に対して強く要請すべきと考えます。 市長の見解をお伺いします。 

宮川良一市長

 2点目の保健所体制の拡充についてでありますが、新型コロナウイルス感染拡大防止対策として、保健所は、地域における健康危機管理の中心的役割を担い、感染症疑いの方を含め、検査及び調査、入院調整、体調管理等の幅広い業務を行いますが、保健師等の人員不足により感染症患者等への支援が滞ったとの報道も散見されたところであります。 

 紋別保健所におきましては、遠紋圏域の広い地域の一つの保健所が担当しておりますことから、感染者が発生した際に迅速な対応が困難となり、感染を拡大させてしまうのではないかと懸念しております。 

 そのような事態を未然に防ぐため、国においては、地方財政計画の中で保健所の恒常的な人員体制強化に向けて新たな財政措置を講ずることとしております。 

 本市といたしましては、現在兼務となっております紋別保健所長については専任常駐の所長の配置を、また、保健師については職員数の増員を地元選出の北海道議会議員とともに要請してまいります。 


深刻化する介護現場や障害福祉の人材確保へ抜本的な対策を

野村淳一議員

 三つ目には、介護・障害福祉の人材確保とPCR検査についてです。 

 介護・障害福祉などの現場もまた新型コロナウイルスの対応でまさに緊張の毎日が続いており、その奮闘に重ねて敬意を表したいと思います。

 しかし、その一方で、福祉従事者の人手不足は慢性化しており、ぎりぎりの状態での運営が続いているのが現状です。

 これに対し、市も、外国人留学生を対象にした奨学金の給付など、対策は取っていますが、決して十分とは言えません。 

 紋別市は、第8期介護保険事業計画策定に向け、介護事業所に対してアンケートを実施しています。

 その中に、介護人材の確保、育成、定着のために紋別市に求める支援策はありますかという設問があり、そこでは、将来の介護サービスを支える若年世代への啓発、PRが53%と最も多く、キャリアアップ研修等への支援などを求める声も多くありました。 

 また、高校を卒業し、福祉を希望し、採用になった人へ、お祝いとして、ヘルパーの資格取得や介護福祉士の実務研修への助成の実施、介護施設職員の事業所内保育や預かりへの支援、人件費に対する援助などを求める意見も記されています。 

 これらは、どれも現場から聞こえてくる切実で重要な提起ばかりです。

 紋別市としても、これらの声をしっかりと受け止め、これらの声にしっかりと応える具体的な施策を検討すべきと考えるものです。市長の認識と見解をお聞かせください。 

 また、引き続き、これら従事者に対するPCR検査の定期的な実施を求めるものですが、いかがお考えか、お尋ねします。 

宮川良一市長

 3点目の介護・障害福祉の人材確保とPCR検査についてでありますが、介護人材の確保に向けた取組と若年世代への啓発、PRにつきましては、市内の小・中学生、ボラセンJr.等に対し、認知症サポーター養成講座を開催しており、キャリアアップ研修については介護福祉士や介護支援専門員等の資格取得に助成金の支給を実施しております。 

 また、介護人材確保対策として令和2年度より外国人介護人材育成事業を開始し、当初、グループホームを想定しておりましたが、他の施設関係者からの問合せも増えておりますことから、今後も事業所の実情、意向を踏まえながら新たな人材確保の対策について検討してまいりたいと考えております。 

 介護・障害福祉従業者に対するPCR検査については、定期的な実施は想定しておりませんが、今年に入ってからの市内感染者発生を受け、介護・障害福祉の従業者合わせて約1,000名に対して検査費用の支援を実施しております。 

 今後も、市内の発生状況を注視し、感染拡大防止に向け、迅速に対応してまいりたいと考えております。 


【 再質問 】

野村淳一議員

 それでは、何点か再質問させていただきます。

 最初に、地域医療の問題についてです。コロナの状況から審議が進んでいないと聞きましたが、改めてお聞きします。 

 例えば、遠紋2次医療圏では360余りのベッドを削減するという計画で進んでいます。これが地域医療構想ですが、この内容について、何か、見直しや変化はあるのでしょうか、その動きはどうですか。 

