【 質問項目 】
不正事案問題について
①公募型プロポーザルにおける一連の不適切な行為について
②エージェント対策費の使途不明金について
③再発防止策に関連して
④「市役所再生」に向けた責任の果たし方について
〇野村淳一議員
次に、不正事案問題についてお伺いします。
最初にお伺いしたいのは、公募型プロポーザルにおける一連の不適切な行為についてです。
紋別市不正事案等に関する報告書に書かれている公募型プロポーザルに係る一連の行為は、どれもこれも目を疑うものばかりです。
特に、JHAT及びAQUILAを何としても選定するために、市内に本店、支店を有する者という参加資格条件を意図的に加え、AQUILAの提案書を市側の意向に沿うように市の担当者が添削、修正し、参加受付期限を過ぎているにもかかわらず、日付を偽ってまで書類を受け付け、AQUILA側の書類の不備で提出期限が過ぎているにもかかわらず、提案書を受け取り、プロポーザル審査会当日には、市の担当職員を交え、リハーサルまで挙行していたというのです。
報告書では、いずれも不適切な行為、不適切な事務処理などと記していますが、果たしてそうでしょうか。私は、それにとどまらず、官製談合防止法第8条違反は否めないのではないかと考えるものです。
その第8条では、職員が事業者に談合を唆すこと、予定価格など入札に関する秘密を教示すること、そして、その他の方法により、入札の公正を害する行為を行ったことと規定し、違反者は5年以下の懲役または250万円以下の罰金に処すると定めています。
報告書で不適切な行為とされた内容は、いずれも官製談合防止法第8条に言う、その他の方法により入札の公正を害する行為そのものではありませんか。
たとえ随意契約の一種である公募型プロポーザルであっても、それが競争的手続により実施され、締結された契約である以上、裁量権の濫用が認められるとした判例もあるのです。
まず、この点についての認識と見解をお尋ねするものです。
次に、エージェント対策費の使途不明金についてお伺いします。
空港協議会部会による報告も信じ難い内容の連続です。そこには、Yの独断と市長の威を借りた言動、それを許した市長の姿勢と職場環境、職員の市長とYへの忖度、それらが累々と書きつづられています。
その結果、報告書では、Y関連会社に支払われていた多額のエージェント対策費及び公社からの業務委託費の支出内容についての資料がなく、市長をはじめ、誰も具体的には把握しておらず、Yにしか分からないとのことであり、Y関連会社の支出については不明という結論となったと記されていま す。
その金額は、全体で3億3,285万円余りに上ります。確かに、紋別市としてのチェックの甘さはあったとしても、この多額の使途不明金をそのままにしていいわけがありません。
実績も明らかにされていない第2の報酬とも言えるY氏への委託料、そして、再委託を禁止していたにもかかわらず、Y氏関連会社に再委託をした公社の責任について、紋別市として毅然と対応すべきではありませんか。
それが、市民への信頼を回復する道でもあると確信します。見解をお聞かせください。
次に、再発防止策に関連してお伺いします。
報告書では、8点の再発防止策を提案し、行政報告でもそれぞれへの対応策が述べられました。そこで、何点か確認させていただきます。
今回の不正事案のポイントの一つに、公募型プロポーザルの実施要項に紋別市内に本店、支店のある事業者に限るとした極めて意図的な参加条件をチェックできなかったことがあります。
そこで確認します。
紋別市には平成25年に施行された紋別市プロポーザル実施要綱が存在しています。この第5条で、市長は、プロポーザル方式の実施を決定したときは、紋別市プロポーザル審査会を設置するものとすると規定し、その審議項目の一つに、プロポーザル方式の実施要領を決定するとあります。
この実施要領とは、まさに市内に本店、支店を有する者と書き込んだ、それがこれに当たります。
さて、この実施要領は審査会で審議されたのでしょうか、お聞かせください。
さらに、第9条で、市長は、応募者が参加資格を満たしているかどうかを審査会に諮り、確認すると定めています。
さて、この審査も行われたのでしょうか、お聞かせください。
