2018年11月1日木曜日

地域医療の充実の為に~2018年第2回定例市議会一般質問②

2、地域医療について
 ①広域紋別病院について
 ②休日夜間急病センターについて
 ③開業医誘致制度について
 ④医療と介護の連携について




〇野村淳一
 次に、地域医療について何点か質問します。

 まず、広域紋別病院についてですが、今年度紋別市は企業団負担金として、総額5億5,400万円を支出しています。

 特に拡大分として、昨年より1億円余り増額しています。

 もちろん公立病院として住民の健康と命を守る立場から、医師が不足する中、不採算部門も担っているもとで赤字が発生することはやむを得ないと考えるものです。その分を一定紋別市が負担することもやむを得ないと考えます。

 もちろんそのためには、病院側の経営努力が前提であり、それらの情報がきちんと公開され、そのもとでの市民の合意が重要であることは言うまでもありません。

 その意味でお聞きしますが、今回の企業団への負担金の内容とその根拠、そして今後の見通しとその考え方についてお尋ねするものです。

 今議会に、休日夜間急病センターのセンター長が市の職員として配置される条例案が提案されております。

 急病センターの充実は誰もが望むものですが、今回の対応によって何が変わるのか、どんな役割を担うのか、さらに紋別の地域医療とのかかわりではどうなのか、広域紋別病院との関連も含め、それぞれお聞きするものです。

 地域の命は地域で守る。そのためには、やはり医師の確保が欠かせません。私はこの間、医師確保のために医学生への奨学金制度の創設を訴えてきましたし、その必要性は今も感じています。

 一方で、地域医療の充実のため、医師確保の一助としてクリニックの開業資金を助成する開業医誘致制度を実施している市が道内にもあり、成果を上げています。

 特に稚内市は、小児科、内科、耳鼻咽喉科など5つのクリニックがこの開業医誘致制度で開院しています。名寄市では、地元医師会がこの開業医誘致制度をつくるよう市に要請したとも聞いています。

 紋別市も全く可能性がないまちではないと考えます。開業医誘致制度、検討に値する施策と考えますが、いかがお考えか見解を伺うものです。

 少子高齢社会を迎え、地域医療を取り巻く環境は、これからも大きく変化していくでしょうし、その変化に応じたシステムを整備することが求められるでしょう。

 高齢化のもと、入退院時における医療と介護のネットワーク、さらに家族との連携・協議が大切になっています。

 高齢者が住みなれた地域で最後まで自分らしく暮らすためにも、医療と介護の円滑な連携は不可欠です。それらに向けた取り組みについて、現状と今後の方向についてお聞きするものです。

〇宮川良一紋別市長
 次に、地域医療についてであります。
 1点目の広域紋別病院につきましては、企業団負担金を拡大した理由と内容につきましては、さきに阿部徹議員のご質問にお答えしたことでご理解願います。

《 阿部徹議員への宮川市長の答弁
「市の財政負担の私の見解につきましては、平成30年度予 算の編成に当たり、企業長より基金延命のための基準外繰出しを要請された際、基準内繰出しについては企業債元利償還金の交付税算入額と繰出基準額との差額2,800万円を増額し、基準外繰出しについては企業団の経営改善努力によって解消された赤字相当額を新たに繰り出すことで合意し、本年度においては委託料など経費縮減5,200万円、診療報酬請求書の精査による増収2,000万円など約1億円を措置したところであります。この結果、企業団の収支不足は前年の9億2,400万円から8億円まで減少したところであります

 今後の影響につきましては、市立病院を設置する人口3万人以下の市における病院事業への実繰出額から交付税算入額を除いた額は平成28年度の実績となりますが、根室市が12億5,000万円、士別市が8億5,000万円などで、基準額以下の繰り出しの砂川市と本市を除いた10市の平均繰出額は5億2,000万円となっております。本市におきましても、広域紋別病院に対する基金枯渇後の繰り出しは、この平均額をやや上回ることとなる見通しであり、こうした多額の財政負担が発生していることは、不採算医療や政策医療を実施しなければならない公的病院の構造的な問題であり、国に恒久的な財政措置を要望してまいります。


 また、企業団とともに医師招致活動をさらに推進し、医師を常勤化することにより外来診療で病気を発見し、手術、入院、退院と地域で完結できる医療提供体制を築き上げることにより収益の増加を図るなど、将来の本市財政への影響を極力軽減できるよう努めてまいります。」 》


 負担金を拡大した根拠は、議員ご指摘のとおり、病院設置自治体においては住民の命と健康を守るため実施している不採算医療や政策医療など病院の責めによらない赤字を一定程度補填する必要があると認識しているためであります。

 しかし、漫然と発生する赤字の補填を市が続けても、市の負担だけが増え、赤字体質の改善は進まないことから、企業団に対して主体的に経営改善を強く求め、改善相当額と同額を市が負担金として支出することで、企業長と合意したものであります。

 今後の見通しにつきましては、本年度予算編成後に実施した入札においても複数社による競争入札の結果、既に2,300万円ほどの入札減が発生していることや、診療報酬の過誤請求や請求漏れについて、医師や事務職員が具体的な目標を持って解消に取り組んでいるなど、さらなる増収対策を進めたと伺っており、今年度の拡大した負担金1億円に、これらの取り組みによる改善効果額を上積みし、来年度の負担金とする予定であります。

 2点目の休日夜間急病センター長につきましては、さきの第1回定例会で議員のご質問にお答えいたしましたとおり、休日夜間急病センター長兼保健センター長として7月より勤務していただく予定であります。

 業務内容は、保健センター長としては医師の観点から病気予防への対策を、休日夜間急病センター長としては診療業務のほか、管理運営を含めた診療体制の強化を図るとともに、これからの地域医療の方向性を示す中心的な役割も担っていただきます。

