2021年5月7日金曜日

2021年第1回北海道後期高齢者広域連合議会 質疑より(2021年2月9日)

 



○野村淳一議員 
 
 紋別市議会議員の野村淳一でございます。 

 それでは、議案第6号北海道後期高齢者医療広域連合後期高齢者医療に関する条例の一部を改正する条例案、議案第7号令和3年度北海道後期高齢者医療広域連合一般会計予算及び議案第8号令和3年度北海道後期高齢者医療広域連合後期高齢者医療会計予算、これら3議案について一括して質疑をさせていただきます。 

【低所得者に負担を強いる軽減特例廃止は認められない】
 
 まず、議案第6号についてです。本議案は、軽減特例措置 7.75 割軽減を廃止しようとするものであり、これにより軽減特例は全て廃止されることになります。 

 そこでまず、この廃止に伴う影響についてその対象者数とその割合、廃止によって新たに負担増となる1人当たりの金額とその総額についてそれぞれお聞きします。 

軽減特例の制度は、もともと所得の少ない被保険者に対する支援策としてその所得要件に応じ、9割軽減と 8.5 割軽減としてスタートしたもので、その役割は非常に大きいものがありました。それが今年全て廃止となり、本則の7割軽減となってしまうわけです。

 この間、消費税の増税、年金額の減少、そしてコロナ禍という状況の中、低所得層の暮らしは厳しさを増すばかりではありませんか。この下で今なぜ軽減特例を廃止しなければなら ないのでしょうか。

 当然廃止する理由はなく、低所得者の負担をさらに強いる軽減特例廃止は到底認められません。軽減特例廃止に当たり、広域連合としての認識をお尋ねするものです。 

【マイナンバーカードと保険証の一体化を強行すべきでない】 

 次に、議案第7号令和3年度一般会計予算に関連してお尋ねします。 

 この3月からマイナンバーカードの健康保険証としての利用、いわゆるマイナンバーカードと健康保険証との一体化が開始されます。それに伴い、マイナンバーカード申請書送付分として2億 6,864 万円余りが計上されています。 

 しかし、この事業には多くの国民や医師会などからも反対の意見が根強く出されていま す。昨年 11 月6日に開催された北海道後期高齢者医療広域連合運営協議会でも、公募委員 の1人は「私はいまいち信頼できません」とし、「国民の情報を把握するほうに重点ばかり置いて、利便性は取ってつけたような感じが正直しています」と述べています。

 また、北海道医師会の委員は、「私たちはマイナンバーカードを医療保険証として使うというのは前からずっと反対していました」と明確に述べた上で、「マイナンバーカードを扱うときには、扱える人を限定し、別個用意した部屋で厳重に取り扱わなければならないことになっています。それが、何か軽々しく扱うような印象を受けています。例えば医療機関にマイナンバーカードを持ってきてそのまま置いていくお年寄りがいらっしゃるのではないかなど、いろいろな心配がある中で、何かせっかちにどんどんやれというような進め方をしているので、 これについては強く反対しています」と述べています。

 もともとマイナンバーカードの普及率はいまだ2割にも届かず、多くの国民もその信頼性に疑問を持っています。その下での保険証との一体化の強行は、まさに乱暴であり、無理があると言わざるを得ません。 

 そこで5点にわたりお聞きします。

 1つは、マイナンバーカードと健康保険証の一体化に向けてどのような手だてと段取りで進めるのか。 

 2つ目には、各市町村や被保険者、そして各医療機関への対応はどのように進めるのか。 

 3つ目には、マイナンバーカードの保険証利用に伴い、各医療機関ではどのような対応が必要となるのか。 

 4つには、個人情報の保護と漏洩に対する措置と対策はどのようになっているのか。 

 そして、5つ目です。各医療機関は今コロナ禍の中で最前線の戦いを続けています。その下での一体化は、医療現場と被保険者に無用な混乱をもたらすだけです。しかもこんなコロナ禍に乗じて行うべきものではなく、いま一度立ち止まり、反対論を含め、まさに根本からの国民的議論が必要なのではありませんか。

