2015年6月29日月曜日

「障がい者就労支援連絡会 紋別」に参加して



 6月24日、オホーツク地域に住む障害者の就労状況の把握と生活を支える地域づくりをすすめようと『平成27年度 障がい者就労支援連絡会 紋別』が開かれ、私も参加してきました。

 この会議は、「オホーツク障がい者就業・生活支援センターあおぞら」が主催したもので、遠紋地区の障害者福祉関係者が集まりました。

 最初にハローワーク紋別から紋別地域の障害者就労の状況が報告され、次いで障害者を直接雇用している滝上町の社会福祉法人から実践例が紹介されました。

 少しづつながら障害者への理解が広がる中、一般就労も増えつつあると言いつつも、その厳しい現状は変わりません。

 なにせ、経済状況が厳しいのですから、企業側も苦しいのは同じです。

 今、紋別のハローワークに登録している障害者の有効求職者は26人程度。

 でも、そのうちの半数以上が数か月も連絡がないと言います。

 「その人たちは今、どういう状況にあるのだろうか。障害者福祉と連携しているのだろうか」―そんなことが心配になります。

 そして次のテーマは、障害者の福祉的就労、就労継続B型についてです。

 今年度から軽作業を中心にする就労継続B型を利用する場合、就労移行支援事業所に通い、アセスメントという調査や訓練を1か月にわたって受けなければならなくなりました。

 しかし、その就労移行支援事業所は、管内には北見市と網走市にしかありません。

 高等養護学校の卒業生のうち3分の1は、この就労継続B型を希望しています。

 紋別市から北見や網走に通い続けるのは、初めから無理というものです。

 国は、なぜそんな困難な制度にするのか、なぜ障害者の希望を壊すようなことをするのか。そんな思いが会場にあふれていました。

 特に、紋別高等養護学校の先生は具体的な例を示し、制度のより良い改善を訴えました。

 制度の説明に立ったオホーツク総合振興局の担当者も、国の姿勢に疑問を隠しません。

 「あおぞら」の担当者も、背景には国の福祉財政の削減があり、面積の広さなどの地域性はまったく考慮されていないと指摘します。

 地方に行けば行くほど、福祉の社会資源は厳しくなります。

 でも、そこにも、手助けをすれば働くことができ、働くことを夢見ている障害者がいます。

 そこにも、障害者を支援しようとする人たちが必ずいます。

 しかし、国の制度がそれを許さないのです。

 地方だからと言って区別や差別があってはなりません。

 来年4月から国が定めた『障害者差別解消法』がいよいよ施行されるのですから。

 

 

2015年6月17日水曜日

広域紋別病院が新しくなりました

 4月20日に外来診療を開始した新しい広域紋別病院。まもなく2か月を迎え、様子をうかがってきました。

 

エントランスホール

エントランスホールは2階まで吹き抜けです

医局。ゆったりと落ち着いた感じのスペースです

特別室。4階と5階の角部屋で、海も山も見える最高の眺望です

    4床の病室が18室。個室が24室。2床の病室が26室。

     ナースステーションも広々として、働きやすい環境です

             リハビリテーション室

 駐車場にある歩道との段差。この段差につまずく人がいるとのことで、近々改修する予定とか。実際、稼働してみると想定外のことが起こるものです。

 もちろん、慣れないことでいろいろな課題があるようですが、総じて順調にいっているとのこと。

 とは言え、病院の抱える課題は多いのも事実です。常勤医が13名と、やはり厳しい状況は続いています。それを支える看護師の不足も同じです。

 それに加え、お隣の遠軽厚生病院の産婦人科では、産科の医師がこの10月から3名から1名となり、分娩ができなくなる可能性も出てきているのです。

 遠紋地域でお産ができない状況が生まれかねない事態です。

 一地方の努力ではどうしようもない現状が続いています。国として抜本的な対策が必要です。

 しかし、そんなことはお構いなしに、ひたすら医療費削減のために病床数を減らすことばかりです。

 建物は新しくなっても、地域医療の不安は解決しません。

新しい保育所、児童館に行ってきました

 旧北高グラウンド跡地に建設された紋別保育所と紋別児童センターを視察してきました。老朽化した2つの施設を1か所に集約したものです。

 当初は4月オープンの予定が、直前の検査で空気中の化学物質濃度が国の指針値を超えていたことからベイクアウトを繰り返し、ほぼ1か月遅れの5月7日のオープンとなったものです。

