2020年6月25日木曜日

国の一方的な病院削減計画に反対を~2019年第4回定例市議会一般質問①


病院問題で硲興部町長らと意見交換

○野村淳一議員

 私はさきに通告いたしておりました順に従い質問させていただきます。 

  最初に、地域医療の充実についてです。 

 厚生労働省は9月26日、公立・公的病院424の病院を再編、統合の議論が必要とし公表し、来年9月までに結論を出すことを求めました。

 この424病院のうち、北海道は54施設に及び、都道府県では最多となっています。

 その中には、この遠紋二次医療圏からも滝上町国保病院、雄武町国保病院、興部町国保病院が含まれており、名指しされた病院の自治体、医療関係者からは、地域の実情が反映されていないという怒りの声とともに、住民からは地元に病院がなくなるのではと存続を心配する声が寄せられ、混乱が続いています。

 厚生労働省はこれらの病院を診療実績が少ない、類似の医療実績を有する医療機関が近接しているなどと分析していますが、医師不足、看護師不足などで医療を受けたくても受けられない実態などを無視した、余りに機械的、一律なやり方と言わざるを得ません。

 このことは当然遠紋地域と紋別市にも大きな影響が出てき ます。広域紋別病院とて人ごとでは済まされないでしょう。

 地方自治の精神にも反する今回の国、厚生労働省の発表に対し、市長はどのような認識をお持ちなのかお聞きします。

 その上で、まずは国に対し今般の病院名の公表の撤回を求めるべきと考えますが、いかがでしょうか、見解をお示しください。 

 今回の病院名の公表は、大幅に病床削減を迫る地域医療構想に基づくものであり、地域で行われている地域医療構想調整会議を強引に誘導しようとするものです。

 そもそもこの遠紋地域で300を超す病床の削減を迫るこの地域医療構想自体に無理があるのではありませんか。

 そこで、現在遠紋地域での地域医療構想調整会議はどのような審議状況にあるのかお聞かせください。

 さらに、この会議に臨む紋別市のスタンスはどのようなものか、今後の方向性を含め、お尋ねします。

 同時に重要なことは、少子高齢化、人口減少時代を迎え、限られた医療資源の中で新たな地域医療のあり方、その姿を展望することではないでしょうか。

 誰もが安心して暮らし続けられる地域にするために求めら れる医療とは何かを、真剣に主体的に検討する必要があるでしょう。

 その一つに、今日強く求められている訪問診療があります。それは患者さんの意思を尊重した上での在宅医療であり、介護サービスとの連携も重要となる課題です。 

 高齢化に伴い、通院すら困難になる患者さんが増えていきます。みとりの件数も増加するでしょう。

 それを担う在宅医療支援診療所、在宅医療支援病院の整備も必要となるでしょう。

 現在この訪問診療の実施に向けて、どのような取組状況となっているのか、紋別市としての支援内容も含め、お聞きするものです。

 その上で、今後地域医療の維持と拡充に向けた取り組みについて、どのような課題があると考えているのか、どのような方向性を展望しているのか、そのために何をなすべきと考えているのか、紋別市の認識と見解をお 尋ねします。

 さらに、その中核的存在となる広域紋別病院について、その安定的維持に向けた取り組みと地域のセンター病院としての今後の果たすべき役割と機能について、どのような見解をお持ちかお聞きするも のです。 

○宮川良一市長

 それでは、野村議員のご質問にお答えいたします。 

 初めに、地域医療の充実についてであります。 

 1点目の公立病院の再編・統合問題と地域医療構想につきましては、公的病院の再編、統合の議論が必要とされた病院名の公表につきましては、本年10月23日に全道自治体や医療機関の関係者を対象に厚生労働省による意見交換会が開催されました。

 その中で病院名公表の意図は、地域医療構想で2025年に必要とされる病床数が医療圏ごとに設定されているものの全国的に議論が進まないことから参考として公表したもので、 決して強制するものではないとの説明があったところであります。

 全国一律の基準によって分析されたデー タの公表は、地域住民に不安を与え、混乱の原因になりかねないものであり、国は地方の意見、実情を十分に踏まえ、対応すべきであると認識しております。

