2018年12月30日日曜日

障害者の雇用促進を~2018年第3回定例市議会一般質問③

3、障害福祉について
①紋別市の障害者雇用率について
②紋別市における障害者雇用の拡大について
③就労支援とグループホームの整備について
④「障害福祉計画」と「総合戦略」の関連について

〇野村淳一議員 
 次に、障害福祉について質問いたします。
 
 国の多くの中央官庁が雇用する障害者数を大幅に水増し、偽装していた問題が発覚したことに私は大きな憤りを禁じ得ません。障害者雇用促進法に基づき国は率先して障害者雇用を行うべき立場であり、それがゆえに民間を上回る雇用率を設定しているのです。

 にもかかわらず、今回の事態は逆に国が率先して障害者の働く権利を奪っていたことになるのです。障害者や民間企業の信頼を回復するためにも、不正が横行した背景を徹底的に解明し、政府として責任を厳しく問う必要があります。

 この問題は、残念ながら地方自治体にも発生しています。人ごとではないのです。

 そこで、紋別市の障害者雇用について幾つかお聞かせください。

 この4月から法定雇用率が引き上がり、民間企業は2.2%、国、地方公共団体は2.5%となりました。そこで紋別市役所における対象となる全体の人数、そのうちの障害者の雇用者数と実雇用率、そして不足があるのかどうか、さらに障害の内容と障害種別についてそれぞれお聞きします。

 これまで、当然障害者手帳を確認した上で雇用していたと思いますがいかがでしょうか。

 また、地方公共団体に準じる広域紋別病院の障害者雇用の現状についてもお聞きします。

 障害者の就労支援は、障害者の自立を促進し、共生社会を構築するかなめとも言える課題です。障害があろうとなかろうと人それぞれに可能性を秘めた能力があります。それを生かし、尊重し、ともに生きる社会をつくることが何より大切です。

 その思いは紋別市も強く持っていると考えるものです。だからこそ、紋別市みずからが障害者を広く雇用することは重要な意味を持ち、障害者への励ましとなります。そこで、障害者の雇用はこれまでどのように行ってきたのかお聞きするとともに、平成31年度の職員採用に当たって、障害者の雇用はどのようにされるのかお尋ねします。

 北見市や富良野市などでは、職員採用に障害者枠を設け雇用をしています。北海道でも今年度46名の障害者の採用を計画しています。また、深川市では、非常勤職員としてですが、特別に障害者を募集し採用しています。同じ高等養護学校を有する今金町では、卒業生を臨時職員として雇用しているのです。

 言うまでもなく、雇用率に達すればそれでいいというものではありません。文字どおり紋別市が率先して障害者の就労を支援し、励ますためにもさまざまな形を工夫し、積極的に障害者雇用を拡大すべきと考えますがいかがでしょうか、見解をお聞かせください。

 障害者の自立と社会参加を推進するために重要な役割を担うのが、働く場と住む場の充実と確保です。特に、一般就労が困難な場合に通所できる福祉的就労支援事業所の役割が重要になっています。

 ここには、障害者の状況に応じた就労継続支援事業A型とB型、それに就労移行支援事業があります。今年3月に策定された第5期紋別市障害福祉計画でも、通所人数の増加を見込んでいます。また、住む場としてのグループホームの充実も不可欠であり、ここでも着実に拡大を見込んでいます。

 そこで、現在のこれらの就労支援事業とグループホームの現状及び今後の見通しについてお聞かせください。

 その上で、さらにお聞きするのが、今年4月に改定された紋別市総合戦略との関係です。

 今回改訂された総合戦略には、障害者の就労環境などの整備促進を重要政策に位置づけ、新たに計画最終年の平成31年度で就労支援事業所への通所者数の目標をこれまでの73人から102人に29人拡大しています。また、グループホームについても、新たに48床と目標値を明記しています。

 ところが、いずれの目標も今年3月に策定された第5期紋別市障害福祉計画の年次目標とは大きく違っているのです。

 同じ平成31年度目標で障害福祉計画では通所者数は73人なのに、総合戦略では102人に、グループホームは43人なのに総合戦略では48床となっているのです。

 第5期紋別市障害福祉計画は、市内の障害福祉団体で構成する障害者自立支援協議会で時間をかけ協議し、合意したものです。

 その計画と違う計画がわずか1カ月の差でもう一つ突然出てきたことになるのです。これはどういうことなのでしょうか。これら問題に対する総合戦略策定における協議は、どこでどのようになされたのでしょうか。この目標設定の違いに対する整合性を含め、紋別市としての見解をお聞きするものです。

【 答弁 】

○宮川良一市長
 次に、障害福祉についてであります。
 
 1点目の紋別市の障害者雇用率につきましては、さきに円角議員のご質問にお答えしたことでご理解願います。

《 〇円角議員への答弁
 紋別市役所における障害者の法定雇用率につきましては、本年の実績でありますが、対象職員数が259.5人、障害者の雇用者数が4人、実雇用率が1.54%であり、国や地方自治体が義務づけられている雇用率2.5%を下回っておりますことから、今後採用計画を公共職業安定所へ提出する予定であります。》

 障害の内容と種別につきましては、個人情報保護の観点から種別の答弁は控えますが、1級、3級、4級がそれぞれ1人ずつで、1級は1人を2人とみなすことができることから雇用者数は4人であり、全て障害者手帳で確認しております。

 また、広域紋別病院の状況につきましては、企業団の管理運営事項であることから答弁を控えさせていただきます。

 2点目の紋別市における障害者雇用の拡大につきましては、これまで障害者と健常者を区別することなく職員募集を行っており、平成31年度の職員募集においても同様に行っております。

 昨年までは、法定雇用率を満たしておりましたが、法定雇用率の達成を急ぐ余り、必要な配慮がされないまま雇用を行ったことが原因で起こる職場の混乱やそれに伴う本人の就労意欲の喪失が一番懸念されることから、今後につきましては、障害者を受け入れる職場環境と体制を十分勘案しながら障害者の雇用に取り組んでまいります。

 3点目の、就労支援とグループホームの整備につきましては、現在昨年4月に公設民営で開設した紋別ベジタブルファクトリーをはじめとする就労継続支援A型及びB型事業所が各2事業所、就労移行支援事業所が1事業所となっており、就労継続支援A型事業所の定員は合計で30名、就労継続支援B型事業所の定員は34名、就労移行支援事業所の定員は6名となっております。

 それぞれの就労継続支援事業所では、日々10名程度の利用者が就労しており、就労移行支援事業所では2名が一般就労に向けた訓練を行っております。

 就労支援に向けた取り組みにつきましては、障害者就労を取り巻く課題に対する情報共有、さらには紋別市自立支援協議会内に設置された就労支援部会により一般就労や福祉的就労の促進を図り、今後も利用者増を目指しております。

 グループホームの整備につきましては、本年4月に新たなグループホームが開設され、31部屋となり、さらに5部屋を増設予定とお聞きしております。今後も市内外の事業所に対し、居住の場の確保に向け、引き続きグループホーム新規開設を促してまいります。

 4点目の障害福祉計画と総合戦略の関連につきましては、障害福祉計画は市内事業者などで構成される紋別市自立支援協議会が本市で支給決定し、給付費が支出される人数を基本に3年間の障害福祉計画を策定することに対し、総合戦略の数値は特別支援学校や市内事業者、企業などから情報やニーズなどを把握し、本市における一般就労と福祉的就労、両面で障害者就労を促進させるとともに、障害者の定住人口の増加を図ることを目的に策定しております。

