2018年10月10日水曜日

国保税、介護保険料の値上げに反対討論~2018年第1回定例市議会

 私は議案第3号及び議案第5号並びに議案第8号ないし議案第12号に反対する立場から討論いたします。

 議案第3号国民健康保険事業特別会計において、国保事業の都道府県化に伴い国保税の引き上げが提案されております。

 紋別市の国保加入者の所得が高いことが国保税引上げの理由とされてはいますが、実際は圧倒的多数が低所得者で占められ、その負担増は低所得者にまで大きく拡大しています。
まさに、理不尽そのものではないでしょうか。

 地方自治体の中には、都道府県化という国の施策の転換で加入者に一方的に負担を強いることはできないと、一般会計からの繰り入れも行い負担を抑えている市町村も存在しているのです。

 国保税の負担は、もはや限界です。一つの責めもない加入者への国保税値上げは到底認められません。

 議案第9号介護保険事業特別会計において、介護保険料の引き上げが提案されております。

 確かに、介護給付費は拡大しています。しかし、だからといって介護保険料の値上げをそのまま容認できるでしょうか。

 値上げを避けること、値上げ幅を縮小すること、市として最大限の努力を行ったのでしょうか。

 より所得に応じてきめ細かく介護保険料を定める多段階への移行、介護保険料の収納率を実態に合わせて保険料を定めること、それらを行うことで、さらに介護保険料を軽減させられることは明らかです。

 まだまだ市としてできること、検討できることはあるではありませんか。このまま値上げの提案を容認することはできません。

 また、介護保険料の所得段階の対象金額を一方的に変更し、所得が変わらないのに介護保険料が大幅に引き上げられたり、逆に大幅に値下げられたりという事態が生まれることも重大な問題だと指摘せざるを得ず、市民にどう説明するのでしょうか。

 議案第10号後期高齢者医療事業特別会計において、保険料がこれまた値上げされることになりました。さらに、軽減措置も廃止、縮小となり、お年寄りの負担は一層増すばかりです。年齢によって保険制度を区別すること自体疑問です。

 国保税、介護保険料、後期高齢者医療保険料、これらの一斉値上げは、市民に、特にお年寄りに大きな打撃を与え、暮らしを脅かすものです。

 収入も年金も増えない中で将来に望みが持てるでしょうか。国の制度だからと、国の仕組みだからと仕方がないで済ませられるでしょうか。何より地方自治体は、市民に寄り添い、市民の命と暮らしを守る防波堤になることが大切だと思っております。

 なお、議案第5号、議案第8号、議案第11号ないし議案第12号は、消費税関連によるものです。市民のライフラインに消費税を転嫁することは容認できません。消費税は、所得の低い人ほど負担が重くなる逆進性の税制であり、廃止あるいは引き下げを強く求めるものです。

 よって、議案第3号及び議案第5号並びに議案第8号ないし議案第12号に反対することを表明し、以上討論といたします。

介護の人材育成と認知症対策を~2018年第1回定例市議会一般質問⑤

5、介護保険事業について
 ①第7期介護保険事業計画について
 ②介護職員の人材確保と養成について
 ③「生活援助」サービスについて
 ④認知症対策について
 ⑤介護保険料の引き上げについて

〇野村淳一
 最後に、介護保険事業について質問いたします。
 1点目は、第7期介護保険事業計画についてです。

 この間、計画策定委員会による議論、さまざまなアンケートや調査、パブリックコメントを経て第7期計画が策定されたと思います。

 今後3年間、介護事業を展開するに当たって、どこに主眼を置きどのような取り組みを行うのか、第7期計画に盛り込まれた主な特徴と事業についてお聞きするものです。

 2つ目に、介護職員の人材確保と養成についてお尋ねします。

 現在、介護現場での最大の課題は、何よりも介護職員の確保であり、その養成です。高齢者の介護需要は高まるのに、多くがそれを担う人材を確保できない現状にあるのです。

 紋別市としても無関心であってはならず、人材確保と養成に向けた取り組みを展開し、支援する必要があると考えます。

 介護職員の処遇改善を含め、人材確保とスキルアップに向け紋別市としてどのような対策と支援策を考えられているのかお尋ねします。

 3つ目には、訪問介護の生活援助サービスについてであります。

 国は、今年度10月から、生活援助の一月の訪問回数が一定数以上を超えた場合、そのケアプランをケアマネジャーが市町村に届け出ることを義務づけました。

 そのケアプランは、地域ケア会議にかけられ、自立支援や地域資源の有効活用などの観点から、必要に応じて是正を促すとしています。

 これは、一部の利用者の使い過ぎを抑制するためだとしていますが、生活援助のサービスは要介護者の在宅生活を基本から支えるものであり、重度化を防ぐ役割を担っているものです。

 必要な支援を抑制し、地域での尊厳ある暮らしを脅かす利用制限があってはなりません。この点での紋別市の見解と対応をお聞きするものです。

 4つ目に、認知症対策についてお尋ねします。
 まず今後、認知症高齢者の出現数はどのように分析されているのかお聞かせください。

 その上で、認知症対策として今年度、認知症初期集中支援チームの立ち上げ、認知症ケアパスの作成などが挙げられていますが、それら具体的な事業展開についてお知らせください。

 同時に、若年性認知症についてお聞きします。
 64歳以下の人が発症する認知症、総じて若年性認知症と呼ばれています。この若年性認知症は、高齢者と比べ進行が早いとの指摘もあり、早期の診断と治療で進行をとどめる取り組みが極めて重要です。

 現役世代で発症することから就労の継続や経済的な問題も大きな課題となってきています。

 そこで、紋別市内における若年性認知症の方は何人いるのか、その方々への対応と対策は、支援はどのようになっているのか、今後の取り組みとあわせお聞きするものです。

 最後に、介護保険料についてお尋ねします。
 第7期介護保険事業計画で、介護保険料の値上げが決まり今議会に条例改正案が提出されています。まず、値上げの背景とその内容についてお聞かせください。

 確かに、高齢化に伴い介護給付費は引き上がっています。しかし言うまでもなく、3年ごとの値上げで高齢者の負担は限界に近いものになっています。

 何とか値上げを抑えることはできなかったのか、上がるとしても値上げ幅を最大限に抑える努力を講じてきたのか、このことが問われていると思います。紋別市の見解をお尋ねするものです。

〇宮川良一紋別市長
 次に、介護保険事業についてであります。

 1点目の第7期介護保険事業計画につきましては、計画に盛り込まれました主な特徴と事業として、医療介護連携の取り組みをはじめ、認知症初期集中支援チームと認知症地域支援推進員を中心とした認知症施策を基盤に、地域包括支援センターの機能強化を図り、地域包括ケアシステムの着実な深化とさらなる推進を目的に位置づけているところであります。

 2点目の介護職員の人材確保と養成につきましては、支援策として、平成28年度から介護福祉士、介護支援専門員を含めた人手不足業種に係る資格取得や支援事業を通じて対象経費の一部を助成しており、本年度は介護に係る資格取得の実績は6人となっております。

 また、新年度より、ひとり親世帯を対象としてホームヘルパー等の資格取得の助成も始まりますことから、今後も有効な支援ができるよう関係部局と連携協議を進めてまいります。

 3点目の生活援助サービスにつきましては、生活援助とは高齢者本人や家族が家事を行うことが困難な場合、訪問介護スタッフが掃除、洗濯、調理などの日常生活の援助を行うことでありますが、本市で実施しておりますケアプラン点検において、一定以上のサービス提供をしているケースの該当はなく、今後とも介護支援専門員に対しケアプランの適正実施に向けた指導の徹底に努め、要介護者に必要な支援を行ってまいります。

