2019年10月3日木曜日

「発達障がい」と向き合って


 9月27日、西紋こども発達支援センターが主催する「発達障がい支援講演会」に顔を出してきました。

 親の立場から、当事者の立場から、そして支援者の立場から、と3名の方から講演がありました。

 わが子が発達の障害があると分かったときのショックと苦悩、そこから子どもと向き合うことを決めた覚悟と決心ーー帯広市でNPO法人放課後生活支援センター「わいわいクラブ」を主宰する大澤奈緒美さんの話には、子どもとともに親として成長してきた思いが溢れます。

 「当たり前だけど、障害者の親も普通に親ばかです。子どもを思う気持ちは皆さんと同じです。障害があっても自分らしく、自分の思う幸せになってほしい」と語ります。

 なぜ自分が普通の人と同じように生きられないのか、なぜこんなに苦しいのか、と悩み戸惑い続けた若い日々ーー自らも自閉スペクトラムとして向き合ってきた小道モコさんの話は、ユーモアもあって不思議な雰囲気で、引き込まれました。

 「『なんで、どうして』が増えていくばかり。『自分て何か』がわからない。そんなストレスを感じてきました。でも今は、私が自閉症の子どもを支援する立場になりました。私だからできることに、今は夢中です」と明るく語ります。

 

 最後に支援者として登壇したのは児童精神科医の門眞一郎さんです。

 門さんの話は、私にとってはじめ聞くことばかりで、新鮮で驚かされました。

 自閉症スペクトラム障害者に対し、絵カードの交換という手法で、障がい者自らが意志を表す「表出コミュニケーション」を実践している方です。

 PECS(ぺクス)と呼ばれる手法で、物事を教え込ますのではなく、自発的にコミュニケーションをとれるように視覚的に支援するもので、動画で紹介された訓練の様子は衝撃的でもありました。

 到底、自立は無理と思っていた子が、この支援を通して少しづつ意志を示し「発語」し、自立への可能性を開いていく。

 そこには、大きな希望があります。変化と発達に限りはない。そのことをあらためて実感させられました。

 そしてもう一つ、心に刻んだ門さんの言葉ーー「障害」とは、個々人の医学的な状態のみをいうのではなく、環境(社会的障壁)との関係の中に生じる事態である。


 

 

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