オホーツク福祉園(オホーツク福祉園HPから) |
〇野村淳一議員
社会福祉法人百年記念福祉会オホーツク福祉園の移転建替えについてお尋ねします。
昨年の第3回定例会において田中議員のオホーツク福祉園の移転建替問題に対する答弁で市長は、ぜひとも上渚滑地域で建て替えをしていただきたいという期待はあると述べ、上渚滑中学校の跡地を無償貸与する考えを示しました。
そこでお聞きしたいのは、当事者である百年記念福祉会の意向や考え方はどうなのかであり、それを踏まえての市長の答弁だったのか伺うとともに、その答弁の理由についてもお聞かせください。
言うまでもなく百年記念福祉会は障害者の暮らしと福祉の向上を担う事業所であり、紋別の地域の障害福祉の拠点としての役割を担ってきましたし、これからもその役割は大きいものです。
そこにあるのは、何よりも障害者にとっての利益が優先されるべきものであり、考えの基本は障害者ファースト以外にはありません。
その上で、福祉園側がどのような判断でどのような方向性を持って移転建替えを考えているのか、それを確認検討し、それが紋別市の目指す障害者福祉の方向性と合致するのであれば、ともに協働しながら力を合わせていくことが最善ではありませんか。
何より、福祉園の考え方を尊重することが基本であり、福祉の観点で判断すべきと考えます。改めて市長の見解をお尋ねします。
【 答弁 】
〇宮川良一市長
次に、オホーツク福祉園の移転建替えについてであります。
昨年の第3回定例会におけるオホーツク福祉園の移転建替えに関する田中議員への答弁について、私は上渚滑地区における施設存続への期待を述べただけではなく、地域の方々から町外への移転建替えについて反対の立場の意見があったことから地域住民との協議の場を設け、相互理解の醸成を図られるよう申し上げております。
田中議員への答弁につきましては、移転建替えについての法人としての正式な意向は示されていない段階であるとともに、地域との協議についても進展していない状況であることを踏まえた上で、質問に対し私の率直な考え方を真摯に申し上げたものであり、その理由につきましてはさきに阿部議員及び喜多議員にお答えしたことでご理解願います。
また、施設の移転建替えの判断につきましては、法人の理事会や評議員会の決議をもって決定される事項であり、市にその権限はありませんが、私といたしましては施設利用者の幸せを第一に考えることはもとより、法人と地域が協力し合うことができるよう法人役員の方々及び地域住民の皆様における協議を積み重ね、相互理解の醸成を図ることが極めて重要であると考えているとともに、これまでの市との協議経過に対して真摯に対応されるなど良識かつ責任ある法人運営を求めるものであります。
(阿部秀明議員に対する市長答弁~
次に、社会福祉法人紋別市百年記念福祉会の移転問題についてであります。
1点目の移転問題に対する見解につきましては、昨年の第3回定例会において田中議員のご質問にお答えしたとおり、同法人は将来にわたり本市の障害者福祉事業を力強く牽引することはもとより、上渚滑地域の振興発展に寄与されることを期待され、1982年に設立されて以来、今日まで地域住民から深く愛される法人組織として地域とともに歩み、今や上渚滑地域にとりましてなくてはならない重要な存在であると認識しております。
その法人が地域から姿を消すようなことになれば、社会経済活動の停滞や活力の低下、人口減少の加速化を招きかねないと危惧しており、同法人におかれましては引き続き上渚滑地域において存続し、本市の障害者福祉事業の中心的役割と地域の発展に貢献されることを期待しております。
2点目のこれまでの対応につきましては、2016年8月、同法人から市に対して施設の移転建替えに対する支援要請をいただいておりますが、2017年10月、福祉園、こまくさ学園を上渚滑に残す会が設立されるなど、地域の方々から町外への移転建替えについて反対の意見が生じたことから、私自身がそれぞれの代表と直接面談し、地域住民による協議の場を設け、相互理解の醸成を図られるよう数度にわたりお願いをしてまいりました。
また、昨年10月、同法人から市に対し、移転先候補地の検討資料とすることを目的として市の支援策に関する照会文書をいただいたことから、理事長と面談の上、その意図を確認し、今後とも地域住民や市との協議を継続することで合意した後、同年11月には市から同法人に対し、停滞している地域との協議の継続を求めるとともに、施設の建替用地として市有地の無償貸与など、市の支援策について同法人や地域の方々とともに協議検討してまいりたい旨を書面により回答いたしましたが、同法人からの返答はいまだにない状況であります。