 4点目の認知症対策につきましては、認知症高齢者の出現数は要介護認定に用いる主治医意見書で、日常生活に支障を来たすような病状とされている日常生活自立度Ⅱ以上と診断される方を対象としており、これに高齢者数、要介護認定者数の伸びなどから推計しております。本計画の最終年度である平成32年度では、要介護認定者1,623人のうち829人が認知症高齢者であると見込んでおります。

 認知症対策の具体的な事業展開につきましては、認知症初期集中支援チームは認知症に係る専門的な知識及び技能を有する医師の指導のもと、複数の専門職が認知症を疑われる方及びその家族を訪問し、初期の支援を集中的に行い、自立生活のサポートを行うものであります。

 本市におきましては、本年2月より、サポート医、社会福祉士、作業療法士を配置し、2カ月に1度程度の検討会を行いながら支援を始めたところであります。

 また、認知症ケアパスとは、認知症は進行とともに病状が変化するもので、その時々の状態に応じた適切な支援について目安を示したガイドブックであり、本市におきましても本年3月に作成し、冊子の全戸配布と市ホームページにより周知してまいります。

 若年性認知症の人数と支援方法につきましては、本年2月末現在、第2号被保険者の要介護認定者で主治医意見書の診断名に初老期における認知症等の記載があった方は3名となっており、介護支援専門員の適正なプランにより介護サービス給付を受けております。

 若年性の認知症の疑いがある方についても、高齢者と同様に病院への受診がされていない方は認知症初期集中支援チームの関与によるかかりつけ医や専門医への受診勧奨などの支援を行ってまいります。

 5点目の介護保険料の引き上げにつきましては、値上げの背景と内容は、平成30年度の被保険者数は1万5,627人となり、第6期計画時の平成27年度と比較しますと376人が減少するのに対して、要介護認定者数は811人となり、同じ比較で67人が増えているなど、制度的な要因に加え要介護認定者数の増による給付費の増額が予想されること及び給付費における第1号被保険料の負担割合が22%から23%へ引き上げられることから、介護保険料の増額は避けられない状況であります。

 市といたしましては、介護保険料の増額を抑えるため、適切な給付量を推計し、給付費準備基金の取り崩しによる保険料の増額抑制に努めたところであります。


【 再質問 】

〇野村淳一
 介護保険について。
 生活援助についてだけお聞かせください。

 国は、その生活援助に対して月何回程度という基準を示してるんです。大体月30回程度ですね、1日1回というのが国の基準です。それより多いところはいろいろ指導が入るようなんですよ。

 そのやり玉に上がったのが、標茶町なんです。標茶町は、1日1人月100回を超えるというのがあって、こんなことをやってる自治体があるといって厚生労働省は標茶町をわざわざ名指しで言ったんです。

 でも、標茶町の方は、いわゆる精神疾患を持っていて1日3回、場合によっては1日4回生活援助が入って服薬をしたり食事の準備をしたり、必要だからやってたんだという話ですよ。

 でも、これが国の基準となれば、全く利用抑制が図られるんではないのかなという気がしてならないんです。そういうことはあってはならないんです。必要な介護が必要なふうに受けられる、これが重要です。改めてご答弁いただきたい。

○山本晃男介護保険課長兼参事山本晃男
 お答えします。
 当市におきましても、当然月に30回超えるケースはございますけれども、ケアマネジャーさんがケアプランの中で正しくケアプランを立ててるものについては継続的にサービス提供を行っていきたいと考えておりますことから、今の標茶町のケースでいきますと、我がまちでもサービス提供についてはケア会議の中にかかったとしても継続してサービス提供できるのではないかと考えてございます。
以上です。

○野村淳一
 認知症の問題です。
 
 若年性認知症の問題、今回取り上げました。

 今、市でつかんでいるのは、3人だとおっしゃいました。これは、サービスを受けている方というふうになるんですね。それ以外に診断をされている方、まだまだいらっしゃると思うんです。

 ショックですよね、家族も含めて、将来のことを考えたら。いらっしゃるんですよ。

 そういう方々が本当に今何が必要なのか、相談体制をしっかりと取り組んでいただきたい、このことを1つと、それから介護保険料については、これ条例審査でまた機会がありますのでそこに譲りたいと思います。これは要望にしておきます。

都道府県化による国保税の値上げ~2018年第1回定例市議会一般質問④

4、国保事業について
①都道府県化による国保税の値上げの影響について
②国保税値上げの中止と軽減への取り組みについて
③乳幼児医療費無料に伴う国庫補助金のペナルティ廃止による子育て支援策の拡大について

〇野村淳一
 次に、国保事業について質問します。

 国民健康保険事業の都道府県化に伴い、国保税が引き上げられる結果となり、条例改正案が今議会に提案されています。

 そこでまず、改めて国保税が値上げとなった要因を聞くとともに、北海道への納付金支払いのために現行の国保税率と比べ幾ら不足すると考えられるのか、その金額をお尋ねします。

 さらに、それら国保税値上げの内容と国保加入者への影響額、いわゆる負担増となる金額についてもお聞きします。

 今でさえ、国保税の支払いは限界となっています。それがまた引き上げられるのです。いたし方ないで済むでしょうか。紋別市として国保税の値上げをしないで済む方策や値上げ幅の縮小に向けてどのような検討と実践が行われたのかお尋ねするものです。

 さらに、全道35市の中で今回国保税の値上げとなった市、一方値下げとなった市はどこなのかお知らせください。

 さきの議会でも、私の質問に対し、紋別市の国保加入者の所得が高いことが値上げの要因の一つだと答弁されておりました。

 しかし、加入者全体の3割は所得0円の世帯であり、6割を超す2,137世帯が所得100万円以下の世帯となっており、圧倒的に低所得者が多数を占めています。

 この現実を見ても、全体の所得が高いという理由で低所得者までもが値上げされるのはまさに理不尽ではありませんか。

 さらに、今回の国保の都道府県化の方針は、効率化やリスクの分散など専ら国や道からの要請であり、加入者みずからがそれを求めたものではありません。

 にもかかわらず、都道府県化で値上げとなり、その新たな負担と犠牲をこうむるのは一般の加入者です。

 国の施策で、一方では値下げになる自治体があり、他方で値上げになる自治体も生まれる。こんな不公平な事態が生じること自体理不尽だと言わざるを得ません。

 国保税の値上げを極力抑えようと努力し、時には一般財源を繰り入れてでも税額を抑えてきた自治体ほど今回都道府県化による値上げの波にさらされています。これもまた理不尽ではありませんか。

 紋別市も10年間値上げを抑え、まさに努力してきた自治体の一つだと思います。それだけに、今回の都道府県化に伴う値上げは到底容認できません。

 国に対しこんな不平等な事態が生まれる政策転換を見直し、少なくとも現状維持が図られるように対策を講じるよう強く要請するとともに、紋別市としても一つの責めもない加入者への値上げを中止するよう一般財源の繰り入れも視野に最大限の努力を講じるよう求めるものですが、市長の見解をお尋ねします。