 公表の撤回につきましては、北海道市長会等での判断事 項と考えております。 

 地域医療構想に係る調整会議では、各医療機関の病床の状況や構想の進捗状況について取りまとめられた 情報の提供を受け、共有化が図られているところであります。

 本市のスタンスといたしましては、地域医療構想で定めている必要病床数は国が示す基準に基づき算出されたものであり、地域の実情に配慮されたものではなく、拙速な病床数削減が医療難民や介護難民を招かぬよう、十分地域の実情に配慮する必要があると訴えており、今後も変わりはありません。 

 2点目の訪問診療などの地域医療の拡充につきましては、平成30年第4回定例会で議員のご質問にお答えいたしましたとおり、訪問診療など在宅医療推進への最大の課題は複数人の医師や看護師の確保であり、現在の環境においては非常にハードルが高い状況にあります。

 このことから3次医療圏では各2次医療圏の状 況を共有し、連携強化を図る場として、本年8月に日本医師会会長を招いた第1回目のオホーツク地域医療 フォーラムを開催したほか、休日夜間急病センター長を中心に本市を取り巻く医療現場の現状を踏まえ、在宅医療や医師確保を含め今後の地域医療の維持拡充に向け、広域紋別病院や紋別医師会との協議を進めてまいります。 

 広域紋別病院の安定的維持につきましては、同病院ではこの医療圏で診察できる患者はこの地域で完結することを目標に取り組んでおり、そのためにも医療従事者確保を最優先に、引き続き広域紋別病院と一体となった医師派遣要請活動や北海道立紋別高等看護学院の建替要望を行い、2次医療機関としての役割と機能を果たすことができるよう最善を尽くしてまいります。 

《 再質問 》

○野村淳一議員

 それでは、何点か再質問させていただきます。 

 最初に、地域医療に関係して、今市長のご答弁でもありましたが、厚生労働省が名指しして再編、統合が必要だという病院名、なぜこんなことをしたのかと市長も言ったように、病床削減を迫っている地域医療構想の議論がなかなか進まない、そういう状況の中で参考としてこれを提起したんだということなんですね。 

 確かに地域医療構想はなかなか調整会議が進んでいないんだろうというふうに思います。

 この遠紋地域でも 300の病床数を減らすと言ってるんですよ。どの病院だって、みずから病床を減らすなんて病院はありっこないので、どの地域もですよ、なかなかそういう意味では議論が進まないというのは明らかなんです。

 そんなこと国もわかってて、進まないのでこうやってがつんと名前を上げて、そしてそれをテーブルにのせようとしてる。

 極めて一方的で、極めて強権的な中身です。今度はこれを民間病院も同じように広げるというようなことまで言っています。 

 これ調整会議が進まないということが最大の問題なんですね、地域医療構想の。

 ですから、私は逆に地域医療構想の中できちんとこの問題に対して地域から声を上げていかなきゃならないんだろうというふうに思 います。

 こういうような一方的なやり方はすべきでないと、そして地域医療構想でしっかりとじっくりと議論する、そういう時間をしっかり持つべきだということを提案していかないと、どんどんどんどん国はそう いうふうに強制的な手に出てくるんじゃないかと、そんな危惧を持ちます。

 地域医療構想調整会議でこのこ とについてしっかりと発言をし、地域の声を述べるべきだと思いますが、いかがですか。 

○大野貴光保健福祉部参事兼広域病院連携推進室参事

 お答えいたします。 当市のスタンスとしては、当初から地域の実情に配慮した病床数ではないというその数字自体は考えてます。

 その中で病床数削減というのは、実際事実の実情に配慮していく必要があると訴えてきてまして、その点については変わりなく訴え続けていくというスタンスをとってございます。 以上でございます。 

○野村淳一議員

 だから、そういうのをきちんと私は地域医療構想で発言すべきだと思って言ってるんです。それについていかがですかと聞いてます。 

○大野貴光保健福祉部参事兼広域病院連携推進室参事

 地域医療構想については、実際病床数の削減というか、減少の方向なんですけども、これを決めるときに一応意見聴取というのはあったんですけど、今現在情報、それ自体は会の中では一応承認されてるという形でございまして、現在各病院の状況というのを共有を図ってるというような会議という位置づけになってございます。 以上でございます。 

○野村淳一議員

 こんな繰り返しても仕方がないので、市長いかがですか。地域医療構想の調整会議に市長も参加されていると思いますが、どのようなスタンスですか。 

○宮川良一市長

 地域医療の会議については、附帯意見としてしっかりと述べられておりますので、あとはやはりそれだけではなくて、全道市長会や全国市長会の中で強く言っていかなければならないんではない かなというふうに思っております。 