 マイナンバーカードと健康保険証の一体化に対する広域連合としての認識をお尋ねするものです。 

【コロナ禍における医療費の伸びをどう考える。急増する療養給付費】

 次に、議案第8号令和3年度後期高齢者医療会計予算に関連してお尋ねします。 

 最初に、療養給付費についてですが、予算案では 8,829 億 934 万円を見込んでいます。 これは前年比 195 億 9,820 万円の増額となり、伸び率は 2.27%となっています。

 それは主に被保険者の増加が要因だと考えられますが、それにしても令和3年度の増額の幅が極めて大きい印象を持ちます。

 なぜなら、令和2年度予算に比べ、今予算案では被保険者数の伸びを 1.12%から 1.24%と 0.12 ポイント程度の伸びと見込んでいるにもかかわらず、療養給付費の伸びは 0.95%から 2.27%へと極めて大きく、その金額も約 80億円から 196億円増と倍以上も増えているのです。

 療養給付費が昨年度に比べなぜこのように大幅に増える結果となるのか、その根拠と要因についてお尋ねするものです。 

 一方、コロナ禍において受診抑制が懸念され、その事実も顕著になっており、その傾向は続いています。このようなコロナ禍における医療費の推移については、どのように判断し分析されているのでしょうか。見解をお聞きするとともに、その内容は今予算にどのように反映されているのか、お尋ねいたします。

【拡大する債権管理推進事業とは】

 次に、債権管理推進事業についてお聞きします。 

 この事業には、前年度に比べて6,350 万円、実に371%増の 8,064 万円が計上されてい ます。

 その内容は医療費の適正化を推進するというものですが、同時に債権の徴収、滞納整理体制の適正化を推進するため、債権管理システムを抜本的に再構築するとしています。この予算増額の理由とともに、これら事業の内容をお聞きします。

 また、債権の徴収、滞納整理体制の適正化とは何なのか、お知らせください。 

【コロナ禍における傷病手当の拡充を】

 来年度の医療会計予算では新型コロナウイルス感染症関連の経費として、傷病手当金 300 万円、保険料減免に伴う保険料還付金に 4,000 万円がそれぞれ計上されています。

 新型コロナウイルス感染の収束がいまだに見えない中で、これらの措置は当然だと考えます。今議会においても、保険料減免に関連した補正予算が提案され、可決されました。

 この間 の傷病手当金と保険料減免の実績はどのようなものかお聞きするとともに、内容に変更はないのか、被保険者への周知と働きかけはどうか、それぞれお尋ねします。 

【保険料増加抑制のため財政安定化基金の活用を】

 次に、財政安定化基金と保険料の抑制について質問します。 

 予算案では、道支出金として財政安定化基金 10 億 7,865 万円が計上されており、保険料 増加抑制に活用されています。

 来年、令和4年度には、また新たな保険料が設定されますが、これ以上の保険料の増嵩は回避しなければなりません。そのために財政安定化基金が活用できるよう、その増額を含め、今からでも道との協議を開始する必要があると考えますが、いかがお考えか、お聞かせください。 

 また、保険料の増加抑制のために、財政安定化基金を活用することを特例措置としている現状を恒久化し、制度の安定化を図るよう、国に対し働きかけるべきと考えますが、見解をお聞かせください。 

【高齢者施設の入所者とスタッフへ定期的なPCR検査を】

 次に、今般の高齢者医療をめぐる情勢についてお聞きいたします。 

 新型コロナウイルス感染症の拡大による緊急事態宣言はさらに延長され、北海道もいまだその衰えを見せていません。その下で、病院経営や医療体制の確保が逼迫している状況が続いています。それでも、後期高齢者が受診を控えることなく、安心して地域の病院にかかれるようにしなければなりません。

 そのためにも地域医療の確保とともに、医療機関 に対する財政支援や医療体制確保に向けたコロナ対策を早急に講ずる必要があります。国に対し、広域連合としても強力な対策を講じるよう訴えるべきと考えますが、いかがでしょうか。 

 また、多くの後期高齢者が入所する高齢者施設でのクラスターの発生が頻発しており、その対策と予防は待ったなしです。少なくとも全ての高齢者施設において入所者やスタッフへの定期的なPCR検査の実施を国の施策として実現すべきだと考えます。広域連合としても強く要請すべきと考えますが、見解をお尋ねします。 

