2026年10月4日日曜日

百条委員会ものがたり⑨~報告書のポイントⅣ

 (百条委員会報告書より空港関連のポイントについて前号からの続き)

◆協議会からの支払いが中島氏の個人口座だった

 空港利用促進協議会から中島氏関連会社への支払い口座が、中島和彦氏本人の個人名義の口座となっていた。

 その点で当時の担当職員は中島氏から「中島コンサルの口座の開設が間に合わなかったので、当面個人口座に振り込むよう言われた。本来は法人口座が筋だと認識していたが、それ以上は踏み込めなかった」と証言している。

 法人名義の請求に対し個人名義の口座への振り込みが継続したこと自体、資金管理として極めて不適切であり、重大な疑問が生じる。

◆「紋別タッチ事業」などの搭乗促進経費が、当事者ではなく中島氏関連会社に支払われていた

 全国の多くの善意のボランティアによって「紋別タッチ事業」やSNSを活用した搭乗促進の取り組みが取り組まれていた。

 にもかかわらず、これらの活動が中島氏関連会社の事業として公社に請求され、支払われていた疑いがある。

 本委員会が把握した範囲でも、その金額は合計2000万円を超え、その必要性・相当性に重大な疑義が生じる。

◆ANA「東京紋別線搭乗実績(確定版)」の真正性・信用性に関する重大な疑義

 ANAが発行する毎月の「東京紋別線搭乗実績(確定版)」の数値に基づいて、協議会から公社にエージェント対策費(販売奨励金)が支払われていた。

 しかし本委員会の調査で、その「搭乗実績」自体の信用性に疑問が生じたためANAに調査を依頼した。

 その結果、中島氏の指示で、中島氏の都合の良いように一部数字が書き換えられていたことが判明した。

 その書き換えには、中島氏の執拗で恐怖すら感じる圧力があったとする関係者の証言がある。

 支出根拠となる資料に重大な疑義が生じた以上、これを前提とした協議会の支出の適法性を厳格に検証する必要がある。

◆なぜこのような事態が生じ、継続されたのか~その責任と背景

 中島氏に対する複数の証言において、職員や従業員に対する威圧的な言動や「中島氏を怒らせると飛行機が止まる」といった過度な依存や恐怖心が存在していたことが語られ、情報が一局に集中し、異論が唱えられにくく検証が働きにくい環境が形成されていた可能性が高い。

 同時に、当時の公社社長であった棚橋一直氏の責任も大きい。

 ある証言の中で「中島氏が多額の金の流れに関する方法について、全部、棚橋氏から教えてもらったと話していた」とするものもある。

 これを断定できないが、少なくとも、再委託が禁止されていた下で中島氏関連会社に再委託がなされ、その実態、承諾の有無、契約書や公印の所在すら把握できていなかったとする棚橋氏の証言自体、公社社長としての責任を著しく欠いていたものといえる。

 また、宮川前市長も協議会会長(当時)であると同時に、市長として負担金という公金を管理監督する責任がある。その意味からも、多額な資金が不適切に支出されたことを免責されるものではない。

 全体を通して明らかになったのは、中島氏による不透明かつ不適切な関与は、単独で偶発的に生じたものではなく、空路維持に係る行政の在り方そのものの歪みの中で、中島氏に過度に権限を集中させ、「中島氏を通さなければ空路維持に支障がある」との正確でない認識が固定化し、疑義が認識されうる状況にあっても、必要な検証もされず継続を許した組織全体の統治・監督の問題として検討されなければならない。

 以上を踏まえ、本委員会は、市及び関係機関に対し、法的措置を含む具体的対応の検討を強く要請するものである。

(次回は、いよいよ最終回。百条委員会としての「提言」と、その後の動きを紹介します)

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