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オホーツク福祉園 |
【 質問項目 】
紋別市百年記念福祉会の移転問題について
① 移転に係る紋別市の「意見書」について
② 法人の渚滑町への移転について
③ 障害福祉施策の充実との関連について
④ 「家族会」からの嘆願書提出について
〇野村淳一議員
次に、社会福祉法人紋別市百年記念福祉会の移転問題について質問いたします。
一つ目にお聞きしたいのは、福祉会の移転に関わる紋別市の意見書についてです。
百年記念福祉会の移転事業計画がテーブルに上がってから8年、法人の理事会で渚滑地区に移転する決定がなされてから3年、しかし、この間、施設の存続を求め、移転に反対する上渚滑地域の「残す会」との協議も平行線のまま経過し、一日も早い移転を望んでいる家族会の願いも宙に浮いたままになっています。
そんな折、財界さっぽろの10月号で、「障がい者支援施設の移転問題で紋別市民が知らない宮川市長の〝裏の顔〟」と題した記事が掲載されました。
その内容については言及しませんが、一つだけ気になった箇所があります。それは、このような部分です。
「補助金申請と福祉医療機構からの借り入れには地元自治体の意見書が必要。自治体の意見書が判断材料の1つになる。福祉会は昨年と今年の2回、市に求めた。2回分の意見書には否定的な意見ばかりが連ねられている」と記され、紋別市が事実上、移転反対の姿勢を示していると紹介している点です。
そこで、お聞きしますが、この意見書とはどういう性格のものなのでしょうか。そして、どういう役割を果たすものなのでしょうか、お聞かせください。
その上で、この意見書の内容についてですが、紋別市はどのような最終的な結論を述べているのか、市町村の支援、協力について、その記述内容とその理由についてお伺いいたします。
二つ目にお聞きしたいのは、法人が計画している渚滑町への移転についてです。
市長もご存じのとおり、オホーツク福祉園は築約40年、こまくさ学園は築30年とどちらも老朽化が著しいだけでなく、入所者の高齢化に伴い、段差の解消など、バリアフリー化が急がれるとともに、プライバシー確保のためにも、4人部屋の解消は待ったなしの状況であり、施設の移転、建て替えは喫緊の課題となっています。
しかし、それがどこでもいいというわけではありません。 入所者の高齢化は、医療の必要性と緊急性を高めており、救急体制や在宅医療の確保など、医療機関とより緊密な連携が必要となっています。
また、職員、スタッフにおいても、労働・通勤環境の改善も重要です。
生活介護や日中一時支援事業などに通う通所利用者にとっても移動の負担の軽減が求められています。
入所者の家族にとっても、送り迎えなど、送迎の負担の軽減も重要な課題です。
だからこそ、それらを勘案して渚滑町への移転を決定したのだと思いますし、そこには施設利用者の幸せを第一に考えた姿勢があると考えるものです。
市長も言うように、施設の移転は最終的には法人が決定することであり、その立場を尊重することがまずは基本であり、それが前提です。
しかし、これも市長が言うように、歴史的経過を踏まえ、法人として上渚滑地域の理解を得る努力も必要だろうと思います。
そこで、これら施設の状況に鑑み、渚滑町への移転、建て替えについて、市長はどのような判断と見解をお持ちなのか、お尋ねします。
また、市長の考える上渚滑地域の皆さんへの理解を得る努力とはどういうものなのか、見解をお聞かせください。
同時に、平行線のまま一歩も前に進まない状況が続いています。紋別市にとっても決して好ましい状況ではないと思います。紋別市がリーダーシップを果たす必要があるのではないかと考えますが、いかがでしょうか、お考えをお知らせください。
三つ目にお聞きしたいのは、この施設移転と紋別市の障害福祉施策の充実との関連についてです。
百年記念福祉会は、紋別市内唯一の障害者福祉の社会福祉法人として、これまでも紋別市の障害福祉事業を担ってきており、これからも紋別市と二人三脚で進めていくことが大事なのは言うまでもありません。
私は、さきの議会で、現在策定中の障害者福祉計画にグループホームの増設や生活介護の拡大などを盛り込むよう提案しました。また、ショートステイの増床も喫緊の課題です。どれも障害者の強い要望であり、紋別市としても、その必要性は十分理解していると思います。
これらの事業の展開を紋別市も法人と連携、協議しながら進めることが必要だと考えるものです。
一方、法人側も障害福祉を担う社会福祉法人としての責任を果たす努力を惜しまないことが必要だと考えます。
百年記念福祉会として、渚滑町への移転に伴って、ショートステイや生活介護などの新たな事業展開も視野に入れているとの話をお聞きいたしました。
