2022年3月31日木曜日

2022年3月30日水曜日

3月議会が終わって

 3月1日に始まった令和4年第1回定例市議会も23日に終了し、その後の北見市議選の応援も終わり、やっとほっとしています。

 北見市議選は、菊池、桜井両候補とも見事当選。二日間でしたが桜井候補カーでアナをやってきました。
 3日間、お世話になった民泊「ゲストハウス八重」さんは、おいしい朝食を含め、あずましかったですね。

ゲストハウス八重


 さて3月議会ですが、いつものように一般質問と予算審議で、連日、息つく暇もありません。
 それでも、いくつか成果もありました。

 灯油高騰で多くの事業所も苦労しています。個人への「福祉灯油」とともに、介護事業者など社会福祉施設への灯油代の助成を求めてきました。それが、補正予算で計上され、実施されることが決まりました。

 平成30年度に廃止された「ファミリーサポートセンター」が復活することになりました。病院や買い物など、ちょっとした時間に子どもを預かってもらう。そのファミリーサポートセンターが、NPO法人の力も借りて、市も支援して復活します。繰り返し一般質問で取り上げてきたテーマでした。

 DV被害のシェルター設置も取り組まれることになりました。近くでは北見市にしかないシェルター。緊急時や子どもと一緒の場合などを考えたら、紋別市内にも当然必要です。私の一般質問に市長は、市内にも一時的なシェルターの設置を検討したい、と約束してくれました。

 増え続ける不登校児童生徒への対策を一般質問で取り上げました。地元新聞でも大きく報道され、感心の高さを実感しました。学校だけでなく、紋別市全体で取り組むべき課題だ、と訴えました。市長自身も、積極的にかかわる必要性を熱く語ってくれました。不安を抱えた生徒や保護者の相談に乗るスクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーの増員が決まりました。

 障害者の分野でも、日中の活動の場である「日中一時支援事業」の報酬単価が16年ぶりに引きあがることが決まりました。人件費すらままならない状況で事業が継続できない、という事業所の声を取り上げてきました。

 高齢者と身体障害者のみだった配食サービスも、あらたに知的・精神障害者にも適用になりました。在宅でも安心して暮らせるようにと、訴えてきた成果です。

 広域紋別病院の交差点にガードレールが設置されることになりました。通学、通勤、そして通院と朝は大変な混雑です。2019年、大津市で起きた交差点での園児死傷事故。この時から、安全整備を訴えてきた課題です。それがやっと改善されます。

 南ヶ丘団地のエレベーター設置、落石5丁目団地の移転建て替えも計画に入りました。令和2年度に策定された「公営住宅長寿命化計画」を塗り替えさせての計画見直しです。

 就学援助に持ち家と借家で認定に差がある問題を取り上げ、「生活と健康を守る会」の資料も示し、是正を求めました。ただちに改善とはなりませんでしたが、認定基準は各自治体ごとの判断によるため、他自治体の動向も注視ながら検討したい、と答弁。これからも取り組むべき課題です。
 ただ、修学旅行費の支給については、一部の学校で事後支給だったものを、今後旅行前に支給するとの回答がありました。

 たとえささやかな願いであっても、当事者には切実な悩みでもあります。それが、一歩ずつ解決されていけば、きっと住みやすいまちになるはずです。

 その声を、いつも聞き取りながら、寄り添いながら、これからも市政に届けていけたらと思います。

 

 

スクールソーシャルワーカーの体制強化を~2021年第4回定例市議会一般質問⑤(21,12,7)

 〇野村淳一議員

 最後に、スクールソーシャルワーカーの体制強化について質問します。 

 紋別市にスクールソーシャルワーカーが配置されて2年目となります。

 いじめや不登校、児童虐待などの課題に福祉的な観点からアプローチし、児童生徒や保護者に働きかけ、支援し、学校とも連携を図る存在として重要な役割を果たしていると考えます。

 まず、この間、スクールソーシャルワーカーを配置した成果とその変化についてお尋ねするとともに、見えてきた課題についてもお聞きします。 

 現在、スクールソーシャルワーカーは週1回の巡回配置となっています。

 ますます複雑化する教育現場での課題を掌握し、継続的に支援するためには、現在の体制では到底足りないのは明らかです。

 少しずつでもスクールソーシャルワーカーの存在と役割が見えてきた今こそ、スクールソーシャルワーカーの常勤化が必要ではないかと考えます。

 来年度に向け、スクールソーシャルワーカーの体制強化を求めるものですが、いかがお考えか、見解をお聞かせください。 


【 答弁 】

○堀籠康行教育長

 それでは、野村議員のご質問にお答えいたします。 

 スクールソーシャルワーカーの体制強化についてであります。 

 スクールソーシャルワーカーを配置した成果と変化についてですが、問題行動や不登校の背景には、児童生徒の心理的な要因とともに、家庭、友人、学校、地域など、児童生徒の置かれている環境の要因が複雑に絡み合っております。

 このような問題は、学校だけでは解決が困難なケースも多いことから学校外の機関と連携した取組が必要となります。 

 福祉と教育の両面からの視点で支援、対応していくスクールソーシャルワーカーの配置により、関係機関との情報共有や支援の目標、役割分担を明確にした支援体制へと変化が見られ、専門職の協働による支援により、課題解決に向けた取組の成果が、徐々にではありますが、見られているところであります。 

 課題についてですが、スクールソーシャルワーカーの配置は、北海道からの委託事業であり、現在は週1回の勤務となっております。

 児童生徒や保護者の支援ニーズの高まりや不登校の解消に向けた取組を進めるためには、さらなる教育相談体制の強化 が必要であると考えております。 

 来年度以降のスクールソーシャルワーカーの体制強化を図るため、北海道及び国に対し、北海道都市教育委員会連絡協議会などを通じた要望や常勤化を含めた事業の拡充について検討してまいります。 


障害者の就労を支える市独自のセンター設立へ~2021年第4回定例市議会一般質問④(21,12,7)

〇野村淳一議員 

 次に、障害者就労支援事業の委託についてお尋ねいたします。 

 障害者の就労を支援し、自立と定着に向けた事業に特化した専門機関として紋別市が立ち上げた業務委託事業に株式会社エムリンクホールディングスが決定し、夢ふうせんマーレとしてスタートいたしました。

