2020年8月11日火曜日

児童センター『みらい』オープン



 8月7日、新しい児童センター「みらい」がオープンしました。

 老朽化した大山児童センターの後継施設として、旧広域紋別病院跡地の一画に建設されたものです。

 

 宮川市長や子どもたちも加わってのテープカット。

 私もさっそく施設内を見学です。

 


 授乳コーナーもある子育て支援スペースが設けられ、乳児も安心して遊べるようになっています。


 これまでなかったパソコン体験コーナーもできました。


 遊戯室の天井高は5.5mを確保。壁面にはボルダリングの壁も設置されています。

 温かみのある木造で、総事業費は2億4000万円。

 この施設の隣には、西紋こども発達支援センター「すてっぷ」もあり、相乗的な取り組みも期待されています。



  

フェンスに貼られたポスター


札幌東苗穂小学校のフェンスに貼られたポスター

 先日、妻の定期検査のため札幌市の勤医協中央病院に行ってきました。

 その帰り道、病院の近くにある東苗穂小学校のフェンスにいくつものポスターが張られているのが見えました。

 降りてみてみたら、ちょっと泣けてきます。

 そこには、勤医協病院の医療従事者たちへの感謝と激励の言葉が、小学生の言葉と文字でつづられていたのです。



 5月21日、勤医協中央病院で新型コロナウイルスのクラスターが発生しました。

 医師、看護師、入院患者17人が感染。多くの職員が自宅待機となり、診療体制は大きく制限されました。

 そして懸命の感染拡大防止策が進められ、6月23日、集団感染の収束を確認。24日、すべての診療が再開されたのです。

 妻も4月の診察予定だったのですが、コロナの感染拡大とクラスター発生で7月の受診になりました。

 コロナとの激烈な闘いのさなか、東苗穂小学校のフェンスに掲げられた子どもたちからのメッセージ。

 その時の模様が民医連新聞に職員の言葉として紹介されています。『感染の収束が見えない状況に心が折れそうになったこともありましたが、朝と晩の通勤中にポスターを見て、とても励まされました。病院でクラスターが発生したことで地域の人々に申し訳ないと思っていました。そんな中でのメッセージでした。子どもたちが私たちのために何かをしようと考えてくれたことが、涙が出るほどうれしい』と。

 依然としてコロナ感染の収束は見えません。いまだ緊張の日々が続きます。

 医療の最前線で頑張っている人たちに敬意と尊敬を。あらためて、子どもたちの姿に、それを見た思いです。

 

2020年7月19日日曜日

猿払村の「合葬堂」を視察して

猿払村「合葬堂」

 今回の視察の最後に訪れたのは、オホーツク海に面した猿払村。

 言わずと知れたホタテの一大産地です。

 ここにこの4月「合葬堂」という施設が完成したのです。

 少子化のもと、お墓の継承をどうするかーー実は多くの人が悩んでいます。いまや、一つの社会問題にもなっています。

 その一つの解決方法として、この数年、市町村立による「合葬墓」の建設が増えてきています。

 紋別市も「合葬墓」の整備が緊急な課題となっています。

 私も、実に多くの市民から要望されます。議会でも繰り返し取り上げてきました。

 今回訪れた猿払村の合葬堂。納骨棚を備え、良く考えられた施設なのです。いろいろと感心し、参考になりました。

 特に私自身気になっていた「遺骨」に対する畏敬と慰霊の思いをどう形にするか、その一つの在り方が見えたような気がします。

 住民へのアンケートの実施や宗教者との丁寧な協議、そのうえで生かせるもはしっかり生かしていく姿勢。村長と村の担当者の真摯な取り組みにも感心しました。

  

 中央にモニュメント。左右に納骨棚があります。納骨棚には3年間保管できます。


 モニュメントには両脇に「粉骨」の投入口があります。



 合葬堂の建物の外に、室内のモニュメントと同じモニュメントを設置しています。ここでは、各人が花を手向けたり、焼香したり、故人をしのんで供養することができるようになっています。僧侶を頼むことも自由です。

