〇野村淳一議員
次に、子供の口腔ケアについて質問します。
まず最初に、子供たちの虫歯の現状と対応についてお聞きします。
成長期の子供たちの口と歯のケアは極めて重要です。食べること、話すことをはじめ、あらゆる機能の成長にとって不可欠だからです。
そこでお聞きしますが、紋別の子供たちの虫歯の状況と推移についてお知らせください。課題があるとすれば、その内容と対応策についてもお聞きします。
その上で子供たちの口腔ケアと虫歯の予防、そしてその
対策にとって、何が重要で、何が必要と考えるのか、見解をお尋ねします。
2つ目に、フッ化物洗口についてお尋ねします。
これはフッ化物を含んだ水でうがいをする行為ですが、小学校においてこれまで小規模校での実施のみでしたが、紋小、潮小、南小の大規模校でも集団フッ化物洗口を実施する方向だと聞いています。そこで、何点かお聞きします。
まず、このフッ化物洗口の実施目的と、なぜ今実施校を拡大するのでしょうか。また、どのような薬剤を使い、どのような手順で行う予定なのか、それぞれお聞きします。
フッ化物洗口の安全性と有効性については、実はさまざまな意見があります。それは当然教育委員会も承知していると考えます。
もともと6歳以下の子供にフッ素化合物を使用すること自体、絶対やってはならない禁忌としたWHOの報告があります。
さらに安全性に疑問があるとして薬害オンブズパーソン会議、日弁連、主婦連合会、日本消費者連盟などがフッ化物洗口の中止を求める意見書を国に提出しています。
フッ化物を含んだうがい液の誤飲、うがい後のアレルギー反応、吐き気、よだれ、頭痛などの例も報告されています。
これらは到底無視できるものではありません。
フッ化物洗口について、市教委はその安全性についてどのように認識し、どのように担保するお考えなのかお尋ねします。
それらを踏まえ、保護者に対する説明はどのようにされるお考えなのでしょうか。
フッ化物洗口を実施するに当たって、道の手引でもインフォームド・コンセントの必要性を述べています。これは正しい情報を得た上での同意とされるもので、きちんとした説明が義務づけされているものです。
この場合の説明とは、行為の期待される効果、メリットだけでなく、それに伴う副作用、デメリットをも含めたものです。
国際的にも国内的にも安全性、有効性への意見が分かれているもとで、このインフォームド・コンセントを誰がどの
ような内容で行い、どのような形で同意を得ようとしているのかお聞きするものです。
ご存じのとおり、フッ化物洗口は医療行為です。したがって、歯科医師の指示、指導により薬剤師が調剤するべきものです。
学校現場で実施するに当たり、責任は誰にあるとお考えなのかお尋ねします。
学校歯科医、養護教諭及び学校長や教職員からの理解と合意はどうなのかお聞きします。
私はこのことでまた一つ、教職員の責任と業務が増えることになり、多忙化に一層拍車がかかるのを懸念するものです。
言うまでもなく、虫歯の予防は自己の管理であり、児童においては保護者の責任でもあります。歯科医のもとで医療行為として直接フッ素治療することは問題はありません。
しかし、学校という場で集団で、半ば強制的に行う意味がどこにあるのでしょうか、しかも賛否が分かれる中でです。
市内にも学校での集団のフッ化物洗口に疑問を感じ、中止を求めている保護者も少なくありません。札幌市、江別市、士別市、石狩市、小樽市などでは、少なくとも小学校でのフッ化物洗口は実施していません。
虫歯の予防の基本は、食生活の見直しとブラッシングの励行です。それこそを教育の一環として積極的に取り入れるべきではありませんか。それこそが本道です。
したがって、現段階での集団でのフッ化物洗口の実施を見送るよう求めるものですが、いかがでしょうか、お考えをお聞かせください。
3つ目に、学校での歯科検診についてです。
歯科検診の結果、さらに歯科医院で検診、治療が必要とされた児童生徒に対し、どのように対応し、その結果をどのように把握してるのか、お聞きするものです。
【 答弁 】
〇斉藤房生教育長
次に、子供の口腔ケアについてであります。
1点目の紋別の子供たちの虫歯の状況と推移につきましては、平成30年度の1人当たりの平均虫歯数は1歳6カ月健診の歯科健診の状況で虫歯保有の幼児はいなく、3歳児健診で1.2本、小学校の歯科検診では1年生0.09本、2年生0.12本、3年生0.46本、4年生0.85本、5年生1.58本、6年生1.63本、中学1年生1.97本、中学2年生2.11本、中学3年生2.86本となっております。
