百条委員会報告書より(前回から続く)
⑦公募型プロポーザル契約に係る一連の不正行為における 「官製談合防止法第8条」違反に関すること
「アキラ」との間で避暑地化推進基本計画策定の契約締結を絶対化するため、次のような一連の不正行為が市役所ぐるみで行われた。
●実績のない「アキラ」では一般競争入札では難しいと判断した岩井観光連携室長(当時)は、入札の参加条件に「紋別市内に本店・支店、営業所を置く法人」という内容を加え、紋別市オホーツク交流センター内に「アキラ」の営業所を登記した。これにより事実上「アキラ」以外の入札参加は不可能になった。その後、契約方法は公募型プロポーザルに変更された。
●「アキラ」からの入札参加申請書類が市役所に届いたのは、締め切りを過ぎてのことだった。にもかかわらず、受付印を改ざんし申請書類を受け取ってていた事実が明らかになった。
●入札審査には「アキラ」側による提案書が必要とされていた。しかしその内容を、市側と事前に協議・打ち合わせし、市の意向に沿った内容に修正していた。
●プロポーザル審査会当日、審査会に先立ち、市と「アキラ」とでプレゼンなどのリハーサルを行っていた。
これら一連の行為は、公務員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律、いわゆる「官製談合防止法第8条」が定める行政手続きの透明性、公正な競争、不正行為の排除を完全に逸脱し、組織ぐるみでひたすらジェイハットと「アキラ」への利益供与に走ったもので、官製談合防止法第8条違反との判断を免れ得ない。
⑧「アキラ」との契約解除(令和4年3月)にも中島氏の関与が疑われ、また、その時点で「基本計画」は何も出来ていなかったこと
プロポーザル審査会をパスした「アキラ」は10月16日、避暑地化推進基本計画の策定業務を1430万円で市と契約した。
しかし12月、ジェイハットに国の事業であるGOTOトラベルの不正受給の疑いが浮上したため、業務を一時中断した。(のちに、不正はなかったことが確認されている)
翌年の2月、宮川前市長と岩井観光連携室長、そして中島紋別観光振興公社副社長(当時)との会談で、突然「アキラ」との契約解除の方針が決まった。
それは中島氏の意向だとする証言がある。
さらに不可解なことに、「アキラ」による基本計画策定の業務が、この時点で何も手が付けられていなかったが明らかになったのである。
あれだけ市職員を追い詰め、逮捕者まで出しながら、結局、市が手にしたのは「白紙の基本計画書」だった。
⑨中島氏への証人尋問に係る経過と対応について
本事案のカギを握るのは中島氏であり、証人尋問への出頭を要請した。
しかし、医師の診断書を添付した上で出頭できない旨の申し出があった。
そこで百条委員会として質問書を作成し、2度にわたり中島宅へ郵送したが、受取人不在で返送されてきた。
そこで本委員会としては、警察・検察での中島氏の供述調書の内容を適時採用することにした。
⑩理事者はどこまで関与し、その判断と決定はいかになされたのか
宮川前市長がジェイハット及び「アキラ」をいつ、誰から知らされ、「アキラ」との契約をいつ決定したのか。本事案を考えるうえで、重要なポイントである。
中島氏によれば、4月の段階で「アキラ」への変更を宮川前市長に伝え、了解を得ていたとしているが、宮川前市長は証人尋問で「記憶にない」と述べている。
6月に入り正式に「アキラ」との契約を決定する際も、元副市長は宮川前市長の指示を受けたと証言しているが、宮川前市長は元副市長ではなく、岩井氏からその話を聞いたと証言しているものの、岩井氏もまた「それは記憶にない」と証言している。
このように重大な方針の決定が、組織としての検討・協議もないまま、根拠も責任もあいまいなままなされていた、という事実が明らかになった。
これら10項目の論点を踏まえ、なぜこのような事態が起こったのか、報告書は次のように結論付けている。
市役所内のガバナンス(統治能力)の欠如と政策決定過程の不透明性、そしてコンプライアンス(法令順守)に対する著しい軽視だけでなく、中島氏の強大な権限と威圧的な態度、その背後に存在する宮川前市長への忖度ーそれらが物言えない風土、風通しの悪い環境を醸成し、「人による支配」が存在していた。そしてそれを結果的に許してきた理事者の責任は重いと言える。
※次回からは空港関連のポイントを紹介します。