 国保加入者への負担を軽減する施策の中で、子供の均等割を軽減する対策は極めて重要な子育て支援策だと考えます。

 国も検討を進めていますが、その結果を待たずして次々に軽減措置を独自に実施している自治体が生まれています。旭川市では、子供に対する均等割を3割減免しています。

 子供が1人生まれるたびに国保税の均等割3万800円が新たに加わり、それがこの4月から3万2,000円に値上げされるのです。大きな負担です。

 だからこそ、子供の均等割の軽減策は子育て支援、少子化対策として有効です。子育て支援として一般財源からの繰り入れで対応し実施すべきと考えますがいかがでしょうか、見解をお聞かせください。

 国保事業にかかわって、これまで自治体独自の乳幼児医療費無料化事業に対して行われてきた国庫負担金の減額措置、いわゆるペナルティーが一部廃止されました。

 このもとで、さきの議会における私の質問に対し、240万円ほどの新たな財源が発生し、それを子育て支援策に使用すると述べておりました。まさに貴重な財源であり、子育て支援の拡大にしっかり生かしたいものです。

 これが今回の予算においてどのように反映され、生かされているのか具体的にお示しいただきたいと思います。

〇宮川良一紋別市長
 次に、国保事業についてであります。

 1点目の都道府県化による国保税値上げの影響につきましては、値上げとなった要因はこれまで市町村単位で医療費等の経費を賄うことが可能な保険税率を設定しておりましたが、都道府県化後は全道の医療費総額などから国庫補助金等の特定財源を控除した全道で必要な保険税総額を所得水準や医療費水準などに応じて各市町村に割り振られる国保事業費納付金を北海道に納付しなければなりません。

 本市は、全道35市中2番目に所得が高いため、所得シェア分の納付金は高く算定されることになり、本市分の納付金であります8億3,501万6,000円を現行税率では賄うことができないため、税率の改正が必要と判断したものであります。

 納付金に対する現行税率での不足金は、国保事業費納付金に保健事業等の経費を加え、道支出金等の収入を控除した額に予定収納率で割り返した保険税賦課必要額が7億1,757万3,000円、現行税率で賦課いたしますと2,021万9,000円の収入不足を見込んでおります。

 国保税値上げの内容は、シミュレーションの結果、現行の賦課割合に近いほど国保税額は激変しないことから、応能割対応益割を現行賦課割合の57対43とすることを基準といたしましたが、低所得者が所有する資産への賦課が多くを占めるなど、課題の多い資産割の将来的な廃止に向けて応能割である所得割対資産割の賦課割合を54対3から55対2へと資産割の割合を減少させたところであります。

 この賦課割合で算定した結果、医療分でありますが、基礎課税分、後期高齢者支援金等課税分及び介護納付金課税分の3区分の合計で所得割が10.4%と0.2%の増、資産割が28.0%と9.0%の減、均等割が4万700円と1,400円の増、平等割が3万7,600円と1,600円の増となり、賦課限度額は93万円と4万円の引き上げを考えております。

 このほか、5割軽減や2割軽減が適用される判定所得の見直しを行い、軽減対象世帯の拡大を見込みますと、加入者への影響額は国保税の調定額で1,422万4,000円の増が見込まれるところであります。

 国保税の値上げの中止や縮小に向けた検討は、北海道から通知のありました保険税賦課必要額から約1,600万円の減額調整を行い、値上げ幅の圧縮を図ったところであります。

 内訳は、子供の医療費助成などに係る地方単独事業の波及増における一般会計からの繰入金分が約1,180万円、予定収納率を95%とし、北海道の見積もりより0.23%から0.37%引き上げにより約250万円、保険税を財源とする歳出予算の見直し分が約130万円となっております。

 このほか、保険税賦課必要額の圧縮には直接はつながりませんが、賦課限度額を4万円引き上げることで中低所得者への負担が軽減されることになり、今後も被保険者への保険税負担の圧縮を図るため、収納率向上対策及び医療費適正化対策に取り組んでまいります。

 全道35市の中で値上げとなった市は、北海道が算定しました平成28年度決算ベースの税額と平成30年度の1人当たり保険税を比較し、上昇した市は本市も含めて6市となっており、激変緩和前で上昇率の高い市から、江別市、北広島市、石狩市、本市、恵庭市、名寄市の順となっており、その他の市は値下げとなっております。

 2点目の国保税値上げの中止と軽減への取り組みにつきましては、このたびの国保の都道府県化は、財源基盤を強化した上で実施されるものであり、新たに国が投入する公費は平成27年度の前倒し実施分も含めて合計で3,400億円となっております。

 本市分の1人当たり保険税では、1万1,367円の引下効果があり、さらに北海道が上乗せして投入している公費分と値上げ幅縮小のための減額調整分1,600万円も含めますと1万7,143円が引き下げられております。

 しかし、道内の市町村は、所得のばらつきが大きいことなどから、追加公費等が投入されましても本市を含め約4分の1の団体が保険税の増加団体となっており、平成28年度決算ベースの税額と平成30年度の1人当たり保険税を比較して2%以上上昇しないようにするための激変緩和策がとられております。

 今後、人口減少と高齢化が進行していく状況の中、国保の都道府県化は全道の医療費を道内全体で負担を分かち合う制度へと変わりますが、加入者におきましても突発的に高額な医療費が発生した場合、翌年度の保険税が急上昇するというリスクは大幅に軽減されることになります。また、転勤の多い方につきましては、道内どの市町村に住んでも保険税が大きく変わらず、保険税の平準化が図られることは加入者にとっても効果は大きいと考えておりますことから、加入者に対して制度改正の趣旨を理解していただけるよう広報もんべつ等を活用し丁寧に説明してまいります。

 なお、一般財源の繰り入れは、国保の都道府県化において決算補填や保険税の負担緩和などを目的とした法定外繰入れは解消・削減が必要なものとして位置づけられているほか、都道府県化の効果の一つでもあります保険税の平準化に対しまして相反することとなりますので、地方単独医療費助成による波及増以外の法定外繰入れは考えておりません。

 国への要請につきましては、加入者の負担軽減や北海道を中心に安定した国保財政の運営を行っていくため、国の財政支援は必要不可欠でありますので、全国市長会等での提言事項でもある医療費等に係る国庫負担割合の引き上げや子供の医療費助成等に係る国庫負担額の減額措置の廃止など、全道市長会を通じて引き続き要望をしてまいります。

 子供の均等割軽減は、国保の都道府県化の目的の一つであります保険税負担の平準化の観点から、国において全国統一制度で実施されるものを除いては市町村間の均衡を欠くことにもなります。

 現在、全国知事会や全国市長会の要望、提言事項において子供の均等割の軽減に関する支援制度の創設が盛り込まれておりますので、今後の動向を注視してまいります。

 3点目の乳幼児医療費無料に伴う国庫補助金のペナルティー廃止による子育て支援策の拡大につきましては、新年度予算への反映等は少年団や部活動の支援のため施設使用料を減免しているほか、教育費も含めさまざまな施策に重点的に予算を拡充しておりますことから、幅広い範囲で活用させていただいております。

【 再質問 】

〇野村淳一
 国保です。
 結果的には値上げされることになりました。理由については、やっぱり紋別の加入者の所得が高いということが反映されているということでした。

 私、質問でも言いましたが、実質的には低所得者がほとんどです。それなのに、国保税が上がるというのは理不尽ではないのかという話をしてきました。

 いたし方ないということでいいんだろうかという気がしてならない。これで、市民に、あるいは加入者に、あるいは値上げされる方に、こういうことで説明されて理解されるんでしょうか。改めてご答弁ください。