 取りあえず、事業所が決まったことに安堵しつつ、今後の活動に期待をしたいと思います。 

 そこでお聞きします。 今回のプロポーザル審査に当たり、応募事業者は何社あったのでしょうか。

 そして、 エムリンクに決定した主な理由は何なのでしょうか。

 また、障害者の一般就労に向けたエムリンク側からの提案はどのようなものなのか、具体的な事業計画と当面の活動について、それぞれお聞きいたします。 


【 答弁 】

〇宮川良一市長

 次に、障害者就労支援事業の委託に関し、応募事業者についてですが、令和3年9月27日から10月15日まで、公募型プロポーザル方式により参加申込み事業者を募集し、株式会社エムリンクホールディングス1社より参加申込み及び提案書の提出があったところであります。

 事業者を株式会社エムリンクホールディングスに決定した主な理由ですが、市職員5名、関係機関の特別委員3名による計8名で審査委員会を組織し、提案内容、業務遂行能力等10項目について、書類審査、プレゼンテーション及びヒアリングによる評価を行った結果、審査基準点を満たし、事業の推進が期待できることから、委託業者として選定したところであります。 

 障害者の一般就労に向けた具体的な事業計画につきましては、本事業の達成目標として、特別支援学校卒業生市内定着者数を、令和3年度は6名、令和4年度は8名、令和5年度は10名とし、相談業務や職場開拓、定着支援に係る特別支援学校、一般企業等への積極的な訪問活動、本人や家族、特別支援学校や企業等への助言及び情報提供、障害福祉サービス事業所など、関係機関とのネットワークの構築、職員研修や資格取得による職務従事者のスキルアップ等に積極的に取り組む計画内容となっており、当面の活動についてですが、12月1日より、市としての連絡調整会議、障害者の就労に係る相談業務、市内企業への訪問、特別支援学校、障害福祉サービス事業所等とのネットワークの構築などを中心に活動する予定となっております。 


【 再質問 】

〇野村淳一議員

 それでは、障害者の就労支援事業についてであります。 

 一つの自治体が、本格的に障害者の就労支援に乗り出す、そういう事業を委託するということは全道的にも例がないと思っています。

 そういう意味では、紋別市の取組に非常に期待をしていますし、評価をしたいと思っています。

 先ほど、いろいろとこれからの取組についてご答弁をいただきましたが、一つだけ質問します。 

 障害者が一般就労を行うとき、障害福祉サービスの中に就労定着支援事業というものがあります。

 これは、同じように、障害者と企業の橋渡しをしながら、きちんと障害者が定着していくように長期にわたって支援をする支援事業です。

 これは、ちゃんと支給単価も決められていて、事業所に報酬として国から入ってきます。 

 私はこのような事業が必要だとずっと思っておりました。

 だから、今度のこの事業所も定着支援事業を行うのではないのかなと思っておりますが、それについてはいかがですか。 

 ○大平一也社会福祉課長

 お答えいたします。 就労移行支援事業所につきましては、紋別市にとりましても重要な事業所でございます。

 そちらの事業所にはこれまでどおり活動をしていただくわけでございますが、今回の障害者就労支援事業の中で、相談員などもいるのですけれども、就労移行支援事業所とも、ネットワークづくりの中で連携を持って、お互いに協力して障害者就労の対応に取り組んでいくという考えでございます。 

 ○野村淳一議員

 私は、そのことを駄目だと言っているわけではないのですよ。ただ、せっかくですから、就労定着支援事業もぜひ展望に入れていっていただきたいですし、そういう事業所として活躍されることを期待したいということを述べて、終わります。 

公営住宅の安全・安心を~2021年第4回定例市議会一般質問③(21,12,7)

〇野村淳一議員 

 次に、公営住宅について質問します。  

【 公営住宅の削減計画は妥当なのか 】

 令和2年に紋別市公営住宅等長寿命化計画が策定されました。これは、平成26年度 に計画期間10年間として策定された公営住宅等長寿命化計画が5年を経過し、全面的に改定されたものです。 

 これによると、令和元年度の公営住宅管理戸数1,158戸を10年後の令和11年度までに339戸を削減する計画となっています。

 さらに、令和21年度までの長期計画では、約半数の633戸にまで管理戸数を減らす計画です。

 一方で、新しい公営住宅の建設は3棟目のまちなか公住の30戸のみでしかありません。 

 確かに人口は減少傾向にあるでしょうが、一方で、高齢者と低所得層の増加は否めないのが現実です。

 住宅に困窮する低所得者に対して、低廉な家賃で賃貸し、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与するという公営住宅の目的を果たす上で、果たしてこれら管理戸数削減の計画は妥当なのか、その根拠と考え方をお聞かせください。 

【 南ケ丘団地の縮小と改修について 】 

 

南ケ丘団地

 その中でも、南が丘団地についてお聞きします。 

 この計画では、3号棟と5号棟のみを残し、他の5棟を廃止するとして、172戸を60戸に減らす計画です。

 改めて、この計画について入居者の理解と合意は得られているのかを聞くとともに、その移転先はどうなるのか、入居者の意に沿った形で移転が行われるのか、それぞれお聞きします。 

 また、南が丘団地では、当初、全面的改善がされるとなっていたものが、残る3号棟、5号棟とも個別改善に変更されています。

 この変更理由とともに、個別改善の内容をお知らせください。そして、懸案となっていたエレベーターの設置については検討されているのかどうかも併せてお聞きします。 

【 落石5丁目団地の修繕計画について 】 

 次に、落石5丁目団地についてです。 

 平成26年度に策定された長寿命化計画では、令和4年から3年間にわたり計画修繕が実施される予定だったと思いますが、令和2年の計画ではその記述がなくなっています。

 落石5丁目団地についてはどのような対応となるのか、お尋ねします。 

【 公営住宅の家賃と灯油価格について 】 

 公営住宅の家賃についてお聞きします。 

 まず、家賃の減免制度についてですが、その取組の現状と周知の方法についてお聞きします。

 また、収入が基準より多い収入超過者に対しては別の家賃が設定されていると思いますが、その基準と収入超過者の現状及びその対応についてお尋ねします。 

 公営住宅でも灯油価格の高騰が問題になります。特に、南が丘団地やまちなか公住などでは、紋別地方石油業協同組合により一括して灯油が供給され、全戸一律の料金となっています。