【広域連合として医療費窓口負担2割導入に反対を】 

後期高齢者医療をめぐる情勢で今最も焦眉の課題となっているのは、医療費窓口負担の問題、2割負担導入の問題です。

 国は 75 歳以上の高齢者の窓口負担を単身世帯で、課税所得が 28 万円以上かつ年収 200 万円以上、複数世帯の場合は、後期高齢者の年収合計が 320 万円以上を2割とすることを 決定し、今国会での成立を狙っています。 

 そこでまず、これら基準に該当する被保険者数と割合をお知らせください。 

 言うまでもなく、この影響は極めて甚大です。家計に及ぼす負担増は言うまでもなく、このコロナ禍の中、受診抑制が問題になっている下で、一層高齢者の受診抑制が深刻化するのは明らかではありませんか。

 それは病状の悪化を招き、医療費の増大にもつながりかねず、医療制度維持にも逆行する、まさに改悪です。

 2割負担の実施は来年の 10 月からであり、まだ時はあります。この期を捉え、広域連合として2割負担導入の中止を国に強く訴えるよう求めるものです。連合長の見解をお聞かせください。 


○金谷 学事務局長

 多くの御質問をいただきましたけれども、まず1点目のほうから、保険料の軽減特例措置の関係でございます。 

 軽減特例措置の廃止ということでございますけれども、令和2年度確定賦課の結果を基 に、その影響についてお答えいたしますと、約 19 万人の方が現在の 7.75 割軽減から7割 軽減に該当となり、被保険者全体に対する割合は約 22%でございます。

 1人当たりの保険料で年間 3,900 円、北海道全体では総額7億 4,000 万円ほどの保険料の増額となる見込みでございます。 

 この軽減特例措置の関係について広域連合の認識ということでございます。軽減特例の見直しにつきましては、保険料収入の増により制度の持続可能性に資するという面はありますけれども、広範囲の方が負担増になるということから、当広域連合では国に対して軽減特例の継続についての意見を述べてきた経緯がございます。 

 軽減特例は国庫補助を基に行われてきたものでありますので、財政状況が厳しい中でこのたびの国庫補助の廃止に併せて軽減特例を廃止するということは、やむを得ないことではないかと考えているところでございます。 

 続きまして、マイナンバーカードの関係でございます。マイナンバーカードを健康保険証として使えるというようなことの御質問ございますけれども、予算の説明でも若干申し上げましたけれども、今年度というか、新年度の予算で計上しておりますのは、マイナンバーカードが健康保険証と一体化すると、そういうこととは直接関係がないものでございまして、議員御指摘のとおり、マイナンバーカードの普及率はそれほど高くございません。

 さらに、当広域連合の運営協議会の中でも、そもそもマイナンバーカードの信用みたいなものがそれほど高くないという御発言が多く聞かれたというのも議員御指摘のとおりでございます。 

 そういう中ですけれども、新年度予算で計上しておりますのは、マイナンバーカードをまだ取得をされていない方々に対して、マイナンバーあるいは住所、氏名など必要な情報が印字されたカード取得の申請書を郵送すると、そのための費用でございます。

 これは現段階で厚生労働省からの依頼に応じるものでございまして、実施に当たっては、多方面への影響があると思いますので、そういうことについて様々な検討が必要ではないかと考えているところでございます。 

 3月からの実施に向けまして、国のほうで準備を進めておりますということにつきましては、医療機関において、専用の機器を導入して、その機械を使って被保険者の資格の情報が速やかに確認できる、そういう取組を3月からスタートさせるということだと理解をしております。 

 最近の情報によりますと、3月4日頃から試験的に全国の医療機関でマイナンバーカードを使った資格の確認というふうなものを試行的にスタートをさせて、3月の下旬には全国のその機器を導入している医療機関において、マイナンバーカードをかざすと被保険者の資格が確認できると、そういう仕組みがスタートするということでございます。 

 ただ、紙の健康保険証がすぐなくなるとは聞いてございません。まだ、医療機関のほうでの機器の導入も進んでいないようでございますので、それの動向を見ていく必要性があると考えております。 

 なかなか分かりづらいというか、道民の方に、あるいは国民の方にきちんと情報が伝わっているかというと、なかなか難しい面もあるのかなと考えておりまして、国民の皆様に、あるいは特にデジタルの情報に不慣れな後期高齢者の皆様に、後期高齢者医療制度の被保険者の皆様なのですけれども、そういうふうな皆様にしっかりと分かりやすい情報を国の責任において届けていただきたいということを切に願っているところでございます。 

