2022年1月28日金曜日

5期目の市長の市政運営を問う~2021年第2回定例市議会一般質問③(21,7,20)

 〇野村淳一議員 

 最後に、公民共創のまちづくりについて質問します。  

 市長は、公民共創のまちづくりこそ、力強く生き残っていくために必要なまちづくりの姿だと述べています。

 言うまでもなく、行政と民間、そして、市民が共に力を合 わせる市民参画や市民協働という理念は、これまでも追求されてきた普遍的なまちづくりの姿であり、市長もその立場で市政運営を進めてきたはずだと考えます。

 それが、 今回、公民共創なる言葉を用いて強調しています。その意味するところは何なのか、そして、その背景についてもお尋ねします。 

 言うまでもなく、まちづくりは、市民が主役であり、何より住民自治の徹底にこそあります。そして、市民と行政の一体感をどう醸成するかにあると思っています。

 そのためには、市民への情報の公開と説明責任を果たし、政策決定への市民参画を徹底することにあると考えます。 

 市長は、平成29年度までの市政執行方針に市民が行動、参画するまちづくりという項目を必ず起こし、市民と行政が一体となったまちづくりを提案してきました。

 その市民が行動、参画するまちづくりという項目が平成30年度以降の市政執行方針から消えてしまいました。

 だからなのだろうかと、うがった見方をすれば、その後の4年間、市長の行政運営に市民が参画するまちづくりとは逆行する動きを感じざるを得ない事例が幾つも見受けられるのです。 

 平成29年、紋別市観光協会が紋別市の提案により解散となりました。その一方的な手法に議会でも疑問が投じられました。 

 同じく平成29年、紋別市総合計画の策定が中止されました。総合戦略がそれに代わると言いますが、各界各層の市民が集結し、10年間を見通して協議、策定する紋別市の柱ともなる総合計画が一方的に廃止されたのです。 

 平成30年、新ガリンコ号建設が一般質問に答える形で提案され、十分な議論もないまま、一気にその年に建造が決定しました。しかも、議会には老朽化したガリンコ号 Ⅱに代わるものと説明されていたのから一転し、そのまま2隻体制となりました。 

 令和元年、その年の執行方針にもなかった学生寮の建設が突然提案されました。しかも、上限なしの債務負担行為という前代未聞の予算計上で、その手法に議会でも批判と疑問が上がりました。 

 これだけを見ても、市民にも議会にも丁寧な説明がないままで、時に強引で一方的な市政運営が目につくのです。そう感じているのは私だけではないはずです。

 しかし、これからの時代、持続可能な地方自治を構築するためにも、一層、市民との協働、市民の参画が必要になってきます。 

 誰も取り残さないためにも、市民に向き合い、情報公開と説明責任を果たし、政策決定に市民の意思を反映させる、より丁寧で謙虚な市政運営が必要ではないでしょうか。

 それらを含め、5期目に当たって、改めて市長の市政運営に対する認識をお聞きするものです。 


【 答 弁 】

○宮川良一市長

 次に、公民共創のまちづくりについてであります。

 公民共創という言葉を用いた意味とその背景、5期目の市政運営に対する認識についてでありますが、さきの所信表明でも述べさせていただいたとおり、この先、私たち地方自治体は、2025年問題や2040年問題と言われるこれまで以上の厳しい課題に立ち向かっていかなければなりません。

 将来に向かって持続可能なまちづくりを推進していくためには、これまでも積極的に進めてきた民間との連携をさらに発展させ、今の時代に必要とされているトレンドなど、広い視野から見た地方の可能性をより掘り下げ、現在進めている事業の評価や新たな事業の構築の時点から民間の専門性を取り入れていく必要性を強く感じていることから、公民共創という言葉を用いたところであります。 

 また、これも所信表明で述べさせていただきましたが、公民共創の「民」には、市民という意味も含んでいると考えております。 

 私は、平成17年の市長就任以来、常に市民のそばにおります。自ら現場に赴き、市民に寄り添う姿勢を大切に、直接、またお手紙などで寄せられる市民の声を聞き、スピーディーに政策に反映させることはもとより、より多くの市民が協働、参画できるまちづくりを目指しており、その信念は今も変わることはありません。 

 私が、今、市長として5期目を迎えられているのも私のそのような政治姿勢に対する市民の皆様の評価であると感じておりますので、今後も、多くの方々の声に耳を傾け、より一層、市民が主役となる市政運営、まちづくりに取り組んでまいります。 


【 再 質 問 】 

〇野村淳一議員

 最後に、公民共創についてです。 私は、分かったような、分からないような感じで、何かぼやっとしているのです。

 公民共創、もちろん、市長が言うように、これからのまちづくりを考えたら、民間企業の能力や知識や経験を生かすことは当然必要だと思います。

 その意味での公民共創なのですよね。公民共創の「民」というのは民間のことです。それで、市長の所信表明にもあったのですけれども、「民」には、民間だけではなく、市民という意味も含んでいるということでした。

 でも、市民という意味も含んでいるというときの「も」が気になってしようがないのです。何か後づけのような気がしますし、付け足しのような印象を受けるのです。

 これは、私だけかもしれません。 私は、公民共創の「民」は市民で、民間企業は、それに対し、アドバイスをしたり助言をしたりするものだと思っていますが、この公民共創の「民」というのは、あくまでも民間企業という位置づけが大きいのかなという印象を持たざるを得ません。 

 私は、今回の質問を用意したとき、この間、私がもやもやとしていたものを幾つか例示をさせていただきました。

 市長は5期目の選挙は無投票で当選されました。それは、市民の意思だというふうに思います。期待の表れだということもあるのだと思いますので、私のもやもやは、いいでしょう。

 しかし、もう少し丁寧な、そして、真摯な議会対応をぜひしていただきたいと思いますし、市民に対してもそういう取組姿勢で進めていただきたいのです。

 市長の所信表明の中に、4期16年やってきた自信という言葉が2か所、3か所と出てきます。それは市長の思いですし、何の問題もありませんが、自信は時に傲慢になり、時に慢心に走る可能性があります。 

 常に謙虚に、常に初心に返って、真摯に行政を進めていただきたいと思って、5期目に当たって、こんなことを言うのは口幅ったいですが、市長と同じような時期に議員として政治に関わった者として改めて言わせていただきたいと思います。 市長、何かあれば言ってください。 


 ○宮川良一市長

 まさに同じ時期に政治の世界に入って、市政運営も含め、ずっと議論をしてきております。

 私は当初から何も変わっていないと自分では思っています。先ほど答弁いたしましたけれども、現場に赴いて皆さんの声を聞くという姿勢は今も変わっておりませんし、野村議員との議論も―議会の場で議論するのはなかなか難しい部分があり、不完全燃焼ということがお互いにあるということもがあったかと思います。

 そうしたものをなくしていくにはどうしたらいいのか、議会の在り方を含め、いろいろなことを改革ができれば、よりいい市民に対する市政運営ができていくのではないかと思っております。 

 そうすることで誤解を生むことがなくなるのではないかと思いますが、そういうようなことができないかなと考えております。そういうこの頃であります。 以上、答弁となるかどうかは分かりませんが、そういうことです。 


〇野村淳一議員

 思いについては分かりました。どちらにしても、こういう場で、もう少しフランクに、時間があればと思うのですが、あまり時間がないですし、私にも持ち時間があまりないのであれですが、自由にもう少し闊達な意見交換ができればいいかなと思いますし、そういう関係性を議会と持っていただければと思っております。 以上、終わります。 

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