○坂井利孝市民課長兼臨時給付金対策室参事
 お答えいたします。
 市長からの答弁にもありましたけども、今回都道府県化に向けましては、単純に市町村同士がくっついて、プラス道が財政運営していくんですけども、という形じゃなくて、多額の公費が投入されております。国費で3,400億円、そのほかに道費と市の部分もあります。

 そのような形で財源基盤を強化して都道府県化されております。その効果もありまして、道内では多分4分の3の自治体が保険税の引き下げにつながったんですけども、当市におきましてはちょっと残念ながら引き上げになってしまったんですけども。

 制度改革につきましてはいろいろあると思うんですけども、全員が引き下げになるような、有利になるような形で働
けばいいんですけれども、今回のように当市のようにちょっと痛みを伴う部分も出てくる改革もあることもあります。

 それで、今回の都道府県化の目的なんですけども、全道の医療費を、市長の答弁もありましたけども、道内全体の負担で分かち合う制度という形にも変わりまして、それでメリットのほうにつきましても突発的に市町村単位でやっていますと前年医療費が高額しますと次年度それを賄うのに保険税を引き上げなければならないとかという、そういうようなリスクもあるんですけども、その辺につきましてはスケールメリットがききますものですから、大幅に軽減されるというような、加入者にとってもどこの市町村に行っても保険税が変わらないとかという平準化も図られます。

 そのような制度改正の趣旨と加入者へのメリットについてもあわせて丁寧に広報等を活用してご理解いただけるように説明していきたいなというふうに考えてます。
以上です。

○野村淳一
 確かに、今回の都道府県化に当たって、国は3,400億円の財政支援してるんですね。

 これ何かといったら、これ法定外繰入れの額と同じなんですよ。

 今、国保事業は、どこの市町村もそうですが、加入者がどんどんと減り、あるいは高齢化し、収入が減ってくる中で、国保事業そのものが大変な苦境にあるわけですね。

 それを補填するために、今国が何も手を出さないから、それぞれの市町村が法定外で一般財源から繰り入れを行って、そして国保税を引き下げるあるいは値上げを抑制するということをやってるんです。

 これは、全国比べたら3,400億円、ちょうどこのお金になるんですよ。そして、都道府県化をするときに一般財源からの繰り入れは中止ですという話になったもんだから、国はこの3,400億円繰り入れたんですよ、財源として。

 ところが、一般財源の繰り入れをやめたら、実際は2倍、3倍になってしまうような自治体も全国に今生まれてるんですよ。

 なので、国は何て言ってるかといったら、今一般財源の繰り入れをほぼ容認してるじゃないですか。そうやって値上げになるところを抑える、そのことを国だって今認めてるんですよ。本当に国のやり方はつけ焼き刃ですよ。そういう状況の中に今本当に現場は混乱してると思います。

 先ほどお話があった中で、石狩市、値上げになるんです。

 ところが、これは値上げになるのでどうしてるかというと、値上げ分補填するために3,000万円一般会計から繰り入れてるじゃありませんか。

 滝川市、ここも、先ほどなかったけども、値上げになるんだというんです。ここのところは1,700万円一般財源から初めて繰り入れたんですよ、紋別と同じように今まで繰り入れしてなかったのを。都道府県化で値上げになることを押しつけることはできないといって一般財源から繰り入れを行って値上げを抑えてるんですよ。国だってそのことはもう今やむを得なくなってるんです。

 今の市長の答弁では、大体1,400万円から1,300万円、新たな市民負担だと言います。この金額が多いか少ないか、判断いろいろあるかもしれませんが、一般財源の繰り入れを行って、下げれと言ってるんじゃないんですよ、上げる必要はないんじゃないのか、そのことを求めてるんです。改めてご答弁いただけませんか。

○坂井利孝市民課長兼臨時給付金対策室参事
 お答えいたします。
 国の、今、法定外の繰り入れの容認なんですけども、制度の円滑な施行、移行、それに伴いまして例外的に認めてるというふうに聞いてございます。

 あと、国の公費以外にも答弁にも少し入れさせてもらったんですけども、道のほうの公費も42億円ぐらい追加で投入されまして、それで引下効果が出てございます。

 あと、道が示しました標準保険税率なんですけども、こちらどこの市町村も同じになるように公表してる標準保険料率なんですけども、これで比べますと、改正後なんですけども、当市の所得割については35市中17位ということで、均等割につきましては19位ということで、35市の中では税率的には真ん中ぐらいの位置に来まして、平準化の効果によって真ん中ぐらいに来ているような形になってます。

 今まで、どちらかというと、当市におきましては医療費については北海道平均よりも少し低いという部分があるのと、ちょっと一部の所得者に限られるんですけども、所得の多い方も中にはいらっしゃるものですから、その方々とかの影響によりまして、今まで他市から比べると少し低く設定できてたという部分はあると思います。

 いずれにいたしましても、平準化されましてちょっと市民負担は出てしまうんですけども、都道府県化の効果とかもございますものですから、先ほど申し上げさせてもらったとおり丁寧に説明していきまして被保険者の理解を得られるように努力していきたいなというふうに考えてます。
以上でございます。

○野村淳一君
 時間も余りありませんけども、どうしても今回の改正で例えば資産割がない方は7割減免、5割減免、2割減免の方だって値上げなんですよ、やっぱり。それは何百円かもしれませんけども、やっぱり負担としては大きなものだと私は思ってますから。市としてできることはやるべきではないのかなという気がしてなりません。

合葬墓の整備を~2018年第1回定例市議会一般質問③

〇野村淳一
 次に、合葬墓の整備について質問いたします。

 過去の議会においても、青木議員より合葬墓の整備についての質問がありました。その際、紋別市は、今後の研究課題としたいと答弁しております。

 この間、私も市民から合葬墓の整備を求める声をいただきました。それは、少子高齢化、核家族化などの社会情勢の変化に伴い、子や孫による墓の継承や維持管理が難しくなっている方や経済的理由から墓の建立や寺院などへの納骨ができない方も増えており、さらに身寄りがないなどの理由で、自分が亡くなった後の行方や将来に対しての不安が大きくなっているからだと思います。

 継承者がいなくても無縁にならない墓所を整備してほしい、そういう声が聞こえてくるのです。

 その点で私も関心を持ち、昨年合葬墓を新たに整備した深川市を視察してまいりました。やはり、同じような市民からの要望を受け整備することにしたといいます。

 既に管内でも、北見市、網走市、美幌町で合葬墓が整備されています。

 もちろん、市民それぞれに死生観や宗教観も違います。それだけに、市民はもちろん、市内の寺社、教会などとの協議も必要でしょう。

 それらを含め、紋別市として研究課題としていた内容はどのようなものかまずお聞きします。その上で、今後合葬墓の整備に向けての具体的な検討を開始するべきだと考えますがいかがでしょうか、見解をお聞かせください。

〇宮川良一市長
 次に、合葬墓の整備についてであります。
 
 研究するとした内容につきましては、墓地の安定供給が目的である現状の墓地行政の課題と方向性を核家族化や少子高齢化、無縁社会などといった社会的問題を踏まえ、公設墓地としての合葬墓が必要かどうか検討を行ったところであります。

 検討結果としては、核家族化などを原因とするお墓の承継者問題が加速化していくと思われることや経済的負担、単身などの理由でお墓を持てないなどの現状に対して墓地の安定供給だけではこれらの問題に対応できない状況になりつつあると認識したところであります。

 これらの現状を踏まえ、今後の方向性としては、市民が抱えるお墓に関する問題を経済的、精神的に支援する埋葬施設の整備が必要であり、全国的にも事例が多くなってきている合葬墓の整備が一つの選択肢であると考えたところであります。

