紋別市が建設を進めていた学生寮が完成し、6月16日に供用が開始されました。
紋別高校の生徒確保が目的で、民間業者が建てた施設を市が買い取る形で事業を進めたもの。
管理は「きたみらい」が委託を受け、管理人夫婦が住み込みで生徒たちの食事などにあたります。
5月27日、オープンを前に議員への内覧会が行われ、参加してきました。
これが食堂です。
男子が1階に9部屋、女子が2階に9部屋で、2階に上がる階段部分には登録した指紋でしか開閉できない指紋認証のドアが設置されています。玄関もICカードによる電子錠となっており、セキュリティ対策はばっちりとか。
この日は、まだ何もありませんでしたが、各部屋には学習机とベッドがセットされます。
1階の部屋の窓にも防犯用の柵が取りつけられています。
総工費は約1億3200万円。家賃は3食で7万円。そのうち、紋別市から3万円が補助されます。
いまのところ、3人の入居が決まっているそうです。
ところで、この学生寮。建設までには大きな問題がありました。
昨年の7月29日の臨時市議会で提案された学生寮建設の補正予算。これが大問題だったのです。
「債務負担行為」の補正として提案されたのですが、その限度額が「必要な額」としか明記されておらず、議会で紛糾しました。
その際の質疑の私の内容を紹介します。
○市長(宮川良一君) おはようございます。
ただいま上程されました議案第1号令和元年度紋別市一般会計補正予算(第3号)についての提案理由を
ご説明申し上げます。
本案は、第1表の買取型学生寮建設事業に係る債務負担行為を設定するものであります。期間は令和元年
度から令和2年度まで、限度額は民間が建設する学生寮を市が買い取るために必要な当該年度の予算で措置
する額であります。
なお、今回の補正予算につきましては債務負担行為補正のみでありますことから、既定
予算総額に変更はないものであります。
以上で、提案理由のご説明を終わりますので、よろしくご審議いただきますようお願い申し上げます。
(宮川正己議員の質疑を受け)
○6番(野村淳一君)
今の質疑にも関連するんですが、私はこの提案は認められませんよ。限度額が必要な金額なんてのは見たことない。これ我々議決できるわけないじゃないですか。
来年度これ現年度化されるわけですね、金額として。その時にもう既に議決してたらどう対応我々できるんですか。信じられない。改めて聞きますよ。
それにね、学生寮が必要だということの唐突さ、これ聞いたことないですよ、私今まで、学生寮の話、市がつくるって話。これなんでこんな時期にこれが提案されてるんですか。
しかもこういうような
異常な提案方法、これ何でなんですか。もう一回教えてください。理解できないです。
○議長(柴田 央君) 茂木学務課参事。
○学務課参事(茂木洋人君) お答えいたします。
学生寮の建設につきましては、先日開催されました地域別検討協議会において示された道教委が公表した
高校配置計画案では、令和4年度までの間口は普通科3間口、総合ビジネス科1間口、電子機械科1間口と
されておりますが、合格発表後配置計画で示した募集人員に対し1学級相当以上の欠員が生じた場合は配置
計画を変更することとされており、来年3月の西紋地区の中学生の卒業者は前年より21名減少となりますこ
とから、これまでのほかの地域からの流入状況や紋別高校以外への流出状況から、教育委員会といたしまし
ては非常に危機感を持っておりまして、次年度の紋別高校の間口確保対策としてこれまでの支援策に加え、
さらなる早急な施策が必要であるとの見解が寮の建設に至った経緯でございます。
しかしこの方法なんですけども、来年の入学者が入寮できるようにするためには早期着工、早期建設が必要になることから、市の指
定する建設予定地に民間事業者が学生寮を建設し、完成後市が買い取る、買取り型整備手法を用いることに
なったことでございます。
以上でございます。
○議長(柴田 央君) 野村淳一君。
○6番(野村淳一君)
寮の建設そのものを全面的に否定するものではありません。今の事案の理由もあるんで
しょう。
ただね、高校に対するさまざまな紋別市は支援を行っていますよね。今年の市長の執行方針の中に
もこの問題入ってるんです。
そしてもちろんその高校を維持するということでさまざまな支援を行ってい