この不正事案のもう一つのポイントに、Y氏が市役所を退職してもなお、市役所内部に絶大な影響を持ち続けたことがあります。
そこで確認します。
紋別市では既に平成28年施行で紋別市職員の退職管理に関する規則が制定されています。そこでは、退職後、離職前5年間の職務に属するものに関し、離職後2年間は職務上の行為をしてはならないと定められています。
今回の場合、Y氏はまさにこの ケースに当たり、場合によっては、振興公社社長も該当するのではないでしょうか。
この規則に違反した元職員には過料または刑罰があり、元職員から働きかけを受けた職員も、公平委員会にその旨を届け出る義務があります。
今後の問題ではなく、現在の規則、法律でもしっかり対策が取れた問題です。
Y氏及び振興公社社長の行為に対し、どういう認識を持っていたのでしょうか、見解をお聞かせください。
それと関連し、市の幹部職員の再就職先の公表を行う必要があるのではないかと考えます。
道内でも、旭川市、釧路市、富良野市、赤平市など、10以上の市で再就職先を公開しています。
市政に対する公平性と透明性を担保するためにも再就職先の公表を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。お考えをお尋ねします。
今回の事案を受けて、私は、プロポーザル審査会の会議録と審査結果について、情報公開条例を使い、提出を求めました。
まず、驚いたのは、その会議録自体が存在しない、会議の記録そのものがないということです。
私に提出された2枚程度の質疑応答の文書も、技術上のノウハウがあるとして、そのほとんどが黒塗りでした。
確かに公開には限界があるでしょうが、今回の事案を受け、審査の公平性と透明性を担保するためにも会議録の作成と積極的な情報公開の姿勢が必要だと考えるものですが、いかがでしょうか、見解をお伺いします。
報告書では、アドバイザーの見解として、最後に、市役所の風通しが悪く、是正を正そうとする空気が希薄となっていることが原因と思われると指摘しています。
極めて厳しい指摘であり、正鵠を射ていると思います。この指摘をどのように受け止められたのか、率直な見解をお尋ねするものです。
最後に、市役所の再生に向けた市長の責任の果たし方について問わせていただきま す。
さきに述べてきたように、公募型プロポーザルにおける数々の不適切な行為は極めて重大で深刻な問題だと言わざるを得ません。まさに、法令違反とも言える違法行為を業務命令として市職員にやらせていたということになるのです。
市職員の中には、参加資格を市内に本店、支店のある事業者に限るという不合理な条件を付すことにさすがに違和感を持つ職員もいたといいます。
にもかかわらず、違法行為はなくならなかった。それは、報告書でも市長の了承を得られなければ先に進めない、市長が大きな信頼を寄せているYが紹介した会社なら、内容にかかわらず市長の了承が得られる、市長も、公募型プロポーザルの公表前からB社との契約を了承していると記されているように、事業の進捗への大きなプレッシャーの中で担当職員が次第に追い詰められていったことが容易に想像できます。
それは、空港関連でも言えるのです。報告書では、複数の関係者が疑義を持ちつつも、Yから市長に確認済みと一喝され、パワハラに近い言動もあり、意見の言えない職場環境が形成されたと述べ、市役所全体として声の大きい者にひるむ傾向があると指摘しています。
市長は、行政報告の中で、公務員として、一層の自覚、モラルの醸成や法令遵守の向上に努めると述べましたが、市職員がそのモラルや法令遵守から逸脱せざるを得なかったのはどうしてなのでしょうか。その責任は誰にあるのでしょうか。そのことが 今問われているのではありませんか。
文字どおり、その責任は、行政のトップであり、管理監督責任者である市長、あなたではありませんか。
人ごとではなく、自らの問題として、責任の在り方、責任の取り方を果たす必要があるのではありませんか。
今回の不正事案は、市政執行方針の中で市長の掲げる医療の再生、中心市街地の再生、観光の再生に新たに市役所の再生を加えるぐらいに重要なテーマではありませんか。そのぐらいの姿勢がなければ、市民の信頼の回復はありません。
しかし、それに対する記述も位置づけも全く見当たりませんでした。