虫歯の推移については、乳幼児健診の1歳6カ月健診で平成元年度は0.7本、平成11年度は0.4本、平成20年度は0.1本、3歳児健診で平成元年度は2.8本、平成11年度は2.2本、平成20年度は1.3本と、乳幼児期の平均虫歯数は徐々に減少しております。
課題といたしましては、小学3年生ごろから徐々に平均虫歯数が増加していることと、治療率が3年生までは2割から3割程度で、4年生以上でも4割から5割程度にとどまっていることから、永久歯を失うことのないよう虫歯の重症化を予防することであります。
虫歯予防と対策については、規則正しい食生活と口腔清掃が必須となり、食生活を見直して生活習慣を改善し、口腔内を清潔に保つよう家庭への虫歯予防に対する意識づくりと子供へのかかわりのほか、子供自身が虫歯予防を意識できるよう、学校はもとより家庭における環境整備が必要と言えます。
2点目のフッ化物洗口の実施につきましては、フッ化物洗口は永久歯が生える4歳から15歳ごろまで続けることにより大きな効果が得られることから、小学校においてフッ化物洗口を実施することが効果的とされておりますことから、全校で実施することといたしました。
薬剤と手順については、薬剤はオラブリス顆粒を水に希釈して使用いたします。希釈し、水で薄めたものは劇薬ではありませんが、顆粒の状態では劇薬扱いとなりますので、金庫など子供の手の届かないところに保管いたします。
手順につきましては、年度当初保護者全員に希望調査を行い、希望者が実施することになります。回数は週1回行い、実施する曜日や時間帯は各学校で決定いたします。
洗口液は、教育委員会または学校で希釈し、各学校、クラスへ配付することになります。紙コップ等によるうがいを約1分間させ、コップや水飲み場へ吐き出させて終了となります。
安全性についての認識とどう担保するのかについては、WHO、厚生労働省、日本口腔衛生学会など、内外150以上の専門機関と保健団体に蓄積された科学的根拠に基づいてフッ化物利用の有効性と安全性を確認し、推奨しております。
また、実施するに当たっては、学校歯科医師の指示書のもと、定められた手順に従い、適切な方法で行います。
保護者に対する説明、インフォームド・コンセントを誰がどのような内容で行い、どのような形で同意を得ようとしているのかでありますが、導入年については虫歯の原因と予防、フッ化物を用いた虫歯予防等について説明会を実施いたします。
新入学者へは就学時健診などで資料を配布、説明するとともに、年度当初保護者全員に希望調査を行い、希望者のみ実施することとしております。
学校現場での責任者は学校長になりますが、学校の設置者である市の責任で対応いたします。
学校歯科医、養護教諭及び学校長や教職員からの理解と合意については、学校歯科医を中心に学校長や教職員や養護教諭へは説明会を実施し、理解を得ており、教育委員会実施事業に対して協力のお願いをしております。
集団でのフッ化物洗口の実施見送りについては、教育委員会では子供たちの虫歯の予防、歯の健康推進を図るためには、学校においてフッ化物洗口が有効と考えております。
また、日ごろから家庭での歯磨きや適正な甘味摂取などの虫歯予防について習慣づけるよう保護者に対してもお願いするとともに、子供の歯と口の健康をその子供の将来にわたって守る手段の一つとしてフッ化物洗口が有効であることから、実施についてご理解を求めるものであります。
3点目の学校での歯科検診につきましては、歯科検診結果につきましては各学校より保護者宛てに虫歯の状況が伝えられ、歯科受診の勧奨につなげております。
また、受診結果につきましても、報告をいただき、把握しております。
【 再質問 】
〇野村淳一議員
子供たちの口腔ケアの問題についてお聞きします。
ご答弁いただきましたが、子供たちの虫歯の状況は年齢によっていろいろ差がありますが、流れとしては減っているんだなというのを実感しました。
それは保護者の皆さんの意識の高まりとともに、皆さん方の歯科指導がやっぱり生かされているんだなというふうにも思っています。この傾向はこれからもぜひ続けていってほしいし、それが虫歯を予防する最大の私は力だと改めてそれを確信しました。
フッ化物洗口についてです。
使う薬剤はオラブリスだとお聞きしました。それで、教育長は劇薬扱いだと言って、管理は厳重にするとおっしゃいました。オラブリスというのは医療用医薬品ではありませんか、ちょっと確認させてください。
○浜屋武志学務課長
薬剤で、そのとおりでございます。
○野村淳一議員
そうなんです、医療用医薬品なんです。