 続きまして、療養給付費の関係でございます。 令和2年度から令和3年度にかけて療養給付費等が伸びているのではないかと、その根拠と要因ということでございます。 

 療養給付費等の推計につきましては、通例では前年度の決算見込額に1人当たり医療費の伸び率と被保険者数の見込みを乗じて行っているところであります。 

 しかしながら、令和3年度の推計におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響を強く受けている令和2年度の決算見込みを使用することは難しいのではないかということから使用しておりません。 

 どうしているかといいますと、令和元年度の実績に診療報酬改定がない年の対前年増加率を2年分乗じまして、さらに推計の被保険者数を乗じることで、令和3年度の療養給付費等を算出しているところでございます。

 この方法ですと、令和2年度の診療報酬改定の影響を見込むことができませんので、若干高めの推計となっているというのは、議員御指摘のとおりだと考えているところでございます。 

 続きまして、債権管理等推進事業でございます。 

 本事業で取り扱います債権につきましては、広域連合が直接管理をしている債権、給付債権、給付に係る債権でございまして、市町村が管理をしております保険料については、本事業の対象からは除かれるものであります。 

 具体的には、医療機関に対する診療報酬不正利得等の返還金、負担割合相違や資格喪失後受診による医療給付費返還金、第三者行為求償金などであります。 

 これらの給付債権につきましては、平成 24 年度以降簡易的なシステムにより管理をして おりまして、システムの老朽化等によりまして、債権管理システムの再構築に向けた検討を進めているということでございます。 

 発生する債権額、給付のほうの債権額ですけれども、実は年々増加の傾向でございまし て、給付債権回収に向けた取組を進めていくために、令和3年度に債権管理の専門部署を新設するほか、令和4年度からの施行を念頭に置きまして、債権管理条例の上程につきましても、考えているところでございます。

 次に、新型コロナウイルス感染症関連の実績ということでございます。 令和3年1月末時点でありますけれども、傷病手当金の支給はお1人のみでございます。 

 保険料減免につきましては 2,959 人、総額2億 4,800 万円ほどとなっております。 

 傷病手当金及び減免制度は、国の財政支援の基準に準拠して運用を行っているものでありまして、令和3年度も国の財政支援の対象になるかどうかということについては、現時点では明確に示されていないところであります。

 ですけれども、国の財政支援の対象となった場合を想定いたしまして、予算を計上しているところであります。制度継続となった場合には、制度を必要としている皆様に活用していただけるように、 幅広い周知に努めてまいりたいと考えております。 

 続きまして、財政安定化基金と保険料との関係での北海道との協議ということでございます。 

 実は、今年度から北海道と当広域連合におきまして、年3回程度定期的な意見交換会というのをスタートさせたところでございます。 

 令和4年度の保険料率改定に向けまして、北海道とは十分に協議を行いながら、試算作業を進めていく予定でございます。 

 また、財政安定化基金の恒久化につきましては、直近で令和2年 11 月ですけれども、全 国後期高齢者医療広域連合協議会を通じまして、厚生労働大臣宛てに要望を実施しております。今後も機会を捉えて、国への要望を行ってまいりたいというふうに考えております。

 最後の御質問でございますが、今般の高齢者医療をめぐる情勢ということでございます。 

 新型コロナウイルス感染症に関しまして、地域医療の確保、全ての高齢者施設での定期的なPCR検査の実施を国に要請するべきでは、というような御質問かと思います。 

 新型コロナウイルス感染症に関しましては、なかなか収束が見通せない状況ではございますけれども、感染防止に関して分かってきたこと、分かってきていることも徐々に増えているのではないかと考えるところであります。 

 国、北海道、保健所を設置している市などにおきまして、様々な観点から検討を行って引き続き必要な取組を進めていただけるものと考えているところであります。 

 当広域連合といたしましても、後期高齢者の皆様にどのような影響があるのかといったことを中心に置きまして、危機感を持って状況の把握に努めてまいりたいと考えております。 

