2022年1月28日金曜日

誰も取り残されることのない医療・福祉・介護の充実を~2021年第2回定例市議会一般質問②(21,7,20)

 

広域紋別病院


 
〇野村淳一議員
 
 次に、所信表明で第一として取り上げた「誰も取り残されることのない医療・福祉・ 介護」について質問します。 

 「誰も取り残さない」、これは2015年に国連で採択されたSDGsの根底にある基本理念であり、人類の共通の課題である貧困と格差、紛争と自然災害、そして、コロナ禍にあって、この目標はますます重要になっています。

 この理念が所信表明で述べられたことに感動すら覚えています。この精神の下、着実に実践され、成果を上げることを期待するものです。 

 
【 広域紋別病院の現状と今後の方向性 】

 まず最初に、地域医療の確保充実について質問します。

 市長は、所信表明で医療体制、診療機能は着実に向上していると感じると述べています。

 そこでまず、広域紋別病院に関し、一つに医師や医療従事者の確保について、二つに病院経営の現状と課題について、三つ目に地域完結型の医療体制の構築に向けた広域紋別病院の今後の役割と方向性について、それぞれお聞きします。 

薬局に向かう横断歩道。信号機の設置が望まれています

 また、広域紋別病院の周辺における安全対策についてお聞きします。 

 病院北口に面する落石第11号線の横断歩道に手押し信号機の設置ができないかという問題です。

 多くの患者さんが道路を挟んだ調剤薬局に行っています。中には、つえをついたお年寄りや小さな子を抱えたお母さんもいます。冬はなお危険です。

 安全を確保する意味からも信号機の設置は重要であり、急がれると考えますが、い かがお考えか、お尋ねいたします。 


【 高等看護学院の整備と「パワハラ」問題を問う 】

老朽化が進む道立紋別高等看護学院

 地域医療に関連して、二つ目に、この地域の医療従事者確保にとって極めて大きな役割を担う道立紋別看護学院について取り上げます。 

 道に対し、老朽化の著しい校舎の移転、建て替えを長年にわたり要請してきたものの、残念ながら、移転、建て替えは見送られ、施設を大規模改修する方向になったと聞いています。

 さて、その現状はどうなっているのか、その見通しについてお知らせください。 

 何より、学生たちの学習・生活環境を整備することが重要であり、急がれていると考えます。校舎の改修とは別に、学生たちの専用の寮の建設が必要ではないかと考えます。その点での紋別市と道の見解と認識をお尋ねするものです。 

 昨今、江差町と紋別市の高等看護学院をめぐり、教職員によるいわゆるパワハラ問題が浮上し、現在、道による第三者委員会での調査が続いています。

 その中で、パワハラと疑われる事案が94件、そのうちの3割が紋別高看に関するものとされています。 

 もちろん、正式にはその調査結果を待たなければなりませんが、この事態を放任してきた道の姿勢に対し、また、志半ばで休学や退学をせざるを得なかった学生たちへの対応と救済に対し、紋別市としても道に強く要請すべきと考えるものですが、市長の見解をお聞かせください。 

【 学校給食費無料化実施と子ども国保税の軽減を 】
 
 次に、子育てに優しいまちづくりについて質問します。 

 市長は、所信表明で道内トップクラスの支援を受けることのできる子育てに優しいまちを目指すとしており、大いに評価したいと思います。 

 その上で、まず、子どもの出生率についてですが、コロナ禍もあって、全国的に出生率、出生数が減少していると言われています。

 紋別市における出生率、出生数がどのような状況なのか、それらへの評価も含め、お聞きします。 

 市長が、子育て世帯の経済的負担の軽減を図る目的として学校給食費の無料化を打ち出したことは、まさに子育て支援の大きな一歩です。

 学校給食費の無料化は、私も幾度となく提案してきた問題です。

 さきの3月議会で取り上げた際は、食材費は保護者が負担するものと素っ気ない教育長の答弁があったばかりであり、それが一転して無料化実施へ向かい、よかったなと思う反面、何があったのかと少々戸惑いを感じざるを得ないのです。

 実際、市長は、学校給食費の無料化実施に対し、どのような認識を持っていたのでしょうか、そして、今回の方針決定にはどのような背景があるのでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。 

 給食費の無料化と同様、子育て世帯の経済的負担の軽減を図るためにどうしても取り上げたい課題があります。

 それは、国保税の子どもに係る均等割についてです。

 均等割は、世帯の一人一人にかかる税額で、家族が増えれば、その分、国保税が増額されるのです。収入が変わらないのに、子どもを産み育てようとすればするほど増税になる、まさに子育て支援に逆行するものです。