 したがって、入居者は自由に業者を選択できない仕組みです。 

 さきに私がこの問題を質問した際、紋別市への納入単価より高く設定しているため、市への納入単価と同じようにするよう交渉するとしておりました。

 その後の対応はどうなっているのか、そして、現在の灯油価格はどのようなものか、それぞれお尋ねします。 


【 答弁 】

〇宮川良一市長

 次に、公営住宅についてであります。 

 1点目の紋別市公営住宅等長寿命化計画についてでありますが、計画的に公営住宅の整備、活用を進めるため、公営住宅全体の整備プログラムや実施方針を示したものになっており、現計画は、令和2年3月に見直しを行い、計画期間は令和2年度から 11年度までの10年間となっております。

 当該計画の妥当性、根拠、考え方に関し、公営住宅の需要の見通しについてですが、 将来人口、世帯数等の推計を基に、住宅を自らの収入で確保することができない借家世帯数を推計しております。

 この推計方法は国立社会保障・人口問題研究所の将来人口を基に国土交通省が定める公営住宅等長寿命化計画策定指針にあるストック推計プログラムを用いたものであり、当該計画における公営住宅の管理目標戸数は住宅を自らの収入で確保することができない借家世帯数を上回るように想定していることから妥当であると考えております。 

 南が丘団地における改修等の計画についてですが、本年2月に入居者への書面による説明会を実施し、15件の質疑を受け、回答したほか、電話による個別対応も行い、3月には全入居者の意向調査を完了したことから、理解と合意が得られたものと認識しております。 

 また、移転先については、ほとんどの入居者は、希望する他の公営住宅等へ移転することとなりますが、新築予定のまちなか団地C棟への移転希望者が30戸に対して32世帯いることから、2世帯については近隣のまちなか公営住宅等へ移転できるよう調整してまいります。 

 南が丘団地の3号棟及び5号棟を個別改善に変更した理由についてですが、前計画においてエレベーターの設置を考えていたことから全面的改善としておりましたものの、エレベーターを設置した場合、複数台の配置や渡り廊下の増設など、本来の大規模な改修工事に加え、さらなる費用負担が伴い、建設費の高騰、保守点検費用等が発生するほか、入居者が負担する共益費が増加することから個別改善としたところであります。 

 しかし、将来にわたって住みよい居住環境とするためにはどうしたらよいか、また、新築した場合との費用対効果の比較を含め、再度検討してまいりたいと考えております。 

 落石5丁目団地につきましては、前計画では3年間の計画的な修繕としておりましたが、紋別市洪水ハザードマップの土石流危険渓流に近接していることもあり、当該団地の在り方を検討するため、計画的な修繕を見直し、随時に対応することといたしました。 

 しかし、建設後30年から45年を経過し、耐用年数を超過していること、ほとんどの住棟が令和3年5月21日に北海道が指定した土砂災害警戒区域となったことから、紋別市公営住宅等長寿命化計画を再度見直し、移転、建て替え等を検討してまいりたいと考えております。 

 2点目の家賃の減免制度と収入超過家賃についてでありますが、減免制度については、令和3年11月末時点で、入居戸数846戸に対し、減免件数は159件、約19%が該当となっております。 

 周知についてですが、令和2年5月に全戸に文書配付による周知を行ったほか、新規入居者に対してはパンフレットによる説明を行っております。 

 収入超過者の家賃の基準と現状につきましては、引き続き、3年以上入居しており、条例で定める基準を超える収入のある場合であり、現在、66世帯を収入超過者として認定し、収入を勘案した割増し家賃となっております。

 収入超過者への対応についてですが、収入超過者認定通知書を交付し、明け渡しを促しております。 

 3点目の公営住宅の灯油価格についてでありますが、令和2年第1回定例会閉会後に、紋別市への納入単価と同額となるよう、紋別地方石油業協同組合との交渉を行い、了承を得ており、同年4月より適用されております。

 なお、令和3年12月1日現在の税抜き単価は108円となっております。 


【 再質問 】

〇野村淳一議員

 次に、公営住宅に関し、南が丘と落石5丁目団地についてお聞きします。 

 先ほどの市長の答弁のうち、南が丘団地についてですが、エレベーターのことについて答弁がありました。

 今の長寿命化計画では、南が丘団地の3号棟と5号棟を残すのですが、そこにはエレベーターの設置についての記述はないのです。

 しかし、市長の話では、エレベーターの設置について、再度、それらも含めて検討するというご答弁でした。 

 その辺の中身についてもう一度ご答弁ください。 

 ○加川安明建設部長

 お答えいたします。南が丘団地の3号棟と5号棟のエレベーターの関係についてです。 

 前回の計画におきましては、市長答弁にありましたように、エレベーターを含む全面的改修としておりましたけれども、エレベーターの設置には改修も含めた多大な費用がかかります。

 また、エレベーターを個別にした場合、入居者の共益費が増加するということがありますことから難しいと判断し、エレベーターを抜いた個別の改善に今回したところであります。 

 しかしながら、今、入居者の方には高齢者の方が多いところです。その方々の将来にわたっての住環境や利便性の向上を長きにわたって図るため、エレベーターの設置も含めて再検討したいと考えております。 

 ○野村淳一議員

 場合によっては、新規建て替えということも含め、検討は必要な状況ではないかなと思っていますので、その方向で検討してくださいますよう、よろしくお願いします。 

 それから、落石5丁目団地についてです。 

 ここは洪水ハザードマップによると土石流の危険地域です。それから、新しく土砂災害の危険地域となって、用途廃止となっていたのです。

 そのため、市長からは、先ほどの答弁で、移転、建て替えを検討するということでありました。

 これも今の計画と全く違う内容の答弁です。 

 土砂災害の危険があるのに、用途廃止で、10年間そこにいるとはなりません。何かがあったら大変ですから、直ちに、移転、建て替えというのは当然だと思うのですが、そのような理解でよろしいですね。もう一回ご答弁ください。 

 ○加川安明建設部長

 お答えいたします。 今、野村議員がおっしゃったとおり、北海道が5月に土砂災害警戒区域内を指定しましたが、その中にほとんどの住宅が存在することになったところであります。 

 ここにつきましては、10年後の次回の見直しの際、どうするかという検討をすることになっておりましたけれども、土砂災害警戒区域になったこと、また、落石5丁目につきましては設備や立地条件があまりよくないということで、公募してもなかなか入居者が集まらないということもあります。

