2021年5月6日木曜日

コロナ対策にPCR検査と雇用・経済対策の強化を~2020年第4回定例市議会一般質問①

 ○野村淳一議員

 最初に、新型コロナウイルスへの対応と対策について質問いたします。

 新型コロナウイルスの感染拡大がとまりません。全国で新規感染者が連日2,000人を大きく超え、重症者数も過去最大となっています。第3波と言われる危機的な状況の中、菅政権の無為無策、後手後手とも言える対応に国民から怒りと不安の声が上がっています。

 北海道も危険な事態となり、医療崩壊の危機が迫っています。それは、この紋別市も人ごとではありません。 

 新型コロナウイルスの感染拡大を抑え、市民の命と暮らしを守り、医療を確保維持するために何が必要か、以下、数点にわたり質問します。

【感染拡大「第3波」ー医療体制の充実・確保を】

 このオホーツク管内でも11月だけで新規感染者は30人を超えています。そのほとんどがオホーツク総合振興局管内とだけの発表で、情報がなく、いたずらに不安が高まる現状でもあります。

 現在、管内では、どのような医療体制のもと、どのような状況になっているのか、 感染者への対応をどうされているのか、また、療養用のホテルなどの対策はどうなっているのか、そして、紋別ではどのような状況なのか、知り得る範囲、話せる範囲で結構ですので、現状をお尋ねするものです。 また、このような状況に対する紋別市としての認識をお伺いします。 

 この11月から発熱などの症状があった場合の相談、受診の流れが変更になりました。

 これまでの保健所での受診相談が、まずはかかりつけ医に電話で相談するか、かかりつけ医がいない場合は北海道の健康相談センターに相談することになります。その上で、必要によっては指定医療機関でPCR検査を受けることになります。 

 そこで、紋別市の場合、どのような対応となるのかをお聞きしたいのです。市民に混乱なく、不安なく対応が行き届くようにするためにも、かかりつけ医と広域紋別病院、紋別市、保健所などとの連携と共通した認識が必要だと考えますが、いかがでしょうか。

【PCR検査を広く―高齢者など希望者に無料で】 

 現在もなお全国的に医療機関と高齢者施設でのクラスターの発生が次々に報道され、 胸が痛みます。リスクが高いこれらの施設での発生は何としても抑えなければなりません。

 9月15日、厚生労働省は、新型コロナウイルス感染症の流行下における一定の高齢者等への検査助成事業の実施と題した通知を出しました。

 リスクの高い高齢者の重症化を防ぐために、無症状であってもPCR検査を受けることができ、費用の一部を国が負担するというものです。

 既に、稚内市では、市も助成する制度をつくり、高齢者や基礎疾患を持っている方などへの検査を開始しています。 

 また、11月19日には、厚生労働省は高齢者施設等への重点的な検査の徹底についてという事務連絡を出し、入所者で発熱などの症状が出た場合、必ず検査を実施し、陽性が判明した場合には入所者、従事者の全員に検査を実施するよう求めています。 

 言うまでもなく、広く面で徹底した検査を強めなければ市中感染はおさまらず、クラスターの発生は抑止できません。

 その意味で、これらの国の措置は十分とは言えないまでも、紋別市としても検討し、対応する必要があるのではないでしょうか、いかがお考えか、お聞かせください。 

 冬に向け、インフルエンザの流行が懸念されています。幸いにも現在は流行が抑えられているようですが、それでも予防は大切です。

 しかし、そのインフルエンザワクチンが不足しており、予防接種ができない状態だと言われています。これはどういうことなのか、この事態への対策と見通しについてお聞きします。 

【コロナ禍の中「先が見えない」ー暮らしと経済対策に万全を】

  新型コロナウイルスによる雇用と経済へのダメージは、年末に向けてますます厳しさを増し、それらへの対策が待ったなしの状況です。

 GoToにしか策のない政府には期待薄ですが、それでも、国に対し、持続化給付金第2弾の実施や地方創生臨時交付金の増額など、支援の強化を強く求めるべきと考えますが、いかがお考えか、お聞かせください。

 紋別市としても、事業者の経営状況、雇用の実態をよく調査し、特に低所得者層の生活状況を把握しながら機敏に、機動的に必要に応じた対策を講ずるとともに、改めて各支援策や制度の周知に努めるよう求めるものですが、いかがでしょうか。 