 合葬墓の整備に向けた検討につきましては、現在関係団体による合葬墓設置の動きもあり、その推移を見定めているところであります。

 いずれにいたしましても、埋葬に関する考え方は多種多様であり、慎重に取り扱うべきことでありますことから、市民や関係者のご意見を伺いながら具体的な検討を進めてまいります。

【 再質問 】

〇野村淳一
 合葬墓についてお聞かせください。
 合葬墓の整備について、紋別市として一つの選択肢という形で前向きなご答弁だったと1つは抑えているんですが、ただその中で、関係団体による設置の動きがあるという表現がありました。これちょっと具体的にどういうことなのか教えてください。

○清水博昭環境生活課長
 お答えいたします。
 関係団体が合葬墓を市内で初めて整備するようなお話を聞いておりまして、その部分で市の検討としましても、民間が設置する場合、対抗する施設となってしまいますことから、今後関係者と意見交換をしながら進めていきたいというふうに考えております。

○野村淳一
 関係団体、寺社ということで認識してよろしいのかというふうに思うんですが。民間でもそういう動きがあるということなんで、それを見定めていきたいということでしたので、今の段階ではそういう状況かなというふうに認識はしておきます。

 ただ、私としてはやっぱり市営でつくるのが一番こだわりもなく、わだかまりもないのかなというふうには思ってはいます。あと具体的な動きになればまたいつか取り上げたいと思います。

障害者の就労支援と「親亡き後」~2018年第1回定例市議会一般質問②

2、障害者福祉について
①「紋別ベジタブルファクトリー」について
②「障害者定住促進事業」について
③「親亡き後」の対策について

〇野村淳一
 次に、障害者福祉について質問いたします。

 第1に、紋別ベジタブルファクトリーについてです。
 さきに触れたように、市政執行方針の中で宮川市長は、全ての市民が活躍し、輝き、幸せを実感できる共生社会の実現が私の信念だと述べ、その象徴的存在として障害者就労支援事業所紋別ベジタブルファクトリーの開設を紹介しています。

 確かに、紋別ベジタブルファクトリーの開設は、障害者に就労の場を提供し、自立に向けた足がかりをつくってきたと言えるものです。

 そこでまず、紋別ベジタブルファクトリーの現状をお聞きするとともに、障害者の利用者数の状況と高等養護学校からの利用者、そして今後の見通しについてお聞きするものです。

 厚生労働省は昨年4月、就労継続支援A型事業所に対し、指定基準の見直しを行いました。

 これは、一部に国の補助金頼みで生産活動が不十分な事業所が存在することを踏まえたもので、見直しの内容は、利用者の賃金はあくまで生産活動による事業収入で支払うものとし、国からの補助金、自立給付費から支払うことを禁止するというものです。

 この指導の結果、経営が困難となり、全国で数多くのA型事業所が廃止される事態となっています。

 これは、A型事業所である紋別ベジタブルファクトリーにおいても無関係ではありません。これら国の指導の結果、紋別ベジタブルファクトリーの事業運営は、当初の計画から大きく変えざるを得ない事態になっており、一層厳しさが増していると予想されます。

 その点では、紋別市も無関係ではありません。これらの状況について、市はどのように把握しているのかお聞かせください。

 言ってみれば、この事態は予想外であり、紋別ベジタブルファクトリーが安定的に維持できるように紋別市として何らかの対応策、支援策を検討することが必要ではないかと考えます。

 その点で、さきにも議会で私が指摘した紋別市に毎月支払っている賃借料をさらに減免し、この際無料にするよう求めるものですが、いかがでしょうか。

 紋別ベジタブルファクトリーは、紋別市にとって障害者との共生社会実現の一里塚として位置づけてきたものです。その事業の安定的な存続と継続を図るためにも、紋別市の一層の努力を求めるものです。

 2つ目に、障害者定住促進事業についてお聞きします。
 紋別市は、新たに20歳未満のグループホーム入所者に対し、入居費用の一部を助成する制度、障害者定住促進事業を創設するとしています。

 まず、その目的と内容をお聞かせください。また、現在、市内のグループホームの現状と今後の整備の見通しについてもあわせてお聞きします。

 3つ目に、親亡き後の対策についてお聞きします。
 障害者、障害児を持つ親、家族にとって最も気になり不安なことは、自分たちが亡くなった後の生活、親亡き後の対応です。

 私も、多くの親、家族からそれら不安の声をお聞きします。

 たとえ親が亡くなり、障害者ひとり残されても、住みなれた地域で安心して暮らしていけるよう、さまざまな支援を切れ目なく提供できる仕組みづくりが必要なのです。それこそ、市長の言う共生社会の体現でもあるのです。

 その親亡き後の取り組みに地域生活支援拠点という事業が、国により提起されています。しかも、広域を含め全市町村で取り組むことが提起され、各障害福祉計画に明記するよう定められています。

 障害者の相談支援事業を中心に、グループホームの整備や緊急時の対応としてのショートステイの整備など、地域の複数の機関が連携して支援を行うとされています。

 既に、富良野地区や苫小牧地区、北空知地区などで拠点整備が展開されています。

 確かに、広域での取り組みとなれば、実現までには一定の時間はかかるでしょうが、少なくとも紋別市が中心にならなければ状況は打開できません。親亡き後の不安を解消するためにも地域生活支援拠点の整備は急がれます。

 この問題での紋別市の認識をお聞きするとともに、地域生活拠点整備に向けて一定の目標を持って積極的な取り組みと働きかけを行うよう求めるものですが、いかがお考えかお聞かせください。

〇宮川良一紋別市長
 次に、障害者福祉についてであります。
 1点目の紋別ベジタブルファクトリーにつきましては、現在紋別高等養護学校を卒業した4名を含む13名が本施設で就労しており、新年度からは2名の卒業生も就労することとなっております。
 
 施設で生産される野菜は、昨年の6月から出荷が始まり、途中設備にふぐあいが生じて生産が一時中断となったものの、現在ではベビーリーフやリーフレタス、パクチーなどが順調に生産され、札幌市の買取業者に発送しているところであります。

 就労継続支援A型事業所の運営に関する基準の見直しによる影響につきましては、本施設の運営事業者は開設当初より法令を遵守しており、生産物の売上収入から利用者の賃金が支払われているため影響はありません。

 来年度以降の事業運営につきましては、利用者が15名となり、生産効率が高まることや需要の高い高付加価値の野菜を生産、販売することで収益性を高めていくとお聞きしております。

 施設の貸付料の無料化につきましては、運営事業者に対する施設の貸付料は毎月43万4,932円とし、経営が安定するまでの3年間はその半額の21万7,466円とすることで合意が得られており、昨年3月に契約を締結しております。

 平成31年度末の契約満了時に運営事業者とは必要に応じて協議を行う予定でありますので、現在のところ貸付料の無料化は考えておりません。

 2点目の障害者定住促進事業につきましては、特別支援学校卒業後、本市で就労する卒業生がグループホームを利用する場合において、本人や保護者の経済的負担を軽減させ、居住の場、就労の場の両面を支援することで本市の定住人口の促進につなげることを目的として創設したものであります。

 本制度の内容は、障害年金の受給資格のない18歳から20歳までの2年間につき、本市に住民票を置き、グループホームに入居する世帯主に対し毎月2万円の家賃補助をするものであります。

 また、グループホームの現状は、市内の福祉事業所が4月にグループホームを開設するほか、現在福祉事業所や企業などでグループホーム開設に向けた話し合いを行っているところであります。