今回の不正事案を受けて、抜本的な改革への覚悟と決意を期待していましたが、市長の行政報告からは残念ながらそれも感じられませんでした。
給料の減額だけが責任の果たし方でしょうか。改めて、市長としての責任の果たし方について、身の処し方も含めて、その認識と見解をお聞きするものです。
〇宮川良一市長
次に、不正事案問題についてであります。
1点目の公募型プロポーザルにおける一連の不適切な行為についてでありますが、弁護士に法的問題点について確認させていただいたところ、本案件が法に違反するとすれば、官製談合防止法第8条が問題となり得る可能性があるとして、法的解釈をいただきました。
一つには、官製談合防止法第8条違反が成立するには、入札等により行う契約の締結に関して行われた当該入札等の公正を害すべき行為でなければならないとされており、入札等については、一般競争入札、指名競争入札のほか、公募型プロポーザルを含む随意契約であっても、競争入札の実質を有する場合には第8条の公の競売または入札に当たると解されるが、本件公募型プロポーザルが競争入札の実質を具備していたと言えるのかについては疑問がある、二つには、避暑地化推進基本計画策定業務委託公募型プロポーザルにおいて不適切な行為を行った職員が、決定権やプロポーザル選定委員会の評価基準についての決裁権限を有する場合には、入札等の公正性に正当でない影響を与える具体的な危険を有する行為と言えるが、不適切な事務処理を行った職員は決裁権限を有していないことから、官製談合防止法第8条の入札等の公正を害すべき行為には当たらないと考える、三つには、避暑地化推進基本計画策定業務委託に係る贈収賄事件において、北海道警察本部及び釧路地方検察庁は、本件全体について、刑事事件の有無及びその立件につき詳細に検討し、捜査されたものと考えるが、 結果として、贈収賄事件については逮捕、起訴とはなったが、官製談合防止法第8条については逮捕も起訴もなく、捜査は終了しており、本件については、官製談合防止法第8条に違反したとは判断しなかったものと考えられると見解をいただいております。
しかし、不適切な事務処理が行われていたことは明らかでありますことから、今後、二度とこのようなことがないよう是正してまいります。
2点目のエージェント対策費の使途不明金についてでありますが、路線維持対策委託費につきましては、紋別市不正事案等検証委員会においても、Y氏に対し、質問状を送付し、その使途等について明らかにするよう求めましたが、具体的な回答は得られず、これ以上の追及は困難となっております。
再委託につきましては、検証委員会の報告書において、株式会社紋別観光振興公社は、当時、Y氏から協議会には再委託の了承を得ていると説明を受けていたが、実際はY氏が独断で進めたものであったことが判明しており、公社社長は、昨年の株主総会において、不祥事に対する責任を認めた上で謝罪し、事件発覚後の対応、再発防止策等に関する説明を述べております。
エージェント対策事業につきましては、令和5年度に全面的な見直しを行い、利用促進事業として、ANAグループ及びANA総代理店の株式会社紋別観光振興公社と一体となって取り組み、事業の透明性の確保と予算執行の厳格化に努めているところであり、本市といたしましては、二度とこのようなことのないよう、再発防止に傾注し、市民の信頼回復に全力で取り組んでまいります。
3点目の再発防止策に関連してについてでありますが、議員のご指摘のとおり、紋別市プロポーザル実施要綱第5条には、審査会の設置のほかに、審議項目として、プロポーザル実施要領、参加提案者の選定、提案の審査及び評価が規定され、第9条には、審査会が参加資格の確認をすると規定されております。
しかし、避暑地化推進基 本計画策定業務委託プロポーザル審査会では、それらの審査等については、時間も限られていたことから、事務局での確認にとどめていたものであります。
紋別市職員の退職管理に関する規則は、営利企業等に再就職した元職員が離職前5年間の職務に関して離職後2年間は現職職員に対して働きかけを行うことを禁止するもので、今回の事案では、Y氏はその対象に該当する者であり、正しく退職管理がなされておらず、今回の検証委員会においても指摘を受けたところであります。