 紋別保育所は、指定管理となり、管理者の共立メンテナンスの日下さんの案内で見学させていただきました。





  調理室はガラス越しに見えるようになっています。これも食育の一環です。

       
 この部屋は「病後児保育室」です。看護師が対応します。やっと、整備されました。

 紋別児童センターとは、共通の玄関・エントランスでつながっています。

          児童センターの図書コーナー

          何より広い体育館が魅力的です。

 その他にも、子育て支援スペースを設け、オープンキッチンとダイニングテーブルを設置し、食育や親同士のサークル活動などに活用できるようになっています。

 全体的に、木材を多く使った施設で、温かみを感じます。

 私は、この施設の建設に当たって、当事者の意見をよく聞くように提案してきました。それは、士別市の児童館が印象に残っていたからです。

 ここでは、子どもたちの意見を組み入れようと様々な試みを行っていました。その結果、パソコンを数多く設置したり、防音室をつくりバンドやカラオケなどをできるようにしたり、壁に鏡を設置しダンスなどの練習ができるようにしたり、など、子どもたちの意見が随所に生かされていたのです。

 そこには、子どもたちの生き生きした姿が見えるようでした。

 もちろん、紋別の施設も多くの意見や要望を聞いて建設されたと思います。この施設が、子育て支援のセンターとして生かされるよう期待したいと思います。

 ちょうどお邪魔した時間は、保育所の子どもたちの昼寝の時間。可愛らしい寝顔を見ながら、おこなぬように見学させていただきました。


 外の遊具とグラウンドは、保育所・児童センター共用の施設になっています。



2015年6月4日木曜日

6月議会が始まりました

 6月2日から、2015年紋別市議会第2回定例会が始まりました。

 今回の私の一般質問の項目は次の5項目にしました。

1、「安全保障関連法案」と地方自治について
 ①憲法を破壊し、日本を戦争する国づくりをすすめる「戦争法案」に対する市長の見解を聞くとともに、国に廃案を要請するよう求める
 ②集団的自衛権行使によって、地方自治体を通し民間人の徴 用が拡大する危険性がある。「戦争法案」は地方自治体にとっても重大な問題であり、市の対応と見解を聞く 

2、「地方創生」について
 ①国の「地方創生」路線は、地方を苦しめてきたこれまでの国の責任を放棄し、あらたな地方の格差を広げるものだ。国の「地方創生」路線についての市長の見解を聞く
 ②「地方創生法」の基づき、市は今年度中に「地方人口ビジョン」「地方版総合戦略」を策定することになっているが、その内容と見通しを聞く
 ③「地方創生先行型上乗せ交付金」の実施計画つくりについて聞く

3、国保制度について
 ①国の「医療保険制度改革」は、国保の都道府県化、入院給食費の値上げ、後期高齢者保険料の軽減措置の廃止など、国民負担の増大などが中心であり、認められない。市長の見解を聞くとともに、国に中止を要請するよう求める
 ②国保制度は平成30年度から都道府県が運営することになるが、その内容と影響を聞く
 ③今年から国は国保会計に1700億円の財政支援を実施したが、紋別市の財政効果を聞くとともに、国保税引き下げの実施を求める
 ④国保税の滞納処分、差し押さえがいっそう厳しさを増している。差し押さえに対する考え方と生活実態に配慮した対応について聞く

4、生活保護行政について
 ①今年から「住宅扶助」「冬季加算」が見直され、削減されることになったが、その影響を聞く。
 ②特に「冬季加算」は、暖房費として欠かせないまさに「冬の命綱」であり、その減額は認められない。国に削減中止を要請するとともに、市としての対応・対策を聞く

5、安心できる医療の確保について
 ①遠軽厚生病院の産科医師が減ることで分娩ができなくなるとの報道がある。紋別市も初産は遠軽厚生病院に受け入れてもらっており影響が心配される。見通しと市の対応・対策を聞く
 ②産科をはじめ、地方において安心できる医療を確保するため、市としても本腰入れた積極的な働きかけが必要ではないか

 一般質問は、10・11日。私は11日の午前10時からの予定です。

「戦争法案」反対―街頭から訴えて

 それにしても国会での議論が進めば進むほど「戦争法案」の危険さとともに、ずさんさもいっそう目につきますね。

 何としても廃案にしなければならなりません。

 ということで、街頭宣伝に打って出ました。

 24日には、共産党北見地区の宣伝カーが紋別に入り、市内5か所で訴えました。

 30日には、北支部が中心になって街頭宣伝です。参加したのは5人。おそろいの緑のTシャツに身を包み、のぼりを持ち、周辺にビラをまき。この日も元気に5か所で訴えました。



 写真には私しか映っていませんが、ほかの皆はビラまきで一生懸命です。宣伝カーの看板も、早く「戦争法案反対」に書き換えないと。

「地方創生」って何のこと

 5月16日、オホーツク自治体研究所主催の講演会に参加してきました。

 テーマは「地方創生」。講師は島根大学名誉教授の保母武彦氏。講演のタイトルは「オホーツク地域の産業・雇用をどう再生するかー農・漁と食、医療・福祉、自然エネルギーを活かした内発的発展の道を探るー」というもの。