 その理由ですが、アンケートを取りましたところ、設備や立地条件がちょっと悪いということです。

 なお、今は、入居者を募集した場合、設備や立地条件がいい緑町等が集中的に応募されているということもありますので、移転、建て替えも含めて検討し、入居者の利便性の高い住宅を供給したく、再度検討してまいりたいと考えておりました。 

 ○野村淳一議員

 そういう形で、随時、計画も見直しながら進めていただきたいと思います。 

どちらにしても、昨年つくった長寿命化計画で、今、私が質問をして分かったとおり、内容が変わっているのですよ。

 それはちょっといかがなものかなという気がしています。

 いずれにしても、内容そのものは前進していると私は理解しますので、ぜひその方向でやっていただきたいと思います。 

 それと、家賃の問題で一つ教えてください。

 収入超過家賃についてです。 紋別市営住宅条例を見ると、収入超過家賃について、近傍同種の家賃と書いてあるのです。

 近傍同種というのは、同じ地域の同じような形態の住宅と同じくらいの家賃だという意味ですよね。 

 ある方から伺ったのですが、まちなかの団地で、月10万円という家賃になっている方がいます。

 収入は400万円に行くか行かないかです。

 もちろん、この方は超過しているのですよ。

 しかし、紋別市内で、近傍同種といっても、2LDKでそんなところがあるのかなと思いましたし、なかなか実感できないのです。 

 確かに、超過家賃ですから、できれば出てほしいということはあるのでしょうけれども、近傍同種の家賃となっていて、月10万円というのはちょっと理解できないところがあります。それについて教えてください。 

 ○髙橋正明都市建設課参事

 お答えいたします。 近傍同種家賃というものは、当該公営住宅と同等の賃貸住宅の利用対価として、通常、入居者が支払うべき賃料として算定することとなっております。

 この算定につき ましては、不動産鑑定評価基準の理論に沿って、積算法により算定することになっております。 

 先ほど議員がおっしゃられたとおり、2LDKの民間の賃貸住宅、アパートにはそういったものがないとおっしゃっておりましたけれども、公営住宅としては、最近、まちなか幸団地、まちなかメモリアル団地が建ちました。

 こちらは確かに10万円を超えているのですけれども、この建物は鉄筋コンクリートの中高層となっています。

 これと同等のものということですが、実際には紋別市内にはなかなか存在しません。

 そういったことから、先ほど申しました不動産鑑定評価基準の理論に沿って、積算法により算定しているのが実情です。 

 ○野村淳一議員

 そういう基準なのでしょうけれども、ただ、条例には近傍同種と書いてあるわけです。

 6万円を超える家賃の住宅、アパートは紋別にはそうないですから、どうなのかなと思っていました。

 ただ、今言った法令の基準に基づいて計算しているということなのですね。 

 


「福祉灯油」をもっと多くの人に~2021年第4回定例市議会一般質問②(21,12,7)

 〇野村淳一議員

 次に、原油価格高騰対策について質問します。 

 経済産業省北海道経済産業局のまとめによると、11月29日現在で、紋別市を含む道東地域の灯油1リットル当たりの平均配達価格は115.8円で、昨年同時期に比べて33円も高くなっており、家計負担は昨年と比較して約3万円を超える負担増になるとも言われています。

 今回の原油価格高騰は、新型コロナ感染の影響により傷んだ経済と家計に追い打ちをかけるもので、政府を先頭に、各自治体を含め、しっかりとした支援策を講ずることが必要です。 

 紋別市も福祉灯油を実施することになりましたが、さきの補正予算の質疑でも指摘しましたとおり、その対象が極めて限定されていることに疑問を持つものです。

 何より、基本は、生活困窮者に灯油高騰分を少しでも助成し、暖かい冬を迎えてもらうことです。 

 改めて、いわゆる低所得者世帯、市民税非課税世帯を対象に福祉灯油の実施を求めるものであり、せめて障害者に対しては障害の重い軽いの程度区分で支給を区別することのないよう強く求めるものですが、改めて見解をお伺いします。

 また、生活保護世帯が対象から排除されていることも疑問です。たとえ冬季加算があるといっても、灯油が幾ら値上がりしても、それを補塡する制度はありません。

 しかも、2015年に冬季加算が減額されたままなのです。実際、それらを考慮し、生活保護世帯にも独自に福祉灯油の対象としている自治体も少なくありません。

 士別市、根室市、石狩市、北広島市や網走市などがそうであり、何も特別なことではないのです。 

 昨年に比べ、1リットル二、三十円も値上がりしている今、紋別市においても、生活保護世帯に対し、福祉灯油の対象とするよう求めるものですが、見解をお尋ねします。 

 また、生活保護制度では、生活保護利用者のうち、病気、障害などによる療養のために常時在宅している世帯や乳幼児がいる世帯などには、冬季加算額を1.3倍に増額する特別基準の制度があります。灯油価格高騰の折、積極的にこの制度を知らせ、利用を呼びかけることが重要だと考えます。

 現在のこの制度を利用している状況と今後の対応についてお尋ねします。 

 灯油や燃油価格の高騰は、一般家庭にとどまらず、様々な事業所、様々な業種にも深刻な影響を及ぼしています。

 これに対し、政府も地方自治体が原油価格高騰の影響を受けている生活者や事業者を支援する対策については特別交付税を講ずるとしています。 

 例えば、養護老人ホームや障害者施設、民間の保育所、幼稚園などの社会福祉施設に対する暖房費高騰分の助成、農林漁業者や交通・運輸関係に対する燃油高騰分の助成などを含め、この特別交付税の活用を促し、紋別市として早急で具体的な支援策を講ずるよう求めるものですが、いかがお考えか、お尋ねいたします。 


【 答弁 】

〇宮川良一市長

 次に、原油価格高騰対策についてであります。 

 1点目の福祉灯油の対象拡大についてでありますが、さきの第4回臨時会において、灯油販売価格の高騰に伴い、在宅で生活する所得の低い一定の世帯に対し、灯油価格の値上がり分の一部を助成する福祉灯油対策事業について議決を受けたところであります。 

 本事業は、市民税非課税世帯に対する生活支援及び経済的支援として実施するものであり、満70歳以上の高齢者世帯、重度心身障害者世帯、満20歳未満のお子さんのいるひとり親世帯などの生活上のハンディキャップを有する世帯を対象としたものであります。 

 また、助成対象世帯は、北海道の地域づくり総合交付金における福祉灯油補助対象世帯を参考としており、低所得者世帯、市民税非課税世帯の全てを対象に福祉灯油を実施することや障害者世帯の対象範囲の拡大については現時点では考えておりません。 

