2020年6月25日木曜日

子どもの貧困対策と子育て支援を~2019年第4回定例市議会一般質問③

 〇野村淳一議員

 次に、子供の貧困対策と子育て支援について質問いたします。 

 最初に、子供の貧困対策と子育て支援に向けた取り組みについてです。 

 改正子どもの貧困対策法によって、市町村の努力義務とされた子どもの貧困対策計画の策定について、紋別市は今年度制定される子ども・子育て支援事業計画に盛り込み、今後必要な施策を展開すると述べています。

 また、さきの私の質問に対し、幼児教育・保育の無償化に伴って生じた3,500万円余りの余剰金の使途についても、貧困対策を含め、総合的に議論してまいりますと述べられました。

 そこで、子供貧困対策を含 めた子ども・子育て支援事業計画の策定状況と余剰金の使途について、どのような協議がなされているのかお聞きするものです。 

 また、来年度予算編成も視野に入ってくる時期でもあります。子供の貧困対策と子育て支援策の充実、拡充に向けた具体化が検討されていると考えますが、いかがお考えかお聞かせください。 

 その意味で子供の貧困対策と子育て支援について、幾つか具体的な経済的支援策を提起したいと考えます。 

 1つは、子供の医療費助成の拡大です。 

 現在紋別市では、中学卒業まで医療費の助成制度を実施しており、評価を得ています。

 しかし、同時に他の西紋4町村、興部町、滝上町、雄武町、西興部村では、既に高校卒業まで実質的に無料化を拡大しています。

 厚生労働省の調べでも、高校卒業まで医療費の助成を実施している市町村は全体の3割を超えています。

 当然国に対しても子供の医療費助成制度の確立を求めつつ、紋別市としてもお金の心配なく、子供に必要な医療が受けられるよう医療費助成を高校卒業まで拡大するよう求めるものですが、いかがお考えでしょうか、見解をお聞かせください。 

 2つには、子供の国保税均等割の軽減についてです。 

 国保税の均等割は1人当たりに賦課されるもので、子供が生まれればその時点でその世帯の収入に関係なく、場合によっては新たに年間3万2,000円の国保税が上載せされるんです。

 2人、3人と子供を産み育てやすい環境をつくるという目標に、まさに逆行する事態ではありませんか。

 幾つかの自治体では、既に子育て支援策の福祉事業として子供への均等割の軽減制度を実施しています。

 これも国への要請を強めつつ、紋 別市として独自に子供の均等割の軽減措置の実施を求めるものですが、いかがお考えかお聞かせください。 

 3つ目に、子供の予防接種、特にインフルエンザワクチンの予防接種への助成についてです。 

 今年もインフルエンザの感染が猛威を振るっています。予防接種の普及は急務です。

 現在紋別市では、高校生以下の場合、市民税非課税世帯のみ1,300円でインフルエンザの予防接種ができる仕組みになっています。

 しかし、その所得を確認するため、予防接種前に必ず保健センターなどに出向き、手続をする必要があります。

 北見市も網走市も遠軽町も美幌町も湧別町も滝上町もインフルエンザの予防接種は無料または助成制度を実施しており、どのまちも世帯の所得で区別はしていません。

 ですから、どの子も直接病院で予防接種を受け、必要な金額を窓口で支払うのみです。

 必要と思っても、2人、3人と子供がいる場合、その負担 は大きなものとなり、足が遠のいてしまう、そんな場合も少なくないでしょう。

 子供のインフルエンザの発病を抑制し、重症化を軽減するため、そして学校などでの集団感染を予防するため、親御さんの経済的負担を軽減し、より受けやすい環境をつくるために、インフルエンザ予防接種への無料化や助成の拡大を求めるものですが、いかがでしょうか、見解をお聞かせください。


〇宮川良一紋別市長

 次に、子供の貧困対策と子育て支援についてであります。  
 1点目の子供の貧困対策と子育て支援に向けた取り組みにつきましては、子ども・子育て支援事業計画の策定状況につきましては、現在令和2年度から令和6年度の5年間を1期とする第2期事業計画の策定中であり、本年6月から7月にかけて子育て世帯の状況やニーズを把握するため、未就学児童と就学児童の保護 者を対象に子育て支援に関するアンケート調査を実施しております。

 また、現計画である第1期計画につい ての各施策の実績や取組状況、アンケート調査の結果報告などを、先月開催いたしました紋別市子ども・子育て会議にて報告し、各委員からの意見聴取を行ったところであります。 

 今後につきましては、前回会議での意見等を踏まえた素案を次回の会議で提示し、委員からの意見等を反映させ、パブリックコメント実施後、来年3月に策定を完了する予定であります。

 なお、子育て支援に関するアンケート調査の中には、貧困世帯の状況を把握するための設問として、世帯の収入状況やお小遣いの金額、塾や習いごとなどに係る金額の質問を設けております。

 子供の貧困対策につきましては、現在策定中の 第2期計画に新たに基本施策の一つとして盛り込み、子ども・子育て会議での議論を踏まえた上で、保健・ 福祉・医療・教育・労働など横断的な取り組みとなることから、庁内議論の後、必要な施策を講じるととも に、今年度策定される北海道子どもの貧困対策推進計画による施策にも対応してまいりたいと考えております。 

 幼児教育・保育の無償化に伴い生じた余剰金につきましては、昨年までの保育料軽減対策の財源は税金などの一般財源であり、事業終了に伴い余剰金として発生する性質のものではありません。

 その使途につきま しては、子供の貧困対策を含め、市の予算全体で優先度の高い新規事業に充当すべく、庁内で協議してまいります。

 子供の貧困対策と子育て支援策の充実、拡充につきましては、子育て世代からの相談体制の充実、 保育の担い手不足解消、食育食堂の充実など、今日的課題の多い施策を検討してまいります。 