 次に、後期高齢者の窓口負担に関しての御質問でございます。 

 年金収入が 200 万円以上の被保険者の数については、約 16 万人でございます。全被保険 者の約 19.2%に当たります。これは令和3年1月4日時点におきまして、当方で把握でき た数字であり、現役並み所得者、3割負担の所得者の方々ですが、そういう方々については除いた数字となっております。 

 また、国に対する要求ということでございますけれども、全国知事会のほうで「現役世代の支えによりこの制度が成り立っていること、世代間の対立ではなく、世代間が相互に理解することが大切であり国民に分かりやすく丁寧な周知を行うこと」というような内容の要請を厚生労働大臣に行っているところであります。

 私も同感でございまして、引き続き国に求めてまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。

○野村淳一議員 

 それでは、2回目の質問でございますが、1点目にその議案第6号の軽減特例の廃止の問題でした。

 やむを得ないという御答弁だったかなと思います。 ただ、平成 28 年 11 月のこの広域連合議会、平成 28 年の2定です。このときに、この議会の場で軽減特例措置の継続を求める意見書というのが可決されているのです。

 極めて重要な意見書が可決されているのです。軽減特例の継続を求めると、北海道のこの広域連合議会の総意としてここで可決をしたものでした。

 この重要なものを持っていて、やむを得ないと今おっしゃったけれども、私は、こういう問題も含めてしっかり議会として、広域連合としてこの問題に向かっていく必要があるのだろうと思います。

 改めて、この特例軽減廃止に向けての御答弁、私はすべきでないと思いますので、それら、その決議の意見書の可決という問題も含めて、改めて御答弁ください。 

 マイナンバーカードの問題です。これはちょっと教えていただきたいのですが、今回の予算はマイナンバーカードの申請書を送付するのだということですね。後期高齢者にその保険証の更新時に一緒に申請書を入れて送るのですか。そういうことになるのでしょうか。

 この入れられた申請書を後期高齢者がどうするのですか。どのような手続をするのか。これは、非常に個人情報の問題、扱い方、極めて慎重にしなければならない。

 特に、後期高齢者ですから、ですからという 表現悪いけれども、状況が分からなかったり、なかなかそういうものに、マイナポータルに接続しなければならないとかいろいろあるのです。そういう問題があるので、今回の送付についても、非常にこれは簡単にすべき話ではないのだと思っています。それについての在り方を教えていただきたいのです。 

 ただ、どちらにしても、今回のこの措置はマイナンバーカードが進んでいかないという国の焦りだと私は言わざるを得ないと思っています。無理やり普及を強制しようというものでしかない。

 まさに、同時に不便と不安を押しつけるものだと。これは病院もそうです。そういう意味では、この実施はすべきでないと私は思っておりますので、その立場で広域連合としても対応していただきたいと思います。もう一度御答弁いただきたいと思います。 

 それと議案第8号関連で、療養給付費の問題です。

 私は今回相当金額大きいと言いました。では、この令和3年度はいつものやり方とは違うという話ですよね。コロナの影響があるので、いつものような算定の仕方はできないのだといって、これは莫大な金額です。196 億円も増えているのです。

 療養給付費が増えるということは、市町村負担金も増えるということなのです。市町村にとっても大変な問題なのです。でも、その根拠がよく分からないではないですか。令和元年のを持ってきたと言われたって、その根拠がどうも曖昧でしかない。やむを得ないのだろうという話も感じなくはないけれども、やっぱりこれは市町村の状況にも直接関係するものです。この在り方について私は非常に疑問を持ちます。

 実際コロナで受診抑制が起きているというのも現実ですので、これを認めるわけにはいか ないけれども、その辺の判断についてもう一度御答弁いただきたいと思います。 

 それと、コロナ関係で傷病手当減免の取組がありました。これは、まだ国の通知がないわけですが、しかし、実現させるという思惑だと思います。これはぜひ、そういうふうに広域連合としても国に対して取組をしていただきたいと。

 1つだけお聞きします。 傷病手当なのです。これは1件だと御答弁ありました。傷病手当というのは、これは国保と同じですが、従業員が対象なのです。事業主には傷病手当は対象にならない。

 しかし、今このコロナ禍の中で、どの企業だって経営が大変なのです。事業主だからといってお金があるわけではない。しかも、誰がいつどういう形で感染するか分からないのです。

