2015年11月30日月曜日

「きょうされん」の研修会に参加して

 「きょうされん」という組織をご存知でしょうか。かつては「共同作業所全国連絡会」という名称でしたが、現在は、作業所だけでなく、通所型事業所やグループホームなど2000近い会員のもと、障がいのある人の豊かな地域生活を支える制度づくり、地域づくりをめざして活動しいている組織です。

 その「きょうされん」の道北ブロック研修会が11月14日、紋別市の「NPO法人ねこやなぎ」を会場に行われ、私も参加させていただきました。

 道北ブロックの研修会が紋別で開催されるのは3年前に続き、今度で2回目。その時も参加しました。

 妻の努めるB型の就労施設「NPO法人みのり」も「きょうされん」の会員ということもあり、私も、障害者福祉の現状をもっと知りたいと思っていました。

 会場には、紋別市内の障害者福祉の関係者をはじめ、旭川市や豊富町、斜里町などからも参加があり、和やかな雰囲気の中にも熱気ある会合となりました。

 まず、「きょうされん」の常任理事で、旭川の「あかしあ労働福祉センター」の総合施設長、北村典幸さんから情勢報告がありました。

 障害者の生活と権利を壊した「障害者自立支援法」に抗議して各地で起こされた当事者による裁判を通して、政府と和解が成立。それが「基本合意」となったものの、それから5年、政府はそれを反故にする方向を画策している、というのです。

 障害者差別解消法が来年度から施行される今こそ、生存権を保障した憲法25条を活かした国づくりが必要だと、力を込めます。

 講演では、自らも障害者の娘さんを持つ、「障害者の生活と権利を守る全国連絡協議会」(全障協)の新井たかね副会長が「娘とともに生きてきてー障害者運動・施設運営に学びながら」と題してマイクを握りました。

 新井さんは、娘さんを通して様々な大切な出会いがあったと言います。そして、この間、障害者施設を立ち上げ、障害者の権利を守るために様々な運動に携わってきた方でもあります。

 かつて国が、障害者自立支援法という名のもとに障害者の暮らしをおびやかした時、娘さんとともに違憲訴訟の原告の一員となりました。

 そして、「基本合意」という国との和解を勝ち取ったとき、「娘がこの世に生きている役割を担えた」と感じたと言います。

 そして、現場で働くみなさんに「その専門性と人権意識を高め、感性や想像力、洞察力を磨くことが大切です」とエールを送るとともに、「家族への調査で、ひとこと『人生につかれた』と書かれた80代の方もいました。障害者は平和でなければ生きられません。今の政治は、戦争への道をすすめ、ますます弱者を追いつめています。憲法と障害者権利条約を活かすことこそ重要です」と締めくくりました。

 もの静かな語り口ですが、実践と体験に裏打ちされた内容は説得力があり、力強さもありました。

 障害者をどう見るか、障害者福祉・障害者行政をどう見るか、大きな示唆を与えてくれたような気がします。

 ちなみに、新井たかねさんは、埼玉県川口市の共産党の市議を2期務めた方でもあります。

 懇親会も、大いに盛り上がりました。私も、乾杯の音頭を取らせていただきました。

 あちこちで障害者福祉を語り合う若い職員たちの姿がありました。心強く、そしてさわやかに、その日の夜は暮れました。

共産党道議団へも要請

 11月6日、「遠紋地域の周産期医療を守る会」のメンバーと一緒に、道に対し要請活動を行いました。

 実は、その前段で日本共産党道議団にも要請を行ったのです。



 控室を訪れた会のメンバーを、菊地よう子、佐野弘美道議が出迎え、高橋代表や稲葉遠軽町議の訴えに真剣に耳を傾けながら、「みなさんの奮闘に心から敬意を表します。みなさんの抱える不安は当然であり、共産党としても地域医療の充実と分娩再開に向けて力をつくします。ともに頑張りましょう」と応じました。

 女性同士、どこか心が通い合った感じがしました。

 会のメンバーも、心強く励まされたようでした。


遠紋の周産期医療を守る会と一緒に道に要請

 10月から遠軽厚生病院で出産ができなくなりました。これまで3人いた産婦人科医師がゼロになったためです。

 遠紋地域では広域紋別病院が唯一出産可能な病院ですが、それも経産婦に限られ、多くは北見市や名寄市に通わなければならなくなりました。

 紋別市でも分娩の7割が遠軽厚生病院だったため、その影響は大きく、不安の広がりとともに分娩再開を求める声が強まっています。

 こんな中8月25日、遠軽町の住民を中心に「遠紋地域の周産期医療を守る会」が発足し、署名活動に取り組んできました。

 このほど一定数署名が集まったため、11月6日、会の代表4人が北海道庁に出向き署名を提出し、要請活動を行いました。

 私も、この要請活動に参加させていただきました。

             嘆願書を渡す高橋代表

 

                   14.251筆の署名を渡しました

 会の代表の高橋真千子さんは「すでに若いお母さんたちから『二人目、三人目はあきらめざるを得ないかもしれない』という声も聞かれます。この地域に暮らす住民の実態を知っていただき、すべての女性とその家族のために分娩が再開できるよう尽力をお願いします」と訴えました。

 私も、「ここに集められた署名の一筆一筆に込められた切実な思いを、ぜひ受け止めてほしい」と話しました。

 対応した道保健福祉部の荒田地域医療推進局長は「確かに署名は受け取りました。道としても今後とも努力を続けます」と答えました。

 この要請には、地元道議の新沼透氏が仲介をしてくれ、一緒に要請にも参加してくれました。

 道として、遠軽厚生病院を周産期母子医療センターと位置付け、優先的に産婦人科医師の確保を図る病院とした以上、その仕事をしっかり果たす責任があります。

 確かに医師の不足は現実だとしても、北見、名寄まで2時間という道のりを、妊婦さんに背をわせることはできないことです。

 他人事でないことを祈りつつ、道庁を後にしました。