10月12日、札幌市で開催された「第14回KHJ全国大会in北海道~KHJ全国ひきこもり家族会連合会・実践交流研修会」に参加してきました。
「KHJ」とは、家族・ひきこもり・ジャパンの意味で、日本で唯一の全国組織の家族会です。
この全国大会が札幌市で開かれると聞いて参加を申し込みました。
会場には台風の接近にもかかわらず、全国から200人以上が参加しました。
開会冒頭、参加している国会議員や地方議員さんを一人一人紹介する場面があり、なんと私も「紋別市議の野村さんです」とコールされ、「今日は勉強させていただきます」と一言挨拶。恐縮です。
基調講演に立った精神科医の田中康夫医師の話は、とてもソフトで、肩ひじ張らず、それでいて要点を突き、長年患者・当事者と向き合ってきた医師としての経験に裏打ちされた内容で、心に残りました。
ひきこもっている人への支援とは、支配的なものや技術的なものでも、ただ同情や共感だけでもなく「斜め後ろからの支援」が大切だといいます。
倒れそうなときには、いち早く後ろから支えるが、率先して手を引くことはしない。
黒衣となって見守りつつ、いざとなればタオルを投げるトレーナー。そんな存在が必要だと。
そして最後に「ひきこもっている方に、なにかしらの診断名をつけてしまうと、そこでその方をもっと理解しようとする気持ちが消える。
それを回避するために診断名を棚上げし、どうしてこの方はまだひきこもっているのだろう、どんな不安と不信感をもっているのだろう、と考えながら、出来る応援を考えていきたい。
つくりたいのはお互いの信頼関係。共生とは、この信頼で成り立つものです」と語ります。
そして「ほっとけない」ーこれが原点だとも。
熱い話でした。
シンポジウムでの各地の実践も参考になりました。
この会場で、ひきこもり当事者支援に長年取り組んでいるNPO法人レターポストフレンドの田中敦理事長に久しぶりにお会いすることができ、以前から興味を持っていた津別町のひきこもり対策の取り組みを聞くことができたことも収穫でした。
津別町には直接お邪魔して、じっくり話を聞いてみたいと感じました。
たまたま隣に座ったご婦人が「うちの子が大学を卒業してからひきこもっているんです。今日はなにかヒントがあればと思ってきました」と話してくれました。
もちろん、紋別市内にもひきこもっている方は少なくありません。
とはいえ、まだその状況も内容も把握しきれていません。
家族を含め、どのように支援するのか。本格的な議論と対策が急がれています。
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