 師走を迎え、それでなくても不安定な心の中、少しでも光が見えるように紋別市としての取り組みを期待するものです。 


○宮川良一市長

 新型コロナウイルスへの対応と対策についてであります。 

 1点目の感染拡大の現状についてでありますが、オホーツク管内においては、新規感染者の増加が心配されるところではあるものの、入院加療中の患者は減少しており、 管内4カ所の基幹病院において、入院患者の受け入れ調整を行い、冷静に対応されているとお聞きしております。

 次に、宿泊療養施設の開設につきましては、さきに喜多議員、橘議員のご質問にお答えしたことでご理解願います。 

 現状に対する本市の認識といたしましては、今のところ、市民の感染者は発生しておらず、医療機関においても冷静に対応できていると認識しておりますが、市外からの人の行き来がある以上、いつ感染者が出てもおかしくない状況であり、引き続き感染拡大防止に向けた基本的な予防対策の徹底など、市民への情報提供に努めてまいります。 

 2点目の新しい相談、受診、検査の流れにつきましては、さきに喜多議員のご質問にお答えしたことでご理解願います。 

 なお、市内医療機関、保健所及び市においては、保健医療対策会議を随時開催し、情報共有や相互連携に努めているところであります。 

 3点目の高齢者等へのPCR検査の拡大についてでありますが、無症状であっても PCR検査を受けることができるよう、国と市町村が費用負担する新しい事業が開始されました。

 この地域では、PCR検査を実施する医療機関は広域紋別病院のみであるため、発熱等の症状がある者と濃厚接触者がPCR検査を優先して受けられることが重要でありますが、感染拡大の状況から市民がPCR検査を受ける体制につきましては検討が必要と考えております。

 4点目のインフルエンザ予防接種についてでありますが、今季より乳児から小学6年生までの費用助成を開始したことなどからワクチン接種の希望者がふえており、11月中旬ごろでワクチンの在庫は全ての市内医療機関で不足し、今季はこれからワクチンを接種することは難しい状況であります。そのため、今後、一層の感染症対策に努めていただくよう周知してまいります。 

 5点目の雇用・経済対策についてでありますが、議員も懸念されているとおり、年末年始に向けてさまざまな消費需要の回復が期待されていた中、再び全国的な感染拡大の傾向となり、その影響が大変危惧されるところであります。 

 本市は、これまで、市内におけるその時々の状況を見きわめ、必要と考えられる対策を独自で講じてまいりましたが、本来は当然に国において適切かつ十分な支援を講ずるべきと認識しております。 

 国に対しての要請につきましては、直近で申し上げますと、先月中旬に実施いたしました北海道市長会における秋季要請の中で新型コロナウイルス感染症対策についてを個別の項目として取り上げ、各事業者に対するさらなる支援の拡充や自治体が実施する緊急対策への財政措置などについて強く要望してきたところであります。

 これらを受け、国においては、コロナ対策を中心とした第3次補正予算案により、 地方創生臨時交付金の増額等、追加の経済対策が実施される見通しとなったところでありますが、本市といたしましても、市民の日常生活や所得への影響、各事業所における雇用状況などの的確な把握に努め、これまで同様、必要に応じた対策について検討するとともに、対象者に支援が漏れることのないよう、制度や支援内容についてわかりやすい周知に努めてまいります。 

《喜多議員への答弁》

○宮川良一市長

 新型コロナウイルス感染症に対する対応についてであります。 1点目の遠紋管内の医療体制に関し、紋別保健所主催の第2回遠紋圏域新型コロナ ウイルス感染症対策連絡調整会議で示された4カ所の電話相談医療機関名と2カ所の診療検査医療機関名及びその機能についてですが、電話相談医療機関は、広域紋別病院、遠軽厚生病院、まるせっぷ厚生クリニック及び丸瀬布ひらやま医院の4カ所が指定を受け、発熱者等から相談があった際に、適切な医療機関を速やかに案内し、感染対策や受診に当たっての指導を行うことと定められております。 

