①コムケ湖のラムサール条約登録について
②自然環境保全に向けた環境調査について
コムケ湖のワタスゲの群落 |
〇野村淳一議員
最後に、自然環境の保全について質問いたします。
1つは、コムケ湖のラムサール条約への登録についてです。
紋別市は、平成25年度に作成した紋別市環境基本計画で、コムケ湖について、関係各団体の協力のもとにラムサール条約登録を推進すると述べています。
宮川市長も平成25年の市政執行方針でコムケ湖のラムサール条約の登録について、産業や観光など地域の活性化に結びつけるワイズユースの視点に立ち、関係者のご意見を十分お聞きしながら、地域総意の取り組みとなるよう努めてまいりますと述べています。
しかし、それ以降、市長の市政執行方針からこのラムサールの言葉は消えてしまいました。
コムケ湖には、270種を超える野鳥が飛来し、生息し、50種を超える花々が咲き競う紛れもなく全国的にも価値のある貴重な湖であり、湿原です。しかし、その資源は年々変化し、減少、後退しています。
今こそ、本格的な調査と保全に向けた取り組みが必要であり、ラムサール条約の登録に向けた行動が必要なのです。
ラムサールへの登録は、それ自体紛れもなく新たな付加価値となり、観光につながり、交流人口の増大につながるものです。根室市のラムサール登録湿地、風蓮湖、春国岱を中心にした世界的な野鳥観光の急増がよい例です。
そこで、ラムサール条約の登録に向けての現状と認識についてお聞きするとともに、今後どう取り組みを進めるのかお尋ねするものです。
また、コムケ湖周辺の環境保全について、どのような認識をお持ちか、今後の取組方向とあわせお聞きします。
言うまでもなく、紋別の豊かな自然環境は、かけがえのない財産です。流氷をはじめその雄大で生命力にあふれた美しい自然は、多くの観光客を魅了します。だからこそ、しっかり守り、大切にしたいものです。
しかし現在、コムケ湖とオムサロを含めた原生花園では、牧草などの輸入で植生の維持が困難になりつつあります。一方海岸線では、砂浜の侵食で海浜植物の減少・後退が著しい状況にあります。
市民グループのコムケの会などが自主的に木道を整備したりと環境の保全と自然に親しむ取り組みを続けていますが、それだけでは到底限界があります。
コムケの会が自主的につくった木道 |
今必要なのは、自然環境の保全に向けた本格的な調査とその体制づくりです。
紋別市として、現在の自然環境に対する認識とその対応をお聞きするとともに、改めて自然環境の実態調査が今こそ必要と考えるものですが、いかがお考えかお聞かせください。
【 答弁 】
○宮川良一紋別市長
次に、自然環境の保全についてであります。
1点目のコムケ湖のラムサール条約登録につきましては、環境の保全や観光資源としての効果が期待される一方、コムケ湖周辺で生業している方々の生産活動への懸念などさまざまなご意見があり、これらの意見は公平な視点で十分に尊重し配慮されなければならないものであります。
ラムサール条約の登録に向けては、地元の利害関係者の合意形成が大前提であり、関係者の考え方に隔たりが見られる現状において手続を進めることは難しい状況にあると認識しており、引き続き関係団体等のご意見を伺ってまいります。
また、コムケ湖及びその周辺地域は、豊かな自然環境と活発な経済活動が共存する場として後世へ引き続いていくことが大切であると考えており、今後とも地域住民の皆様のご理解やご協力はもとより、国や北海道、コムケの会などの環境保護に取り組む団体、農協や漁協、産業界など各方面の関係機関との連携を図りながら、コムケ湖や周辺環境の整備、維持、保全に取り組んでまいります。
2点目の自然環境保全に向けた環境調査につきましては、自然環境は多岐にわたりますことから、実態を把握している水環境についての認識となりますが、河川においてはおおむね良好な水質を維持しており、コムケ湖及びシブノツナイ湖においては富栄養化が進行していることから、今後も観察が必要な状況にあります。
対応については、富栄養化の一因となる生活排水対策を継続して実施しているところであり、水環境の水質監視を含め、今後も継続して実施してまいります。
自然環境保全施策を展開する上では実態調査が必要となりますが、保全する自然環境の対象とその保全方針により、調査主眼や手法などが異なることから、市全域を対象とした総合的な調査については、今後の研究課題とさせていただきます。
【 再質問 】
○野村淳一議員
自然環境の問題について、ラムサールについてお聞きします。
確かに、産業界を含めて利害関係者がたくさんいらっしゃるので簡単には進みません。無理やり進む話でももちろんありません。時間がかかるものなのかもしれません。
改めてお聞きしますが、紋別市としてはコムケ湖をラムサール登録湿地にするということでの考え方は変わらないんですね、その方向性は。それをまず確認させてください。
○富樫豪志企画調整課長
お答えいたします。
ラムサール条約の登録に向けては、地元の合意形成が大前提であるということ、そういった部分で、さまざまな団体の方々がさまざまな立場から多様な意見をお持ちになっております。
私ども市といたしましては、そういったご意見を公平な視点で伺いながら、今後どうあるべきかという部分を検討していくという立場で変わっておりません。
以上でございます。
○野村淳一議員
確かにそうなんです。ただ、平成24年4定、私の質問に市長は当時こう答えてるんです。関係団体との協議を深めながら、合意形成に向けて取り組んでまいります。合意形成に向けて取り組んでまいりますと。