 内容が多岐にわたり、最後は尻切れた感じで、少々残念。

 それにしても政府は、「人口減少」「地方消滅」をキャッチフレーズに、次々と手を打ってきている。

 「まち・ひと・しごと創生法」に基づいて、「地方創生」を掲げた5か年計画である「総合戦略」と人口の将来展望を示す長期ビジョンを昨年12月に決定した。

 総合戦略では、人口減少など地方衰退の原因について、「府省庁・制度ごとの縦割り構造」「地域特性を考慮しない全国一律の手法」「効果検証を伴わないバラマキ」などと総括している。

 しかし、地方衰退の原因は、輸入自由化などによる農林水産業つぶしであり、大店法廃止による商店街つぶしであり、社会保障の切り捨てによる「医療崩壊」「介護難民」の出現であり、地方交付税を削減し「平成の大合併」を押し付けた、まさに自治体つぶしではないのか。

 その反省もなく、「地方創生」といっても白々しく聞こえる。

 総合戦略には、「地方にしごとをつくり、安心して働けるようにする」として、創業支援や企業の地方移転、地方移住の促進、「若い世代の経済的安定」、子育て支援などを掲げている。

 しかしそれなのに、地域経済を壊すTPPを推進し、いっそう低賃金の不安定雇用を拡大する労働者派遣法を改悪しようとし、子育て支援と言いながら地元で安心して子どもを産むことさえできない現状のままなのは、なぜか。

 国はまず自ら、それらをあらため改善することが先決であり、それなくして地方の再生はない。

 地方はこれまでも、基本的に、必死に住民の利益を守り、福祉の向上と経済の活性化に努力してきた。国の政策にも付き合ってきた。

 それが、「縦割り構造」だっただの、「バラマキ」だっただのと総括されても、何を「いまさら」なのだ。

 それにしても今年度中、場合によっては10月中までに「地方版総合戦略」と「地方人口ビジョン」を策定しなければならないとは、無茶もいいところだ。

 雇用の創出、地方への人の流れ、若い世代の結婚・出産・子育ての希望を叶えるなどの5か年計画の策定は、もちろん簡単ではない。

 どれもまちづくりの中心課題であり、それだけに十分な議論と検証、調査と分析が必要だ。多くの市民の参加も必要であり、議会との協議・連携も重要だ。

 2年、3年かけてもおかしくないテーマだ。

 結局、自治体がいま実施している事業の中から「地方創生」関連事業を選び出して計画をつくるのが精一杯。いったい、何のための、誰のための「地方創生」か。
 
 地方の格差がますます拡大する気配を強く感じる。

戦争も核兵器もない世界へ


 5月12日、今年も原水爆禁止国民平和大行進の行進者を囲んで「戦争も核兵器もない世界へ~私たちの未来を考える」市民集会を開催しました。

 今年の行進者は高橋誠一さん。オホーツクコースの猿払村から滝上町までの役場を訪問してきた模様を語りました。

 「どこでも快くペナントなどにサインしてくれました。主義主張を超えて、核兵器禁止の願いは共通していると実感しました」と語るとともに、自ら札幌市で取り組んでいる9条を守る運動についてもふれ、「9条を生かし非核平和の日本を実現するために1歩でも2歩でも歩みを続けたい。来年もまた、来たいと思います」と述べられました。

高橋誠一氏

 そのあとで、私の方から「戦争法案」について話しました。この日のために、少々勉強しました。

 あらためて勉強してみて、この法案のとんでもなさと激しさと恐怖を感じました。そんな思いを少しでも参加者に伝わったらと思い、話しました。

 翌日は、高橋さんと一緒に、市長、市議会議長、教育長を訪問してきました。

 その後、札幌までのバスの時間があると言うので、高橋さんの希望で「鴻之舞金山」跡地に出向いてきました。

 鴻之舞金山の資料を展示している「駅逓」により、鴻之舞へ。

 私も久しぶりの訪問です。といっても、ただ草木が生い茂るだけ。それでも、朽ち果てた建物の遺構もあり、高橋さんは大変興味をもたれたようで、シャッターを幾度も切っていました。


      
                     上藻別駅逓

 「戦争法案」を勉強している中で、元自衛官の泥憲和さんの発言に触れました。飾らない言葉でズバリ本質を突く発言に、すごいパワーを感じました。昨年6月、神戸市で行われた集団的自衛権行使反対のデモの中での一コマです。長くなりますが紹介します。