なお、公社の社長につきましては該当していないものと認識しております。
退職者の再就職先の公表につきましては、再就職後の業務への介入を防止するなど、不正事案への牽制にもなるものと考えております。
今後は、退職管理を確実に行うとともに、再就職者の公表についても実施してまいります。
会議録の作成につきましては、これまで、会議の開催結果について、決裁行為にて決定事項の報告や質疑、意見などについて報告してきたところでありますが、公平性と透明性を確保するためにも会議等の内容によっては議事録の作成を必要に応じて検討してまいりたいと考えております。
積極的な情報公開につきましては、開示できる情報は紋別市情報公開条例で規定しており、特定の個人を識別できるものや公開をすることにより明らかに不利益を与えるものなどの情報につきましては、全てを公開せず、部分公開としているところであり、保護すべき利益を守る観点からやむを得ないものであることをご理解願います。
アドバイザーからの見解につきましては大変重く受け止めており、今後、職員と一丸となって、不正は絶対に許さないという強い決意と覚悟を持って再発防止に取り組んでいかなければならないと考えております。
4点目の市役所再生に向けた責任の果たし方につきましては、さきに保村議員のご質問にお答えしたことでご理解願います。
【 保村議員に対する宮川市長の答弁 】
〇宮川市長
本事案についての責任の所在は、これまでも市政の最高責任者である私にあると申し上げてまいりました。
本定例会の初日に報告させていただいた再発防止策を着実に実行していくとともに、現在山積する行政課題を職員、そして市民の皆様とともに遅滞なく進めていくことが私の最大の責務であり、それにより信頼回復がなされるものと考え、市長の職を辞することは考えておりません。
【 再質問 】
○野村議員
子育てに関してご答弁をいただきました。いろいろと言いたいことがありますが、また改めて順次やっていきます。対応してくれている職員の皆さん、ごめんなさい。10分しかないので、今回は、不正事案の問題を主に取り上げさせていただきます。
私は、最初に官製談合防止法違反ではないのかという話をしまして、先ほど市長の答弁では弁護士の見解を述べられておりました。
弁護士によってもいろいろな解釈があるのです。私が参考にしたのは、ある県でありました。そこでも公募型プロポーザルが行われて、紋別と同じように、最初から特定の業者が選考基準になって、それが違法ではないかということで弁護士を含めて調査が行われ、そこでは、はっきりと官製談合防止法違反、第8条の違法行為だと認定をしておりました。私は、それを参考にさせていただきました。
それを受けて、市民団体が地検に告発をいたしました。同時に、市に対して監査請求を行っています。そういうことで、やはり、この問題は曖昧にはできないのだという取組が行われるのですよ。
私は、罪人をつくろうという思いで言っているわけではないのですよ。それだけ重大な問題なのだということなのですよ、これは。
裁量権の問題がいろいろあるから、また、これはどこかでやればあれですけれども、今日は時間がないのでやりませんけれども、昨日から今日にかけていろいろな議論がありました。
まず最初に、市長にお聞きしたいのです。
今回、最終報告書が出ました。去年は中間報告でした。最終報告書を市長は読まれたと思います。市長も聞き取りに協力されたと思います。これを読まれて、どんな感想を持たれましたか。
そして、何でこんなことが長い間というのか、ずっと続いていたと思いますか。その原因は何だと思いましたか。そして、その責任はどこにあるのだと思われましたか。
まず、この報告書を読んだ感想について、忌憚なく、市長、教えてください。
○宮川市長
何度も申し上げているように、最高責任者である私に責任があるということは先ほどの答弁でも申し上げております。
こうしたことがなぜ起こっているのかということについてですが、報告書の中にコミュニケーション不足ということが書かれておりましたけれども、職員が私等に対して話をできなかったのか、どうなのかということです。