 次に、生活保護世帯が福祉灯油対策事業の対象外となっていることについてですが、生活保護世帯は、冬場の家庭用燃料費として冬季加算が支給されていること、また、 現状では、北海道の地域づくり総合交付金における福祉灯油の助成対象世帯としても非該当とされていることから、本事業の助成対象とはしておりませんが、現在、交付金の要綱改正の中で生活保護世帯の取扱いについても検討されていることから、今後の動向を注視してまいります。 

 生活保護世帯に対する冬季加算の1.3倍の額を適用する特別基準の利用状況についてですが、現在適用している世帯はありません。

 今後の対応といたしましては、担当ケ ースワーカーより制度の周知を徹底するなど、適切に対応してまいります。 

 2点目の施設や事業者への支援策についてでありますが、各自治体が実施する生活困窮者向けの灯油購入費助成などに対し、国は特別交付税による措置をする旨、報道されておりますが、措置率をはじめ、施策概要やスキームといった部分は現時点で示されておらず、11月30日付の原油価格高騰対策に関する各自治体の取組調査にとどまっております。 

 前回、特別交付税による措置がされたのは平成26年で、生活困窮者に対する灯油購入費の助成事業などを対象事業に2分の1が措置されたところであります。

 今後、国から示される特別交付税による措置率を踏まえるとともに、各分野の影響額等について調査してまいりたいと考えております。 


【 再質問 】

〇野村淳一議員

 原油価格の問題についてであります。 福祉灯油の拡大について主張しましたが、今のところは考えがないということです。 ちょっと残念ですが、仕方がありません。

 生活保護との関係でお聞きします。 旭川市も生活保護世帯に福祉灯油をとなったようです。 

 先ほど市長の答弁では、生活保護に関して検討されるようなされないような、市がなのか、国がなのか、そこは分かりませんが、そんなニュアンスの答弁でしたが、内容を教えてください。 

 ○大平一也社会福祉課長

 お答えいたします。 生活保護世帯につきましては、北海道の地域づくり総合交付金における福祉灯油の対象世帯ということで、現時点では非該当となっているのですけれども、今、北海道では要綱改正の中で生活保護世帯を対象とするかしないかということが検討されているということでありますので、その動きを注視してまいりたいと考えております。

 ○野村淳一議員

 どこもそういう流れなのでしょうが、ぜひ、市としても、積極的に検討してほしいと思います。 

 次に、生活保護の特別基準です。 内容を確認します。

 重度障害者加算が支給されている方、いわゆる冬季加算1.3倍ですよ。

 それから、要介護度3以上の方、それから、医師の診断書等により、紋別市が認めた方、そして、乳幼児のいる世帯となっていると思います。 

 今のところ、0件との答弁でした。生活保護世帯の中にこれに該当する方は客観的に見てもいるような気がしますし、いると思います。

 なぜそうした方々が利用されていないのですか。これから冬に向けて積極的にやる必要がありますね。 

 先ほどケースワーカー云々とありましたけれども、これは申請ということになるのでしょう。でも、客観的に見て、該当するかどうか、皆さん方はすぐに分かるではないですか。 

 こういう灯油が高くなっている今の時期だからこそ、せっかくの制度ですので、呼びかけるという姿勢が必要だと思います。改めてご答弁ください。 

 ○大平一也社会福祉課長

 お答えいたします。 今、議員がご指摘のとおり、現状、生活保護でこの制度の特別基準に該当する世帯が10世帯ほどございます。

 その10世帯に対しましては、早急にケースワーカーが訪問 し、状況と必要性を確認した上で速やかに対応したいと考えてございます。 

 ○野村淳一議員

 よろしくお願いします。 

 次に、そのほかの事業所などに対する灯油価格の問題についてです。 

 特別交付税については、今、国から1通の指示が来ただけなのですね。それで、なかなか手が出せないのかもしれません。 

 しかし、どちらにしても特別交付税の措置が講ぜられる可能性があるわけですから、市としては、事業所の実態をしっかりと把握するという調査をぜひ進めていただきたいと思っております。 

ゼロカーボン・シティに向けた取り組みについて~2021年第4回定例市議会一般質問①(21,12,7)

〇野村淳一議員

 最初に、ゼロカーボンシティに向けた取組についてです。 

【 ゼロ・カーボンシティ宣言の背景と意義 】 

 市長は、7月の所信表明の中で、国の2050年カーボンニュートラルに呼応する形で、2050年CO2実質排出ゼロを目指すゼロカーボンシティをここに宣言するとしました。 

 言うまでもなく、今や、地球温暖化に伴う気候変動は、地球と人類の存亡がかかった重大な問題と言っていいでしょう。

 私たちに身近な流氷ですら温暖化の影響を受け、既にオホーツク海全体の流氷の面積はこの40年間でおよそ30%減少しており、その影響の拡大が懸念されているところです。 

 紋別市環境基本条例の前文は、次のように述べています。 「流氷という環境センサーが地球温暖化への警鐘を鳴らし、これを目の当たりにしている紋別市民は、かけがえのない地球環境を保全し、これを良好な状態で将来の世代に引き継がなければならない」と。

 その意味で、紋別市がゼロカーボンシティの取組を推進することには積極的な意義があると考えます。 

 そこでまず、今回の宣言に至った背景とその意味についてお尋ねします。 

【 公共施設のCО2排出量の削減目標について 】 

 さらに、市長は、所信表明で次のように述べています。 第2期総合戦略においても、公共施設のCO2排出量の減少などをKPIとして設定するなど、国が目指す脱炭素社会に寄与できる意識と下地はしっかりと整っているとしています。 

 この総合戦略では、目標年度の令和6年までに18%余りのCO2削減をKPIとして定めています。

 これは、決して簡単な数字ではありません。 

 そこで、お聞きしますが、この目標を定めた根拠とその実現に向けた具体的取組、さらに、年度ごとの目標についてもお知らせください。 

 特に、具体化の一つとして所信表明でも触れられている今後の公共施設の積極的な再生可能エネルギー導入の具体化について、新庁舎の方向性を含めて、考え方をお聞きするものです。 

【 実行計画の達成状況と新たな計画策定について 】 

 気候変動に対応する現行の国内法としては、1998年に成立した地球温暖化対策の推進に関する法律、いわゆる温対法があり、今年、2050年カーボンニュートラルを基本理念に一部改正が行われました。 