これらを踏まえ、紋別市、そして保健福祉部として、障害福祉の充実に向けた法人との協働の取組をさらに進めるべきと考えますが、見解をお尋ねいたします。
移転問題の最後にお聞きしたいのは、家族会の皆さんからの要望についてです。
11月20日、オホーツク福祉園、こまくさ学園の家族会の皆さんが集めた嘆願書3,616人分が市長に手渡されました。
これは、紋別市の意見書を念頭に、一日も早く法人が計画する場所に移転、建て替えができるよう、市長に心ある判断を求めたものです。
家族会の皆さんの声を市長もしっかりと受け止めてくれたと思います。
今回の要請に体調不良のために来られなかったオホーツク福祉園家族会の会長は、10月15日に行われた臨時総会でこう語ったと言います。自分たちの子どもやきょうだいたちが最後に楽しく笑う姿を見て自分の人生は終わる、何かがあったときにすぐに広域紋別病院に行ける場所へ、両施設を移転させてもらいたい、と。
今回提出された多くの嘆願書への受け止めと家族会の皆さんの声をどのようにお聞きになったのか、宮川市長の思いをお聞かせください。
〇宮川良一市長
次に、紋別市百年記念福祉会の移転問題についてであります。
1点目の移転に係る紋別市の意見書についてでありますが、意見書とは、法人が施設建設等に対し、国の社会福祉施設等施設整備費補助金の申請時に必要な社会福祉施設整備計画に添えて提出するものであります。
その内容につきましては、要援護者・待機者の状況、市町村計画上の位置づけ、用地確保の状況、立地条件、医師の確保・協力医療機関の状況、地域住民に対する対応状況、資金計画の妥当性、市町村の支援・協力の8項目から成っており、市町村の支援・協力の記載内容は、現施設所在地の上渚滑地域、移転予定地の渚滑地域、それぞれの住民に対して理解を得ていないこと、また、現在の法人運営についての疑問点が残る状況では市として支援を行うことは難しいことから、それらの早急の改善を希望する旨を記載させていただき、平成28年より私が法人に対してお願いをしている地域との合意形成がなされていない事実についても記載させていただいたところであります。
2点目の法人の渚滑町への移転についてでありますが、私も入所者の皆さんとそのご家族のことを一番に考えており、一日も早く新しい施設での生活を送っていただきたいと思っております。
そのためには、常々申し上げておりますが、設立より長きにわたり、当該施設の整備、運営に多大なる理解と協力をいただいてきた上渚滑地域の住民の方に対し、今後の法人運営に関するビジョンなどの説明や意見交換を重ね、双方が一歩ずつでも歩み寄る努力をしていただきたいと思っており、その仲介役として市も話合いに参加し、お互いが納得できるよう、議論を深めていければと思っております。
3点目の障害福祉施策の充実との関連についてでありますが、紋別市百年記念福祉会が渚滑町への移転がなされた場合には、将来計画の想定として、就労支援事業所の開設や相談支援事業所、グループホームの新施設の敷地内への移転、災害時における福祉避難スペースの確保などが想定されており、新施設での事業集約の合理性など、本市といたしましても障害福祉の充実について評価をしているところであります。
4点目の家族会からの嘆願書提出についてでありますが、こまくさ学園家族会の会長、道東知的障がい児・者家族会連合会会長より、それぞれ嘆願書をいただき、入居者の皆さんの思いも深く受け止めたところであります。
一日も早く新しい施設での生活が送れるよう、法人が上渚滑・渚滑地域の住民の理解を得ていただく努力をしていただき、法人が努力をして行った行動、経過等につきましては次回の意見書には反映されるものと思います。
また、法人からの要望があれば、市が間に入って、地域と法人が協議する場を設けたいと思っております。
【 再質問 】
〇野村議員
福祉会の移転の問題です。
私としては非常に前向きなご答弁をいただいたと思っています。
皆さん方としても 非常に勇気づけられたご答弁ではなかったかなと思っています。
ただ、幾つか確認をさせてください。今の市長のご答弁の中にあった意見書のことです。
意見書は、さきに市長がおっしゃったように、法人が道に対して施設整備補助金を申請するのですが、そのときにこの意見書を添付しなければなりません。
ところが、今、その申請がオホーツク総合振興局で不受理になったまま、令和4年、5年と続いていまして、その鍵が意見書なのです。
市が移転に対して反対の姿勢だというのが不受理の原因になっていまして、この意見書が極めて重要な鍵を握っているのです。
それで、お聞きしたいのです。先ほど市町村の支援、協力というところを読み上げていただきました。その中身で気になったところがあるので、それを確認します。
