2021年5月6日木曜日

ベジタブルファクトリーへの支援と障害者の就労・相談支援の拡充を~2020年第3回定例市議会一般質問③



モンベツベジタブルファクトリー


〇野村淳一議員

 次に、障害福祉について質問します。 

【就労継続A型・ベジタブルファクトリーへの支援を】 

 最初に、ベジタブルファクトリーの運営についてです。 さきの議会で、ベジタブルファクトリーの後継事業者について、早期に公募を行うとし、選考審査の結果、北見市に本社のある株式会社エムリンクホールディングスに決定しました。
 ベジタブルファクトリーは、この間、社会福祉法人百年記念福祉会によって運営されていましたが、赤字経営が続く中で撤退を余儀なくされました。

 それだけに、後継事業者に決まったエムリンクホールディングスがどのような運営方針のもとで安定的な経営を行うのか、注目する必要があります。

 今回の選考に当たって、どのような内容で、どのような観点で審査され、エムリンクホールディングスに決定したのか、お尋ねします。

 言うまでもなく、ベジタブルファクトリーは、障害者の就労支援事業所としてなくてはならない施設であり、経営の安定を図るためにも、紋別市のサポートが必要です。

 さきの議会でも、市長は、市内販路の拡大、農産物の収益が増加するようなネットワークづくりなど、側面的な支援に努めると述べられましたが、それら具体的な内容をお聞かせください。

【障害者の就労支援に専門職の配置を】

 次に、特別支援学校卒業生の市内定着についてお聞きします。

 一つの町に高等養護学校と養護学校2校が存在しているのは、道内でも、同じ規模の市町村では紋別市以外にはありません。それだけに、障害福祉のまちとして、その施策の充実強化が期待されているのです。 

 特に、特別支援学校を卒業した生徒や保護者に対し、希望する就労と社会参加の場をどう提供できるかが問われています。

 さらに、卒業後も紋別で暮らしたいと思ってもらえる安心と魅力ある福祉のまちをどうつくるかが問われていると考えます。

 まず一つに、さきの議会でも指摘した紋別市総合戦略における特別支援学校卒業生の市内定着数の目標について改めて確認したいと思います。

 総合戦略では令和6年の目標値を10人と定めており、その内訳としては、市外の卒業生5人、市内の卒業生5人と答弁しておりました。まず、この認識でよいのか、お聞きします。

 そのうち、市内の卒業生についてですが、現在、紋別高等養護学校に15人、紋別養護学校の高等部に4人と、既に20人近い市内の在校生がいます。

 令和6年の市内の卒業生の市内定着数の目標を5人としていますが、この生徒数と目標値との整合性を聞くとともに、市内の卒業生の市内定着に向けた取り組みをお聞きします。

 また、高等養護学校の卒業生の市内定着を図るには、一般就労への取り組みが欠かせません。多くの学生は、自立した一般就労を目指し、その希望を抱いています。

 しかし、一般就労を図るには、本人の努力はもちろん、企業側の配慮を含め、継続的で専門的な支援が必要です。 

 私は、紋別市の障害者就労担当の中に専門的経験と知見を有した非常勤の担当者を配置することを提案したいと思います。

 障害者本人と企業との橋渡しとなり、それぞれの心配事や相談に機敏に応じながら専門的立場で一般就労を支えるジョブコーチとしての人材が必要です。

 それは、本人にとっても企業側にとっても、学校や保護者にとっても、必ず歓迎され、必要とされるものだと思います。 

 卒業生の市内定着を図るには、このような抜本的で積極的な対策が必要です。ぜひ検討すべきと考えますが、いかがでしょうか、見解をお聞かせください。 

【気軽に相談できる相談体制の充実こそ】

 次に、障害者の相談支援についてお聞きします。 これも、さきの議会で議論した総合戦略における障害者の相談件数の目標値について改めてお聞きしたいのです。

 現在の750件の障害者の相談件数がなぜ令和6年には600件に減る目標となるのかという6月議会での私の質問に、市長は、障害者が地域で安心して暮らすことができる 社会資源の充実を図ることで将来的な相談件数の減少を目指していると答弁しました。

 もちろん、障害者が地域で安心して暮らせることは大切なことです。問題は、そのために今何が必要かということです。

 多くの障害者とその家族は、みずからの就労問題も、重度障害者への対策も、親亡き後の心配も、経済的困窮も、一向に先行きが見えず、不安を抱えているのが現状です。

 だからこそ、ひとり悩みを抱えることなく、いつでも、どこでも、何度でも、気軽に相談できる体制と仕組みをしっかりつくることこそが必要です。それが障害者や 家族を支える力となり、安心して暮らせるよりどころになるのです。 

 障害者が安心して暮らせる紋別をつくるためには、相談数を減らすことを目標にするのではなく、逆に相談件数をもっとふやすことを目標とすべきです。

 現在2カ所あ る相談支援事業所をさらにふやすことこそ目標とすべきなのです。改めて市長の見解をお尋ねします。 

【新しい障害福祉計画に積極的な施策の展開を】

 障害福祉の最後に、障害福祉計画の策定と今後の障害者福祉の方向性についてお尋 ねします。 

 まず、今年度に策定予定の障害福祉計画と障害者計画の策定状況をお聞きします。さらに、その計画に反映されるべき事項について何点かお聞きします。 

 社会福祉法人百年記念福祉会の移転、建てかえが決まりましたが、その整備内容は障害福祉計画などにも反映されると考えます。

 特に、その必要性が強く求められていたショートステイの増床、障害者対応の福祉避難所の整備は紋別市全体の障害福祉にとっても大きな貢献になると考えますが、いかがでしょうか、見解をお聞かせくださ い。