 3点目の親亡き後の対策につきましては、地域生活支援拠点は必要な5機能として、サービスのコーディネートなどを担う相談、常時の受入体制を確保する緊急時の受け入れ・対応、グループホームなど地域移行につなげる体験の機会や場所の提供、行動障害や高齢化に伴い重度化した障害者などの対応を担う人材を養成する専門的人材の確保や養成、社会資源の連携体制の構築を担う地域体制づくりがあります。

 これに対し、地域生活支援拠点の整備と認められる状況として北海道が示した内容は、新たに住まいの場を提供する居住支援機能を加え、従来の相談と地域体制づくりを合わせた3機能を必須としております。

 また、圏域が広大であり、社会資源の格差が生じている現状を鑑み、残りの3機能は圏域外の事業所を活用することを可能にするとしております。

 本市の圏域は、西紋圏域が想定されており、必須とされる居住の支援機能としてはグループホームの整備を進め、相談機能としては基幹相談支援センターで必要なサービスのコーディネートなどを行っております。

 しかしながら、地域体制づくりは、オホーツク総合振興局主催の地域生活支援拠点に関する会議の場において、西紋圏域の各自治体より拠点整備の必要性を求める意見が寄せられていないため、実施の予定はありません。

 このようなことから、本市における親亡き後に向けた施策は、地域生活支援拠点の整備ではなく、基幹相談支援センターを中心とした相談支援、権利擁護、就労支援、グループホームなど、住む場所の確保により自立の支援を推進してまいりたいと考えております。

【 再質問 】

〇野村淳一
 障害福祉です。
 紋別ベジタブルファクトリーについてですが、今状況を伺いました。13人の障害者が、そして今年新年度から15人になる、これで定員に充足するのかなと思います。

 私も何度かお邪魔をしましたが、やっとビニールハウスというんですか、大体ほぼ緑にだんだん覆われてきたな。1年たって、実はやっとスタートに立ったなというのが私の印象でもあります。

 ですから、この1年間は本当に非常にトラブルもあって大変な私は事業運営をされてきたような気がしてならないんですよ。

 先ほど、A型事業所の国からの指導の問題も言いました。母体の運営者はきちんと法定に基づいてやっているということでしたけども、それでもこの4月からまた報酬単価が変わって、さらに厳しさを増すのは明らかなんで。3年間減免措置を行って半額にしているということでした。

 この3年後、また改めて協議をするということでしたので、ベジタブルファクトリーが担っている役割、そしてその運営状況も踏まえて、より状況を判断しながら進めていってほしいというふうに思うんですが、その点についてもう一度改めてご答弁いただきたいと思います。

○高橋信好社会福祉課参事
 お答えいたします。
 議員ご指摘のとおり、就労継続支援A型事業所に限らずこの4月から報酬の改定がございます。それは、全国的に利用者に対して不適切な支援を行ってきたというような事業所が増えたからということで認識してございます。

 先ほど、市長からの答弁もございましたとおり、途中に設備のふぐあいが生じましたけれども、現在は利用者も13名に増えまして、新年度からは紋別高等養護学校の2名の卒業生もめでたく働くということになっております。

 事業者からは、単価の高い野菜も生産することになっていることや、その15名となることで生産効率も向上する、あるいは今A型の事業所は紋別に2カ所ございますけれども、A型の事業所2カ所ともに15名の定員枠となってございますけれども、毎日の利用者数が多くて7名から10名ということもありますことから、その中におきまして、契約者をもう少し増やして毎日の利用者を増やすことで訓練等給付費の部分の事業運営にプラスになってくのかなというふうに考えておりまして、総じて収支は向上していくというふうに判断しております。
以上でございます。

○野村淳一
 どちらにしても、これからの事業運営の内容もかかわりますので、それで言ったように4月から報酬単価が変わるということもどう影響するか、これからということもありますので、それについてもぜひ配慮していただきたいというふうに思います。

地域医療再生へ待ったなし~2018年第1回定例市議会一般質問①

1、地域医療について
①産婦人科医をはじめ医療従事者の確保と妊産婦への対応について
②医師の養成について
③今後の地域医療について

○野村淳一
  おはようございます。
 
 宮川市長が市政執行方針で述べたように、このまちに暮らす誰もが輝き、幸せを実感できる共生社会を実現することは、まさにまちづくりの根本です。

 そのために、行政は、政治は何をなすべきか、そのことが問われています。もちろん、交流人口の拡大も観光の産業化も否定はしません。

 しかし、私は、このまちで今懸命に生きている市民の声に、思いにしっかり心を寄せ、その目線で政治を行うことが何より重要だと思っています。

 私はその立場から、特に弱者の目線に立ち、通告の順に従い以下質問させていただきます。

 まず最初に、地域医療についてお尋ねします。
 
 宮川市長は、市政執行方針の中で、医療再生には広域紋別病院の医師や看護師など医療従事者を確実に確保することが絶対条件だと述べています。

 しかし、そのさなか広域紋別病院の産婦人科医師の退職で4月からの分娩が中止となりました。その結果、遠軽厚生病院、北見赤十字病院、名寄市立病院などでの分娩となり、妊婦の精神的、肉体的な負担と不安は大きくなるばかりです。

 妊婦の日常的な健診、診療とあわせ、今後の産婦人科医師の招聘と体制確保に向け、その現状と今後の見通しについてお聞きします。

 また、新しく取り組まれる産後ケア事業を含め、妊産婦に対する精神的、経済的支援について、紋別市の取組内容をお尋ねするものです。

 言うまでもなく、広域紋別病院における医師確保は絶対条件であり、緊急課題でもあります。産婦人科医師だけではなく、そのほかの医師確保の見通しについてもお聞きするものです。

 さらに、看護師の確保についても、その働きやすい環境づくりはこれもまた絶対条件です。そのために、夜勤看護師の育児支援に取り組むと市政執行方針で述べておりますが、その具体的な事業内容をお聞かせください。

 私は、医師確保のために本格的にこの地域から医師を養成する仕組みをいよいよ構築する時期に来ていると考えます。

 これまでも、私は、地元から医師を目指す青年に対し、紋別での勤務を条件に奨学金制度をつくるべきと訴えてまいりました。既に道内でも幾つかの自治体で実施され、成果も出ています。

 そして、昨年ついに北見市でも医師修学資金貸付条例を制定し、北見市内で勤務すれば返済を免除する月額15万円の修学資金の貸与制度を始めました。

 もちろん、それだけが全てではありませんが、医師の養成と医師確保の一助にはなるのではないでしょうか。医師を目指す青年を後押しする励ましになるのではないでしょうか。

 看護師養成と同様、医師養成に対しても奨学金制度の創設を求めるものですが、市長のお考えをお尋ねします。

 言うまでもなく、全ての市民がこのまちで健やかに暮らしていくために、医療、保健、介護、福祉の連携は欠かせません。

 しかし一方で、医師や看護師など、医療従事者の専門職の不足、それに伴う病院経営の困難さ、また、国、道による機械的な病床数削減の動きなど、地域医療をめぐる課題は多岐にわたり深刻度を増しています。