 あくまで室内、堂内は政教分離の立場から宗教色はいっさい排除しますが、建物の外の行為については関知しない、というのが村の立場です。

 よく考えらえていると思います。参考にしたいものだと強く感じました。

 視察を終え、昼食はもちろん、道の駅さるふつ公園にあるレストランで「ホタテカレー」。おいしかった。 

 2泊3日の今回の視察の旅。なかなかハードで、でも中身のある視察でした。

 豊富温泉での宿も風情があってよかったですよ。


 
 そうそう、帰りに浜頓別のクッチャロ湖に寄り、「NPO法人クッチャロ湖エコワーカーズ」にお邪魔しました。

湖畔に佇む「エコワーカーズ」の事務所

 ここもまた、クッチャロ湖の自然保護に取り組んでいる団体です。

 今回は短時間でしたが、次回はじっくりお邪魔しようと思っています。 

大規模風力発電について考える

 

 今回の視察の目的の一つに、大規模風力発電事業について学ぶことがありました。

 北見市と網走市をまたぐ常呂町の山腹に大規模風力発電の計画があるのです。

 私にとっては隣町のことではあったのですが、私の友人でコムケ湖のラムサール登録に向けて活動している彼が、この発電計画に否定的な意見書を提出したと聞き、急に興味を持ちました。

 そこで調べてみると、実は道内各地で大規模風力発電の設置計画が目白押しであることがわかってきました。

 そこには単に再生可能エネルギーの発展にとどまらない何か重大なことがあるのではないか、以前から語られていた自然や人体への影響についてはどうなのかなど、しっかり知ることが必要だ、と感じてきました。

 現に紋別市でもソーラーパネルが林立し、大規模な木質バイオマス発電所が開設され、もはや他人事ではありません。

 そこで今回、風力発電の問題で広く調査研究している北海道自然保護協会理事で大規模風力発電問題研究会の佐々木邦夫氏にお会いすることにしたのです。

 
 豊富町から稚内市に移動し、佐々木氏とも2時間近くじっくりと意見交換させていただきました。

 常呂・能取風力発電事業にかかわる資料も作ってきてくださり、風力発電の課題と問題点を学ばさせていただきました。

 とにかく驚いたのは、その開発計画のすさまじさです。なぜ、これほどまでに大規模風車が林立するのか。
 

 そこに見えてきたのは、日本のあるべきエネルギー政策の将来像というより、再生可能エネルギーの名のもとに、地域の自然に大きな負荷を与えながら、大手企業が利潤を吸い上げる構造になっているのではないのか、ということであり、

 ましてや生物の多様性や人の健康への畏怖の念もないまま、利益優先の規制なき無秩序な開発になっている姿ではないのか、ということでした。

 佐々木氏の明快な話に、それらを強く感じました。

 再生可能エネルギーの拡大は重要な課題です。それだけに、住民としての監視が大切です。

 「エネルギーの地産地消」こそが重要な課題です。

 北海道のこの風景も、この自然も、そこに住む人々の暮らしも、みな生かされてこそ再生可能エネルギーの価値があるはずです。

 簡単なテーマではありませんが、今回いろいろと考えさせられました。これを機会に私も勉強しなくては、と思っているのですが……
 

2020年7月18日土曜日

「NPO法人サロベツ・エコ・ネットワーク」を訪ねて

 続いて訪れたのは豊富町にある「NPO法人サロベツ・エコ・ネットワーク」です。

 日本海にのぞむ日本最大の高層湿原でラムサール条約にも登録されているサロベツ湿原の自然保護に取り組んでいる団体です。

 そして、利尻礼文サロベツ国立公園サロベツ湿原センターの管理運営も担っています。

 同時に、全道のラムサール登録湿地ネットワークの事務局を務めています。

 
サロベツ湿原センター


私も「紋別市のコムケ湖をラムサールに」と議会などで訴えてきましたが、なかなか実現には至りません。


 どうも産業界の理解が得られない状況のようなのです。

 そこであらためて、自然保護とラムサールとの関係や産業とのかかわり、今後の運動の進め方などについて学ぼうとやって来たのです。

 多くのスタッフに迎えられ少々緊張しましたが、話は熱のこもったものになりました。


 具体的なアドバイスなどもいただき、大いに参考になりました。

 それにしても、自然保護に関する熱量には圧倒されっぱなしです。

 こういう熱いスタッフに支えられて、この豊かな自然は守られているんだな、としみじみ感じました。

 