現施設所在地の上渚滑地域、移転予定地の渚滑地域、それぞれの住民に対して理解を得ていないという表現がありました。
上渚滑地域の皆さんは、確かに、そこから移転していなくなることに対して反対している声は私も理解をします。
では、渚滑町はどうなのですか。移転予定地の渚滑町住民は、その移転に対して理解を得ていないと書かれています。
非常に断定的な表現です。昨年の8月5日、法人は渚滑の住民全てを対象にして住民説明会を開催しています。
そこに市は参加をしていますか。そして、理解を得ていないという表現をしている根拠は何ですか。
○西田尚市保健福祉部長
お答えいたします。議員がおっしゃるとおり、市としては説明会には参加しておらず、町内会の会長や役員の方にお話を聞いたということでございます。
なお、議員のおっしゃる理解を得ていないということについてですが、きちんとした法人としてのビジョン、また、この地域で下水道関係など、立地条件についてきちんと話をして、再度お話を聞かせてほしいということを町内会は上渚滑の福祉園サイ ドに話したということで、私が聞いたもので記載をさせていただいたということでございます。
○野村議員
私も参加している方のお話を伺いました。参加された方は20人を超えています。渚滑全域から集まっています。
20人が多いか少ないかはあるかもしれ ませんよ。でも、20人以上の方が集まっており、確かに意見が出ているのですよ。
なぜ、この渚滑の元新なのですか、紋別市とはどういう意見調整をしていますか、上渚滑で反対する声がありますがどうですか、この地域は風が強くて冬の雪の対策が大変ですよと2人の方から意見が出された。
これは当然出る意見や質問ですよ。これに対して法人はちゃんと説明しています。
全体で20人が集まった中で、反対なんて声は一つもない、理解しないなんて一つもなかったのですよ。連合町内会長は大歓迎だと言ったのです。これが説明会の空気であり、雰囲気なのですよ。
昔、この近くに障害者の施設が来るといったら、怖いだとか、不気味だとかと言って反対運動をしたことがありますよ。でも、今は違うでしょう。
障害者だって、皆、同じ人間なのだ、同じ地域で共生していくのだ、これは上渚滑の皆さんもそうでしたし、渚滑の皆さんもそうなのですよ。
理解をしていないという表現は読みようによっては反対しているというふうに読まれるのですよ。事実と違う記述がここにあるのです。渚滑の皆さんに対しても失礼な表現です。
これをこのまま意見書として皆さんは出しているのですよ。直ちに訂正しなさい。訂正して、再送付しなさい。それが紋別市の福祉に対する質を高めることになるのです。このままだったら駄目ですよ。どうですか。訂正して再送付すべきですよ。違いますか。
○西田保健福祉部長
お答えいたします。私もお聞きした中でも、今、議員のおっしゃったようなことをお聞きしております。
ただ、その後にきちんと説明をしてほしい、ビジョンも含め、お話ししてほしいというふうに伺っているというふうに聞いたのですが、1回きりで、その後はないと私も受け止めておりますので、最終的な理解はできていないという判断でございます。
○野村議員
渚滑の皆さんの最終的な理解を得ていないという判断なのですか。
今の言葉でいいのですか。市長、どうですか。私はこれを読んだとき、この表現にどきっとしたのですよ。この表現は誤解を生む表現で、渚滑の皆さんに対して失礼な表現だと思います。 市長、どうですか、これは書き直すべきでしょう。部長は最終的な理解を得ていな いと言いましたが、事実ではないですよ。市長、いかがですか。
○西田保健福祉部長
すみません。先ほどの答弁の中で説明不足の部分もあったかと思うのですが、議員がおっしゃられたとおり、渚滑での説明会は20名ぐらいの参加者ということで私も聞いております。
ただ、渚滑の町内会関係者については6名程度で、そのほかは家族会も含めた人が多く入っておられたというふうに私も聞いております。
先ほどは断定的なちょっと強い言葉になったかもしれないのですけれども、そういうふうに聞いていた中でこういう文章にしたということでございます。
○野村議員
これ以上はやりませんけれども、意見書というのは、先ほど言ったように、補助金申請の鍵を握るものなのですよ。
だから、この意見書の文章の内容をしっかりと精査して、事実をもって記述していかないと、どちらにとっても利益に ならないので、来年度は必ずそういう形でしっかりとした意見書の提出をお願いしますよ。
今後の問題についてです。
市長にもいろいろとご答弁をいただきました。確かに、この数年間、問題がこじれて前になかなか進まなかった状況があります。
それが1年、2年、3年と続いて、家族会の皆さんも何ができるのかということを精いっぱい考えて今回の嘆願書となりました。