 また、前任地である鹿児島大学や奄美大島の医療関係者とのネットワークを活用しながら、最重要課題である広域紋別病院の医師確保も担うため、診療業務に限定した委託医師ではなく、医療全般に係る幅広い業務について責任を持って対応していただくため、市職員として採用するものであります。

 3点目の開業医誘致制度につきましては、現在道内で同制度の運用をしている4市のうち、稚内市では制度を開始した平成18年から昨年までの間で5件、士別市では平成23年から現在まで2件の利用があり、新たに平成31年5月の開業を目指して1件の利用申込みがあると聞いております。

 本市の地域医療を維持していくためには、1次医療機関と2次医療機関がそれぞれの役割を果たし、補完し合う医療提供体制が重要と考えております。

 そのため、今後の高齢化に伴う1次医療の機能低下や在宅医療を担うかかりつけ医の不足が懸念されていることから、1次医療機関の充実に向け、紋別医師会からのご意見を伺ってまいりたいと考えております。

 4点目の医療と介護の連携につきましては、居宅介護支援事業所の介護支援専門員が医療機関等におけるカンファレンスなどに参加し、支援者情報の共有を行いながら、医療と介護が一体的に提供できるよう取り組んでおります。

 また、本年4月からは医療機関との連携に積極的に取り組む居宅介護支援事業所には、入退院時連携に係る評価として反映されることから、これまで以上に連携が進むことを期待しているところであります。

 今後の方向性といたしましては、地域包括支援センターと市が中心となり多職種協働による地域ケア会議の充実強化を図ることで、要支援者にとってより一層効果的なケアの提供に努めてまいります。

《 再質問 》

〇野村淳一
 地域医療についてお聞かせください。
 きのうも、広域紋別病院のいわゆる赤字の問題について議論がありました。

 不採算部門、それから政策的医療にかかわる部門、3億5,000万円程度でしたか、それに病院そのものが経営努力をした分1億数千万円。市長も言われましたが、それに今年はさらに幾らかプラスされるということだと思います。

 私は、これは大筋それで、そのことに対しては異論はありません。今の医療機能を維持していくためにはやむを得ない状況にあるというふうに思っています。

 ただ、紋別は基金があるんです。これは、あと5年、6年で枯渇するとかいいますが、でもまた基金があるんです。なので、今市長のおっしゃったような取り組みを市としても行いながら、基金をあと1年、5年、10年と先延ばししながら、その間で医師を確保し、そして広域紋別病院の機能を充実させ、あるいは制度、仕組みを改変し、そういう形で猶予を持ちながら医療を維持していく、広域紋別病院を維持していくと。その可能性は紋別にあるんだと思っています。

 そういう意味では、私は余り絶望していないので、ぜひ病院側と共同歩調をとりながら取り組みを進めていただきたいというふうに思うんですが、ただ市民の目から見ると、やっぱり9億円だ、8億円だの赤字というのが表に出てくるんです。

 それで基金がこれしかないとなれば、今後どうなるんだという不安がやっぱり先に募るんです。

 今おっしゃったような、市が考えているような考え方、あるいは病院が努力している方向性、これらをちゃんと市民に情報を公開し説明する、そういうことが必要ですし、そうして市民と一緒になって病院を維持していくという取り組みがいよいよ必要になってると思うんです。広報などを活用することも重要だと思います。その点についてはいかがですか。

○西田尚市広域病院連携推進室参事
 お答えいたします。
 今質問のありました広報等の活用等でございますけれども、企業団におきましても、市民に対しまして、年に2回企業団議会を開催しておりまして、今言われました、昨年からコンサル等を病院のほうも入れまして、病院の企業努力ということで、今回1億円ほどの拡大分、市からいただいております。

 そういう部分につきましても、企業団議会等で周知をしている部分もございます。

 市も、市議会も含めまして企業団とお互い連携をとって周知のほう行ってまいりたいというふうに思います。
以上でございます。

○野村淳一
 市民は、やっぱりそういう意味では前向きに考えてるんだと思うんです。だんだんだんだん入院患者が増えて、外来もずっと横ばいだということですから、だんだん病院に対する信頼、そしてその役割もしっかり定着してきていると思うんで、そういう意味ではもっともっと情報をいろんな形で公開するような取り組みをしていくようにしてください。よろしくお願いしたいと思います。

 あとは、時間がありませんので、開業医誘致制度についてちょっとお聞きします。

 さっきも市長の答弁もありましたが、一定成果が上がってる自治体が多いんです。1次医療の充実、かかりつけ医の確保という意味では非常に意味があるものです。

 紋別も、紋別医師会の意見を伺っていきたいという方向だというふうに思いました。この問題について、もうちょっと積極的な取り組みが必要だと思いますし、先進的なところの取り組みをしっかりと学ぶことも必要ではないのかなあと思っています。

 かつて紋別にも、紋別で開業したいという医者がいて、土地を物色したけどなかなかうまくいかなかったという話もかつて聞いたことがあります。

 もしそういうときに、こういう制度があったらというふうに思ったりもしています。その辺について、もう一つ踏み込んだご答弁いただけませんか。

○大野貴光保健福祉部参事兼広域病院連携推進室参事
 お答えします。
 1次医療の役割というのは、今後の在宅医療とかの推進に向けては必要になってくるということは認識しております。

 今現在、いろんな、例えば議員さんからご提案いただいてました開業医誘致ですとか、以前、医師の修学資金の支援等ございますが、1次医療の関係ですので、医師会のほうとも相談しながら、どのような有効な方法があるか、手法があるかということを研究、そういうようなことを相談しながら1次医療の確保充実に努めてまいりたいなと考えてます。
以上でございます。

○野村淳一
 積極的な取り組みをお願いしたいと思います。

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