 サロベツ湿原は初夏の装いでまぶしいばかりです。

 遠く利尻岳を望み、ノハナショウブが風に揺れています。

 コムケ湖に思いをはせながら、後世に引き継ぐ風景の大切さをあらためて感じました。


 

「南宗谷ひだまりの会」を訪ねて


 
 外出自粛も解除され、道内での新型コロナの感染も落ち着いてきたのを受け、2泊3日で視察に出かけてきました。

 訪れたのは4か所。かねてから気になっていたところばかりです。

 最初に訪問したのは、枝幸町にある障害者施設の「NPO法人南宗谷ひだまりの会」。

 ここでは、障害者の交流やレクリエーションなどを行う「枝幸町地域活動支援センター」と、就労継続支援B型と生活介護事業を行う多機能型事業所の「ワークセンター南宗谷ひだまり」を運営しています。

 そのほか、グループホーム2棟と障害者相談支援センターも運営し、南宗谷地域の障害福祉サービスの拠点ともなっている法人です。

 紋別市の近くにありながら、なかなか訪問できていなかった施設。やっと念願がかないました。

 開米一有理事長と多岐にわたり、たっぷりとお話をさせていただきました。

 
開米理事長、龍寛寺の副住職でもあります
 
 たまたまボランティアで参加した障害者の活動。それがいつしか当事者とともに事業を立ち上げ、その活動と運動を担うことになった開米氏。

 開米氏の話は歯切れよく、温かみがあり、いつしか引き込まれます。そこに、ぶれることない信念を感じます。

 親亡き後を見据えた障害者の自立と居場所つくり、そして若いスタッフの育成と、活動は広がっています。



 作業所で作っている利尻昆布の詰め合わせです。私も購入しました。枝幸町のふるさとの税の返礼品にもなっているそうです。

 そのほか、紙すきハガキなどの作成や弁当作り、国保病院の売店業務や総合体育館の清掃などで、利用者の工賃は2万円ほどになるといいます。



 共生型のグループホームも見学させていただきました。

 小さな町の大きな取り組みに感動しました。

 また、機会を作ってお邪魔したいと思っています。



2020年7月16日木曜日

不登校児に寄り添った支援を~2020年第1回定例市議会一般質問⑤

〇野村淳一議員

 次に、不登校の子供たちへの対応について質問します。 

 市政執行方針の中で、市長は、不登校やいじめ、児童虐待などの課題に適切に対応するため、スクールソ ーシャルワーカーを新たに配置するとしました。

 私は、その取り組みに期待したいと思います。 

 そこでまず、ここでうたわれている不登校、いじめ、児童虐待の現状はどうなのか、それらの件数とその対応について、まずお知らせください。 

 スクールソーシャルワーカーは、福祉的な面から児童や保護者の悩みに接近し、その困難の改善を図るのが役割だと思います。

 従来のスクールカウンセラーが子供の心のケアに重点を置くのに対し、スクールソーシャルワーカーは、子供の相談に乗りながら、学校やPTA、地域社会や医療機関、児童相談所や発達支援 センターなどとの各団体、機関をつなぎ、子供の発達を支えるものだと考えます。 

 同時に、学校側とは立場の異なる第三者として家庭に接することのできる存在でもあると考えます。  

 まず、今回、スクールソーシャルワーカーを配置した目的をお聞きするとともに、紋別市としてどのように役割を担ってもらおうと考えているのか、また、各機関との連携についてはどうお考えか、具体的な内容を含め、お尋ねします。 

 また、不登校の子供や家族が残念ながら学校側に不信感を持つケースも少なくありません。

 そんなとき、 同じ悩みを持つ保護者たちの集まりの開催や、スクールソーシャルワーカーや発達支援センターの療育アドバイザーを活用した相談会など、学校とは少し距離を置いた立場で不登校の子供や家族が相談できる集まり や取り組みも必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか、見解をお聞かせください。  