 この温対法に基づいて、地方自治体は、自治体の事務及び事業に関し、温室効果ガス削減のために地方公共団体実行計画の策定が義務づけられています。

 紋別市も、法に基づき、紋別市役所環境保全行動計画を策定し、実践してきたと考えます。

 平成27年に策定された第3次行動計画では、毎年度1%のCO2削減計画を定めています。 

 そこで、その削減計画に基づき、現在までのCO2排出量をどれほど削減してきたのか、その数値と目標値に比べた達成状況をお聞きするとともに、その評価についての認識をお尋ねします。 

 同時に確認したいのが、第3次行動計画は平成30年度に終了しており、それ以降、新しい行動計画が策定されていないのではないかという点です。

 市のホームページでも、市の広報でも、記載はありませんでした。これはどういうことかをお聞きするとともに、第2期総合戦略のKPIを達成するためにも、新たな市役所の行動計画の策定が必要だと考えますが、いかがお考えか、お聞かせください。 

【 区域施策編の計画策定こそ必要 】 

 紋別市のゼロカーボンシティ宣言は、オホーツク管内では、今のところ、紋別市だけだと思います。

 それだけに、先駆をなす取組として官民を挙げた実践が求められますし、それなしにゼロカーボンシティは達成しないでしょう。 

 地球温暖化対策推進法の中には、市役所内でのCO2削減計画を定めた事務事業編とは別に、個人、民間を含む行政区域全体での対策を定めた区域施策編の策定が努力義務として呼びかけられています。

 道内でも、富良野市や稚内市、石狩市など、積極的に区域施策編を策定している市町村があります。 

 ゼロカーボンシティを目指すためにも、市全体として環境保全と温暖化対策を進めるために市民と事業者を巻き込んだ区域施策編の計画策定が必要だと考えるものですが、見解をお尋ねします。 

【 再生可能エネルギーの普及と環境保全対策を 】 

 ゼロカーボンシティを推進するための温暖化対策で大きな役割を果たすのが再生可能エネルギーの普及です。

 個人や事業所での再生可能エネルギーの導入についても紋 別市として積極的に支援する必要があると考えます。 

 一時期、住宅へのソーラーパネル設置への補助制度を実施しておりましたが、その復活についての考えはないのか、また、家畜糞尿などを活用したバイオマス発電などの事業も検討され得ると考えますが、それらについての見解をお尋ねします。 

 しかし一方で、大規模な再生可能エネルギーの開発に伴う乱開発や市民生活への影響も懸念され、各地でトラブルも発生しています。

 再エネ事業だからといって、山林が荒らされ、木が切られては本末転倒です。 

 本市では大規模な木質バイオマス発電と太陽光発電の開発が目立ちますが、それら環境保全への何らかの規制やガイドラインなどは存在するのかどうか、お聞きするとともに、紋別市としての対応と認識をお尋ねします。 

【 情勢に応じた新たな環境基本計画の策定を 】

 次に、紋別市環境基本計画についてお尋ねします。 

 平成25年に策定された紋別市環境基本計画は、10年間の計画期間を経て、来年度がいよいよ最終年度となります。

 平成23年に制定された紋別市環境基本条例に基づいて、故青田昌秋先生を委員長にした環境審議会での熱の籠もった議論を基に、紋別市で初めて環境をテーマに策定された基本計画です。 

 その内容は、環境保全や温暖化対策にとどまらず、ごみなどの廃棄物対策、水質や悪臭などの公害対策、環境教育に至るまで、幅広く網羅されています。

 これは、さきのゼロカーボンシティ構想にもつながるものであり、今日の状況に応じた新たな環境基本計画が必要です。 

 これまでの基本計画に基づいた事業を総括、検証し、今後に生かした計画を策定するためにも、市民的な議論の場を大いにつくり、1年をかけて新たな環境基本計画をつくるべきと考えますが、いかがお考えか、お尋ねいたします。 


【 答弁 】

○宮川良一市長

 それでは、野村議員のご質問にお答えいたします。 

 初めに、ゼロカーボンシティに向けた取組についてであります。 

 1点目のゼロカーボンシティ宣言に至った背景とその意味につきましては、さきに 橘議員のご質問にお答えしたことでご理解願います。 

 2点目のCO2削減目標と具体的取組についてでありますが、KPIにおける公共施設のCO2排出量目標値の根拠は、第4次紋別市役所環境保全行動計画(事務事業編)の目標値として、基準年度の排出量に対して、令和12年度時点で約40%削減することを基本的な考え方としております。

 その途中年度である令和6年度は約18%が削減目標となっております。 

 実現に向けた具体的な取組についてですが、LED照明や木質バイオマスボイラーへの更新、電気自動車や排出ガス低減率の高いハイブリッド車の導入を進めるほか、今後は、市役所新庁舎や各公共施設に対しても再生可能エネルギーを導入してまいります。 

 令和3年度の目標につきましては9,289トンで、約9%が削減目標となっております。 

 公共施設の再生可能エネルギー導入の具体化につきましては、さきに橘議員のご質問にお答えしたことでご理解願います。 

 3点目の紋別市役所環境保全行動計画についてでありますが、第3次紋別市役所環境保全行動計画(事務事業編)では、年1%以上の削減目標とし、基準年度である平成25年度のCO2排出量は1万389.5トン、令和2年度の削減目標は基準年度比8%減の9,558.3トン、令和2年度のCO2排出量は1万201.0トン、達成率は93.7%となっており、主要なエネルギーである電力及び燃料等の効率的な使用に努められなかったものと認識しております。 

 新たな市役所の行動計画策定についてですが、第4次紋別市役所環境保全行動計画 (事務事業編)として、平成31年から令和5年までの計画を策定しております。

 しかし、市ホームページ等での更新や周知が不足していたことから未策定との誤解を招いてしまいましたが、速やかに市ホームページの更新作業を終え、掲載させていただきました。 

 また、これまで、広報もんべつや市ホームページにおいて行動計画の達成状況について毎年公表しておりましたが、第2期紋別市総合戦略KPI数値目標と整合が取れていない数値となっておりましたことから是正してまいります。 