これは、ラムサール登録に向けて、合意形成に向けて取り組むと。ここでは明確に、ラムサール登録に向けての合意形成というふうにはっきり打ち出してると思うんですが、その認識で変わらないかとお示しを。
○富樫豪志企画調整課長
繰り返しになるかもしれませんが、各団体のご意見というのは尊重されるべきものであって、団体の犠牲の上にワイズユースというものが成り立つというものではないというふうに考えておりますので、引き続き関係団体のご意見などを伺ってまいりたいと考えております。
○野村淳一議員
わかりました。もちろんそれはそのとおりなんです。ただ、どこを向かってやるかということも重要だと思ってるので、繰り返し質問したということです。
貴重な湿原です。どう守るか、後世に引き継ぐという意味では非常に重要な意味を持つと私は思っています。
この北海道のオホーツク沿岸は、浜頓別のクッチャロ湖から網走の濤沸湖、それから尾岱沼、そして風蓮湖、そして釧路湿原と、全部ラムサール登録。まさにラムサール街道なんです。
ここにコムケ湖が加われば、世界的にこんなところないんですもん。すごい価値のある地域だなあと、非常に夢も私は持ってますから。ぜひそういうことも含めてお願いしたいと思います。
それから、自然環境の問題についてです。
ちょっとお聞かせいただきたいんですけど、例えば自然環境調査をするとしたら、どこの部が、どこの課が担当するのか、それだけちょっと教えてください。
○清水博昭環境生活課長
お答えいたします。
自然環境については、現在特に所管部局はない状況にございまして、先ほどもお話ございましたラムサールの部分について言えば環境基本計画策定当初、その環境基本計画に基づく施策として、企画調整課として取り組んでいくとして位置づけられたものでございます。
以上でございます。
○野村淳一議員
いいんです、ラムサールはそうでしょう。
だから、その自然環境調査をする、実態調査をするということになれば、さっきの答弁ではこれから全体になるので研究課題だとおっしゃったけど、だからそういうのも研究するのも、何をするにしても、どこの課が責任を持つのかということを教えていただきたいんです。
○佐藤久祐総務部長
お答えをいたします。
事務の所管の問題にも絡んでまいります。そういうことでございますので、私どもといたしましては、今清水環境生活課長が言ったとおり、水環境はこういう形ということで、今分かれておりますので、その辺は今後に向けて、事務の再編も含めまして検討してまいりたいと考えております。
○野村淳一議員
紋別の自然環境に関係する取り組みはそこにあるような気がしてならないんです。
コムケの会が、ワタスゲのところにも木道をつくりたいと思って市に問い合わせ行きます。どこに行っていいかわかんないんです。あそこへ行ったらここへ行け、ここへ行ったらあそこへ行けって。なかなか前に進まないんです。
本当に、今紋別の自然環境、これから生かしていただきたい。
ワタスゲがこれからすごく花咲くんです。インスタ映えするんです。最高の場所ですから。秋はサンゴソウ、これまたコムケの会が木道をつくってそこに行ったらインスタ映えするんです。いいですよ。だから、こういうことを含めてちゃんと管理をし、あるいは保全し、一緒になってやっていく部を、担当をちゃんとつくっていただきたい。まずこれを言っておきたい。
最後になります。時間がありません。自然環境の関係で、今言った野鳥の問題、それから草花言いました。野生動物もそうなんです。
実は熊の問題なんですが、今紋別公園で熊の出没云々かんぬんと言われています。人間の生ごみにも何か興味を持ってるということですから、非常に危険だなあと思っていますが、市民も不安を持ってます。正確な情報が必要だというふうに思います。
ご答弁できればしていただきたいんですが、今の現状の認識と、対応、対策がもしあれば教えていただきたいんですが。これを最後の質問にします。
○徳正修一産業部長
お答えをいたします。
熊の足跡がごみステーション、個人のごみ箱なんですけども、メッシュで既成のごみ箱。上がふたが開くような形になってるもの。その上のふたに前足が乗っかったような足跡がありました。
また、その下、アスファルトですけれども、後ろ足の足跡も見つかりました。
そこで、見つかったのが6月6日でしたから、すぐ広報を出して注意喚起を行いました。紋別公園に隣接する潮見町5丁目の民家の前だということで、広報を出して周知をするとともに、紋別公園の入り口等の通行をとめ、進入禁止ということで、中に入らないような対策もあわせて行いました。
また、猟友会とも相談をいたしまして、これまで2回熊のふんが発見されたということで、箱わなも仕掛けて、ただこれは大山の、紋別公園内ではなくて、大山の中のほうに仕掛けておりました。
ただ今回は、生ごみのごみステーションのほうに出てきたということもありまして、紋別公園に立ち入らないような措置をした上で紋別公園の中に箱わなを設置をし、現在餌も入れて、わなの供用を開始をしているところです。
また、知床財団というエキスパートのところとも相談をさせていただきまして、近々現地を見て、現地にあわせた対応策ということも検討していきたいというふうに考えております。
以上です。
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