 この 傷病手当に対して、事業主もこれを対象にしている自治体があります。こういうことが考えられないのか、すべきだというふうに思います。連合としての考え方を教えてください。 

 それから、財政安定化基金です。 これも道との協議を進めたいということでした。それで、この保険料の増嵩を抑えるためにもう一つ運営安定化基金というのがあります。

 これは、保険料の剰余分を積み立てたものです。これを使ってこの北海道の広域連合でも保険料を下げたことがありました。で はなかったかと思うのですが。ただ、今回予算を見ると、この運営安定化基金も積立金額 が半分ぐらいに減ってしまっているのです。なので、ちょっとこれも期待できないのかな と思ったりしますが、この運営安定化基金の状況と見通しもちょっと併せてお聞きいただければと思います。 

 それと2割負担も問題なのです。これは 16 万人、約2割の方が新たに2割負担になると いうことです。2割の方です。何も富裕層の方ではありません。その方々が2割になる。 

 改めてお聞きしますが、2割になって1人当たり年間幾らの負担増となると見込まれていますか。入院と通院でお示しをいただければと思います。 

 今、御答弁もありましたが、この2割負担の根拠にしているのは、世代間の公平ということでした。負担の公平だという話をしています。

 しかし、そうでしょうか。現役世代が医療費が増えて増嵩分、それを実は今でも増えた分を現役世代と後期高齢者で折半しているのではないですか。増えた分は現役世代と、そして後期高齢者で折半している。後期高齢者もその分今でも負担しているのです。

 当初は 10%の負担率でよかったのが、今、後期高齢者は 11.1%負担しているのです。もう既に後期高齢者はこの負担を払っている。私はそう思います。 そういう意味では、この2割負担、世代間の公平というのは、私は論拠にならないという気がしています。

 今の1割でさえ受診抑制が現実に起きています。コロナ禍でさらに受診抑制が広がっています。そして、2割になればさらにそれが広がるのです。それは明らかだと思います。

 受診抑制を起こさせない、そういう意味でも、この2割負担というのは何としても私回避すべきだと思います。それに向けて改めて広域連合としてその立場を明確にしていただきたいと、その立場で国に強力に訴えていただきたいと思います。 それで、2回目です。 

○金谷 学事務局長

 何点か再質問いただいたところであります。 

 まず、軽減特例の関係ですけれども、議会で可決されたということについては、非常に重いことだと思うところであります。それについては、国にしっかりと届けて、全国でもそういう声を上げたのだと思いますけれども、それを踏まえて、いろんな議論を経て軽減特例の廃止が決定されたということだと考えております。 

 そういう中で、反対の意見、継続の意見を述べてきたということは間違いないのですけれども、それが残念ながらかなわなかったと考えるところでございます。 

 続きまして、マイナンバーカードでございますけれども、お送りする申請書、今のところ考えておりますのは、被保険者証とマイナンバーカードはイコールでございませんので、被保険者証に同封することについては考えておりません。

 別途申請書をお送りしたいと考 えております。国のほうでも要請としては、令和3年度の要請としてはそういう要請にな っております。 

 マイナンバーが印字された申請書ですので、議員御指摘のとおり、個人情報の問題等があるということから、通常の郵送料ではなくて、特定記録郵便でしたか、高い郵送料を払ってお送りするということを見込んでおりますので、郵送料が莫大になっているということでございます。 

 高齢者の方はマイナンバーの通知が大分前にありましたけれども、既に自分のマイナンバーを御存じでないというお年寄りもたくさんいらっしゃると思います。そういう方に、実は今年も厚生労働省は被保険者証と一緒に送ってくださいという要請はあったのですけれども、後期高齢者の方にただ申請書をお送りしても、マイナンバーそのものを御存じでない方々が、その自分のマイナンバーを把握するために市町村の窓口に駆けつけるということも十分想定されますので、いかがなものかということで、令和2年度については御協力できませんと実は回答をしております。

 ただ、令和3年度につきましては、マイナンバーを印字された申請書をお送りして、写真を撮ってそれを広域連合に送り返すのではなく、市町村にも送り返すのではなく、マイナンバーの発行のところに送っていただく。