 そのため、障害福祉計画が運営基準における定員をベースに利用者数を推計していることに対し、総合戦略は日平均における稼働通所者数が定員を満たしていないことに鑑み、定員超過にならない範囲で登録者を増やし、稼働率100%を目指した人数となっていることから、障害福祉計画より高い数値目標となっております。

 また、グループホームの定員拡大につきましても、総合戦略では特別支援学校及び市内外の事業所のニーズを把握しながら障害者の定住を政策的に展開し、卒業生の保護者も本市に移住することを視野に入れ、人口の増加を促進することを目的として策定していることから、障害福祉計画よりも高い数値となっております。

 今後も、障害福祉計画を基本としながらも総合戦略ではさらに高い目標を掲げ、定住人口の拡大につながる施策を展開してまいりたいと考えております。

【 再質問 】

〇野村淳一議員
 障害福祉です。
 雇用率の問題ですが、今この法定雇用率を確保するために、ちょっといろいろ数字のやりくりがあるかもしれませんが、実際何人足りないというふうに思っているんですか。

○若原喜直庶務課長兼参事兼行財政改革推進室参事
  2名が未達成でございます。

○野村淳一議員
 先ほど答弁の中で、拙速にそういう人を雇ってもやっぱり職場環境が云々かんぬんという話がありました。それはそのとおりなんですけど、しかしやっぱりこれをこのまま放置できないですよね。とにかくある意味急がなきゃならないんです。スピーディーに全てをやっていかなきゃならないんですが、この障害者の皆さん、例えば2名なら2名を雇用するためにはどんな手続とどんな方法を考えてるんですか。

○若原喜直庶務課長兼参事兼行財政改革推進室参事
 今、市役所の仕事も中途退職者が多いとか、その原因の一つには、やはり仕事が年々大変になってきているという現状もあると思うんですよ。ですから、そういう障害者の方を配置するような場所をどこにするのかというようなことを検討するとともに、あとハローワークと連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。
以上です。

○野村淳一議員
 それとは別に、私が質問で言ったのは、例えば知的障害あるいは精神障害あるいは発達障害という方々、やっぱり環境になかなかなじめなかったり、コミュニケーションがなかなかとれない方もいらっしゃいます。そういう方々だからということにはなりませんけれども、正規の雇用、常用雇用だけではなくて、いわゆる臨時だとか嘱託だとかという形で積極的に雇用する工夫はできないのかということについてはいかがですか。

○若原喜直庶務課長兼参事兼行財政改革推進室参事
 確かに、議員おっしゃられるように正職員をすぐに配置するということが厳しいというふうなことが想像されますので、あらゆる手段をとってやっていきたいと考えております。

○野村淳一議員
 どっちにしても、急いであるいは具体的な対応をお願いしたいというふうに思います。

 時間もありませんから、広域紋別病院の雇用率については、昨年度の厚生労働省の資料によると、実雇用率3.02というふうになって、雇用率は突破している、達成しているというふうに思っているんですが、まず確認だけです。達成しているということでよろしいですか。

○牧野昌教広域病院連携推進室長
 平成29年から法定雇用率を超えて雇用しております。
 以上です。

○野村淳一議員
 わかりました。

 就労支援についてです。
 これもさまざまに拡大しているということで、非常に期待をしたいというふうに思います。グループホームなども新たな施設が整備されているということはお聞きしました。

 そして、これからも新しい施設がさらに整備され、建設されるという動きもあります。きのうもそういう議論もありました。しかし、その内容はあくまでも事業所が主体的に決めるものです。そしてその大前提は、障害者にとって一番ベターな環境はどうかというのが施設を建設しあるいはその内容を考えるというのは大前提です。まさに障害者ファーストということなんで、これを抜きにして、どんな施設をどこにつくるかなんて議論はすべきでないと私は思っています。

 その上で、障害福祉計画と総合戦略の違いについてお聞きしたいんですけど。

 もう一回聞きます、102人という数字、総合戦略で出てきたんです。もう一回具体的に教えてください。この根拠は何なんですか。

○高橋信好市長政策室参事
 お答えいたします。
 平成29年度の末の実績で62名の障害を持った方が事業所に通所されておりました。その後、いろいろと各事業所、それと企業も入った中で今後どんな展開が広がっていくのかということを企業といろいろと話し、学校ともいろいろ話をしまして、学校の卒業後の進路の傾向あるいは毎年入ってくる卒業生は何人ぐらいなのか、あるいは学校の目指すところは何なのか、企業の受け手側のニーズは何なのかということを把握した中で受入可能な企業だとか、あと先ほど答弁にもございましたけれども、15人定員のところが10名足らずの利用者数ということでございますので、それをフル活用させることで人数が増えていくということで考えております。
以上でございます。

○野村淳一議員
 私は、これ4月出たんだよ、3月に障害福祉計画が出たばっかりだったんですよ。そのときに73人なんですよ、平成31年度。それで今度改訂されたら102人になってるから、何なんだこれはと思ってるんですよ。

 今の答弁だったら、一般就労も含めてなの、そういうようなニュアンスを受けるんですが。だって今、就労支援事業所は紋別4カ所、就労移行入れたら5ですよ。定数何ぼですか、これ。80ないでしょう、ないですよね。これ102人というのは来年の目標なんですよ。定数がそれしかないのに、どうしてその数字が出てくるのかなと。

 実際、これを取り組むのは皆さん方じゃなくて障害福祉の事業所の皆さんなんですよ。そうなんですよ。その皆さん方がつくったのが73人という目標だったんですよ。これが102人。そういうような事業所の皆さんと打ち合わせしてるんですか、合意を得られてるんですか、これ。ちょっとそれを教えてください。

○高橋信好市長政策室参事
 お答えいたします。
 市内には、議員おっしゃられたとおり事業所が4つと移行支援事業所がございます。A型でもB型でも移行支援でも訓練という名のもとに、社長あるいは管理者、いろいろお話します。その中で、やはり一般就労に行けるお子さんだとか、利用者さんについては移行支援事業所を通して一般就労させたり、あいた部分についてはまたそこの事業所に入れてくというようなことを前提と考えているということで、密接に日々事業所、学校とは連携しております。
以上です

○野村淳一議員
 ちょっと私の質問に全部答えてないんです。答えてない。

○柴田 央議長
 休憩します。

○柴田 央議長
 休憩を解きます。

○高橋信好市長政策室参事
 事業所とは、常日ごろから連携をとって協議しております。

野村淳一議員
 間違いないの、それ。この102人という数字。みんな知ってるのか、これ。

 それと、もう一つ聞く。(質問時間が少なので、質問は)1回だよね。

 グループホーム、これ48床という目標なんです。何ですかこの床という数字、非常に違和感を感じた。床というのは病院です、ベッドのこと言ってんですよ。それはほぼ入院の患者なんです。

 グループホームは入院じゃないんですよ。ほぼ自立してるんです、障害者。どんな法律用語を見てもどんな文章を見てもグループホームに床なんて単位使ってるところ、どこにもないんですよ。私、これ見てさみしくなったよ。こんな認識かとも実は思った。あえて床と使ってるんですよ、これ。総合戦略の改訂版、この4月に出たばっかりだよ。これこのままでいいの、この認識で。ちょっと最後の質問。

○高橋信好市長政策室参事
 お答えいたします。
 床という部分につきまして、そぐわないというようなことなのかなと思いますけれども。厚生労働科学研究だとか障害者政策総合研究なんかでも満床という言葉をグループホームに使っておりますし、それと市内外の事業所さんともいろいろお話しさせてもらってますけれども、一部屋で2人入れてるときは2床と言ってますし、私的にはそぐわないということであれば今後考えていかなければならないのかなと思っておりますが、この4月の段階で異なっていたとは思っておりませんで、今後考えていきたいなと思っております。
以上です。