 4点目の市民と事業所を巻き込んだ行動計画の策定につきましては、さきに橘議員のご質問にお答えしたことでご理解願います。 

 5点目の再生可能エネルギーの普及とガイドラインについてでありますが、個人や事業所への補助制度につきましては次期計画策定の中で協議してまいります。 

 環境保全に対する規制やガイドラインについてですが、環境省の太陽光発電の環境配慮ガイドラインが各省庁においても規制等として示されており、適切な環境配慮が講じられ、環境と調和した形で事業が実施されるものと認識しており、環境への影響等が懸念される場合は適切に対応してまいります。 

 次に、紋別市環境基本計画についてでありますが、第2次計画の策定につきまして は、さきに橘議員のご質問にお答えしたことでご理解を願います。


【 橘議員の質問(ゼロカーボンシティ宣言を機に、地域脱炭素ロードマップを踏まえ、新たな実行計画の策定と取組を具体的にどのように進めるのか)への市長答弁~ 

 それでは、橘議員のご質問にお答えいたします。 初めに、第2回定例会での2050年ゼロカーボンシティ宣言についてであります。 地球温暖化問題は、世界規模での対応が求められている喫緊の課題であり、国は、 昨年10月に、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、いわゆるカ ーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを宣言しており、本市においても地球温暖化に向き合う姿勢を示すことが大切であると考え、さきの第2回定例会の中で、ゼロカーボンシティ宣言を表明したところであります。実行計画の策定と取組についてですが、現在の紋別市環境基本計画は、平成25年度を初年度とし、10年計画として策定しており、来年度が最終年度となり、見直しを行います。 本市が目指す環境像のオホーツク海沿岸の豊かな環境を守り育て、次世代へ引き継ぐまちの実現に向けて、これまで、本市の特色でもあります木材の積極的な利用、木質バイオマス発電の推進や森林等の吸収源対策を行うなど、国が目指す脱炭素社会の実現に向けた取組を推進してまいりました。次期計画では、2050年までの長期目標を設定することとしておりますが、ゼロカーボンシティの実現を見据えると、内容を大幅に充実させて抜本的に見直す必要があるものと考えております。このことから、見直しに当たりまして、環境保全行動計画(区域施策編)を新たに策定することも検討してまいります。温室効果ガス排出の抑制だけでなく、区域の目指す将来像や総合的な目標を設定し、その目標を目指すことになります。また、平成31年に策定した第4次紋別市役所環境保全行動計画(事務事業編)を区域施策編と合わせて一体として、環境基本計画に基づいた計画にすることも検討してまいります。来年度、環境基本計画改定に向けての協議が進められますが、計画を効率的かつ確実に推進していくためには、市民、事業者、市が連携協働して取り組んでいくことが重要であります。市民などから広く意見を聞くための仕組みが必要でありますため、市民、事業者などから成る組織を設置してまいります。また、環境の保全に関する基本的事項を調査審議する紋別市環境審議会がございますので、専門的な立場による提言組織として、引き続き審議をしていただきたいと考 えております。具体的にどのように進められるかについてですが、国の地域脱炭素ロードマップでは、地域課題を解決し、地域の魅力と質を向上させ、地域の成長戦略ともなる地域脱炭素の行程と具体策が示されており、地域脱炭素の取組は、経済循環以外にも、防災、 減災、生活の質の向上など、様々な地域課題の解決にも貢献し得るとされております。本市では、本年度、旧道都大学体育館改修事業において、暖房施設に木質バイオマスボイラーを導入いたしました。現在、基本設計策定中の市役所新庁舎においても、季節を問わず、安定した温度である地中の熱をくみ上げて利用する地中熱ヒートポンプや木質バイオマスボイラー、太陽光発電の導入を検討しております。今後、老朽化による公共施設のボイラー更新時には、各施設での稼働状況も考慮しなければなりませんが、再生可能エネルギーの導入を検討し、ゼロカーボンシティの実現に向けて、次期計画と整合性を図りながら推進してまいります。 】


【 再質問 】

〇野村淳一議員

 では、再質問をさせていただきます。 

 最初に、ゼロカーボンシティの問題について確認させてください。 

 温対法に基づいて事務事業編の策定が義務づけられ、第3次までできています。

 先ほど言ったように、これは公式のものを見ているのですが、第4次というのは公開されていません。それでも、できているのですね。そして、公開したのですか。昨日も確認できませんでした。 

 それはいいとしても、第4次の中身です。手元にあるのかもしれませんが、第4次は令和5年度までが計画期間ということになりますよね。

 それでは、目標値といいますか、令和5年度までに何%を削減することにしているのですか。 

 令和3年度までは、毎年1%で、6%を削減するということです。

 今度の第4次は、令和5年度までに何%を削減することになっているのか、教えてください。 

 ○若原喜直市民生活部長

 お答えをいたします。 第4次紋別市役所環境保全行動計画の周知は全く図られていなかったということで、 おわびを申し上げたいと思います。 

 なお、現在はホームページに載せております。 数字につきましては課長から答弁いたします。

 ○浜屋武志環境生活課長

 第4次行動計画の目標値についてです。 2016年5月、国の地球温暖化対策計画では、基準年度排出量に対し、2030年度時点で約26%削減が目標値とされておりました。

 事務事業編では、分野のうち、業務その他の部門が公共施設の削減率の対象となっておりまして、全体で26%削減するためには業務その他部門で約40%の削減が目標値となっております。 

 また、年3%が目標値となってございました。 

 ○野村淳一議員

 第4次計画が策定されていたにもかかわらず、公開されなかったのです。これは極めて遺憾ですよ。

 これは、本気度も試される話なのですよ。本当に市役所は温暖化の問題に対して真剣に向き合っているのかということが問われる話でして、重大な問題だと思って認識してください。 

 それから、今、課長がおっしゃった目標はよく分からないです。その他で40%ですか。今までそういう項目があったのかもしれないけれども、第3次までは1年ごとに1%削減するということでしたよね。 

 今度の第4次は、規模が違うのか、考え方が違うのか、ついていけないのですが、 もう一度教えてください。 

 ○浜屋武志環境生活課長

 先ほど業務その他の分野ということでお話ししましたけれども、こちらにつきましては、第3次計画においても同様に、公共施設の部門・分野別として、業務その他の分野を削減目標の数値として定めており、第3次計画においては、それが、毎年1%が削減目標となっていたということでございます。 