 だからこそ、少子高齢社会、人口減少社会といった将来を見据えた、この地域の医療ビジョンを構築するときではないのかと考えます。

 広域紋別病院のあり方と経営対策、将来構想を含め、宮川市長の言う共生社会に向けた医療、保健、介護、福祉の連携ビジョンが必要ではないでしょうか。

 そのためにも、専門的なプロジェクトを広く民間からの協力も得ながら構築するときではないでしょうか。つけ焼き刃ではなく、先送りではなく、その場しのぎでもない、腰を据えた取り組み、先を見通した方向性を持つことが今こそ必要だと考えます。宮川市長の見解をお聞きするものです。

○宮川良一
  おはようございます。
 
 それでは、野村議員のご質問にお答えいたします。
 初めに、地域医療についてであります。
 
 1点目の産婦人科医をはじめ、医療従事者の確保と妊産婦への対応につきましては、広域紋別病院の産婦人科常勤医師は開院当初より1名体制であったことから、リスクの少ない経産婦に限り年間30件程度の分娩を取り扱っておりました。

 しかし、1名体制では、分娩のほか妊婦健診、婦人科の外来や入院、さらには夜間、休日における妊産婦の救急対応など医師の負担が非常に大きく、病院としても宿日直の免除や週に2日程度の非常勤医師の配置等負担軽減を図っていたところでありますが、昨年11月に退職表明がなされ、分娩を休止せざるを得なくなったところであります。

 病院といたしましても、後任医師の招聘について民間医師紹介会社を通じ2名の医師の紹介を受けたところでありますが、いずれも複数の常勤医師による診療体制の病院との条件があり、招聘に至らなかったところであります。

 今後、実質的に常勤医師が不在となる3月19日以降は、2名の非常勤医師により婦人科外来、32週までの妊婦健診、産後1カ月健診に対応していくほか、4月からは助産師による産前産後の相談事業などを新たに実施すると聞いております。

 市といたしましても、広域紋別病院と連携を図りながら、北海道東京事務所など、関係機関への協力依頼のほか、市役所及び病院職員が知恵を出し合い、全国に当地域の出産事情を発信するなど、産婦人科医師に関心を持ってもらえるような手法の検討を行い、早急に常勤医師の招聘に努めてまいります。

 妊婦に対する精神的支援につきましては、母子健康手帳交付時に妊娠経過の説明と体調や生活面の相談により、不安の解消を行い、マタニティ教室では学習会や交流の場をつくり、孤立解消に努めているほか、不安を強く抱える妊婦に対しては助産師等との連携を図り、家庭訪問等による相談を行っております。

 また、出産後の支援につきましては、新年度から育児不安や産後鬱の疑いのある方への支援を強化するため、助産師によるデイケアと家庭訪問を広域紋別病院に委託し、産後ケア支援事業として取り組む予定であります。

 経済的支援につきましては、妊婦健診受診券等の交付と遠軽厚生病院以外で出産する場合には出産支援金の交付を継続して行ってまいります。

 広域紋別病院の医師につきましては、現在企業長を含め常勤医師16名体制ですが、新年度は消化器内科が札幌医科大学消化器内科学講座の派遣縮小による1名と、産婦人科医師の退職による2名が減少しますが、消化器外科が札幌医科大学消化器・総合、乳腺・内分泌外科学講座から1名増員され、4名体制となります。

 また、総合診療科では、自治医科大学の北海道派遣医師が異動となりますが、後任について北海道に要請を行い、何とか派遣をいただけることとなり、全体で1名減の常勤医師15名での体制と聞いております。

 医師招聘の見通しにつきましては、大変厳しい状況が続くと考えられますが、常勤医師が招聘できない診療科であっても非常勤医師を確保するなどして診療継続を図りながら今後も地域の医療ニーズの高い診療科の常勤医師複数配置に全力で取り組んでまいります。

 夜勤看護師の育児支援につきましては、広域紋別病院は2病棟3交代制と1病棟2交代制で、夜勤要員の看護師は51名が必要とされております。

 年々職員の若返りなどから産前産後、育児中の看護師が増え、夜間、子供の保育をする人がいないケースが増えたことで離職につながっていると聞き、市といたしましても離職防止や再就業促進の支援対策として関係部署で協議を行い、病院の協力も得ながらアンケート調査を実施したところ、夜間保育を希望する看護師が10名いたことから、夜間の預かり保育に対する助成事業を行うこととしたところであります。

 事業の目的は、当直、夜勤、準夜勤の際、監護する子の保育支援を必要とする場合、その費用を一部助成することにより離職防止及び再就業を促進することであります。

 対象となるのは、小学校5年生未満の子を養育し、夜勤等の際に配偶者または同居の親族による保育支援が受けられず、ほかの育児支援者に託児しなければならない者で、助成額は夜勤等1回当たり育児支援者に支払う経費の2分の1または3,000円のいずれか低い額としております。

 保育支援が受けられない具体例としては、ひとり親世帯、配偶者が単身赴任等の事情で同居していない者、共働きで配偶者の就労時間が夜勤等の時間と重複し、監護できない者などが挙げられております。

 2点目の医師の養成及び3点目の今後の地域医療につきましては、私はこれまでも医療の再生に向け、西紋別地区総合開発期成会での北海道に対する要望活動や広域紋別病院企業団との医育大学に対する医師派遣要請に加え、休日夜間急病センターで接点のあった医師などを含め新たな人脈を活用して、全国を視野に入れ医師の確保を最優先に取り組んでまいりました。

 そのような中、市の保健・医療・福祉連携アドバイザーを通じて、鹿児島県立大島病院の救命救急センター長が紋別での勤務を希望されているとの情報があり、本年1月に医師の所属先である鹿児島大学医学部及び県立大島病院を訪れ、医師招聘について協議を進めてまいりました。

 その結果、本年7月から休日夜間急病センター長兼紋別市保健センター長として本市の医療にかかわっていただけることが決定しております。

 また、3月には、保健・医療・福祉の関係者に対し講義をしていただいた三重大学医学部総合診療科の教授と医師招聘について意見交換を行ったところであり、今後も継続して協議を行っていくといたしたところであります。

 医師確保には、今まで接点のあった医師などからの情報収集に加え、人脈を蓄積していくことが重要であり、これまでの人脈を活用した医師確保対策が最も即効性があると考えておりますので、勤務するまでに相当数の期間を要する奨学金制度の創設は考えておりません。

 今後の医師確保につきましては、道内医育大学への医師派遣要請とあわせ、医師が西日本に多く勤務している傾向から、このたび勤務が決まった医師や従来から本市と関係のある首都圏の医師のネットワークをさらに広げ、このネットワークを最大限活用しながら広域紋別病院と連携して地域医療の充実に取り組んでまいります。

【 再質問 】

○野村淳一
 大筋では理解をいたしましたが、何点か再質問させていただきます。

 最初に、地域医療についてですが、産婦人科医師の、いなくなって分娩ができなくなったという問題ですが、非常にまた不安が募っているなという状況があります。

 当面、いわゆる嘱託医というんですか出張医というんですか、どのような体制で診療されるのか、ちょっと具体的に教えていただけますか。

○西田尚市広域病院連携推進室参事
 お答えいたします。
 今現在、常勤医師のほかに非常勤医師2名おります。1名は旭川の開業医の先生でございまして、毎週日曜日に入ってきまして、待機しまして、月、火と診療を行っていただいてます。

 そのほかに、東京のほうから月2回金曜日の飛行機で入ってきて日曜日までという先生がいらっしゃいます。

 当面、その先生お二方で診療を継続すると、その間、非常勤医師を含めて常勤医師の招聘に努めるというようなことで聞いております。

○野村淳一
 月、火とそして隔週で金曜日ということですね。先ほど答弁でありましたが、とりあえずこういう体制で産婦人科の外来診療、そして32週までの妊婦健診は対応できるということでしたので、何とかこれで今急場をしのぐということになるのかなと思います。