2018年12月28日金曜日

利用者に寄り添った生活保護行政を~2018年第3回定例市議会一般質問②

2、生活保護行政と要援護者支援について
①生活保護の現状と利用者との面談について
②ライフラインの停止などへの対応について
③生活保護の捕捉率向上に向けて
④学習支援費の支給について

〇野村淳一議員
 次に、生活保護行政と要援護者支援について質問いたします。

 今年7月29日札幌市のマンションでひとり暮らしの60代の女性が熱中症で死亡しているのが発見されました。発見時クーラーは作動しておらず、後に電気代が未払いのまま送電が停止されていることがわかりました。

 この女性は生活保護の利用者でした。この痛ましい事件がなぜ起こったのか、なぜ防ぐことができなかったのか、そして紋別市においてはどうなのか。まさにこの事件を人ごとにせず、しっかりとした教訓と対策を検討することが重要です。

 そこで、紋別市における生活保護行政のあり方について幾つかお尋ねします。

 まず、現在の生活保護の利用状況、現状についてお聞きします。生活保護の利用世帯数とその人員、生活保護の保護率とその推移、また生活保護の相談件数と利用開始件数及び廃止件数、そして世帯類型別の利用者数についてそれぞれお知らせください。

 札幌市での熱中症による死亡事故から2つのことが明らかになりました。

 1つは、ケースワーカーの面談回数が基準を下回っていた点です。報道によると、この女性には市のケースワーカーが3カ月ごとに訪問し、面談する必要があったものの、1月を最後に7月まで訪問していなかったのです。

 札幌市は、適切に訪問していれば熱中症は防げた可能性があったと述べています。

 そこでお聞きします。
ここで言うケースワーカーの訪問、面談の目的は何なのでしょうか。

 また、紋別市の場合、何人のケースワーカーで、何件程度の担当を持たれているのでしょうか。そして、ケースワーカーの面談、訪問はどのような基準を設けているのか、その実施状況はどうなのか、それぞれお聞きするとともに、札幌市の事件を踏まえケースワーカーによる面談に対し、どのような認識をお持ちかお尋ねするものです。

 札幌市の事件でもう一つ明らかになった点は、電気の停止というライフラインの問題です。

 そこで思い出されるのが、平成24年1月に起こった札幌市白石区での姉妹の孤立死の事件です。ここでも電気がとめられ、姉は病死、妹は凍死とされました。

 これらの事件を契機に、孤立死が社会問題化し、私も当時議会で取り上げました。そして、電気やガス、水道などのライフラインの停止は、命にかかわるだけに、国も道も早速要援護者に対する支援についての方針を示しました。

 それが平成24年2月と5月に国から示された地域において支援を必要とする者の把握及び適切な支援のための方策等についてという通達であり、これを受け北海道もまた、要援護者を地域で支える関係機関連携マニュアルを作成し、市町村におろしました。

 そこでは、電気、ガス、水道の滞納や供給停止などの場合、事業者は行政に情報を伝え、連携することが可能とするものであり、個人情報保護下のもとでもそれができるとしたものです。問題は、それがきちんと機能していたかどうかです。

 そこでお聞きしますが、この間事業者からのライフライン停止の情報提供はあったのかどうか、またこれら要援護者に対する把握と支援について及びライフライン事業者などとの連携、協議について紋別市はどのような対策をとり、どのような取り組みを実践しているのかお尋ねするものです。

 今年5月、厚生労働省は生活保護の捕捉率に関する数字を発表しました。それによると、所得が生活保護基準以下の世帯にもかかわらず、実際生活保護を利用している世帯はわずか22.9%というものだったのです。

 極めて低い捕捉率だと言わざるを得ません。この背景には、生活保護を受けるのは恥だとする意識が根深くあるように思えてなりません。さらに、生活保護の制度が正確に知らされていないがための偏見と誤解があるようにも思います。

 生活保護は言うまでもなく憲法第25条の生存権、いわゆる健康で文化的な最低限度の生活を送るためにこれ以上の貧困があってはならないという最低ラインを定めたものであり、その利用は国民の権利でもあるのです。

 捕捉率が低いということは、最低ライン以下の生活を多くの人が強いられているということを意味しており、捕捉率の向上は緊急に取り組むべき課題なのです。

 そこでお聞きします。
紋別市における捕捉率の現状とその認識についてお聞かせください。そして、捕捉率の向上に向け、必要な人に必要な保護と支援を提供するための対策についてどのように取り組まれているのかお尋ねするものです。

 いよいよこの10月から、生活保護基準額を最大5%の引き下げを段階的に実施する生活保護基準の改定が始まります。このような貧困の解消、格差是正に逆行する生活保護基準の引き下げは、到底認められません。

 そこでお聞きしたいのは、教育扶助における児童生徒の学習支援費の支給についてです。実は、この仕組みが10月から大きく変わることになります。対象の子供たちに不利益があってはなりません。その改定内容と支給漏れが起きないよう、生活保護利用世帯への周知についてお聞きいたします。

【 答弁 】

〇宮川良一市長
 次に、生活保護行政と要援護者支援についてであります。

 1点目の生活保護の現状と利用者との面談につきましては、平成30年8月末の生活保護利用世帯数は384世帯保護人員は524人であり、世帯類型といたしましては高齢者世帯が213世帯243人、母子世帯が26世帯77人、障害者世帯が40世帯52人、傷病者世帯が70世帯93人、その他世帯が35世帯59人、保護率は2.37%となっており、横ばいの状況となっております。

 面接相談件数と利用開始件数及び廃止の件数につきましては、平成29年度は面接相談件数78件、利用開始件数37件、廃止件数39件となっております。

 ケースワーカーの訪問、面談につきましては、要保護者の生活状況等を把握し、援助方針に反映させることや、これに基づく自立を助長するための指導を行うことを目的としております。

 本市は、ケースワーカーを5人配置し、ケースワーカー1人当たりの担当世帯数は77世帯であり、月平均30件の訪問調査を行っており、訪問基準につきましては世帯の抱える課題や生活状況に応じ毎月1回から年1回の訪問調査を行っております。

 多方面の支援を要する世帯、心身上の理由、自立に向けより多くの支援を要する世帯は積極的な支援が必要でありますことから、月に1回以上の訪問を行っており、施設入所者等安定した生活状況の世帯につきましては訪問頻度を低くしております。

 訪問調査実施状況につきましては、ケース訪問計画表の管理により、適正に実施しており、長期未訪問のケースはありません。訪問調査活動は、生活保護行政における中核的業務の一つとして認識しており、札幌市の事件も踏まえ、単身の高齢者、傷病者世帯を中心に熱中症予防や病状の確認に努めております。

 2点目のライフラインの停止などへの対応につきましては、供給停止に際して事業所からの情報提供は本人同意が前提となることなど実現には課題がありますことから、現状といたしましては、紋別市地域見守りネットワーク事業でライフライン事業所等と連携協定を結び、配送業務や検針において以前と比べて使用量が著しく少ないときや郵便物がたまったままの状態が続いているときには速やかに市に連絡するなど日常生活における異変や問題を早期に発見するための対策をとっております。

 そのほか、生活困窮者自立支援事業では、生活に困窮する方に対する相談、訪問支援業務を実施し、世帯の状況把握に努めております。

 3点目の生活保護の捕捉率向上につきましては、本市の捕捉率も国の推計と同様の2割程度と認識しております。

 なお、捕捉率の向上と支援を提供するための対策といたしましては、民生委員等地域からの情報提供を踏まえた連携をはじめ、申請の意思のある方に対し、保護のしおりの活用等により、制度について正しく理解されるよう十分に説明を行い、申請権を侵害しないことはもとより、個々のプライバシーに配慮し、必要な方が支援を受けられるよう、相談内容に応じた懇切丁寧な対応を継続してまいります。