 2点目の子ども医療費助成に係る高校卒業までの対象範囲の拡大につきましては、本市においては平成 25年度から子供たちの健康増進や子育て世帯の経済的負担の軽減を図ることを目的に、助成対象範囲を中学 生まで拡大いたしました。

 令和元年6月1日現在での道内35市における通院での対象範囲の拡大状況は、高校生までが3市、中学生までが本市も含め14市、小学校までが8市、就学前までが10市となっており、本市は他市と比べ充実していることから、対象範囲の拡大については現時点では考えておりません。

 なお、引き続き全国一律の子供の医療費助成制度の創設について、北海道市長会を通じて国に対して要請してまいりま す。 

 3点目の子育て支援としての国保税均等割の軽減につきましては、国民健康保険制度については財政基盤の強化が図られた上で、平成30年度からは都道府県が中心となり財政運営を担う制度に変わっております。 

 この国保制度の都道府県単位化は、市町村ごとでばらつきが大きい保険税の平準化も目的の一つとなっており、現在各市町村では北海道から示される標準保険税率等を参考にしながら保険税の平準化に取り組んでる状況にありますので、福祉事業として一般会計より財源を投入し、子供の均等割を軽減することについては保険税の平準化に反することになりますので、考えておりません。 

 なお、本市におきましては、北海道から示される標準保険税率を算定する上で用いられる均等割と平等割の賦課比率のうち、均等割の比率を低くすることで子育て世帯等の負担軽減を図っており、また全国市長会が国へ提言しております全国統一基準での子供の均等割保険税を軽減する支援制度の創設については、引き続き注視してまいります。 

 4点目の子供のインフルエンザ予防接種への助成拡大につきましては、本市では平成22年度から市単独の経済的支援として非課税世帯の18歳未満の方を対象に助成を実施しております。

 今後は罹患状況、ワクチン の接種状況等の実態把握を行った上で、重症化予防の観点も含め検討してまいります。 


《 再質問 》

〇野村淳一議員

 子育て支援について、お話を伺います。 

 これはきのう石田議員のほうから、これ私も取り上げましたが、保育料で3歳未満児の保育料の無料化についても予算編成時に協議をしたいと、非常に前向きなご答弁で、私もよかったなというふうに思うんです。

 具体的にこういうことが必要になると私は思ってるんです。 

 先ほど市長の答弁の中でアンケートをとったという話がありました。実は私もこのアンケートを拝見させ ていただきました。

 その中に子育てしやすいまちづくりのために最も重要なことは何ですかという設問があって、その中に子育てへの経済的支援の充実を求めるというお母さん方、保護者の皆さんですね、これが未就学児童の場合で53%、就学児童にすると55%ありました。

 実は5年前も同じアンケートをとってるんです。これも子ども・子育て支援事業のためにアンケートをとった、そのときは48%だったんですよ。

 ですか ら、この5年間で急激に増えてるんです、いわゆる経済的支援を求めるという保護者の皆さんが。それだけ 経済的に切迫しているんです。それだけ貧困という問題が現実化しているんです。

 この問題をやっぱり無視するわけにはいかないので、ですから私はその余剰金といわれるものですが、私はそう呼んでますが、 3,500万円というのは簡単に一般財源でもというんじゃなくて、本当に子育て支援と貧困対策に使うべきだ ということで、きのうの石田議員の答弁でもあったような、具体的なものに使う必要がある。

 そこで、私は医療費の問題、それから国保の問題、インフルエンザの問題を取り上げたんですよ。

 そういうことで理解し ていただきたいんですよ。 だから、私は来年度予算、実は楽しみにしてるんですよ、逆かもしれませんが。具体的に子供の支援策に 対して大きく予算が増えることを期待をしてるということなんですが、国保や医療費の問題も、これも余りいい回答ではありませんでした。

 国保についても今のところそういう予定はないというお話でした。ちょっ と極めて残念ではあります。しかし、引き続きこの問題はこれからも時間をとって取り上げていきたいと思いますが、インフルエンザについては聞きます。

 ちょっと参考までに教えてください。 今年、紋別のインフルエンザ、相当猛威を振るわれて、はやってるというふうに聞いていますが、今紋別のインフルエンザの流行状況って、もし何かわかれば教えてもらえます、わかりません。わかんない。

 どちらにしてもいろんな報道を見ると、全道の中でもトップクラスなんですね、インフルエンザの罹患率が。

 そういう状況だというふうに思います。 それで、この問題についても実態を把握して、今後の検討課題だというふうにおっしゃいましたが、極めて重要な私は施策ではないかなと思っています。

 本当にインフルエンザのワクチンを受けたいという人たち にしっかりと受けてもらう、子供たちの。そのためにぜひこの問題を具体的に検討して、実施に向けたものの取り組みを進めていただきたい。改めてご答弁いただけませんか。 

○大平朱美・健康推進課長兼保健センター事務長

 お答えいたします。 今年のインフルエンザに関しては、議員もおっしゃってたとおり、非常に小さい子が入院したりとか、学校が閉鎖になったりしてまして、こちらのほうも本当に重症なお子さんが出ないかという不安は抱いております。

 実際のところインフルエンザに関しては、7年前にも大流行がありまして、その際にアンケートなどをとっています。

 今年度に関して今アンケートをとってもわかりませんので、時期を見まして実態を把握しまして、かかった方とインフルエンザワクチンの接種をした方と、治療状況などの実情を把握しまして、検討してまいりたいと思っています。 以上です。 

○野村淳一議員

 ぜひ前向きに検討していただきたいということは要請しておきます。 

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