 さらに、ベジタブルファクトリーも、A型の就労事業にとどまらず、B型を含めた多機能での運営が予定されていると聞きます。また、新たにB型事業所の整備やグル ープホームの設置、障害児への施策など、幾つかの事業の新たな展開も耳にしています。ぜひ、それらの動きをしっかりと反映し、しっかり応援する障害福祉計画となる よう期待したいと思います。市長の見解をお尋ねいたします。


〇宮川良一市長

 次に、障害福祉についてであります。 

 1点目のベジタブルファクトリーの運営に関し、どのような内容や観点で審査し、株式会社エムリンクホールディングスに決定したのかについてですが、市職員8名、関係機関の外部委員4名の計12名で選定委員会を組織し、運営理念、方針、事業運営等に係る13項目の書類審査とプレゼンテーション及びヒアリングによる評価に基づき審査を行いました。 

 その結果、新たな品種の栽培を検討し、ブランド化や6次産業化などで付加価値をつけることによる収益増や、利用者を確保し、給付費の底上げ等を図ることによる経営の安定化を目指しており、障害者就労の実績もあることから、安定した経営が期待できるとの評価を受け、株式会社エムリンクホールディングスが選定され、決定したところであります。 

 支援の具体的な内容につきましては、新たな市内販路として、学校給食センター及び市内保育所への紹介、また、イオン紋別店の地産地消コーナーへの出荷に向けた支援に努めてまいります。

 今後、さらに、市内の飲食店や小売店への販路拡大や利用者の確保など、安定的な運営に向け、支援してまいります。 

 2点目の特別支援学校卒業生の市内定着についてでありますが、第2期総合戦略中、特別支援学校卒業生の市内定着の項目に係るKPI数値につきましては、令和6年度における単年度の数値目標として、市内出身者5名、市外出身者5名の合わせて10名の市内定着を目指すことと設定しておりますが、特に、高等養護学校は、毎年30名程度の卒業生を輩出しているものの、市内定着する卒業生の数は過去3年間で毎年3名程度にとどまっており、高い数値目標となっていることから、民間事業所における障害者雇用の現状を把握するとともに、特別支援学校及び関係機関との連携のもと、新たな就労先の開拓や職場理解の促進などに取り組んでまいります。

 高等養護学校卒業生の市内定着支援に向けた取り組みにつきましては、さきの第2回定例会で議員のご質問にお答えしたとおり、就労の場の確保、居住の場の確保に加え、障害者の就労後のサポートをする相談支援体制の強化に向けた取り組みが必要と考えております。

 市に専門的知見を有した職員を配置することにつきましては、経験、知識にたけた人材を確保することができれば、特別支援学校卒業生の市内定着を初め、企業への理解の醸成など、障害者就労の促進が図られることから専属職員の配置について検討してまいります。

 3点目の障害者の相談支援についてでありますが、目標設定につきましては、さきの第2回定例会で議員のご質問にお答えしたとおり、障害者が職場や家庭、学校等で抱える不安や悩みを地域や身近な人が支え合い、解消していく地域共生社会の実現や障害者が地域で安心して暮らすことのできる社会資源の充実を図ることで将来的な相談件数の減少を目指しているものであります。 

 そのため、相談支援体制については、これまでどおり、万全の体制を維持するとともに、さらなる社会資源の充実を図るなど、目標達成に向けて取り組んでまいります。 

 4点目の障害福祉計画と今後の障害者福祉の方向に関し、障害者計画と障害福祉計画の策定状況についてですが、現在、関係各所から意見を集め、素案を作成している ところであり、年内に素案を完成させ、年明けにパブリックコメントを募集した上で年度内に策定作業を完了する予定であります。 

 計画に反映されるべき事項につきましては、市内の主要な障害福祉事業を担っている法人で構成され、計画策定の中心的な役割を担う紋別市障害者自立支援協議会の意見を聞き取った上で策定することとしており、紋別市百年記念福祉会も委員に含まれていることから、建てかえを踏まえたショートステイの増床や障害者対応の福祉避難所整備のあり方についても議論されるものと考えております。 

 また、ベジタブルファクトリーや今後新たに展開される福祉事業所等についても次期計画に反映させることができるよう、関係者と積極的に協議してまいります。


 【 再質問 】


○野村淳一議員 

 次に、障害福祉に関してですが、エムリンクホールディングスに決まりました。ぜひ、経営が安定するよう、市も前向きに努力をしていただければと思います。

 次に、特別支援学校の卒業生の問題です。 私もジョブコーチ的な人材の登用について今回提案させていただきましたが、高等養護学校に訪問して、校長先生や教頭先生とお話をさせていただいたとき、そういうような方がいるといいですねという要望もいただきました。

 実際、本人もそうですが、企業側もどうしていいのかがわからないということがありますから、そういう橋渡しは絶対に必要だというふうに思います。これについては検討したいということでしたので、ぜひ、前向きに検討していただきたいと思います。

 そうしないと、令和6年の5人などという目標は到底達成できませんから、ぜひ、進めていただきたいことを要望します。よろしくお願いします。 

 また、障害者の相談支援の目標についてです。 私と市の皆さんとの見解がなかなか合わないようで、申しわけないですね。

 私は、 障害者の皆さんが安心して暮らせる社会、まちを目指すという皆さん方の思いと同じですが、そのためには、相談件数を減らすのではなく、ふやすべきだと思っており、 それが安心して障害者が暮らせることにつながるのだ、それが福祉事業の本質だと思っています。

 これは、障害だけではなく、高齢者も子育てもそうです。そう思っているので、目標値を750人から600人に減らすということには納得できないのです。

 これはちょっと意見が合わないでしょうから、このぐらいにしておきます。 






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