 4点目の学習支援費の支給につきましては、生活保護基準は社会保障審議会生活保護基準部会における検証結果を踏まえた見直しが行われ、本年10月1日から改定されます。

 このうち、教育扶助等として支給している学習支援費につきましては、これまで家庭内学習費用や学校のクラブ活動等に要する費用に充てるものとして毎月一定額を対象者に支給してきたところでありますが、教科外活動費用の充実に向けた今回の改定により、学習支援費の対象を学校のクラブ活動や課外の部活動のほか、地域住民や生徒等の保護者が密接にかかわって行われる活動等に要する費用を対象として、これまでの月単位による定額支給から年度単位の実費支給に変更となります。なお、これまで学習支援費の対象としておりました家庭内学習費用につきましては、生活扶助の児童養育加算において対応することになります。

 また、学習支援費の支給事務に当たっては、対象者の負担軽減を念頭に、領収書等の提出を受けた後に支給する事後給付の方法のみならず、各学校からの案内等により必要な費用が事前に確認される場合は事前給付の方法も可能としております。

 制度改正の周知につきましては、対象世帯への文書による通知や訪問調査時における説明のほか、各学校や教育委員会に対しましても説明周知を行ってまいります。

【 再質問 】

〇野村淳一議員
 生活保護について質問します。

 保護率そのものは横ばいだというお話でした。そして、ケースワーカーは1人77件程度と、国の法律上では80件を大体の基準ということですから、それ以下ということなので何とかケースワーカーの皆さんも一人ひとりに対してきちんと対応されてるのかなという実感を受けましたんで、ぜひこれからも、大変な仕事であることは間違いないんですけども、非常に福祉のエキスパートとしてさまざまな人生を送られてきた方々たくさんいるわけです、生活保護利用者、その方々の人生の伴走者として、誇りある仕事として取り組んでいただきたい。大変な仕事だと思ってますんでエールを送りたいと思っております。

 ライフラインの問題なんです。
私は電気の停電の問題を取り上げました。実は、図らずもこの6日の日、全道全域停電という形になりました。

 きのうの市長の行政報告の中でも、要援護者に対して直ちに訪問だあるいは電話で安否確認を行ったというふうに報告をされておりました。

 この6日の停電に当たって、要援護者に対して実際どのような対応をされたのかお聞かせください。高齢福祉、障害福祉、生活保護、それぞれ教えていただけませんか。

○山本晃男介護保険課長兼参事
 お答えします。
 まず、要援護者の定義はいろいろ難しいかとは思うんですけども、まず介護保険課高齢者の担当につきましては65歳以上の1号被保険者、ちょっと細かい数字ではないんですけどもおよそ7,800人おります。

 その中で、要介護認定者が1,600人程度、そして毎月サービスを受けてらっしゃる方が1,200人程度いらっしゃるので、まず連絡のとれる介護事業者につきましては自分のところのお客さんの安否確認等々お願いすると。

 私どもとしましては、避難行動要支援者名簿の届け出があった方に対しまして電話連絡及び電話がつながらなかった方に対しては訪問を行って、訪問もなかなか会えない方については親戚だとか介護事業者だとかに連絡をとりながら全件安全を確認させていただいたと。

 翌日の7日につきましては、避難行動要支援者名簿の中の対象者に対しまして、避難所の開設等々の情報提供を行ったと、それと保健福祉部全体としましては市民生活部と共同で民生委員あと町連協、市老連に対してそれぞれ事務局に対して避難所の開設を行っているので、各会員に対して連絡をしていただきたいというようなことで周知をお願いしたところでございます。
以上です。

○飯田欣也社会福祉課長兼臨時給付金対策室参事
  障害の関係、ちょっと述べさせていただきます。
今回、停電というような形でありましたものですから、まずは、特に停電になった際に時間的余裕がないケースというのが考えられまして、どういうことかといいますと、在宅酸素療法と言われるような方々になるんですけども、呼吸器障害のある方の中で電動の酸素供給装置というのを利用されているというような方が、こちらの方をまずリストアップさせていただきまして、この対象者の方に電話で安否確認をさせていただくということで、つながらない場合は自宅訪問をするということですね。

 その際、酸素ボンベの予備についての確認をさせていただきまして、残量に余裕がないのであれば病院に行っていただくというようなことで、病院に行く手段あるいは支援者を確保できるのか否かというような形で、その人たちのほうを確認させていただいております。

 優先させる順番としましては、先ほどの高齢者の部分とも重複しますけども、事業所などの福祉サービスのつながりを持っていない方をまず先に優先させていただきまして、単身の方を先に、その次は家族がいる方、この次に事業所に全体的な確認というのをさせていただいております。

 翌日は、また追跡で、同じ方にまたご連絡をさせていただいて、さらに事業所のほうも再確認をさせていただくような形をとっております。
以上でございます。

○大平一也社会福祉課参事
 お答えいたします。
 生活保護の受給世帯の対応についてでございますが、まず6日の日でありますが、生活保護を受給されている世帯及び申請中の世帯も含めまして単身高齢者、単身傷病者を優先順位を高いところからまず担当ケースワーカーがそれぞれ電話連絡により確認を行い、電話連絡がとれなかった人については直接訪問して安否確認を行っております。
 
 翌日の7日につきましても、前日安否確認がとれなかった世帯に対して、再度電話、訪問等をいたしまして、避難所の設置の状況ですとか不安定な送電状況等の説明、あと生活状況の把握に努めております。生活保護世帯に対しては、特に問題はありませんでした。
以上でございます。

○野村淳一議員
 突然の停電でしたので、本当に皆さん方も戸惑ったと思いますし、しかしこういうことも起こり得るということで、要援護者に対する支援、いろんな取り組みされたと思いますし、いろんな教訓もあったんだろうと思うんですね。

 私、後から聞いて、障害者の方ですが、全く情報がないんですよ、電気切れて。テレビが見えない、ラジオもない、スマホなんか持ってない。何で停電してるかもわからないままずっと1日、そして結局夜まで食事がとれなかったという方もいらっしゃいました。

 皆さん努力されているんで、全部が全員に安否確認できたかというと、それはなかなか難しいところもあると思うんだけど。だけど例えば、高齢でいえば事業所もありますし包括もあります。障害でいえば、もちろん事業所やそれから相談支援センターもあります。

 そういうところとしっかりとネットワークをとって、そういう仕組みづくりというのか、これからやっぱり検討していく必要があるんじゃないかな、それも今回の一つの教訓ではないのかなと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 それと、捕捉率の問題なんです。
今、市長の答弁でも、全国的に生活保護を受けられるのに受けてない方が8割いるんです。紋別も同じような状況ではないかというふうにご答弁がありました。

 これは、大変な問題なんです。ですから、皆さん方も、これもう全庁上げてそうなんですけど、8割ぐらいの方が保護を受けられるのに受けてないということをしっかりと認識を持っていただきたい。

 もちろん、福祉の関係の高齢も障害もそれから生活保護あるいは母子家庭もあるいは水道も住宅も、いろんな形で生活に困窮されている方、直接会うことがたくさんあると思うんです。

 相談も受けると思うんです。だけど、実際は保護受けられるかもしれないんですよ。そういう可能性のある世帯がたくさんいるんだということを、ぜひそういう緊張感を持ってあるいはそういう認識を持って皆さん行政に当たっていただきたいし、市民に対してもそういう認識で相談事やいろんな悩み事に取り組んでいただきたいというふうに思いますが、それについていかがですか。