1か月で3,600筆という嘆願書です。非常に大きな力、エネルギーだと思います。それだけ切迫し、それだけ皆さん方の思いが強いのだと思います。
市長も述べられました。これからは、紋別市もその仲介の労を取って、この法人と上渚滑の住民の皆さんと、胸襟を開いて、ビジョンを含め、上渚滑のまちづくりの問題も含め、紋別の障害福祉の在り方も含め、一緒に議論していこうと提案されたと思います。
市長、改めてそういう形でよろしいでしょうか、ご答弁をいただけませんか。
○宮川市長
今、地域説明の中でもいろいろと相違があったりしております。ただ、何回も申し上げますけれども、法人自体が地域と本当に話をきちんとしていかないといけないと思っております。
こういう言い方をするのが議会の場でいいのかどうかは分かりませんけれども、例えば、理事構成にしても、評議員構成にしても、何か、地域と対立をして、多数派工作をするような感じのやり方、あるいは、地域説明会についてもお互いに考え方が違う、実際にはどうなのか、私は出ていなかったので、分かりませんけれども、人数的な問題からして、いろいろな食い違いがあるというのは、やはり、ちょっとおかしいのではないのかと思います。
ですから、そこら辺をきちっとした形で進めていく、その中で、市も中に入って、当初、市は関係ないというような話をされていたということも言われておりますけれども、そういうことではなく、きちんと市も入る中でお互いが理解をし合うということが大切だと思っております。
○野村議員
今の市長の答弁ですが、お互いに理解を深めるという最後のところはいいのです。
でも、前段に理事がうんじゃらかんじゃらと言っていましたが、それはこんなところで言う話ではないのですよ。
だって、一個人の独立している社会福祉法人が定款に基づいて理事会を開き、評議会を開き、そこで決まった内容について、それがいいとか悪いとかおかしいとか、そんなことを何で市が言えるのですか。
(発言する者あり)いやいや、何を根拠に言っているのですか。
では、時間はあれかもしれないですし、ここまで言いたくなかったですが、最後の結論のところです。
現在の法人運営についての疑問が残るという表現があって、これも支援を行うことが難しい一つの根拠になっているのです。
現在の法人運営について疑問が残る、これもすごい表現ですよ。法人の運営に疑問が残ると書いているのですよ。
これは、正さなければ駄目ですよ。こんな法人、放っておいては駄目ではないですか。法人の運営に疑問が残ると市長が意見書で書いているのです。そんな法人がありますか。疑問が残るのなら、ちゃんと指導監査しなければ駄目です。
社会福祉法人の指導監査は紋別市がやっています。紋別市として疑問が残るというのなら、この問題について、指導監査、是正、指導、勧告をやっているのですか。教えてくださいよ。
○西田保健福祉部長
お答えいたします。市では法人に係る事務の監査を3年ごとに実施しております。
法人の運営する施設に係る部分については、以前どおり、都道府県が実施しているという状況でございます。
それで、今、議員からお話のあった疑問点のことでございます。法人の理事、役員に関して、市がああだこうだと意見をするような立場にはござい ません。
しかしながら、ちょっと不審に思っているといいますか、疑問に思っているところがあり、以前の設立当初は、理事のメンバーには地元の住民の方が入って、上渚滑のことについてお話をして、上渚滑の発展と施設の運営のそれぞれについてという経緯がございました。
しかしながら、移転のところから、上渚滑の今まで入っていた理事のメンバーが退任するなどし、地元住民の方が一切いなくなった状況に疑問点を抱いているということでございます。
○野村議員
疑問点を持っているのは構わないですけれども、それを意見書に堂々と書いて何なのですか。
疑問が残っているのだったら、指導監査すればいいので す。
理事会について指導監査する権限を市が持っているのですよ。ちゃんと議事録を精査する権限も市が持っているではないですか。
そんな疑問が残っているのだったら 議事録を精査したいと言えばいいのですよ。そうやって、きちんと事実に基づいて書きなさい、そういうことを言っているのです。
それはともかく、どちらにしても最後なので、これから、ぜひ、前向きに、市長もおっしゃったように、一歩一歩、前進に向けて取り組んでいただきたい。
私も、法人に対しては紋別市における障害者福祉のビジョンをしっかりと持ってほしいというふうに期待しています。
ぜひとも、仲介役として紋別市に一肌、二肌脱いでいただければということを要望し、終わります。
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