私としては、非常に疑問で、それほど職員との間に壁があるという気持ちはなかったわけでありますけれども、実際には報告書ではそうした記載になったということで、非常に残念だなと思っておりますし、責任を感じているところであります。
○野村議員
報告書で、述べられている職員の思いというのは、聞き取りで発言されている職員の偽らざる声で、市長、そういうことなのです。職員の皆さんの思いはですよ。
もう一つ聞きます。報告書を読みますと、例えば、プロポーザルのことで、不正、不適切な行為がどんどんとやられている。読まれましたよね。それから、空港のことでもおかしいと思いながら言えない空気があったとつづられていますね。これは、職員の問題ですよ。実は、今回、この調査を行うに当たって、従来の職も捨ててまでこの調査のために頑張った職員がいるではないですか。この報告書を読まれ、そして、この報告書がつくられた過程における職員に対してはどう思われましたか。職員の皆さんに市長はど ういうふうに声をかけられますか、教えてください。
○宮川市長
この報告書の作成については副市長を委員長に行っていただきました。関係職員に対しては、本当に職務以外のことで非常に重い職務を与えておりまして、大変申し訳ない思いでおります。
その中でも、職員の皆さんは、この報告書の完成に向けて、今まで言えなかったようなことも言われていて、報告書として非常に立派なものができたのではないかなと思っておりますし、感謝しております。
○野村議員
立派なものができたということではないですし、喜ぶ話ではないのですよ。中身はとんでもない話なのだから。何を言っているのかなと思いますよ。
私は、この報告書を読んで胸が詰まりましたよ。苦しくなりましたよ。市の職員が、次々とこんなことをせざるを得なかった、追い込まれていったのですよ。それを許したのですよ、皆さん方が。そうさせたのではないのですか。本当に切なくなりますよ。
行政報告の中で、市長は、市職員の自覚とモラルを向上させる、法令遵守だと言われたけれども、それを逸脱させたのは誰ですか。皆さんではないですか。あなた方こそ、自覚を、法令遵守をしなければならないのですよ。本当、そう思います。それが責任ですよ。
今度のことの最大の問題は、組織的に行われていることです。今までの不祥事は、個人が公金を横領したぐらいなものです。
これは、組織的に行われているのです。組織的に行われるということは、誰かが組織の者として命令しているのですよ。指示をしているのですよ。やらせているのです。それが組織的なことでしょう。プロポーザ ルの問題も含めて。
問題は、誰がそれをやっているか、やらせているかということではないですか。私は、そのトップは、どうしても市長だと言わざるを得ないのですよ。
公募型プロポーザル、どこからこの一言が、どこからこれがスタートしたか、いろいろ書いているのです。もともとはC社という会社だったのですね。ほぼC社で皆さん方は決まっていたのだよ、担当職員、そして、前副市長も含めて。
それで予算請求するといったとき、市長はC社では駄目だと言ったのですね。さらに、C社では駄目だ以上に、中島氏に相談しろと。市長はそういうふうに言っていますね。
それで、前副市長は、中島氏は既に退職しているのですが、そこまで相談に行っているのですよ。
市長、C社という会社はなぜ駄目で、中島氏という人物がここに登場するのですか、教えてください。
○宮川市長
C社という会社のコンサルの完成されたものを見ましたら、建物は非常に立派で、お金がかかるものでできているのですけれども、その運用が全くできていないというか、そういうものがなされていなくて、俗に言う絵に描いた餅というような状況でありましたので、担当職員も含めて、その中でこれでは無理だなということでありました。
それで、どこか別なところはないのかどうかということで探していた中で、Y氏に伺いを立てるとか、そういうことではなくて、幅広く、都内等を含め、いろいろな企業を知っているだろうから、ちょっと聞いてみたらという感じでお話をしました。