○大平一也社会福祉課参事
 お答えいたします。
当然、生活保護を受給されて相談に来られる方については、直接窓口のほうで懇切丁寧に対応しているんでありますが、事前に生活に困窮されている方につきましても、民生委員さん等との情報ですとか水道部局、関係部局等とも綿密に連絡をとりながら対応してまいりたいと考えております。

○野村淳一議員
 とりあえず、よろしくお願いしたいというふうに思います。

 それから、学習支援費です。

 この10月から生活保護基準が下げられるんです。前回、私この問題も取り上げたときに、前回の市長の答弁では、子育て世帯38世帯のうち12世帯がこの10月から保護費が減額になる、引き下がるんですよ。こういうことが実際起こるんですね。

 こういう子供の貧困をどうするかと言ってる時代に、こういうことが実際国の制度によって引き起こっていると、大問題だと私は思うんです。

 学習支援費についてです。今、ご答弁があったように、実費負担になるんですが、そういういろいろ問題もあるんですが、これまで学校でのクラブ活動だったものがそれだけではなくて地域住民、保護者が密接にかかわる非営利のそういう活動にもこれが使えるんじゃないかというような話ですね。紋別的には具体的にどういうものを想定していますか。

○大平一也社会福祉課参事
 お答えいたします。
学校外のクラブ活動ということでございますと、例えばサッカー少年団、野球少年団とかの活動ですとか、あとは社会教育のほうになりますが、各種ボランティア活動を一生懸命やっているお子さんなどに対しても経費がかかる部分については対応になるというふうに解釈しております。

○野村淳一議員
 ぜひ、その範疇をできるだけ子供たちの自主的な活動に広げていっていただきたいと思いますし、ぜひ周知をしていただきたいというふうに思います。





医師確保と地域医療の今後~2018年第3回定例市議会一般質問①

1、地域医療について
①広域紋別病院の医師確保について
②「北海道地域医療構想」について
③保健・医療・福祉の連携と今後の地域医療について


○野村淳一議員
 お疲れさまでございます。最後となりました。おつき合いください。

 私も議員生活長いんですが、一般質問で10人というのは初めてのような気がします。活発な議論が続いていると、議会の活性化を実感しています。これが続けていければなと思っているところです。

 さきの地震で亡くなられた方々にご冥福をお祈りするとともに、被災された方々に心からお見舞い申し上げたいと思います。

 私も、さきに通告いたしておりました順に従い、質問させていただきます。

 まず最初に、地域医療について質問いたします。

 この7月、広域紋別病院の総合診療科の医師が退職し、診療体制の変更、縮小が余儀なくされ、市民の負担と不安もまた広がっています。一刻も早い診療機能の回復が望まれますが、まずその現状と今後の見通しについてお聞かせください。

 いずれにせよ、病院を安定的に維持するためにも医師の確保、招聘に向けた取り組みの強化が何より重要です。広域紋別病院における医師体制確立に向けた見通しと今後の取り組むべき方向性について、どのようなお考えをお持ちかお尋ねするものです。

 次に、北海道地域医療構想についてお聞きします。
この医療構想は、2025年度に向け各地域で必要となる病床数などを定めたもので、遠紋地区では1,210床から432床削減し778床に、実に36%もの削減計画となっているものです。これは道による極めて一方的な数字であり、誰もが必要な医療を受けられ安心して住み続けられる地域づくりに逆行し、医療難民を生み出すもので到底看過できません。

 宮川市長もさきの私の質問に、この内容は地域医療の崩壊につながると指摘をしておりました。しかし、道は、その推進、実施に向け着実に駒を進めています。8月23日には、紋別保健所による北海道地域医療構想実現に向けた地域説明会も開かれています。

 そこでお聞きします。
この間、北海道地域医療構想に伴う調整会議や分科会などが実施されていると思いますが、実際どのような議論がなされ、どのような現状にあるのか。その上で紋別市はどのような主張や意見を述べているのかをお聞かせください。

 さらに、今後の展開、スケジュールはどうなのか、地域医療構想への見解とあわせお尋ねするものです。

 また、広域紋別病院としての北海道地域医療構想への見解もあわせお聞きいたします。

 少子高齢社会を迎え、誰もが安心して住み続けられる紋別市をつくることは何よりも大切になっています。市民の安心は医療から始まる、これは市長の言葉です。医療機能の充実は何より最優先課題と言えるものです。

 同時に、限られた社会資源の中、医療と保健、介護、福祉との連携はこれまでにも増して重要になっています。一方的な病床削減を迫る地域医療構想に抗するためにも主体的な紋別市版の医療・保健・福祉の連携構想を持つことが何より必要だと考えます。

 そこでお聞きします。
これまで紋別市では、保健・医療・福祉連携推進事業という取り組みが行われてきました。そのもとでグランドデザインの構築、ワーキンググループ会議やワークショップの開催などが実施されてきました。現段階で、これらの事業の到達と成果、評価についての見解をお聞きするとともに、今後この事業の方向性と継続についての考え方をお尋ねします。

 私は、これまでの保健・医療・福祉連携推進事業の成果を引き継ぎながら、今日の現状に即した新たな連携会議をもっと広い視野で、もっと公開された形で展開できないかと考えます。

 7月には、休日夜間急病センターに新しいセンター長が赴任し、既に広域紋別病院との連携も強化され、新たな動きも始まっています。

 この地域全体のあるべき医療の姿、将来に必要な医療の形、保健、福祉との連携を含め文字どおり地域全体で考え、学び、議論し、行動する場をつくることが重要ではないかと考えます。市長の見解をお尋ねするものです。

【 答弁 】

○宮川良一紋別市長
 それでは、野村議員のご質問にお答えいたします。

 初めに、地域医療についてであります。

 1点目の広域紋別病院の医師確保につきましては、広域紋別病院では本年8月より総合診療科の常勤医師1名が退職したことに伴い、診療体制が縮小されましたが、現在派遣会社などを通じて内科の非常勤医師を複数名招聘し、主に外来患者の対応を中心に診療しております。

 その中でも、地域の医療ニーズに合った医師には、定期的な診療応援を依頼し、常勤化につながるよう招聘活動を実施するとともに、9月中旬に医師が退職する循環器内科につきましては10月から週に3日から4日ではありますが非常勤医師による外来診療のめどが立ったと聞いております。

 診療体制の縮小につきましては、かかりつけ医と二次医療機関である広域紋別病院の役割を明確化するため、市内開業医の先生と話し合いをしたところであり、内科医師の体制が整った段階で従前同様の体制に戻ると聞いております。

 また、本年4月より1名減となった消化器内科につきましては、外科の手術件数や入院患者の減少など、経営に大きな影響を及ぼしていることから、来年4月から2名体制の復元を札幌医科大学消化器内科学講座に対し強く要請しております。

 このほか、来年度の常勤医師体制に向け、医育大学をはじめ、北海道東京事務所、民間医師紹介会社を通じ常勤医師の招聘に積極的に取り組んでいると聞いております。

 2点目の北海道地域医療構想につきましては、本年8月23日の北海道主催の説明会では、過剰な病床機能からの転換に対する考え方や非稼働病床の取り扱いなどの項目について病床機能の転換に伴う補助制度を踏まえ意向調査を実施し、医療機関ごとの具体的な対応方針を協議する予定との説明がなされました。