 診療検査医療機関は、この管内では医療機関名の公表はされておりませんが、電話相談医療機関などからの発熱者等の受け入れ要請に応じて速やかに診療と検査を実施し、新型コロナウイルス感染症であった場合には直ちに保健所へ連絡するとともに、必要な協力を行うこととなっております。 

 オホーツク圏域のコロナ患者の入院病床数につきましては、10月末現在では33床で、 重症者の受け入れ数は最大3床と公表されております。

 検査で陽性となった無症状者のための宿泊療養施設につきましては、現在開会中の北海道議会第4回定例会において、知事は道内各圏域にそれぞれ宿泊療養施設を開設する旨を表明され、今月3日、オホーツク総合振興局長より、現在、開設に向けた具体的な調整を行っているとの説明を受けたところであり、北海道において早急に開設されるものと考えております。 

 2点目のPCR検査とその後の対応についてでありますが、発熱や体調の変化を感 じたときの行動につきましては、今後は、紋別保健所ではなく、かかりつけ医や身近な医療機関、休日夜間急病センターに症状等を電話で事前に相談し、指示された医療機関へ受診をしてもらうという流れに変更となりました。 

 また、相談先がわからない場合は、24時間対応の北海道新型コロナウイルス感染症健康相談センターが相談窓口となり、電話相談医療機関の指定を受けている身近な医療機関等を紹介する流れとなっております。 

 西紋管内でのコロナ検査ができる病院が幾つあるかにつきましては、広域紋別病院の1カ所となります。検査ができる1日平均人数についてですが、広域紋別病院では、これまで、採取した検体を民間検査機関へ送り、翌日以降に確定診断の報告を受けておりましたが、検査体制の拡充として、PCR検査のための機器として2機種を新たに導入したことにより、最短2時間での確定診断が可能となりました。 

 検査装置は、一度に4検体が測定可能な機種と1検体のみの2機種で、時間帯や検体件数に応じて運用し、緊急を要するケースは自院での診断、緊急を要しないケース には民間検査機関で対応を行っているところであります。

 広域紋別病院でのPCR検査と抗原検査の1日平均検査人数につきましては、PCR検査で2人、抗原検査で4人程度とのことでありますが、件数につきましては増加傾向と伺っております。

 PCR検査を希望する場合の検査を受ける方法と費用についてですが、広域紋別病院は西紋管内唯一の感染症指定病院で、新型コロナウイルス感染症に係るPCR検査対応を行っており、患者対応を優先していることから、原則として無症状の方でPCR検査のみを希望する方への対応までは行っておりません。 

 しかしながら、当地域は、漁業・農業・林業関係で多くの外国人技能実習生が来ており、これら実習生が帰国する際には、それぞれの相手国政府からPCR検査陰性証明書の発給医療機関として指定を受けて証明する必要があることから、広域紋別病院では、経済産業省へ医療機関登録申請を行い、同省及び厚生労働省の審査を経て新型コロナウイルス検査証明機関として登録されたことに伴い、証明対応は可能となっております。 

 その他、業務上で検査証明が必要な方や何らかの事情等により陰性確認が必要な方 などにつきましても病院にて相談に応じているとお伺いしております。

 PCR検査に係る費用につきましては、基本、検査料及び証明書発行費用を含め、税込み3万6,850円でありますが、海外渡航の場合は、国により、別途、追加検査費用がかかる場合もあります。


【 再質問 】

○野村淳一議員

 コロナ対策についてです。 これは、きのう、そして本日も議論がされましたので、大筋については私も理解い たしました。

 紋別市は何とか踏ん張っているのかなと思います。 感染者を出さない、そして、リスクを極力抑えながらクラスターを出さないよう、 皆さんは必死になってやっているのだろうというふうに思います。それに敬意を表したいと思います。

 その上で、私はPCR検査をもっと広範に積極的に広げていくことが必要ではない のかなとずっと思っています。質問でも取り上げましたが、国は、65歳以上の方、それから慢性疾患の方が無症状でもPCR検査を受けようとしたときに助成し、市もそれに上乗せするとしております。 

 さらに、高齢者施設に対しては、無症状であっても、入所者や従業員の皆さんがPCR検査を受けるというのであれば、自費だったとしても国の補助事業に加えることができるという通達も出しています。 