その中で出てきたのがJHATということでありますけれども、そこがどうなのかということについてはしっかり職員のほうで見定めるといいますか、リモートなんかで話を聞いた中で見定めていってほしいということであれしておりましたけれども、職員のほうで、ここは都内にもホテルを数十持っていて、旅行関係も得意としているところなので、いいのではないですかということで話が進んでいったということでありまして、決して、そこに決め打ちするという考えではなくて、ほかにあれば、それにこしたことはない、当時はそういう思いだったのです。それは間違いないです。
○野村議員
相談を受けた中島氏は、自分の友人のJHATを紹介しました。そして、市の担当職員はJHATで必死になってそれを進めていきます。
ところが、中島氏からは、急遽、JHATではなくて、その子会社であるAQUILAに変えろというふうに指示が来ます。
しかし、前副市長も、担当職員も、AQUILAでは駄目だと言っています。なぜなら随意契約に該当しないからです。経験も実績もないからです。強行に駄目だと言ったのです。この判断は正しかったのです。
それを聞いた中島氏が前副市長のところにどなり込んでいったのですよ。どなり込んだというのは、見ていないので、分かりません。報告書では要求しに行ったと書いてあります。AQUILAにしろと。
それを受けた前副市長は、市長のところにそのことを報告しに行っています。
その2日後、市長は、AQUILAで進めろというふうに担当職員に指示をしたと 報告書で書かれています。違いますか。違うのなら言ってください。(「前副市長が 指示したと報告書に書いてあります」と呼ぶ者あり)いや、言うなら言ってください。
○稲葉副市長
報告……(発言する者あり)前副市長が指示をした。
○野村議員
それはそうですね。そういうことです。ごめんなさい。間違えました。 前副市長がそういう形で市長のところへ行ってAQUILAになったのですよ。そうですね。違いますか。
これは、昨日も喜多議員から話もあったのです。随意契約の中ではAQUILAは駄目なのですよ。でも、無理やりAQUILAにしろと市長が指示したということになっているのです。なぜですか。(発言する者あり)そういうふうに報告書は書いて いるのですよ。(発言する者あり)いや、違うなら違うと言ってください。 いや、どうだったか、市長から言ってください。それはどうだったのですか。
○宮川市長
報告書にあります指示をしたというのは、私が指示をしたということのように取られていますけれども、この報告書では、前副市長が指示をして、私は言われて承認したということの読み取りになるかと思います。
○稲葉副市長
12ページですね。昨日も、12ページの下から7行目からで、前副市長はという主語になっているのですけれども、判断を仰いだ後に……(発言する 者あり)
○野村議員
そのとき、市長は、AQUILAというところについて了承したのですか。そういうことですね。だから、随意契約には該当しないということを分かっていなかったのですか、いたのですか。それでもAQUILAでいこうというふうに判断したのですか。どうされたのですか。
○宮川市長
説明では、随意契約でやっても何の問題もないという説明があったので、そこで了承をしたということです。
○野村議員
それは、誰が説明したのですか、随意契約で大丈夫だと。これは前副市長ですか。
○宮川市長
それと担当部署です。
○野村議員
これは後にどこかで確認しましょう。
AQUILAは随意契約に該当しないから、でも、AQUILAにしなければならないから、これからですよ、プロポーザルに向けて、あらゆる不正が行われていくのですよ。
実績も経験もないので。だから、提案書も手直ししなければならないし、リハーサルまで行わなければならないのですよ。どんどんそうやってみんな深みにはまっていくのですよ。
それで、私は、やはり、市長のこの判断というのがどうだったのか、きちっとすべきだったというふうに思います。
これは、空港も同じなのですよ。時間がない中で空港の問題も聞きますが、中島氏に対して1,870万円というお金が支給されています。
これが、報告書では、公社から報酬が支給されないからとの考えから、1,870万円を支給したというふうに言っていますが、事実ですか。
○宮川市長
それは、いつかの答弁でもお話ししたように、事実です。
○野村議員
ということは、1,870万円という金額も、公社から報酬が支給されていないからというこの考え方に中島氏も了承してこの金額が決まったというふうに理解していいですか。