 また、今後のスケジュールは、意向調査の共有及び構想の推進状況の確認作業を毎年度実施した上で調整会議にて決定していきたいとのことであります。

 国は、今後必要とされる医療は病院完結型から地域全体で支える地域完結型であり、地域包括ケアシステムづくりの推進を目指しておりますが、受け皿となる在宅医療や介護保険の各サービスとともに支える人材も不足している地域にとっては地域医療構想は国が示す基準に基づき算出された必要病床数が地域の実情に配慮されたものではなく、拙速な病床数削減が医療難民や介護難民を招かぬよう十分地域の実情に配慮されたものでなくてはならないと訴えており、現在も私の考え方は変わりはありません。

 また、広域紋別病院からは、患者のニーズと需要は依然として高く、医師の偏在問題が国において解決されない中で、こうした医師不足による現状の診療実績を病床削減ベースとした本構想に対しては積極的に応じる構えはなく、今後これらの問題を踏まえた議論が地域医療構想調整会議で進められ、関係機関全体で慎重な調整が図られるべきものと考えている、当院としても国に対し北海道自治体病院協議会などの関係団体を通じて必要な要請を行うとともに、引き続き医師の確保や医療の質の向上に努めながら、病院経営の面からも将来を見越した対応を進めてまいりたいとの見解をお聞きしております。

 3点目の保健・医療・福祉の連携と今後の地域医療につきましては、保健・医療・福祉連携アドバイザーの見識を生かし、ワーキング会議を中心に脳卒中及び心疾患患者の直接搬送体制の確立と発達障害に対応するための子育てサポートファイルの作成などを行ってまいりました。

 また、市民の方々に医療に関する理解を深めていただくため、東京大学や北海道大学の医学部教授などの医師に加え、広域紋別病院長や遠軽厚生病院長を招いた市民フォーラムの開催、そして医療の不足していた部分を補うため救急レベルの向上を目的として聖路加国際病院の救命救急センター長を招いて救急搬送事例の検討を行ってまいりました。

 本年10月には、北海道大学産婦人科医局の法人化団体である一般社団法人WINDが主催する妊産婦救急を想定した基礎的なトレーニング講座を市も共催して初めて道東地域で開催する予定であり、これらの事業は本市にとって一定の評価に値すると考えております。

 また、今後につきましては、本年7月に採用した服部休日夜間急病センター長兼保健センター長が現在当該地域の医療状況及び生活習慣病の重症化予防の把握に努めており、前任地で保健や福祉関係者とかかわりながら救急医療部門を立ち上げた経験を生かしていただき、保健・医療・福祉の連携を推進していくためセンター長を中心に議論を進めてまいります。

 なお、広く市民の方々に参加していただく取り組みといたしましては、市民公開講座やシンポジウムなどを開催し、課題解決に向けた先進地事例や進むべき方向性などを地域全体で情報共有してまいります。

【 再質問 】

○野村淳一議員
 ありがとうございました。
 それでは、何点か再質問させていただきます。

 最初に地域医療の問題です。
総合診療科の医者が退職し、そして9月には循環器内科の先生も退職をします。今、市長の答弁で何とか綱渡りのような印象ですが、医療、診療を何とかしのいでいっているという印象を持ちます。

 どちらにしても、病院も市長を先頭に医師の確保のために精力的に頑張っているんだなということは実感いたしますので、それはそれでぜひこれからも続けていっていただきたいと思うんです。

 ただ、私は、長期的に医者を安定させていく必要が考える必要があると思っています。こういうような形で毎回毎回、私も毎回同じことを質問してるんで、恐縮なんですよ。まだ市民が不安ですから、質問せざるを得ないんですけど。

 長期的にどうやって医者を安定的に確保するかということが、やっぱり戦略として持つ必要があるんだろうなというふうに思ってます。

 医者にとってこの紋別の、広域紋別病院だけじゃありませんけども、本当に医者にとって働きがいがある病院だ、それから学びがいがある病院だ、そして暮らしがい、住みがいがある地域だというような、そういうような全体像というものを構築する必要があるんだろうなというふうに思っています。

 私はその意味からも、先ほど市長がおっしゃった、この紋別で地域医療に対する総合的なプランというものをつくっていく、これがどうしても必要だろうなと思っています。

 そういう中で、この医者の長期的な確立というのも当然そのプランの中に入るんだろうなと思っています。

 私も服部センター長とお会いをして懇談をさせていただきました。さまざまな実践とさまざまな経験を持たれている方で、私も期待をしたいと思っています。

 さきの議会での質問で市長は、このセンター長の役割について、これからの地域医療の方向性を示す中心的な役割を担っていただきたいと、こう述べておりました。まさに、そういうような取り組みになっていくんだろうなというふうに思います。

 改めてお聞きします。そういう医師の確保、長期的な、安定的な医師の確保を含めて、改めて道が進める地域医療構想、これに抗するためにも紋別における新たな地域医療構想、紋別における連携構想というのをそのセンター長を中心にしっかりとしたものをつくり上げていく、その日程を、そのプログラムをしっかりとつくる必要があると改めて思います。ご答弁いただけませんか。


○大野貴光保健福祉部参事兼広域病院連携推進室参事
  お答えいたします。
7月にセンター長が来られて、今うちの急病センターにも当然入られてますし、広域病院のほうにも月何回か行って応援という形で、いろいろと診療しているところなんですけども、まだ地域の実情、7月に来たばっかりですんで、なかなか全体を把握し切れてないという部分もあります。

 医療を進めていくということですけども、やっぱりある程度保健センター長ということでもあり予防部分、福祉の部分というようなところとも不足する部分というんですか、ある程度総合的に把握していただきたいというところで今考えてます。

 今、答弁の中で市民公開講座やシンポジウムなどで取り組みについて発表する機会をという答弁があったかと思うんですけども、そのような中でプランが必要かどうかというところなんですけども、その辺は今本当に来たばっかりであれですんで、必要があれば服部センター長とも協議しながら進めてまいりたいと考えてます。
以上でございます。

○野村淳一議員
 確かに、人口減少、少子高齢そして紋別の場合は1次医療もどんどん縮小してきているんですね。こういう問題は、やっぱり直視しなきゃならないし放置できない問題だというふうに私も思っていますよ。

 だからこそ、そういう形なり全市的な協議が必要ですし、今それぞれの分野で抱えている問題意識を共有するというところもまずは出発点だろうなと思ってますんで、そういう場をぜひつくっていただきたいというふうに思いますんで、よろしくお願いしたいと思います。


12月議会の一般質問から③

 今年は10月ごろから灯油が急騰し始めました。リッター100円を超える状況が続きました。

 それを受け、今回の一般質問では「福祉灯油の実施」を求めました。

 北海道経済局の調べでも、徐々に価格は下がってきているといっても、12月初旬まで道東地区の灯油の配達価格は100円を超えていました。

 市の担当でも、100円を超えたころから「福祉灯油」の実施に向け検討を開始していたようです。

 しかし、灯油価格は下がり始め、答弁では「状況を見定める」というもの。

 とは言っても、高いことには変わらないのです。臨機応変の対応が必要です。

 合葬墓についても早期の整備を求めました。この問題は、私の想像を超えて多くの市民から強い要望をいただいていたものです。それだけ、深刻で重要な課題です。

 先の質問の時にも、合葬墓は選択肢の一つとして、積極的に検討する旨の答弁があったのです。ところが今回、あるお寺が合葬墓を整備していたことが分かったとして、トーンを落としたのです。それも、市が認可の許可をしていたというのです。

 いまさら、びっくりです。市民は紋別市に北見市のように合葬墓はないのかと問い合わせをした際、「紋別にはない」と言って帰しているのです。だから、紋別にも合葬墓を作ってほしいと強い要望が高まっているのです。