そのような中、今月1日、地域住民によりオホーツク福祉園、こまくさ学園転出阻止大会が開催され、その3日後には地域の方々による町内存続を求める署名文書が同法人へ提出されたとのことであり、市といたしましては大変遺憾なことと感じており、同法人に対しては地域住民及び市との協議に積極的に取り組むなど、責任ある対応を強く求めるものであります。)
【 再質問 】
〇野村淳一議員
オホーツク福祉園の問題です。
実はこれ、きのうも相当議論があって、私も知らないこともたくさん出てきて戸惑うことばかりです。
しかし、今の現状で3月1日に地元で阻止大会まで開かれたようです。署名も集まっているということで。
全体を見ると、何だかとってもぎすぎすした感じを受けて仕方がありません。余りいい傾向ではないな、残念だなという気がしてならないんです。
そこでお聞きをしたいんですが、オホーツク福祉園が上渚滑から離れて紋別市内に移転建替えをする、それは皆さん方は市のほうではそれはどうしてなんだというふうに把握さ
れていますか。
○長谷川恒・保健福祉部長兼臨時給付金対策室長
お答えいたします。
移転する理由というようなご質問でございました。移転する理由を、私どもが聞いている、法人から聞いている理由としましては、まず法人の職員の問題の部分で今上渚滑の場所にいることによって職員の確保が今後例えば新しい施設ができた場合についてとかについても対応が難しいという部分、それと今給食というか、利用者の方の給食の部分があるんですけれども、そちらの部分でもなかなか人手の確保が厳しいというようなお話が主なお話でございます。
以上です。
○野村淳一議員
福祉園もできてから既に上渚滑では30年以上たってますね。この間文字どおりその上渚滑の皆さん方と一緒につくってきたんだと思うんです。そういう意味では福祉園がその上渚滑の皆さんに支えられてきたということも事実です。
ですから福祉園が、言うように地域づくりとして上渚滑に残るということも福祉園としても重要な一つの選択肢だと思うんです。
だけども、移転を考えてるんです。なぜなら、上渚滑から移転せざるを得ない事態がなってるからでしょう。きっともって、いることができるんだったらいたいんだと思いますよ。でも移転せざるを得ないんです。
なぜなら、今おっしゃった人手不足の問題ありますよ、職員の確保の問題、これ給食の問題もそうですね。紋別市内に比べたら上渚滑にいることでコストが2割、3割実は高くなってますね。
いわゆる法人としての経営を将来10年、20年、30年にわたって安定していくためにも、上渚滑にいるということは非常に厳しくなってるのも現実の問題です。
同時に、一番重要なのが障害者の福祉をいかに充実させるかということがあります。今でも生活介護で10人を超える障害者の皆さんが紋別市から通っていますね、バスで。あるいは保護者の皆さんが送迎をしています。そういう皆さん方の安全だとか利便性だとかというのも重要な課題です。
そしてこれから高齢者を含めた共生の社会という形が障害福祉に求められます。これも重要な課題です。介護との連携です。包括との連携も必要になってくるでしょう。
そういうようなもろもろのことを考えたときに、その法人の安定的な経営とこれからあるべき障害福祉の法人として求められる状況を考えたときに、20年、30年考えたときに紋別市に移転をせざるを得ないという判断だと思うんですが、これについての感想でも見解でもいいですよ、保健福祉部はどう思ってます。
○長谷川恒・保健福祉部長兼臨時給付金対策室長
お答えさせていただきます。
確かに今議員おっしゃられたような形の部分は確かにございます。私どもも生活介護ということでこちらの市内から通ってらっしゃる方もいらっしゃると、そういうことは重々わかっている話でございます。
ただ、きのうからこの議論を阿部議員、そして喜多議員からもご質問していただき、そして市長もいろんな形で答弁させていただいている部分がございます。
この中でやはり今確かにその障害者の福祉の観点も当然ご
ざいますが、きのうもいろいろ話ありましたけれども、今までもう三十数年地域のほうでいろんな形で地域の住民の皆さんにお世話になりながら一緒に育ってきた法人でございます。
