東京にいる息子との久しぶりの再会。そして、訪れてみたかった場所へ。
一つは「いわさきちひろ美術館」。
東京都練馬区にあるその美術館は、閑静な住宅街の中にありました。
ちひろが暮らした自宅跡に、ちひろの死後、ちひろを愛する多くの人々の寄付などによって1977年に建てられたものです。
子どもを生涯のテーマとして描き続けたいわさきちひろ。そのやさしい絵が、優しいまなざしがあふれる美術館でした。
次に訪れたのが、「渥美清」演ずる寅さんの故郷・葛飾柴又帝釈天。
わが家では、映画「男はつらいよ」の上映会がたびたび行われます。といっても、夫婦二人で酒を飲みながらですが。
全47作。一つ一つ見ています。どの作品も、なぜか胸がジーンとして、おかしさの中にも人生の切なさを感じさせるのです。
その映画の舞台、葛飾柴又はあこがれの場所なのです。
「故郷ってやつは… 故郷ってやつはよ…」と寅さんが言いかけると電車のドアが閉まります。
結局、寅さんはさくらに何を言いたかったのか…。深く考えさせられる印象深い名シーンです。
そんなことを思いながら帝釈天への参道を歩きます。名物の草団子の老舗が並びます。いくども映画で流れた風景です。
そして柴又帝釈天へ
いつも「佐藤蛾次郎」演ずる「源公」がそうじをしていた山門をくぐり境内へ。
そこには、「笠智衆」演ずる「御前様」がいるようです。
足を延ばして江戸川の土手へ。
いつも「男はつらいよ」の冒頭シーンに登場します。そこを歩くと、なんだか寅さんになった気分です。
その足で「寅さん記念館」にも顔を出しました。「とらや」のセットが楽しい。圧巻なのは、壁一面を覆う、歴代マドンナたちの写真。どれもこれも胸に迫ります。
いつも、マドンナに恋をしては最後に失恋。そして、また旅に出る。
「どうして旅に出て行っちまうの?」さくらの問いに寅さんは「ほら、見な。あんな雲になりてえのよ」(第9作『柴又純情編』)
裏の朝日印刷所の工員にもやさしい寅さん。「労働者階級のみなさん、今日も一日ほんとうに労働ご苦労様」(12作『私の寅さん』)
そして、ふと寅さんのこんな言葉が聞こえます。「もし何かあったら葛飾柴又のとやらに訪ねてきな。悪いようにはしないから」(第13作『寅次郎恋やつれ』)
寅さんにふと出会えた旅でした。
帰りに、スカイツリーを(高所恐怖症のため)下から見てきました。
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