「突然飛び入りでマイクを貸してもらいました。
集団的自衛権に反対なので、その話をします。
私は元自衛官で、防空ミサイル部隊に所属していました。
日本に攻めて来る戦闘機を叩き落とすのが任務でした。


いま、尖閣の問題とか、北朝鮮のミサイル問題とか、不安じゃないですか。
でも、そういったものには、自衛隊がしっかりと対処します。
自衛官は命をかけて国民をしっかり守ります。
そこは、安心してください。


いま私が反対している集団的自衛権とは、そういうものではありません。
日本を守る話ではないんです。
売られた喧嘩に正当防衛で対抗するというものではないんです。
売られてもいない他人の喧嘩に、こっちから飛び込んでいこうというんです。
それが集団的自衛権なんです。
なんでそんなことに自衛隊が使われなければならないんですか。
縁もゆかりもない国に行って、恨みもない人たちを殺してこい、
安倍さんはこのように自衛官に言うわけです。
君たち自衛官も殺されて来いというのです。
冗談ではありません。
自分は戦争に行かないくせに、安倍さんになんでそんなこと言われなあかんのですか。
なんでそんな汚れ仕事を自衛隊が引き受けなければならないんですか。
自衛隊の仕事は日本を守ることですよ。
見も知らぬ国に行って殺し殺されるのが仕事なわけないじゃないですか。


みなさん、集団的自衛権は他人の喧嘩を買いに行くことです。
他人の喧嘩を買いに行ったら、逆恨みされますよね。
当然ですよ。
だから、アメリカと一緒に戦争した国は、かたっぱしからテロに遭ってるじゃないですか。
イギリスも、スペインも、ドイツも、フランスも、みんなテロ事件が起きて市民が何人も殺害されてるじゃないですか。


みなさん、軍隊はテロを防げないんです。
世界最強の米軍が、テロを防げないんですよ。
自衛隊が海外の戦争に参加して、日本がテロに狙われたらどうしますか。
みゆき通りで爆弾テロがおきたらどうします。
自衛隊はテロから市民を守れないんです。
テロの被害を受けて、その時になって、自衛隊が戦争に行ってるからだと逆恨みされたんではたまりませんよ。
だから私は集団的自衛権には絶対に反対なんです。


安部総理はね、外国で戦争が起きて、避難してくる日本人を乗せたアメリカ軍の船を自衛隊が守らなければならないのに、いまはそれができないからおかしいといいました。
みなさん、これ、まったくのデタラメですからね。
日本人を米軍が守って避難させるなんてことは、絶対にありません。
そのことは、アメリカ国防省のホームページにちゃんと書いてあります。
アメリカ市民でさえ、軍隊に余力があるときだけ救助すると書いてますよ。


ベトナム戦争の時、米軍は自分だけさっさと逃げ出しました。
米軍も、どこの国の軍隊も、いざとなったら友軍でさえ見捨てますよ。
自分の命の方が大事、当たり前じゃないですか。
そのとき、逃げられなかった外国の軍隊がありました。
どうしたと思いますか。
軍隊が、赤十字に守られて脱出したんです。
そういうものなんですよ、戦争というのは。


安倍さんは実際の戦争のことなんかまったくわかってません。
絵空事を唱えて、自衛官に戦争に行って来いというんです。
自衛隊はたまりませんよ、こんなの。


みなさん、自衛隊はね、強力な武器を持ってて、それを使う訓練を毎日やっています。
一発撃ったら人がこなごなになって吹き飛んでしまう、そういうものすごい武器を持った組織なんです。
だから、自衛隊は慎重に慎重を期して使って欲しいんです。
私は自衛隊で、「兵は凶器である」と習いました。
使い方を間違ったら、取り返しがつきません。
ろくすっぽ議論もしないで、しても嘘とごまかしで、国会を乗り切ることはできるでしょう。
でもね、戦場は国会とは違うんです。
命のやり取りをする場所なんです。
そのことを、どうか真剣に、真剣に考えてください。


みなさん、閣議決定で集団的自衛権を認めてもですよ、
この国の主人公は内閣と違いますよ。
国民ですよ。
みなさんですよ。
憲法をねじ曲げる権限が、たかが内閣にあるはずないじゃないですか。
安倍さんは第一回目の時、病気で辞めましたよね。
体調不良や病気という個人のアクシデントでつぶれるのが内閣ですよ。
そんなところで勝手に決めたら日本の国がガラリと変わる、そんなことできません。


これからが正念場です。
だから一緒に考えてください。
一緒に反対してください。
選挙の時は、集団的自衛権に反対している政党に投票してください。
まだまだ勝負はこれからです。
戦後69年も続いた平和を、崩されてたまるもんですか。
しっかりと考えてくださいね。
ありがとうございました。」