 また、40%についてですが、削減目標率、エネルギー起源CO2でして、全体で26% となってございます。

 部門別で言いますと、例えば、産業別、家庭、運輸、エネルギ ー転換、業務その他とあり、その業務その他が公共施設の対象となる削減の目標値です。

 ○若原喜直市民生活部長

 補足させていただきます。 政府の全体の目標は26%というものがあって、その下に部門別の目標があって、目標の26%を達成するため、産業部門では7%削減してください、業務その他部門では 約40%削減してくださいということでして、自治体については全体目標の26%を達成するために40%を削減してくださいということでございます。 

 ○野村淳一議員

 分かったような分からないような、自治体は40%削減するのですか。これはあまりこだわりたくないのだけれども、第3次行動計画は市役所の事務事業でどう減らすかで、そして、1%ずつ減らしてきたということですよね。

 でも、先ほどの答弁では93.7%ということで、達成していないのですよ。それなのに、今度の目標は40%ですか。 これはいつまででしたか。令和5年度までが第4次計画の期限ですよね。令和5年度までに市役所では何%を削減するのですか。

 言っていたのかもしれないですけれども、ちょっと混乱しているので、もう一回教えてください。

 ○浜屋武志環境生活課長

 お答えいたします。令和6年度までに約18%削減する目標となってございます。 

 ○野村淳一議員

 それは、総合戦略のKPIでそうなっているからですよね。そうでしょう。今の答弁はそれを後追いしたものということでいいのですか。

 そして、第4次計画でもそういう目標になっているということでよいのですか。 

 ○浜屋武志環境生活課長

 お答えいたします。 第2次総合戦略の前に第4次計画ができており、その目標値がKPIと同じになってございます。 

 ○野村淳一議員

 でも、第4次計画はそのときに公開されていないので、今言われても、そうだったのかと言うしかありません。 

 もう一回聞きますが、そうであれば年度ごとに3%も削減をしなければならないのですよ。

 今までの1%だって先ほどの答弁では達成していないのです。では、どうするのですかという話になりますよ。

 これは市役所の問題です。皆さん方として、具体的にこうするのだというものは、毎年3%ですか、今までだって達成していないわけですが、画期的と言わないまでも、本気の削減計画の内容を教えてください。 

 ○浜屋武志環境生活課長

 直近で申しますと、市役所新庁舎や消防庁舎の建て替えがあります。

 さらには、各公共施設におきましても再生可能エネルギーの導入に向けて横断的に進めていくようなことになるかと思います。 

 ○野村淳一議員

 私は第4次計画を見ていないので、これ以上は言えませんけれども、そういうこともちゃんと記載されているのですよね。 

 毎年、3%を削減して、令和5年度までに18%が削減されるという計画案なのですね。もう一回確認しますが、それでいいのですか。 

 ○浜屋武志環境生活課長

 そのような計画書となってございます。 

 ○野村淳一議員

 私も資料を見てから検討したいと思います。 

 どちらにしても、これは今までにない取組になるのです。

 市長はゼロカーボンシティに取り組むと言っているのですから、そのぐらいの覚悟と本気度がないとできないというのは明らかですので、それはそれで進めていただきたいと思います。

 もう一つ、これは先ほど橘議員との議論の中でも出てきたことで、もう一回整理しますが、今私が言っているのは事務事業編です。

 このほかに地域全体の区域施策編というものがあります。    これは、紋別市全体として、市民や事業者も含めて、どう下げていくかという計画ですよね。

 それと同時に、来年度には環境基本計画を策定しなければなりません。

 これは、私ある意味、共通したものではないかなと思っているのです。つまり、並行して削減を進めていかないと、別な団体が別な形でやっていると、時間もかかるし、 統一性もないということです。 そういうこともあるのではないかなと思っていますが、そうした考え方についてはいかがですか。 

 ○浜屋武環境生活課長

 環境基本計画と併せて区域施策編を作成することになりますが、区域施策編については、紋別市全域に対し、自然的社会的条件に応じて、温室効果ガスの排出抑制を推進するための総合的な計画となっております。 

 達成すべき目標を設定し、その目標を達成するために、実施措置等の内容を定めることになりますが、当然、基本計画は上位計画となりますので、それと整合性を取りながら進めていくことを考えております。 

 ○野村淳一議員

 例えば、富良野市では、環境基本計画と区域施策編について、環境審議会や市民検討委員会などでつくり、協働でやっていました。

 こういうことも一 つに考えられるのかなと思っていますので、ぜひ検討してください。

 次に、再生可能エネルギーに関し、大型の再エネの問題についてです。 

 紋別市は、木質バイオマスと太陽光の発電の開発が目立ちます。あれっ、こんなところにこんなでかいものができたのだなと思ったりすることがままあります。 

 例えば、太陽光発電に関して、市に対して市民から何らかの苦情や指摘というようなものはありませんか。 

 ○浜屋武志環境生活課長

 お答えいたします。市内においても太陽光発電設備の建設が多く見られております。当然、建設に当たっては、自然環境及び景観の保全への配慮、さらに、地域住民との良好な関係を保つことが必要と考えておりまして、これらのことで地域住民からの反対の声というのはございません。 

 ○野村淳一議員

 どうなのでしょうか。例えば、メガソーラーのような開発がある場合、紋別市が何かの規制をしたり、許可をしたりということはあるのですか。

 紋別市が何か関わることはあるのですか。 

 ○徳正修一都市建設課長

 お答えをいたします。 市独自での規制はございませんが、景観法での届出、また、開発行為での対象となれば許可を得なければなりません。

 また、先ほど答弁もありましたとおり、ガイドラインが資源エネルギー庁、環境省から出ております。 

 〇野村淳一議員

 確かに、ガイドラインは出されています。それに基づいてされているのだろうと思います。 

 しかし、今、一部に、架台が壊れている、パネルが落ちている、強風で飛んできた、光がまぶしいなど、いろいろなことが経年的に起こる可能性がありますし、現に起こっているところもあります。 

 そういうものについては、紋別市が何かの規制をしたり、指導をしたり、監督したり、法的な、あるいは、行政的な処分も含め、何かをすることはできるのですか。 

 ○浜屋武志環境生活課長

 条例、規制等についてです。現在は、国の制度やガイドラインにより適切に事業は実施されていると認識しております。

 なお、条例等の制定につきましては今後の研究課題とさせていただきたいと思います。 

 ○野村淳一議員

 いろいろな自治体で条例化しているところも出てきているようです。今後の検討課題ということですが、今日はその程度にしておきたいと思います。