住出晋一保健福祉部参事 

 お答えいたします。地域医療構想の公立病院等の病床の再編等につながるのかなと思うのですが、こちらにつきましては、今答弁しましたように、コロナの影響によりまして、国で取組の進め方について改めて整理が行われており、昨年末からにかけ、ワーキンググループや検討会において議論が進められている状況とお聞きしております。 

 ただ、見直し後の取組の進め方について、国や道から正式な通知は市町村にはまだ届いておりませんが、その議論の資料を拝見いたしますと、基本的な必要病床数等の考え方は変更しないまま、コロナに配慮した進め方を検討するということのようです。 

野村淳一議員

 そうなのです。結果として病床数は変えないのですよ。

 でも、それ自体が問題だと私はずっと主張しているわけです。 

 コロナの問題で、地域医療は本当に逼迫している状況で、これは、紋別も含め、ほかの地域もそうだったと思います。

 そこで、改めて、地域医療構想を白紙に戻し、一から考える、そして、本当にコロナあるいは感染症対策を抜本的に強化する地域医療の在り方を検討することが今やるべき国の政策だと思います。

 こういうことを、ぜひ、市長に提案してほしいのですよ。 そういうような取組をしていただきたいのですが、いかがですか。 

住出晋一保健福祉部参事

 地域医療構想の考え方についてですが、国では、あくまでも、再編統合ありきではない、議論を活性化するためのものであるという前提条件が示されておりますので、ある程度、再編等につきましては公立病院などの判断に委ねられる部分が大きいと思います。 

 それに、答弁しましたとおり、それぞれ各自治体等の考え方もあると思います。また、地域医療は、今、縮小が懸念されている状況でありますので、十分、地域の実情に配慮するという立場は、引き続き、国や道への要望の場で訴え続けていきたいとは思いますが、それよりも、今、どのように各自治体や各公立病院と連携協力を進めていくかを重要視しなければいけないと考えておりますので、そちらの取組も併せて行っていきたいと思っております。 

野村淳一議員

 これから地域医療を支えていくためには連携が必要になってきますので、強化していただきたいと思いますし、改めて、そういう場があったら主張していただきたいというふうに思います。 

 開業医の誘致制度です。私は、これを2回ほど取り上げてきました。

 そして、先進地の士別市、稚内市を訪問し、視察もさせていただきました。その後ですが、名寄市、網走市ではこれを実施し、それぞれに成果を上げているとお聞きしています。 

 昨日の答弁でもありましたが、これから研究するということでした。

 でも、私は、非常に緊急性がある課題ではないのかなと思っておりますので、早急な具体化を図っていただきたいのです。そこで、スケジュール的な問題も含めて、どのようにお考えか、お聞かせください。 

住出晋一保健福祉部参事

 お答えいたします。答弁もいたしましたが、先ほど議員がおっしゃったとおり、現在、稚内市で先行して実施しておりますほか、士別市、また、近隣では網走市も誘致制度を実施しておりますので、そちらの制度や仕組みを参考に、今、制度の組立てを行っている状況であります。

 明確に何月に施行ということはまだ定めておりませんが、令和3年度内のなるべく早い段階での運用開始に向け、準備を進めてまいりたいと考えております。 

野村淳一議員

 介護や障害福祉の人材確保については、重要な課題とし、これからいろいろと取組を進めていくということでした。

 ぜひ、現場の皆さんと一緒になって、人材確保のための計画づくりを市が中心なってやらないと、事業所任せではもう限界があるという気がしているのです。 

 そのような取組をもう少し進めていくことの方向性は何かありませんか。 

飯田欣也介護保険課長

 お答えいたします。人材の確保についてです。 

 質問の中でもいろいろと提案をいただきましたものの、どこの自治体もそうなので しょうけれども、決め手がない状況です。 

 答弁もしましたけれども、介護事業の魅力を伝えていくということも当然必要でありますし、人手不足というのはこの業界だけではありません。

 また、言い方はあれかもしれませんけれども、人気のある業種がほかにもありますものですから、人材確保はなかなか難しいと思います。 

 それでも、自治体の中で介護事業の必要性や魅力を伝えるような体制を今後も推進していきたいと思います。 

野村淳一議員

 もともと、高齢者や障害者の人生に寄り添う非常にやりがいのある仕事なのですよね。

 そういう魅力ややりがいをぜひ伝えていっていただきたいし、それにふさわしい処遇の改善についてもぜひ念頭に入れて進めていっていただきたいと思います。 


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