 私は、稚内市について調べてみました。65歳以上、それから慢性疾患の方だけではなく、皆さん方もそうでしょうが、東京や札幌から出張で帰ってくるとき、不安なのです。そうした場合、国や市の助成でPCR検査を受けることができるとのことです。 

 それから、札幌や東京に子供たちが行っています。例えば、大学生や高校生が帰省するということがあるかと思いますが、このときも助成を受けてPCR検査を受けられるという制度が稚内市にはあるのです。

 こういう取り組みが紋別市にも必要ではないのかなという気がします。これは、稚内市立病院が対応しています。一部、自己負担もかかるのですが、それでも道や国や市が助成をしているわけです。

 こうやって市民に安心を与えるとともに、何としても感染者を出さない、クラスターを出さないよう、水際の取り組みが行われています。

 市としても、負担を市民にかぶせないこういうような取り組みを行うことについて検討すべきだと私は思いますが、これについてはいかがですか。 

 ○大平朱美健康推進課長

 お答えいたします。 稚内市の検査の方法等について私どもでも調べてみました。まず、どのような状況であればたくさんの方の検査ができるのか、広域病院等のPCR検査の実施体制について情報交換をしておりまして、稚内市では、帰省する前、例えば東京で検査をした 後、地元に帰ってくるお子さんについて助成をしているとのことです。

 私どもとしては、PCR検査を本当にやらなければいけない方を優先してできるか、検査件数など、それらについて広域病院ともよく相談しながら今後検討していくことが必要と考えておりますので、研究させていただきたいと思います。 

 ○野村淳一議員

 もちろん、検査体制の問題がありますから、急にというわけには いかないかもしれませんが、ぜひ検討を進めていただきたいと思います。

 次に、インフルエンザワクチンの見通しについてです。 今は無理だという話はわかったのですけれども、見通しはあるのですか。 

○大平朱美健康推進課長

 お答えいたします。インフルエンザワクチンに関しては、当初からたくさんのワクチンを確保できるという予測はされておりませんでした。というのも、インフルエンザワクチン自体、前年度の接種状況をベースに卸業者がそれぞれの市町村に配付するということになって おりましたけれども、11月の中ぐらいにワクチンが足りないと各医療機関の方はおっしゃっておりました。 

 ワクチン接種に関しては医療機関の方から情報をもらうなど、随時、情報交換をしておりますが、難しい状況です。ですから、ワクチン接種は難しいと思っております。 

 お子さんの2回目の接種分のワクチンは広域病院でよけておき、在庫はまだ少しあるとはお聞きしておりますが、新たな方の接種はない状況です。 

 ○野村淳一議員

 それはやむを得ない話なのでしょうか。何か余りよくわかりませんね。どうなっているのかなと思いもあります。ただ、これは新型コロナウイルスと同じように、うがい、手洗い、マスクの着用を励行する以外にないということなのでしょうね。わかりましたと言っていいのかどうかはわかりませんが、そういう状況だということはわかりました。

 雇用対策についてです。よくわかりませんが、追加補正が出るという話でしたので、期待したいというふうに思います。

 これは雇用の問題ですから、もちろん、企業などに対して十分な施策が必要ですが、もう一方、消費者や生活者に対する直接支援がどうしても必要だろうとも思います。 

 先ほど梶川議員から乳幼児への支援の質問があり、よかったなと私も思っていますが、ひとり親に対して新たな給付金制度ができるという情報がありまして、それについて確かめたいと思います。 

 もう一つ、社会福祉協議会が行っている緊急小口資金についてです。12月31日で終了というふうに言われていましたが、これを延長するという情報がちらちらと聞こえてくるので、何かの情報があったら教えてください。 

○北西忠宏児童家庭課長

 お答えいたします。 ひとり親世帯への給付金につきましてはまだ確定ではございませんが、今週中に国で閣議決定されまして、年度内での支給を検討するということになってございます。 

 ○大平一也社会福祉課長

 お答えいたします。 社会福祉協議会で行っております緊急小口資金、総合支援資金についてですが、12月 末までに延長になっております。ただ、現在、再延長について検討しているとお聞きしております。 

 ○野村淳一議員

 どちらにしても、年の瀬をどうするかという方々にとってはとても貴重なものだと思いますので、ぜひ周知をお願いしておきたいと思います。


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