る、その時はね、民間業者に働きかけて、そして下宿というものを拡充していくんだというのが市長の執行方針だった。そのためにさまざまな支援方針を紋別もとってきたんです。そういうもんだと思ってた。
わず
か3カ月ですよ。そして学生寮を今度は紋別市がつくるんだって話なの。戸惑いますよねこれ。一体皆さん
どんな議論をされてたか我々さっぱりわからない。
出されてきた議案が今度は債務負担行為で上限を決めな
いで認めてくれって言われちゃった。
これどうなんですかね。学生寮ですよこれ。紋別市がつくるんでしょ。16歳から18歳の未成年の子供たちですよ。
この寮の運営方法、運営主体、高校との関係、子供たちの生活や勉学を全部責任を負うんですよ。そして長期的な収支の見通し、そして文字どおりその子供たちを預かる上での理念、これどうなってるんですか。
つくるんなら同時に出してくださいよそれ。そうでなかったら
賛成なんかできませんよこれ。あるんですかないんですか、どこまで議論されてるんですか。何でそれが出
てこないんですか。教えてください。
○議長(柴田 央君) 茂木参事。
○学務課参事(茂木洋人君) お答えいたします。
寮のコンセプトといいますか、部分に関してなんですけども、今回こういった買取り手法という形を用い
ておりますのでこれから詰めていくということになっております。
紋別高校入学する生徒が今後の高校生活
を円滑にかつ安心して過ごせる環境の整備が一番であると考えております。
入学者が未成年者であることか
ら寮のセキュリティはもちろんのこと、食事、入浴など、生活面など入寮する方も保護者も安心していただ
けるよう今後の寮の設置条例等、運営方法の決定のプロセスの中で決定してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(柴田 央君) 野村淳一君。
○6番(野村淳一君)
私ね重要な中身があるんだと思うんですよこういう問題。
建物だけつくればいいってい
う話ではないと思ってるんですよ。我々がここで寮をつくるということに対して責任をどう果たすか。それ
は皆さん方もそうだし、私もそうですよ。
そして今回の方法も含めて私はこの学生寮の必要性、あるいはあり方、運営方法含めて、私は立ちどまって議論をすべきだと思います。
できるんだったら来年度当初予算に
計上してくださいよ。そこで議論しましょうよ、本当に。そうでないと、今のままのこの議案では私は一議員として市民に説明できない。責任を負えません。何か答弁があれば。
○議長(柴田 央君) 見解に対する答弁ありますか。
宮川市長。
○市長(宮川良一君) 学生寮といいますか下宿も含めて、紋別高校に通う生徒の皆さんの特に滝上高校が閉校
になっております。
そういう中で、私どものほうで2年ほど前からこれについてはいろんな観点から検討してまいりました。1つは公的な部分の施設の改修によってこういうものがつくっていけないかあるいは、既存の旅館等の運営をこうした下宿方式にできないのかと、また足寄や遠軽が行っている寮の整備の手法ですとか、してまいりました。
当初の市政執行方針でも下宿という形で記載をさせていただいておりますが、こ
れは当然通われる学生さんの学習環境の充実ということが最も重要でありますので、こういう部分について
は当初予算では出せませんでしたけれども、いずれにいたしましても補正予算の中でこれを取り組んで早急
にしていかなければならないという思いが当初からございまして、特に今年市内の中学3年生が140人程度
しか見込めないということもありますし、また滝上のいろんな方々からこの寮、あるいは下宿の充実という
ことも訴えられてきておりましたので、これについては十分検討しながら進めてきてこの時点の中で今最良
といいますか、これを行っていかなければならないもう限界の時期だなということで、このたび提案をさせ
ていただいたということでご理解をいただきたいと思います。
質疑は3回までとなっているため、これで私の質問は終わりましたが、他の議員からも同様な疑問や批判が数多く出ました。
が、結局は私と諸派のもう一人の議員二人だけの反対で可決しました。
というわけで、私にはいわくつきの施設ですが、でも完成した以上、それが適正に管理・運営されるよう注目していきたいと思っています。
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