2017年6月30日金曜日

「無言館」の絵画展にて

 20日、休みをもらって釧路市に出かけてきました。

 かねてから一度は見てみたいと思っていた「無言館」の絵画展が、釧路市の道立釧路芸術館で開かれていたのです。

 霧の釧路へ、妻と車を走らせました。



 「無言館」とは、長野県上田市にある美術館で、正式には「戦没画学生慰霊美術館・無言館」といい、今から70年前、戦場に送られ、志半ばで世を去った数多くの画学生たちの遺作・遺品を展示している美術館です。

 その「無言館」は今年、開館70周年を迎えるのを記念して、その所蔵作品の中から約130点の遺作が、今回釧路芸術館で展示されたのです。

 なにより驚き、胸に詰まるのは、作品の隣に添えられたそれぞれの説明・コメントです。

 その作者についての経歴やエピソードがつづられています。その内容が、どれもすべて胸に迫ります。

 「あと5分でいい。この絵を描かせてください」ー自分の戦地に送る会が始まってもなお、絵筆を置こうとしなった日高安典さん。絵のモデルだった恋人に「必ず生きて帰って、この絵を描くから」と言い残して戦地へ。フィリピンで戦死。享年27歳。

 妻をモデルに描いた肖像画。美術教師だった佐久間修さんは、生徒との勤労動員のさなか、爆撃を受け死亡。享年29歳。妻はこの絵を部屋に飾り「戦後ずっと修さんとの絵に見守られて生きれ来ました」と語ったという。

 一つ一つの作品に添えられたエピソードに、若き画学生たちの無念さと戦争の非情さを強く感じ、今思い出しても胸が詰まります。

 彼らが描いた作品は、家族や妻、恋人、そして故郷が多いのに気づきます。

 死が迫る中だからこそ、彼らが描きたかったのは、愛する人、愛する故郷だったのかもしれません。

 確かに、作品そのものの芸術的価値は未熟かもしれません。

 でも、人の心に響く作品、胸に迫る作品という価値でいえば、これ以上の作品はないのかもしれません。

 まさに、誰をも「無言」にさせてしまう絵画展でした。

 


紋別市長選、無投票で

 任期満了満了に伴う紋別市長選挙が11日、告示されましたが、現職の宮川良一氏以外届け出がなく、無投票で4選となりました。


 日本共産党紋別市委員会はこれまで宮川市政に対し『是々非々』の立場で対応してきました。

 これからも、宮川氏の言う『希望と感動の街づくり』とはどういうものか、しっかり見極めながら、住民の立場で積極的に提案、監視をしていきます。

 また、5月に発覚した市職員の加重収賄による逮捕・起訴事件は極めて重大です。

 2010年にも宮川市政のもとで元市職員による横領事件が発生しており、繰り返される職員の不祥事に、市役所はどうなっているのか、と市民の不信も高まっています。

 4期目を迎える宮川体制が、この問題とどう向き合い、市民の信頼をどう回復させるのか、その決意と実行力に市民の厳しい目が注がれています。

 当選後初の定例市議会が7月4日に開会され、所信表明が行われる予定です。

 

障害者の就労支援会議に参加してきました

 6月9日、紋別市博物館の郷土学習室で開催された『障がい者就労支援連絡会 紋別』に参加してきました。


 主催は、北見市にある「オホーツク障がい者就業・生活支援センター・あおぞら」で、市内の障害者施設の関係者だけでなく、周辺自治体の職員や農協、水産加工、生協の関係者も参加し、障害者の就労支援について話し合いが行われました。

 議員での参加は私一人でしたが、多方面からの参加者に、障害者の就労支援がすこしづつではあっても、広がっていることを実感しました。

 事例として報告された「滝上リハビリセンター」で清掃の仕事に就いている知的障害を持つ青年の話は、興味深く聞きました。

 なれない清掃の仕事。

 それに戸惑う事業者側。

 障害者にどう接し、どう仕事を覚えてもらうのか。試行錯誤が続いたといいます。

 障害者の職場での支援を行う専門職「ジョブコーチ」の援助を受け職場環境を改善し、今では立派に業務をこなしているといいます。

 リハビリセンターの方は、障害者雇用という側面だけでなく、様々な面で気付くことが多く、人材育成にも役立っている。と述べていました。

 この青年も発言し、「覚えることが多く大変だった。これからは、廊下を一人でできるようになりたい。たくさんお金を貯めて、両親を旅行に連れていきたい」と語り、大きな拍手に包まれました。

 法律では、従業員50人以上の規模の企業では2%以上の障害者を雇用する義務があります。

 しかし、ハローワーク紋別管内では、対象企業15で23人程度の障害者雇用が義務付けられていますが、実際は17人程度。

 2%の雇用義務を達成している企業も7つしかない状況です。

 障害者の雇用を広げるには、私たち自身が障害者への理解を深めること、障害者トライアル雇用制度のような企業への国の助成制度を拡充すること、障害者自身も就労につながる教育や訓練を受けられる仕組みを数多く作ること、などが必要です。

 この会議には、紋別市からも障害者就労に関する報告がありました。

 就労継続A型「植物工場」を開設し、今後はグループホームの建設などを検討しており、障害者が社会の一員として、安心して紋別に住み続けられるよう、障害者就労をマチの戦略的課題に位置付けている、との発言がありました。

 それが、言葉だけにならないよう、しっかり見守っていかなければ…と思っています。