基本的に医療用医薬品を調剤できるの、これ顆粒なんですね、劇薬なんです。それを希釈して、薄めて洗口薬、いわゆるうがい薬にするんですね。これは調剤といいます。
薬を調剤する。医療用医薬品を調剤できるのは、医師かあるいは薬剤師です。これはもう薬事法に定められているものです。これどうするんですか。
それから、さっき希釈液を何か配付するような表現も一部ありました。ちょっとこれ希釈は、誰がどこでどうやるのか、もう一回教えてください。
○浜屋武志学務課長
希釈の方法につきましては、現在小規模校については学校でやっていただいておりますが、大規模校については教育委員会のほうで行う予定でございます。
○野村淳一議員
教育委員会のほうって誰ですか、教えてください。
○浜屋武志学務課長
お答えいたします。
学校歯科医師会の指示書に基づきまして、教育委員会の職員で行うこととしております。
○野村淳一議員
ちょっと待ってください、教育委員会の職員ですか。いや、大丈夫ですか。これ法律に違反はしてないんですか、もう一回確認します。
○浜屋武志学務課長
フッ化物洗口自体が今回医療行為かどうかということを言われてると思いますが、学校保健安全計画に位置づけられておりまして、学校における保健管理の一環として実施されるものという政府の見解がございます。
学校で実施されるフッ化物洗口は医療行為に該当しないということでございます。法に抵触しないということでございます。
ですので、歯科医師からの指示書に基づきまして、教育委員会の職員が実施するということでございます。
○野村淳一議員
これ政府見解とか政府答弁がそうだということでしょう、これ。
フッ化物洗口の希釈については、指示書に基づいて教員だとか、その他の人がやることは問題ないという政府答弁があるんですね、そういうことですよね。これどうも私よくわからないんですよ、これが。
今言ったようにオラブリスそのものは劇薬扱いです。非常に危険なものです。それを希釈するというのは極めて重要な責任を負うものです。だから、医療用の医薬品は薬剤師がやると決まってるんですよ。
ところがこのフッ化物洗口に限っては、政府答弁は先生でも職員でもいいというふうに、わざわざ政府答弁してるんですよ。
逆じゃないんですか、これ。子供たちの安全や健康を守るためには、この医薬品の法律を厳守しなさい、そうやって子
供の健康、安全を確実に守りなさいというならまだしも、この希釈は先生でも素人でも職員でもやってもいいなんていう政府答弁が出てるんだもの、これ自体私は信じられないんですよ。
だから、僕は紋別市は、そんな幾ら政府答弁がそう言ったからといっても、私たちは子供たちの安全、健康を守るために法律どおりにやります、薬剤師のもとで責任を持って希釈をさせますというぐらいやったほうがいいんじゃないですか、いかがです。
○浜屋武志学務課長
同じ答弁になりますが、政府見解に基づきまして、紋別市の教育委員会としては対応していきたいということでございます。
○野村淳一議員
いろんなことも考えられますから、わかりました。
最後に、保護者に対するインフォームド・コンセントの徹底について、もう一回聞きます。
私は質問でも述べましたが、メリットだけではなく、デメリットの問題もきちんと報告すべきだという話をして、その上できちんとした同意を得るべきだというふうに言いました。
保護者への説明というのは今後どのようにされるつもりなのか、予定があれば教えてください。
○浜屋武志学務課長
保護者への説明ということでございますが、実は本日夕方になりますけれども、紋別市内の保護者に向けましてフッ化物洗口の説明会を教育委員会主催で行う予定でございます。
○野村淳一議員
最後になると思います。
この保護者への説明ですよ。きょうだということですが、この目的は何かというと、子供たちの虫歯を予防することですよね、虫歯を増やさないことですよね。
そうであれば、保護者の説明にぜひ私は保健センターの人たちも、保健師さんも来てもらって、子供の歯をどう守るか、虫歯をどう予防するか、歯の歯科保健の基本の基本をしっかり伝えるということが私は目的だと思ってるんです。
それをやってこそ私は説明会だというふうに思ってますが、いかがお考えですか。
○浜屋武志学務課長
今回保護者説明ということで行う、対象者は保護者になりますが、当然子供たちの歯科を守っていくということであれば、幼児期から大人までということになりますので、市全体で担当部署につきましても説明会には参加していただくようお願いしてまいりたいと思っております。
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