 どちらにしても、妊婦さんの不安は大きくなるわけですから、心の安定が非常に重要ですので、その体制をぜひとっていただきたいと思います。

 市の保健師さんの取り組みあるいは助産師さんの対応も必要かなと思います。皆さんの奮闘にまずは期待をしたいと、せめてこの時期頑張っていただきたいと思います。早急に医師の派遣をお願いしたいと、これはそういうふうにしときたいと思います。

 産後ケアについてもうちょっと教えてください。
これは、広域紋別病院に委託をするということですが、通所と訪問2種類ということでよろしいんですね。対象となる児童というんですか乳幼児というんですか、何カ月までなのか、それと料金というのは発生するのかしないのか、ちょっと教えてください。

○大平朱美健康推進課長兼保健センター事務長
 お答えいたします。
 対象者についてですが、おおむね産後6カ月までということで予定しております。

 料金につきましては、デイケアのほうは1回につき1,000円、あと生活保護世帯、非課税世帯は無料と考えております。
以上です。

○野村淳一
 アウトリーチ、訪問というのも行うんですね。それについてどうですか。

○大平朱美健康推進課長兼保健センター事務長
 申しわけありません。訪問につきましては、助産師さんに委託するんですけれども、訪問自体の個人負担は考えておりません。
 
 ただし、その中で、乳房マッサージ等、その管理に当たるものにつきましては、今広域病院で乳房マッサージの金額の1割の200円を取る予定でおります。
以上です。

○野村淳一
 わかりました。産後ケアというのも産後鬱という状況がある中で非常に重要な事業だと思いますのでぜひ大きく普及していただければというふうに思います。

 医者の確保をどうするかという問題です。
 今、市長が答弁されました。7月に急病センターに大島病院から先生が1人こちらに来てセンター長となるというふうに伺いました。

 広域紋別病院も体制が変わるような話もちらちら聞こえてまいります。

 これから、病院のあり方や地域医療あるいは連携のあり方、重要な課題になってくると思います。そういう方々の新しい流れ、動きというものを期待をしながら市長が述べたその人脈というものを大いに活用していただきたいと思うんですが、市長は今回の市政執行方針の中で共生社会というのを盛んに言われました。

 私もこれが一つのキーワードだなと思って読ませていただきました。その中に、少子高齢化が進展する中、医療、保健、介護、福祉の緊密な連携体制や市民一人ひとりがともに支え合う共生社会の実現が重要になっていると市長は述べております。

 ここで言っている医療、保健、介護、福祉の緊密な連携体制が重要だと、そして共生社会を支え合うためにも重要になってると改めて述べています。

 改めて市長に聞きます。この医療、保健、介護、福祉の密接な連携体制、これが重要なんですが、一体これがどういうものなのか、どんなイメージなのか、どうすればそれができるのか、次の具体化に向けてその点について市長の考えをお聞かせいただきたいです。

○宮川良一市長
 連携体制というのは、そんな難しいことじゃないと思ってます。風通しのいい意見交換が、まず医師やあるいは福祉関係者や私ども役人や、そういうところと本当に話ができるような、しやすいような環境がまず第一歩だというふうに思っております。

 また、その中で生まれてくるいろんな課題について忌憚なく話をしながら1つずつ解決できていくということが、やはり私は今までの経験の中で一番重要だなというふうに思ってます。

○野村淳一
 市長は、この医療の問題は市長就任からずっとかかわってきましたし、それなりの人脈もできてますし、そしてこれからの思いもあるんだろうと思います。

 私も、ずっとこの問題を中心になって考えてきた一人のつもりでいます。紋別の限られた医療資源、そして社会資源を有効に活用するという意味でもこの連携に向けた取り組みというのは重要だなというふうに思ってますので、その流れについて私も期待をしながら注目していきたいと思ってますので、よろしくお願いします。

2018年9月8日土曜日

今年もたっぷり「さん喬落語会」

 今年も「柳家さん喬・紋別落語会」を5日、文化会館で開催しました。

 140人ほどの市民が参加してくれ、名人の芸をたっぷり堪能してくれたと思います。

 

 私は、今年も実行委員長を務めました。といっても、初めの挨拶が主な任務です。

 今年はあいさつの中で、さん喬師匠の本のことを紹介しました。

 一つは「さん喬、大人の落語」。落語に出てくる男と女の物語を師匠風に解説したもので、落語の入門書としても役立ちます。

 実は今回、師匠がこの本を持参してきており、実筆のサイン入りで販売しました。

 すでにこの本は持っているのですが、サイン入りは魅力的です。残ったら、と思っていたのですが、すぐに完売となってしましました。残念!

 もう一冊は、落語家生活50年を記念して出版された『噺家の卵、煮ても焼いても』。洋食屋の息子として育ち、高校卒業後に5代目柳家小さん師匠に入門。その修業時代から弟子11人を育て上げるまでの落語家人生を、ユーモアたっぷりに綴ったのがこの本です。

 1月8日付けの「しんぶん赤旗」に、この本の出版を記念してさん喬師匠のインタービュー記事が掲載されました。

 その中にこんな一文があります。

 「いま芸は『守・破・離』だと考えています。小さん師匠の口癖でした」

 『噺家の卵、煮ても焼いても』にも、同様な言葉が出てきます。

 「芸は『守・破・離』」――あいさつの中で、この言葉を解説しながら紹介しました。

 真摯に芸に向き合うさん師匠の姿勢がにじみ出た言葉です。

 さて、今回の落語の演目は『替わり目』『船徳』『錦木検校』の3題でした。


 『替わり目』では、酔っぱらった男と女房との軽妙なやり取りが爆笑を誘い、それでいて夫婦の愛も感じられ、ほっとする一席。

 大ネタの『船徳』。道楽がすぎて家を出された若旦那の徳三郎。「船頭になる」と言ったものの腕はまだまだ。そこに二人の客が。船頭徳さんと船客の七転八倒の大騒動。さん喬師匠の体を張った噺に、これまた大きな笑いが

 最後にかかったのは『錦木検校』でした。私は、初めて聞く話です。弟子の柳家喬太郎の持ちネタとは知ってていましたが、ちょっと驚きました。

 でも、時を忘れ、じっくり聞かせていただきました。大名の父に疎んじられている三男の格三郎が下屋敷で盲目のあんま・錦木と出会う。そこで、身体のコリだけでなく心のコリもほぐされていく。錦木は「あなた様は、大名になる骨格をしている。私にはわかる」という。「そうか。もし私が大名になったら、錦木を検校にしよう」と約束する。時はたち、格三郎は親を継ぎ大名となる。そこへ病気におかされた錦木がやってくる。久しぶりに再会した二人は…

 その時、会場はシーンを水を打ったように聞き入っています。

 「俺を、恩知らずにするな」と格三郎。「私こそ、恩知らずになりとうございません」と錦木。

 お互いの思いが、ぐっと高まるラスト。でも、ほっとした気持ちで終わります。(このラスト、さん喬師匠独特の終わり方では…)

 爆笑してみたり、胸がギュッとなってみたり、これぞ第一人者の芸。たっぷり楽しませていただきました。

 お客さんにも喜んでもらえたようで、安心しました。


 さん喬師匠を囲んでの「ご苦労さん会」も楽しく、来年もまたこの落語会をやろうと誓い合いました。

 来年はいよいよ、10回目を迎えます。