〇野村淳一議員
次に、子供の読書活動について質問いたします。
1つ目は、先ほども議論がありましたが、子どもの読書活動推進計画についてです。
子供たちが気軽に本に親しみ、読書を通じて豊かな感性と想像力を培い、言葉の力、言語能力を高めることは考える能力、生きる力を養うことにつながるものです。
相手の言葉を理解し、自分の気持ちを言葉で伝える、この基本的な力が今ほど子供たちに必要なときはないと考えます。この言語能力の向上なしに、いわゆる学力向上は望めません。
その土台ともなる子どもの読書活動の推進事業は重要で、しかも緊急な課題となっているのです。改めて子供たちの読書活動の意義について、またその取組状況と推進に向けた方向性についてお聞きします。
その点で3月の予算委員会でも指摘しましたが、第4次の紋別市子どもの読書活動推進計画がいまだ策定されていないのは極めて遺憾です。なぜおくれているのか、その理由とともに今後の対応策をお尋ねします。
2つ目に、学校図書館の充実と学校司書の整備についてお尋ねします。
まず第1に、その重要な拠点となる学校図書館の持つ役割とは何なのか、そしてその役割を果たしているのかどうか、まず現状としての認識をお聞かせください。
2つには、学校図書館の整備についてですが、まず整備すべき蔵書の標準、いわゆる図書標準について、その達成率はどのような状況なのかお聞きするとともに、その達成に向けた取り組みと見通しをお尋ねします。
それと関連しますが、国は学校図書館図書整備5か年計画を策定し、そのための財源を地方交付税に措置していますが、その取り扱いを含め、現状についてお聞かせください。
また、その図書整備5か年計画には新聞の配備予算も含まれていると思いますが、これもその活用を含め、現状についてお尋ねします。
3つには、学校図書館の充実とともにそれを活用するための体制の整備についてです。
現在巡回の学校司書が2名配置されています。まず、現在配置されている学校司書の役割とその評価についてお聞きします。
学校図書館を生かすためにも、司書教諭をはじめとした学校との連携強化とともに、日常的に子供たちと触れ合い、図書業務を行う学校司書の役割は決定的だと思います。全校での学校司書の配置を目指すべきと考えますが、いかがでしょうか、お考えをお聞かせください。
【 答弁 】
○斉藤房生教育長
それでは、野村議員のご質問にお答えいたします。
初めに、子供の読書活動についてであります。
1点目の読書活動推進計画につきましては、子供の読書活動の意義は、言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身につけていく上で欠くことのできないものであり、社会全体で積極的にそのための環境の整備を推進していくことは重要であると考えております。
現在の取組状況については、読書活動は子供の発達段階に応じて、あらゆる機会と場所において自主的に行うことができるよう環境を整えていかなければならないとの考えから、乳幼児期から家庭、学校等において子供たちが多くの本に触れられる環境をつくるため、ブックスタート事業や配本事業を行い、それらの本が読み聞かせや朝読書に利用されております。
推進に向けた方向性については、子供が読書に親しみ、習慣づけるためには、子供の発達段階に応じた取り組みを行っていく必要があり、家庭、地域、学校が協力して推進することが重要であると考えております。
第4次計画がいまだ策定されていない理由と今後の対応策につきましては、さきに橘議員のご質問にお答えしたことでご理解願います。計画策定がおくれておりますことを改めておわびを申し上げます。
(橘議員への答弁 ~ 計画のおくれの原因と現状につきましては、策定作業は昨年8月に紋別市立図書館協議会におい
て第3次計画の総括と国や北海道の計画の内容を議論してまいりましたが、学校等の関係機関へのアンケートを実施し、集計作業を終えたところであります。現在はその結果の分析と関連する項目への反映作業、文言のチェック等を行っているところですが、その間、新規事業の導入などが重なり、策定がおくれたことをおわび申し上げます。策定の見通しにつきましては、9月中に計画案の審議、その後、パブリックコメントの実施、教育委員会の議決を経て、年内の策定を予定しております。)
2点目の学校図書館の充実と学校図書館司書の配置につきましては、学校図書館には児童生徒が豊かな心を育めるよう自由な読書活動を行う場としての役割と、教科等の資料の収集など、学習活動を支援する場としての役割がありますが、蔵書数の不足や学校図書館の開館日が限られている点において改善の余地があるものと認識しております。