 それをいまさら、紋別にも合葬墓はあった、とは、びっくりです。

 これはどういうことか、とただすと、市の担当者は「申し訳ない」と謝罪したのです。そのうえ、民間に合葬墓があるので公設の合葬墓まで必要なのかどうか検討したい、というのです。

 とはいえ、ある寺院にある合葬墓です。宗教や宗派の違いがあるでしょう。それに戸惑いと違和感を持つ人もいるでしょう。

 やはり公設の合葬墓が必要でないのか。私は、紋別市による合葬墓は、紋別市民のお墓だ。紋別で生まれ紋別で亡くなる人も、紋別に嫁いできた人も、紋別に縁あって働いてきた人も、紋別市民として紋別市民のお墓に収める。紋別を愛した人たちのお墓、それが紋別市営の合葬墓の役割だ、と訴えました。

 このやり取りが地元の新聞に掲載されました。すぐに、ある市民から、やはり公設での合葬墓をつくってほしい、という電話をいただきました。

 今後の市の動きを注視したいし、これからも合葬墓については取り上げていくつもりです。

 一般質問の最後に、就学援助を取り上げました。就学援助の中の入学準備金の支給について、確認したかったのです。

 中学1年生の入学準備金は今年から6月支給から2月支給に改善されました。残るは小学1年生です。

 市教委も、来年度の2月支給を目指すとしていました。それを確かめたところ、その実施に向けて準備を進めている、との答弁。
 
 2年越しの追及が、やっと実現しそうです。

12月議会の一般質問から②

 高齢者福祉と介護保険では、成年後見センターについても取り上げました。

 やっと紋別市でもセンター設立に向けた準備会が立ち上がりました。その進捗と今後の見通しをただしました。

 私もこの間、市内の弁護士との意見交換や北見市、名寄市の成年後見センターの視察などを重ねてきました。

 それは、お年寄りや障害者の金銭管理や契約にとどまらず、権利を擁護し尊重する役割を担う部署だということを実感してきました。

 それだけに、早期の設立を望んできましたし、市民後見人の養成と法人後見の受任を求めてきました。

 答弁では、来年の5月開設をめどに準備を進めていること、市民後見人や法人後見についても実施に向け検討する、というものでした。委託先は社協となります。

 そこで私は、これまで社協は、日常生活自立支援事業や生活困窮者自立支援事業を担ってきた。そこに今回成年後見制度の事業が加わることになる。これらは、一体的な事業であり、それだけに社協の役割は大きくなる。だからこそ、委託したからと言って社協任せにせず、市もしっかりサポートししっかり支援する体制が必要だ。と指摘しました。

 もう一つ介護保険で取り上げたのは、介護保険料の減免制度についてです。

 皆さん、この制度、ご存知でしょうか。

 単身者で年間の収入が120万円以下で貯金も120万円以下の人は、第一段階の介護保険料に軽減されるというものです。

 二人世帯の場合は収入が170万円以下、貯金も170万円以下の場合、これも第一段階の保険料に軽減されます。

 介護保険料は今年も値上げされました。これからもますます増加するでしょう。ですから、この減免制度はきわめて有効です。大いに活用すべきなんです。

 ところが、ほとんどの人が知りません。その該当になっている人でも、知らない人が多いはずです。

 私は、この利用状況と対応についてただしました。

 答弁では、この3年間で減免制度を利用した人は11人だというのです。年間3・4人程度です。

 年金収入120万円以下というのは介護保険料の第2段階にあたります。

 年金収入170万円以下といえば、第3段階に入る人もいます。

 そこで私は、第2段階の人は1000人以上いるはずだ。なぜこんなにすくないのか。この減免制度に該当すれば、第2段階の人は年間8600円、第3段階の人なら年間16700円以上安くなる。年金も減らさ、苦しい暮らしを強いられているお年寄りの立場で、もっと積極的に活用を進めるべきだ、と訴えました。

 課長は答弁で、申請に基づくものだが、これからはあらゆる面で周知の改善に努める、と述べました。

 これからの市の取り組みを注視したい。同時に、私も積極的に知らせていくことが大切だと実感した。

12月議会の一般質問から①

 今回の一般質問は、地域医療、高齢者福祉と介護保険、福祉灯油、合葬墓、就学援助を取り上げ、生活弱者への支援を中心に市の考えをただしました。

 地域医療では、これまで多くは広域紋別病院の医師確保などを中心に訴えてきましたが、今回は一次医療、開業医の課題について取り上げました。

 私の記憶でも、この紋別市からいくつもの民間病院が姿を消しました。近藤病院、塚越医院、白松医院、平岡医院、岡和田医院など。これからも開業医の高齢化などにともない、減ることはあっても増えることは難しい現状です。

 でも、身近な医療、かかりつけ医としての医療ー一次医療の存在は決してなくしてはいけないし、広域紋別病院の負担を軽減し共存するためにも、一次医療・開業医への対策は必要だと考えてきました。

 そこで目に入ったのが稚内市や士別市で実施している「開業医誘致助成制度」でした。両市を視察して、その必要性を実感してきました。実際、稚内市では5つのクリニックが、士別市では3つのクリニックが、この制度で誕生しているのです。

 今回の質問では、これらの例も紹介し、市内の開業医の現状認識と、開業医誘致制度の実施を求めました。

 答弁では、稚内市や士別市と、紋別市における一医療機関当たりの人口は2200~2400人と同水準である、などととってつけたような数字を並べ、誘致制度の実施を見送るとしつつも、最後には「将来的には一次医療の減少も想定されるため、助成制度も含め研究する」と答えました。

 これから紋別市も確実に、開業医の減少は想定されています。今から現実を直視し、対策を打つことが必要です。誘致制度のような積極的な対応こそが、医療関係者の関心を集めることにもつながるはずです。

 地域医療では、在宅医療についてもただしました。高齢化が進む中で、在宅医療の必要性は増していきます。市内の医師の中にも、在宅医療に関心を持っている方も存在してます。それだけに、紋別市のイニシアが大切だと考えてきました。

 今回の質問では、在宅医療に対する認識と現状、今後の対策をただしました。

 答弁では、市内の一医療機関が在宅療養支援病院として機能している、と述べました。とはいっても、介護施設への診療を中心としているもので、いわゆる在宅医療・訪問診療とは性格を異にしています。

 そのうえで市長は、今年就任した急病センター長を中心に、在宅医療を含めた地域医療体制の構築に努めたい、と答弁しました。

 具体的な成果はありませんでしたが、一次医療についても、在宅医療についても、その必要性と問題意識を提起できたのではないかと思っています。


 高齢者福祉と介護保険の問題では、これまで多くは介護保険事業の問題、要認定者への対応などを取り上げてきました。これを今回は、その前の状況、介護予防の取り組みについて取り上げました。

 誰だって年をとっても、最後まで元気でいたいと願います。そのための努力もしています。そんなお年寄りをもっと応援し、支援する手立てが必要だと思ってきました。
 
 電球を取り替えたり、庭の草を刈ってくれたり、ちょっとの買い物や散歩に付き合ってくれたり、布団を干してくれたり。実は、そんなことができなくなっているのが現実です。そんなちょっとしたことができないために、孤立したり、引きこもったり、生活があれてきたり。

 でも、ちょっとしたそれらのことが、誰かの手助けでできるのなら、きっともっと生活は楽しくなるし、生き生きできるはずです。
 
 それを実践している例が道内にもいくつもあります。「住民参加型在宅支援サービス」と言われるもので、有償でのボランティア活動が行われています。

 紋別市でも検討できないか、提案しました。

 また、これまた多くのお年寄りを訪ねた時に感じることですが、交通の問題、外出の足の問題があります。

 紋別は山坂の多い街です。大山町、緑町、花園町、汐見町、そして落石町。坂道のため、外出が容易でないのです。危険なのです。タクシーではお金がかかるのです。福祉タクシーは介護度1以上でなければ使えないのです。