 国も、ようやく、この矛盾を是正しようと、就学前の児童の均等割を半額にする制度を打ち出しました。

 しかし、到底十分とは言えません。 紋別市として、子どもの均等割を、道内トップクラスの子育て支援策の一環として、せめて小学生まで廃止する措置を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか、見解をお聞かせください。 


【 答 弁 】

〇宮川良一市長

 次に、「誰も取り残されることのない医療・福祉・介護」についてであります。 

 1点目の地域医療の確保充実についてでありますが、広域紋別病院の現状と今後の方向性につきましては、平成23年の開院以来、医師数は増加してきておりますが、医療従事者については依然として充足しておらず、看護体制の充実はもちろんのこと、薬剤師の不足が深刻な課題となっております。 

 一方、令和2年度においては、コロナ禍においても入院患者数が過去最高となるとともに、感染症指定病院として対応に当たってきたことから、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金などが手厚く交付されており、さらには、不採算地区中核病院における特別交付税の算定増に伴う紋別市負担金の増加などもあり、基金繰入れは過去最少となる見通しと伺っております。 

 また、地域完結型医療体制の構築に向けた今後の役割と方向性でありますが、さきに石田議員のご質問にお答えしたとおり、広域紋別病院は西紋地域唯一の2次医療機関であり、急性期医療の受皿となる体制の整備とともに、紋別医師会、西紋地域の国保病院との連携体制の強化に向けた協議を進めたいと考えております。 

 広域紋別病院の周辺における安全対策については、市道落石第11号線は、広域紋別病院が建設されたことに伴い、一部、延長整備された道路であります。

 これまで、病院北口に面する横断歩道に対して注意喚起の看板設置やカラーによる路面標示を行うなど、安全対策に努めてまいりましたが、近年、交通量が増加しており、さらなる安全確保と交通事故防止のため、押しボタン式信号機の設置要望書を紋別警察署長に対して提出したところであります。 

 紋別高等看護学院の改修とパワハラ問題に関し、大規模改修の見通しについては、さきに石田議員のご質問にお答えしたことでご理解願います。 

 学生寮建設の北海道と市の見解についてですが、北海道といたしましては、さきに石田議員のご質問にお答えしたとおり、昨年3月の北海道の公表資料である道立高等看護学院の方向性についてにより、学院の建て替えは行わず、改修等により教育環境整備に努めるとの方向性を示したところであります。 

 一方、市といたしましては、平成24年度以降、北海道に対して老朽化の進む学院施設の建て替えを強く求めてきたところでありますが、今後、学生の定員数を確保することを条件に北海道の方針を受け入れたところであります。 

 退学した生徒への対応と救済についての北海道への要請につきましては、現時点では北海道へ要請することは考えておりませんが、第三者委員会による調査結果や今後の状況に応じて、要請することも含め、適切に対応してまいります。 

 2点目の子育てに優しいまちについてでありますが、子どもの出生数、出生率については、平成30年度は105名、4.74パーミル、令和元年度は103名、4.75パーミル、令和2年度は97名、4.54パーミルとなっており、出生数、出生率ともに減少傾向にあります。 

 全国的な少子化の流れに一自治体として歯止めをかけることは大変難しいことでありますが、今後も、子育てに優しいまちを目指し、きめ細かな子育て支援策を検討しながら、出生数減少の抑制につながるよう、取組を継続してまいります。 

 学校給食費の無料化実施に対する認識及び方針決定の背景につきましては、これまでも学校給食費の無料化について内部検討をしてまいりましたが、具体的に実施に踏み切れる状況に至っておりませんでした。

 そのため、学校給食法の規定に基づき、食材費は保護者が負担すべきものとして進めてきたところであります。 

 このたび、本年度創設した子育て応援基金を財源とした中長期的な子育て支援施策全般について検討する中で、財源も含め、事業化に向けて一定のめどが立ちましたことから、学校給食費無料化の実施判断に至ったものであります。 

 子どもの国保税均等割の軽減についてですが、国は、子ども・子育て支援の拡充として、令和4年度より、未就学児に係る国保税の均等割について、その5割を公費より軽減することとしており、これにより、本市では、子ども1人当たり医療分で1万3,050円、後期高齢者支援金分で4,400円、計1万7,450円が減額されることとなります。 

 未就学児に係る国保税の均等割の残り5割と小学生の均等割を軽減するため、市独自の拡大事業を創設した場合、財源を国保税収入とすると国保財政を圧迫する可能性があり、また、新たに創設した子育て応援基金を財源とした場合は法定外繰入れとされ、国保の保険者努力支援制度において国の交付金が減額されることとなりますことから、現時点での事業拡大は考えておりません。 