○宮川市長
そうだと思います。
○野村議員
この1,870万円は、公社から給与、報酬が支給されていないから、その補塡だと言っていたと。
ところが、昨日の議論ではないけれども、報酬をもらっていたのでしょう、公社から。そうですよね。二重払いされていた、あるいは、二重取りしていたということで、市役所はだまされていたのではないのですか。
これは、市役所の皆さんからすれば、こういう契約で報酬を払っているのに、公社からも給料をもらっているのだ、冗談ではないときちんと抗議をして、返済を求めることの根拠があるのではないですか。どうですか。
中島氏に言いますよ。やったら何かもう無理だみたいなのが来たと。それは、調査を依頼したのでしょう。でも、調査の結果、二重払いだ、約束をほごにしている、だまされた、だから、返済を求めると中島氏に言えばいいのではないのですか。できないですか。いかがですか。
○山本隆博観光空港対策室長
お答えいたします。まず、1,870万円につきましては、昨日答弁しましたとおり、中島氏個人ではなくて、繰り返しになりますが、あくまでも法人に委託料として支出しているということでご ざいます。
報酬というものが積算根拠になっている部分はあろうかと思いますけれども、そういったことで、あくまでも搭乗対策の委託経費ということで契約を結んでいるということでございます。
○野村議員
それは、あなた方の書類上の処理の話で、そんなことを聞いているのではないのですよ。中島氏は、公社から給料がもらえないから、その代わりとしてこれを受け取っていたのでしょう。そのための給料、そのための積算をして。
だったら、きちんと請求し続けなければ駄目ですよ。二重取りをしていたのだ、話と違うのだ、はっきりしました、ここで。だったら、中島氏に、公社からも金をもらっていて、市からもその金は行っているのだ、払えない、戻しなさいと言えるではないですか。言うことはできますね。請求できるのではないですか。もう一回、教えてください。
○山本観光空港対策室長
繰り返しになるかもしれませんけれども、あくまでも報酬は個人に対する報酬ということで公社から支出してございます。
そのほかに、協議会から搭乗対策委託料ということで支出してございます。積算根拠は、先ほど申し上げたとおりでございますが、そのような判断の下、当時、契約したものというふうに考えてございます。
○野村議員
そんなことを言っていたら駄目ですよ。全然、みんな、納得しないではないですか。
3億円近いお金が、それ以上のお金が使途不明金になっているというこの事態を何でもうちょっと皆さん方は真剣に考えないのか。
市民のお金、そして、この空港対策に使うお金にはふるさと納税からも入っているのですよ。寄附してくれた人に対する裏切りではないですか、こんなの。
使途不明金になって、どこかへ行ったかは分かりません、それで市役所としては終わりですか。こんなことが許されるわけないではないですか。
公社に対しても、市長自ら乗り込んでいってくださいよ。どうなっているのだと。
再委託はしてはいけないと言っているのに再委託したのはあんただろうと公社の社長に言ってくださいよ。責任を取りなさいと。ちゃんと資料を出しなさい、それがなければ、分からない分はちゃんと返しなさいと、市長自ら先頭に立ってください。
そうでないと誰も納得なんかしないし、結論なんか出やしない。幾ら再発防止だと市長が淡々と述べたって、誰もその決意も熱意も感じないのですよ。
私は、市長、昨日も今日もそうですが、本当に、この事態を受けて自らどうしようとしているのか、覚悟と熱意が感じられない、熱情が見えないのですよ。
空気が漂って、よどんでいるのでしょう、今、ここは、風通しが悪くて。だったら、もう窓をばっと全開にしてくださいよ。春の風を入れて、その空気を入れ替えましょう。
では、この窓を誰が開けるのですか。市長、あなたですか。私は難しいと思う。もっと真剣になってほしい、自分事にしてほしい、そう思っています。
私の言いたいことは市長も理解してくれていると思います。市長の自らの判断を私は期待したい。
時間がありません。答弁は要りません。自らの判断を、と思っています。 終わります。