その中できのう喜多議員のご質問もございましたけれども、実際にそこで仲よく住民の方と今までやってこられた、その後にもし移転になったときに、その移転先での本当に住民の方とも今同様の関係というのが構築できるのか、そういうところも野村議員が言う、その利用者のファーストになるのかどうかというところも本当に総体的な形でいろんな形の中で議論をしていかなきゃなんないと。
それで昨年11月にうちの、市のほうとして今後とも継続して地域、そして市と継続して協議していこうというようなことで文書を出した部分でございます。
あくまでもきのうから答弁しておりますとおり、あくまでも地域、そして市と継続した形で協議をしていくというような形がなければ、今のこの硬直した状態の中で議論は全然進んでいかないんだろうなというふうに思いますので、継続した協議を求めるものでございます。
以上でございます。
○野村淳一議員
どうもちょっと認識が、部長ね、その例えば今上渚滑から違う地域に福祉園が移動したときに、地元の人とうまくいってやっていけるかなって、これどういうことですか。
今障害福祉は地域に出ていっているんですよ、みんな。そして地域の人も協働してやってるんですよ。それはどこでもそうですよ。ちょっとね、僕は違うんだと思っています。
いいんです、協議です、じゃあ何をどう協議するかという
ことを考えましょう。
去年の9月に市長がああいう答弁をした、上渚滑地域に残っていただきたいという答弁をした、これは福祉園にしてみたら寝耳に水だったわけです。
で、福祉園としてみたら自分たちの法人を維持していくために、あるいは障害福祉をさらに発展させていくために移転せざるを得ないと考えていた。
しかし市長は、上渚滑に残ってほしいという答弁をした。だったらその真意は何なんですか。それはどうしてそういうふうに言うんですか。私たちが上渚滑に残すことでさまざまなリスクがあり、負担があり、不安があるんだ、本当に障害福祉をここでやっていけるのか、20年、30年を考えたら不安なんだ、じゃあその問題に対して、いわゆるその10項目にわたって市に対して要望、あるいはお願いを出したわけですね。
市長の答弁、それを真意を聞きたいということで、そういうことですね。これが、もしそれが実現し協議が進むんであれば、そのリスクや負担が解消されるんであれば、福祉園が上渚滑に残る可能性だって全くゼロじゃないんですよ。だと
思います。
そういう意味での協議というのは必要ですよね。そういうことですね。だから、福祉園として上渚滑に残ることができない、その理由はかくかくかくかくこういうことだ。
それに対して市として、あるいは地域でも何かできることがあるなら一緒にやろう、サポートしよう、あるいは呼びかけを対応しよう、支援をしようというようなことが一緒にテーブルで協議に乗るんであれば、福祉園だって協議に乗るはずです、それが協議だということでよろしいですか。そういう感覚で。
○長谷川恒・保健福祉部長兼臨時給付金対策室長
今までの私たちも入った協議、地元の方、そして市、そして法人、三者でいろいろ協議もさせていただきました。
その中で今野村議員からお話いただきました部分のその提案とか、そういう具体的な部分が市のほうにいただいた照会文書、そちらのほうの中にはきのうも市長答弁にもございましたとおり、実際に期限がない中でのある程度財政支援ですとかそういう部分の話もございましたし、あくまでも時間をかけてゆっくり議論していかなければならないものも当然出てきます。
当然、予算ということであれば議会のほうにお諮りしなければならない、そういう部分もあって、それを1カ月ぐらいのスパンの中で回答をくれと言われてもうちのほうとしてもなかなか厳しいと、そういう話もあったもんですから、理事長、そして建設委員会の委員長に来ていただいて市長もお話をさせていただいて、そして継続してもうちょっといろんな形のどうにかこう進むような形というんですか、もうちょっと地域ともお話できるような形の部分で継続して協議していきましょうという話を去年10月にして、その中でうちのほうとして回答を同じような形で継続して協議していきましょうというような形の文書を出ささせていただいた。