 あとは 通常のマイナンバーカードの取得の手続と同じ形で進んでいくということを想定しております。 

 次に、その療養給付費、大変申し訳ないところで、よく分からない推計ではないかという御指摘もあろうかと思います。

 ですけれども、新型コロナの関係について正確にその影響を把握することは残念ながら難しいという状況でありますので、令和元年度の実績に対前年増加率を掛けていって、推計の被保険者数を乗じることで療養給付費の算定をしているということになります。 

 市町村につきましては、市町村連絡会議を年2回ほど開催しておりますけれども、その中でこういうような推計になって、このぐらいの負担になりそうだということについては、情報提供しているところでございますので、各市町村において予算措置等していただいているのではないかと考えているところでございます。

 ただ、無駄に使うわけではございませんし、使わなかったものについては実は後から出てくる運営安定化基金に積まれていくということになりますので、次の保険料の抑制財源に使っていくことも可能になりますので、そういう中で、推計を苦労しながら、苦労と自分で言って申し訳ないのですけれども、できる範囲の推計をしたと御理解をいただければと思います。 

 あとは、コロナの関連で、傷病手当金でございますけれども、傷病手当金については、そもそもは全国の国保あるいは広域連合では全て任意給付ということで条例で定めなければ支給できないお金でございました。

 それをコロナというようなことで働いていらっしゃる方が傷病、つまりコロナでその働けなくなった期間があって、その期間について手当てをしようということで取り組んだものでございます。

 たまたま後期高齢者の医療制度については、勤労者の方がそれほど多くないということから、さらにコロナにかかるということになりますので、可能性として若干低かったのかなと考えております。

 そのかわり、保険料の減免については多くの方が御利用いただいているという状況かと思います。 

 あと、運営安定化基金の関係につきましては、議員御指摘のとおり、残余のお金を積み立てておりまして、その基金につきましては、毎回保険料の抑制財源に使っております。 

 次の保険料の試算の際にも活用してまいりたいと考えております。 

 あとは、窓口負担の関係でございますけれども、どのぐらい増えるのかということです が、今、国のほうの試算でいきますと、11.5 万円になって、3.4 万円ほど増えるというこ とになっております。

 経過措置も考えられておりますので、経過措置を導入することによ って年間で 2.6 万円程度の増に抑えられるのではないかということで、国のほうで検討を進めていると承知しております。 以上でございます。 

 ○野村淳一議員 

 いろいろ承知できないところもありますが、とりあえず、最後そのコロ ナの関係についてだけ改めてお示しをいただきたいと思うのです。 

 私は、このコロナの中で、本当に先が見通せない中で、お年寄りの皆さんの暮らしを守るという広域連合の役割も非常に試されていると。何をすべきか、何ができるかということが非常に試されている気がしてなりません。

 私はその医療機関への支援、それから、高齢者施設へのPCR検査などを提案させていただきました。 

 実は、これから、4月からでいいのでしょうか、高齢者のワクチン接種が始まります。これは私は、後期高齢者の広域連合としても、全く無関係ではないのだろうと思っています。

 このコロナワクチン、それぞれの自治体、非常に状況が分からない中、苦労されていると思いますが、このコロナワクチンの接種について広域連合としても重要な取組になると思いますので、この見通し、あるいは広域連合としてはどのような関わり方、どのような対応とされるのか、お聞かせください。 

 そして、最後に新年度に当たって、コロナという全く新しい状況の中で去年、今年を迎えることになります。そういう意味で、その高齢者の暮らしを守るという広域連合の役割をどう果たしていくのか、どういう方向性とどういう方針を持つのか、このことが非常に問われていると思いますので、最後にそのことについての方向性、所信を述べていただきたいと思います。 お言葉をいただいて、私の質疑を終わります。よろしくお願いします。 

○金谷 学事務局長

 では、簡単に。 ワクチン接種の関係なのですけれども、全額国庫で負担ということがあって、利用者の方には接種費用がかからないということから、当広域連合で直接関わるということについては現段階ではないのではないかと考えているところでございます。 

 そういう中でございますけれども、後期高齢者の皆さんがコロナの中でも必要な医療を、 医療が必要な方が必要な医療を受けられるようにするというのが広域連合の一番の役割だと考えておりますので、そういうことを念頭に置いて、新年度も鋭意努力してまいりたいと考えております。 以上でございます。 


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