 だから、自然と家に引きごもりがちになる。孤立してしまうのです。

 これをこのまま放置していいのか。見て見ぬふりでいいのか。何らかの手立てはないのか。乗り合いタクシーやデマンドバスなど、もっと工夫する必要があるのではないのか。

 今回の質問は、この問題も取り上げました。

 どちらの答弁も、課題としては認識しているが、今後も計継続して研究する、というもの。

 介護給付費が増え、保険料も値上げし続ける現状にあって、元気なお年寄りをしっかり支える施策こそ、これからますます重要な課題になるでしょう。

 今回の私の質問が、その問題提起となってくれれば良いのですが…

2018年12月14日金曜日

大事にしたい現場の重い

 12月13日に12月議会が終わりました。ちょっと、ほっとしています。

 今回も一般質問に立ちました。地域医療の問題、高齢者福祉と介護保険、福祉灯油の実施について、合葬墓の整備、そして就学援助の小学1年生の入学準備金の早期支給問題。

 これでも項目を絞った方ですが、やはり時間が足りなくなります。

 そして今回も、質問の準備の為に多くの方にお話をお聞きしました。

 紋別地域訪問看護ステーションにお邪魔しました。じっくりお話を伺うのは初めてです。

 滝上町や興部町、雄武町を含め15人ほどのスタッフで定期的に医師の指示に基づいて患者さんを訪問・診察しています。

 在宅で暮らす患者さんにとって、訪問してくれる看護師さんの手当はどれほど心強いことか。

 まさにここには在宅医療の現場、在宅での暮らしと健康を支える要、だと感じました。そして、在宅医療・訪問診療の必要性と重要性を実感しました。

 紋別市包括支援センターにもお邪魔しました。広く認知症対策や介護予防などの業務を担っています。

 センターに作業療法士も加わり、運動での機能維持などに力を入れています。誰もがいつまでも健康で元気に暮らしていけるようにと、努力と工夫が続いています。

 紋別医師会にも顔を出しました。ここでは、現在の市内の開業医の状況と今後の動き。在宅医療の役割と必要性などを大いに議論できました。

 そして、大きく紋別の地域医療の方向性などにも話が及びました。

 紋別の地域医療を土台で支えてきた開業医の存在をもっと生かしていかなければ、と実感しました。

 社会福祉協議会にもお邪魔しました。設立に向けて準備が進んでいる「成年後見センター」について意見交換できました。

 社協が市の委託を受けてセンターを運営することになります。初めての試みです。配置する人材の確保を含め、検討課題はいっぱいです。

 それでも、まずはオープンすることが大事。来年5月にはオープンをめざしたい、と話されました。

 権利擁護の砦として「成年後見センター」の活動に期待したい。

 現場の話を聞くことは、勉強になり刺激になります。そして何より、力になります。

 これからも、現場の声、現場の思いを大事にしたい、と思います。

 この皆さんの思いを、今回も一般質問に込めたつもりです。その内容は、また後日…

市議会の視察に行ってきました~あわら市,越前大野市、湖南市

 11月の11日から17日にかけて市議会福祉文教常任員会の行政視察に行ってきました。

 今回は、福井県あわら市と越前大野市、そして滋賀県湖南市の3か所です。

 感想を含め、視察の内容を紹介します。

 あわら市では『認定こども園』の取り組みについて視察しました。


 特に、あわら市では小1プロブレム(幼稚園・保育所から一気に環境の違う小学校に入学し、不安や戸惑いから不安定になる児童)を解消するために、認定こども園と小学校との連携を強化しています。

 そのために、平成27年に市内すべての幼稚園・保育所を一気に『認定こども園』に改編し、5歳児の料金を無料にしたのです。

 その結果、市内ほぼすべての児童が「こども園」に入園し、連携する小学校との交流を強めてきたといいます。

 この日、訪問した「伊井こども園」でも、隣の伊井小学校の教諭が見学に来ており、小学校に入学してもスムーズな対応ができるようこどもたちの様子を見守っていました。


 紋別市でも「小1プロブレム」は課題となっています。一つの方向性を感じました。


 次の越前大野市では、「結いの故郷づくり交付金事業」について学んできました。

 これは、各地域・各町内での自主的な取り組みを支援するために設けられた補助金事業で、高齢化や過疎化が進む中で、「地域活力の維持」と「地域の活性化」を目的に設立されたものです。

 登山道の整備やイベントの開催、特産物の開発など内容は様々です。


 地域の活性化には一定の効果はあるものの、やはり人材の育成が課題とのことでした。

 でも、積極的な地域づくりの取り組みには違いありません。

 実はこの街、10数年前にも視察で来たことがあります。その時は一人でした。古い街並みを生かした商店街の活性化がテーマだったように気がします。

 その時の面影を探して街並みを歩きました。やっぱりありました。松の木が印象的だった旅館、西洋風の建物を生かした博物館、あのときのままでした。

 最後に訪問した湖南市は「発達支援システム」についてです。

 「発達障害」という言葉さえ、それほど一般的でなかった時代から発達支援に取り組んできた街です。

 幼児期から小中学校・高校、そして青年期と一貫した支援をつづけているのです。

 それを可能にするために庁舎内に「発達支援室」を設け、保健、福祉、教育、就労、医療を横断し、それぞれの分野と連携を作っています。



 ひとり一人に応じた支援を継続的に行うことが求められている今、大いに参考になる取り組みでした。

 それにしても、説明してくれた担当者の熱量は熱かった。自信と誇り、そして使命感を感じました。


 先日開催された福祉文教常任員会で、今回の視察での感想をみんなで述べあい、今後の市政にどう生かすか、協議を行いました。行きっぱなしでなく、それをまちづくりに生かす努力こそ、必要ですね。


2018年11月10日土曜日

「秋の施設見学会」を開催

 野村淳一の後援会活動として、今年初めて「秋の施設見学会」を開催しました。

 紋別市にも新しい施設ができていますが、ひとりではなかなか見学できないもの。

 そこで、後援会行事として「施設見学会」を企画したわけです。

 今回、見学する施設は「紋別市生涯学習センター」と「モンベジタブルファクトリー」。

 その日、見学会に参加してくれたのは15人。車に分乗して、まずは「紋別市生涯学習センター」に向かいます。


 この施設は、旧元紋別小学校を改修し、今年5月にオープンしたばかりの宿泊・研修施設です。

 尾形施設長の案内で見学開始。研修室に調理室、体育館にボルタリング施設、そして宿泊室に浴室など、きれいで新しい施設に、みんな感心しきり。

 「今度はみんなで利用したいね」と、話は尽きません。

 次に訪れたのは「モンベツベジタブルファクトリー」


 この施設は、障害者の就労支援施設として昨年オープンしたもので、社会福祉法人オホーツク福祉園が運営しています。

 八島施設長の案内で、ハウスを見学します。


 ハウスの中では、ベビーリーフなどの葉物野菜が水耕栽培されています。


 広いハウスの中、珍しい水耕栽培のシステム、緑鮮やかな野菜、どれも目新しくみんな興味は尽きないようです。


 「これはどこで買えるんですか」「何人が働いているんですか」などなど、質問も尽きません。

 「大変、勉強になった」「よい機会を与えてくれた」「どちらも初めて見学が出来て、たのしかった」などなど、みんなの感想も好評で、ほっとしました。

 「ぜひ、続けてくださいよ」との声も多く、今度は「春の施設見学会」を企画しなくちゃ…