 それより危惧するのは、医療対策の中で今自然的に減少していくというほうが非常に危惧をしております。

 それも特に療養型病床等の中で、特に民間、あるいは公的な病院もそうですけれども、やはりそういう部分をどう守っていくかというほうが非常に危惧をしているところでありますので、そこら辺やはり答弁でもありましたけれども、国に任せるんではなくて、地域で医師会あるいはセンター病院、それから先般は日本医師会の会長さんも見えられましたけれども、そういうところから強く話をしていくということが一番重要ではないかなというふうに思っております。

○野村淳一議員

 今市長から答弁がありました。 先般医師会長も見えられて、オホーツク医療フォーラムというのが開かれたというふうにお聞きしています。

 これからの医療を考えるときに、やっぱり今市長もおっしゃったように、これから5年、10年後どうなるかということを見据えなければなりません。

 この地域で完結できる医療は何なのか、それができない医療は何か、じゃあどうすればいいのかということを総合的に議論していく必要があります。

 そういう意味でオ ホーツク地域の医療フォーラムというのは一つの形になるのかなと私も期待をしています。 

 ここでちょっとお聞きしますが、オホーツク地域医療フォーラムというのはどういう目的でつくられてい るんですか、どんなような今状況なのか、ちょっとわかれば教えてください。 

○大野貴光保健福祉部参事兼広域病院連携推進室参事

 お答えいたします。 これは細谷アドバイザーの関係で、オホーツク圏の医療状況というのと共有化を図ろうということでございまして、基幹病院を持ってるオホーツク圏内の市町村、北見、網走、紋別、遠軽と、あと基幹病院、北見日赤をはじめとして、網走厚生病院、遠軽厚生病院、広域紋別病院というようなセンター病院との院長等をお呼びしまして、そういう方々が集まる場というのが今までなかったので、ある程度今回1回目ということ で日本医師会の先生に、会長に日本の現状というか、中央で考えられている現状みたいなことをお話しして いただいたんですけども、今後はそういう場を設定していければ、地域でそういう現状というのが共有できるのかなというところで開催したところでございます。 

○野村淳一議員

 こればっかり長くやってられないんですが、どっちにしても紋別が基本的に今回もうイ ニシアチブをとって、そして北見や網走の人たちも集めてフォーラムを開いて、そしてオホーツク圏あるい は遠紋地域も含めた医療の一つの構想、ネットワークをつくっていければということが一つの目的なんだろうと思うんです。

 それをある意味では紋別モデルという形でつくられていく可能性があるんじゃないかなと随分期待をしているんですが、そういうような受けとめでよろしいんですか。 

○宮川良一市長

 紋別が1回目中心でやりましたけれども、これは紋別モデルというよりはオホーツク圏のモデルということで、オホーツク圏がモデルになっていく可能性があるんではないかなと思います。センター病院につきましても、私どもの市は公的な病院、あるいは遠軽は厚生病院、網走も厚生病院と、北見は日赤ということで、それぞれ経営母体が違ったり、あるいはそれぞれの各地の医師会の状況も違ってたりしておりますので、そういうところを道や国が主導ではなくて、地域みずからどういうふうな形にしていくの がいいのかをざっくばらんに話をすることによって、また管内で足らないところは、やはり今もう東京の聖路加病院ですとか、いろんな大手の病院ですとか、首都圏の大学病院等々との協力関係も必要でありますので、そこのネットワークも管内としてつくっていくということで、大変厳しい医療の状況を何とか力を合わ せて克服していけるようにしていきたいと。

 来年の2月には、今度網走を会場にして今予定してるのが、聖路加病院の院長に講演をいただいた中で、意見交換をさせていただくというような形で、自治体としては遠軽、紋別、網走、北見という形で、センター病院のあるところが中心に行っているという状況であります。 

○野村淳一議員

 この取り組みは意外とありそうでないんですよ。できそうでできないんです。こういう 取り組みを行っていると、非常に評価をしたいと思います。

 全国的にもこういう取り組みが注目される、そういう取り組みになり得るものだというふうに思ってますので、今後に期待をしたいというふうに思いますが、どちらにしても地元の医療をどうするかということについては、これも先ほど答弁がありましたが、広域紋別病院を中心にしながら、ぜひ進めていっていただきたいというふうに思います。 

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