蔵書の達成率及び達成に向けた取り組みと見通しについては、文部科学省で定めている学校図書標準に対する当市の達成率は平成30年度末で紋別小学校77.4%、潮見小学54.5%、南丘小学校75.3%、小向小学校79.4%、渚滑小学校70.6%、上渚滑小学校82.6%、紋別中学校67.4%、潮見中学48.0%、渚滑中学校51.1%となっております。
このうち達成率が低い学校は、出版から年数が経過している図書を廃棄したものであり、不足している図書については市立図書館の学校ぶっくる便の利用や、授業等で必要な図書を巡回司書が選書し貸し出しすることで、支障のないよう取り組んでおります。
平成30年度から学校図書館整備事業により標準図書の入れ替えや不足図書の整備を重点的に行っており、達成率向上のため、計画的に図書の整備を図っていきたいと考えております。
地方交付税の財源措置については、学校図書館図書、新聞配備経費、いずれも財源措置されているものの十分な財源措置となっておりませんので、市単費により本事業を実施しております。
学校司書の役割と評価については、学校図書館の運営の改善及び向上を図り、児童生徒及び教員による学校図書館利用の一層の促進に資するため、学校図書館の職務に従事する職員として学校図書館法で定められております。
3点目の巡回の学校図書館司書につきましては、学校図書館巡回司書は司書教諭または学校図書館担当者と協力し、図書資料の選定、受け入れ、廃棄などの環境整備や図書だより、本の紹介、学校図書館の利用法指導など市立図書館と連携しての図書資料の提供などを行っており、各学校からは読書活動が活発になったと評価を受けております。
全校での学校司書の配置を目指すことについては、昨年から2年間、文部科学省の委託事業を受け、学校図書館の利活用に係る調査研究事業を行っており、学校図書館の機能を発揮させるために、学校司書の役割や効果的な活用方法などについて議論しております。
各学校への学校司書配置については、この事業における協議を踏まえて配置増員に向け、引き続き検討してまいります。
【 再質問 】
〇野村淳一議員
図書活動について、先ほどの推進計画についてはいろいろ質疑ありましたので、これはわかりましたし、遺憾ではありますが、直ちに整備していただきたいと思います。
学校図書館です。学校図書館は、図書、学習、情報の場にとどまらず、私は心の居場所という状況もあるのかなと思っています。
なかなか教室に入れない子供たちにとって、今図書館登校などという言葉も生まれています。あるいは知的好奇心のたまり場でもあります。あるいは教員とは違う学校司書との触れ合いなどもあります。そういう意味では非常に多様な役割を担っている学校図書館だと思っています。
その意味では常時開放されてるのが一番ベストですが、今現状、学校図書館はどんな状況になっているんですか、教えてください。
○志子田悟博物館長兼図書館長
現在の学校図書館の開館状況なんですが、学校によってそれぞれ差があるんですが、例えば朝、昼、休みの時間など開館してるというところもあれば、常時開館、または都合によって週に1回というような形で、ばらつきが今ある状態でございます。
○野村淳一議員
そうなんですね、学校によって随分と違うんですよ。例えば大規模校だって、巡回の人が来るのは週に1回ですよね。
そのときは常時あいてたって、いないときは休み時間にちらっと放課後にあくぐらいなもので、今私が言ったような役割は到底担えないなと思っています。
その意味で私は学校司書の配置というのは極めて重要だと思っていますが、先ほどご答弁の中で教育長は増員に向けて検討するという方向を示されました。
非常に私、積極的な答弁だと思っていますが、もっと具体的に教えてください。少なくとも私は大規模校には専任の学校司書の配置が直ちに必要だというふうに思いますが、いかがですか。
○浜屋武志学務課長
お答えいたします。
大規模校への配置ということでございますけれども、まず今、今年ですね、昨年からやっております学校図書館利活用調査研究事業を行っております。
その中で学校司書を招いて公開研究会も9月末日に開催を予定しております。そうした中で学校司書となりますと、その資格ですとか、そういった役割等も必要になってきます。
ですので、大規模校で言いますと市内4校ということを言われてると思いますが、そういった人材の確保ですとか、そういった学校司書になっていただく人の役割ですか、そういったところも整理しながら、市内の4校配置に向けて検討していきたいというところでございます。
○野村淳一議員
もちろん無資格ということではないほうが一番いいわけで、今課長がおっしゃったように、非常に前向きに、そしてスピード感を持って、これぜひ取り組んでいただきたいと思います。
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