【 再 質 問 】

〇野村淳一議員

 私は医療や子育ての問題も質問しましたが、特に信号機の問題についてです。 

 手押し信号の設置について警察に要請書を提出したということでしたので、一安心だなと思います。

 いろいろな要望が市民からも来ていると思いますので、よろしくお願いしたいと思うのですが、提出した後、何か次の動きといいますか、どういうような状況になるのですか。 


○浜屋武志・市民協働課長

 お答えいたします。要望提出後は、紋別警察署で現場を確認したり、これまで交通事故等の調査をしたり、そういったことをやっていただいて、最終的に協議、判断をしていただくことになるかと思います。 


 ○野村淳一議員

 あそこは通学路にもなっているところでもあり、交通量も多いですので、市としてもぜひ強力に要請し、協力していただいて、早期の設置をお願いしたいと思います。

 看護学院については昨日も相当立ち入った議論がありましたので、(建て替え問題については)いいです。 

 次に、子育てに関してです。

 市長は、道内トップクラスの子育て支援を、子どもに優しいまちづくりをとおっしゃいました。

 私も、子育ての問題に関し、しつこいくらいいろいろな問題を提案してきました。しかし、なかなか前に進まなかったのですが、実は、この一、二年で急にどんと進んでいるのです。 

 高校生までの医療費の無料化、そして、今度は小・中学生の給食費の無料化、そして副食費、その前は3歳未満児の保育料の無償化までやったのです。

 私が言うのも変ですが、そのおかげで道内トップクラスの子育て支援のまちになっていると思っていますよ。

 だって、高校生まで医療費無料化になっている市は道内に五つぐらいしかありません。学校給食費を小・中学校で完全無料化している市は道内に一つか二つしかありません。ましてや、副食費の無料化をやっているところはほんの少数です。そして、3歳未満児の子どもの保育料を無料化している自治体なんて私は聞いたことがありません。

 これらはふるさと納税のおかげだといえばそうかもしれませんが、正直に言って、胸を張っていいと私は思っているのですよ。 

 もちろん、子育てというのはこれだけではありません。そんな経済的な問題だけではなく、医療や教育、あるいは、雇用、住宅、コミュニティなど、全体で子育てのできるまちづくりを進めていくのであって、今度はそういうまちづくりをどう進めるのかだと思っています。 

 持続可能なまちづくりと市長は言います。子どもをあと1人か2人、このまちなら産めるかな、こんなまちなら移住してでも子育てができるのではないかなと思ってもらい、そうやって持続可能なまちをつくっていくのです。

 そういう意味では、これからのまちづくりに非常に期待をしていますが、市長、いかがですか。道内トップクラスの支援や子どもに優しいまちづくりを進めるとおっしゃったわけ ですが、その思いとどういう方向性を持っておられているのか、改めてお示しいただ けませんか。 


 ○宮川良一市長

 今、野村議員がおっしゃられたように、財源を確保できるかどうかということが一番重要だと思います。 

 この数年、言われたように、ふるさと納税が好調でありますので、それで財源の捻出ができているのだと思います。 

 給食費の無料化について、来年度からやれるか、2年後からやれるかと思いながら、このたびの選挙において公約として出しましたが、事務方の努力といいますか、ふるさと納税について今年も順調なスタートを切っているということがあり、そうした中で協議し、こうして10月からできるというようなことになりました。 

 まちをつくっていくというのは、私ども行政だけではなく、やはり、議会の皆さんの声も大切だと思っています。一般質問の中でご提案をされたものについては、必ず協議させていただいて、答弁をさせていただき、その後も協議を継続してまいります。 

 そういう中で、子育て支援のみならず、いろいろな政策について、どういう在り方がいいのかということにはいろいろとあろうかと思いますけれども、私どもは議員の皆さんの提案を最も重要視しながら行政を進めておりますし、そうした中で協議をさせていただきながら、事務方とも、市民の皆さんに喜んでいただけるというか、必要とされるものを積極的に進めていくこととしております。 

 これは、子育て支援だけではありませんが、今後とも、そうした考え方で行政運営や政策等を進めていきたいと考えておりますので、ご理解をいただきたいと思います。 


 ○野村淳一議員

 私などの提案もしっかりと受け止めていただいていたのだということで改めてよかったなと思いますし、これからも無理だなと思う提案をし続けていきたいと思っているので、よろしくお願いします。 

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