その中で法人側としては理事会なんでしょうけれども、理事会のほうでやっぱり出ていく、市街地のほうにくるというような話の部分があったもんですから、地域のほうとしては3月1日の集会という形になったという形なもんですから、実際にもうちょっと議論できるような形の部分の、もう短いスパンではなかなか議論はできないと思います。
ですからもうちょっと深い、長いスパンで当然予算だとかもいろいろ入るかもしれませんので、そういう部分も含めて再度いろんな形で議論を深めていきたいなというふうに思っているところでございます。
以上です。
○野村淳一議員
時間はもうないですか。
○柴田 央議長
あと2分です。
○野村淳一議員
2分。
そうですね、そういうことだと思いますよ。ただ、福祉園は福祉園で日程があるでしょう、よくわからないけども、何年までに建て替えたいとかというのがあるんだろうから、その辺のことも加味しながらだというふうに思いますけど、その上渚滑に例えば福祉園が残るんであれば、さっき言った福祉園の家族会の皆さん方はそういう利便性のものを含めて紋別市に、市内につくってほしいというような要望も出ているようです。
そういうことも含めて福祉園はいろいろ頭を悩ませているんだというふうに思うんです。
だから、そうなったら上渚滑に出たらまたそういう利便性の問題でそういう主張が出てくる。そういう問題に対してどうするかということも含めてですので、そんなようなことも含めて協議というのを進めていただきたい。
ただ、向こうの日程もあるんだろうからその辺のことを加味しながらぜひ進めていただきたい。そういうことでよろしいですね。そういう観点で。
○長谷川恒・保健福祉部長兼臨時給付金対策室長
お答えさせていただきます。
協議は継続して、市としては継続して協議は進めていきたいという意向でございます。
野村議員からありましたその施設の期限云々とある、当然利用者さんの高齢化の部分ですとか施設の老朽化の部分ですとか、そういう部分での当然早く建て替えをしたいというような法人側のほうの意向は当然あるかなというふうには思ってございます。
ただ、社会福祉法人の指導の部分の中で剰余金というんですか、ある程度たまってくるとそれをどういう形で活用するかという部分の話も指導の部分の中に入ってくるわけなんですけれども、その部分で今回は建て替えという形で法人のほうから伺っている部分がございます。
ただ、縛りの中の5年という形の中でその剰余金を使っていくという話はあるんですが、あくまでもその原則的な話でございまして、いろんな諸事情とかあればさらに5年延ばすという形もできますので、そこの部分を含めた中でいろんな形の部分の議論を今後とも進めていきたいなというふうに思っているところでございます。
以上でございます。
○野村淳一議員
どちらにしても今硬直している状況で身動きがとれない状況になっちゃってるもんですから。どちらにしても建設的な協議というものを続けるしかないのかなと思います。きのうも話がありました。ぜひ紋別市がリーダーシップをとって進めていっていただければなというふうに思います。
教育問題については全く時間がありません。学力テストの問題、それから不登校の問題、幾つも言いたいこと、指摘したいことがあるんですが、またの機会にします。
以上で終わります。
議会でのオホーツク福祉園移転問題を掲載した民友新聞 |
この議会での一連のやり取りは、大きな注目を集めました。
上渚滑での存続を訴える地元を基盤とした議員らと、あくまで福祉の観点から訴える野村議員ーー民友新聞の記事は中立を保ちながらも、『利用者ファーストで』の見出しは確信をつくものです。
その紙面の中で議会傍聴に来ていたオホーツク福祉園家族会の方のコメントが紹介されていました。その一部を紹介します。
『利用者中心の視点で、利用者ファーストであるなら、移転で決まりだろう。家族会としては、子どもたちの命や安全・安心を最優先に考え、施設老朽化に伴う建て替えに合わせて、紋別市街地への移転を希望した。利用者も高齢化し8割がたは病院通いで、上渚滑からの通院では職員も大変。救急車で搬送しなければならない時も、紋別市街地であればすぐに病院に行ける。(中略)これまで支えてくれたみなさんや、私たち親もいなくなる30年後、40年後を見据えて、年を重ねた利用者が安心して暮らせる環境ができなければ、親としては死ぬに死ねません。家族としての思いが伝わってほしい』
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