 不登校は、その子供が悪いわけでもなく、怠けているわけでもありません。子供も親も学校に行けないことに苦しんでいます。

 そこには、先生との関係や友達との関係で悩み、何らかの障害や学習のおくれなどで苦しみ、それら複雑な理由が絡み合って、子供は心を痛めています。

 だから、つらいときは、学校を休むことも大切だ、でも、学校は君のことをずっと見守っているというメッセージを送り続けることが必要だと思っています。  

 今ここで心配なのは、不登校のまま、義務教育機関である中学校を卒業した子供たち、卒業する子供たちについてです。

 その子たちのその後の状況についてはどのように把握されているのでしょうか、そして、ど のように対応しているのでしょうか、それぞれお尋ねします。 

○堀籠康行・教育長

 それでは、野村議員のご質問にお答えいたします。 

 初めに、不登校の子供たちへの対応についてであります。  
 1点目のスクールソーシャルワーカーの配置に関し、不登校、いじめ、児童虐待の現状、件数、対応についてですが、不登校児童生徒数は、平成30年度末現在、小学生16名、中学生29名であり、いじめ実態調査に基づく認知件数は、平成30年度末現在、小学生30件、中学生18件であり、児童虐待通報件数は、本年は2月 末までの累計で30件となっております。  

 それぞれの問題に共通した対応として、積極的認知での早期の対応が必要と考えており、教育支援アドバ イザーを派遣するほか、校内及び関係機関との連携した会議などを行い、いじめや児童虐待について、重篤な事態に至ったものはありません。  

 スクールソーシャルワーカーの配置目的、役割、各機関との連携についてですが、児童生徒を取り巻く問題は、年々、多様化、複雑化している状況にあるため、社会福祉などの観点から問題解決を図ることを目的に配置するものです。 

 役割としては、福祉の視点や手法により、児童生徒が置かれた環境、特に家庭に働きかけていくことであり、関係機関との連携でも家庭への支援に関して調整や仲介を進めてもらいたいと考えております。 

 2点目の相談支援のあり方につきましては、不登校の子どもや家族が相談できる取り組みについては、スクールソーシャルワーカーにより、学校とは異なる立場での相談体制がつくられるものでありますが、多様な相談の取り組みが行われることがさらに望ましいと考えており、継続して研究してまいります。 

 不登校のまま義務教育を卒業した子供たちの把握、対応につきましては、各学校や適応指導教室を通して、卒業後の進路相談体制を設けているところであり、全日制、定時制、通信制などの個々の状況に応じた 進路実現の働きかけを行っております。 以上、答弁といたします。

【 再質問 】

〇野村淳一議員

 次に、不登校の問題についてです。 

 昨年10月25日、文部科学省から、不登校児童生徒への支援の在り方についてという通知が出されています。

 改めて言うまでもありませんが、学校に登校するという結果のみを目標にしない、不登校の時期が休養や自分を見詰め直すなどの積極的な意味を持つというふうにも述べられています。

 また、学校に対しても、 なじめない要因の解消のために学校としても必要な体制をとることを求めているのです。 

 ご答弁のとおり、ぜひ進めていただきたいのですが、一つだけです。 ソーシャルワーカーの設置を期待していますが、予算書を見ると170万円でして、これでは人件費にも充 てられません。これは何の金額なのか、教えてください。 

○浜屋武志・学務課長

 お答えいたします。 

 基本、人件費と通勤の費用となっておりまして、配置の方法としましては、週1回、1日配置することと なっております。 

○野村淳一議員

 不登校への対応、そして、教育長が言ったソーシャルワーカーに対する期待からすると、週1回ではなかなか厳しいものだと思います。

 今後、それをさらに拡大していくという見通しはいかが ですか。 

〇浜屋武志・学務課長

 お答えいたします。 

 今回、新規の事業でございます。当然、スクールソーシャルワーカーの必要性あっての配置となっておりますが、まずは、週1回でしっかりと進めていきたいと考えております。 

○野村淳一議員

 ぜひ、事業の配置も含め、拡大を進めていただきたいと思います。  

 というのは、先生方の先ほど働き方の問題もありましたが、プロの手がしっかり入ることが、子供にとっても、先生方にとっても、家族にとっても、いいことにつながると思うからで、それを進めていっていただ きたいと思います。