2025年1月20日月曜日

2024年備忘録③~旭浜のトーチカ群で

 



 
 5月の連休に妻と、十勝まで足を延ばしてきました。
 十勝には目的がありました。
 それは、太平洋沿岸の湖沼をめぐることと、大樹町の旭浜のトーチカ群に出会うことでした。

 十勝の太平洋沿岸は十勝海岸湖沼群と呼ばれ、数多くの湖沼と湿地が連続してあります。

 豊頃町の長節湖と湧洞湖。大樹町の生花苗湖とホロカヤントー。どこも湿地と泥炭地。農業には不向きの土地を、人は開拓していったのです。

 訪れたその日は、どこもひっそりと靄の中にたたずんでいました。きっと夏には、きれいな花々で彩られるのでしょう。

 目的のもう一つは旭浜のトーチカ群です。

 道端の小さな看板を目印に海岸線に出れば、砂浜にそれはありました。

 高さ3・4メートル、幅5・6メートルのコンクリートでできた箱形の無骨な物体。入り口と反対側に小窓。コンクリートの厚さが50センチほどあり、人が2・3人入るのが精いっぱいの狭さ。それが海岸線の砂浜にポツンポツンと点在しています。

 トーチカ。それはロシア語で点という意味です。
 太平洋戦争末期、大樹町周辺の浜がアメリカ軍の上陸有力地点とされ、1944年に約40基、地元住民も動員され造成されたといいます。まさに点のように配置された武装陣地です。その小窓から見えぬ敵に銃を構えていたのです。

 結局、このトーチカは直接使われることはありませんでしたが、1945年7月には、この地も空襲に見舞われ、十勝管内で60人、全道で死者2000人を超える被害者を出しています。

 今は何も語らず、波風にさらされ、時間の経過だけを残すトーチカ。その冷たいコンクリートに触れると、戦争のむなしさと愚かさが胸ににじんできます。

 そして、いつまでも残しておきたい戦争遺構です。

 このコース、連休とはいえ本当に人の少ない場所ばかり。それもまた、一興ということで・・・
          
(「オホーツク民報」5月26日付 『野村淳一のかけある記』より)

2024年備忘録①~たった一人の卒業式(3月)

川合校長から卒業証書を受け取る古屋智貴君


答辞を述べる智貴君



「野村さん、テレビに映ってましたね」「野村さん、落語やるんですか」などと声をかけられました。

 NHKとHBCのローカルニュースでちょこっと映ったんです。地元の民友新聞にも「落語愛好家の野村淳一さんから手ほどきを受けて2年連続して落語を上演」などと紹介されました。

 そうなんです。たった一人の小向小学校最後の卒業式。私も含め、多くのマスコミも駆けつけました。

 卒業を迎える古屋智貴君とは、彼が5年生の時からのつながりです。

 「学芸会で落語をやりたい」との話から始まって、2年連続して落語の師匠(?)として小向小学校に通いました。

 5年生の時は「寿限無」。6年生の時は「時そば」と、いずれも本番を見事にこなす芸達者ぶり。まさに私も脱帽でした。

 卒業式会場には教職員や両親、そして地域の人たち40人ほどが集まり、あったかな雰囲気に包まれました。

 智貴君に卒業証書を手渡した川合校長は式辞で「今日は一つの節目のゴールだが、新たなスタートの日でもある。中学校にいってらっしゃい」とエールを贈り、担任の小橋先生も「智貴に出会えて本当に良かった。思い出を、やさしさを本当にありがとう」と声を詰まらせながらあいさつしました。

 智貴君の両親も「たった一人の学校でいいのかな、と思ってきた。でも、教職員や地域のみなさんが支えてくれ、智貴の大きく成長できた。今は、よかったと思っている」とあいさつ。

 そして、会場にいるマスコミ関係者も含めすべての人にマイクを回し、智貴君へのメッセージが語られました。

 最後に智貴君が、途中涙で言葉に地まりながらも「この先、僕にはたくさんの困難があると思いますが、小向小学校で経験したことや思い出、皆さんとのつながりを力に中学校にでも頑張ります」と述べ最後に「行ってきまーす」と元気にこぶしを突き上げると、出席者も「行ってらっしゃーい」と応じ、大きな拍手と紙吹雪で智貴君の門出を祝いました。

 普通なら、とっくに閉校していてもおかしくない学校です。でも、智貴君と両親の思いにこたえ、地域も行政もみんなで支えてきた数年間。

 そこに私もつながれたことは、私にとっても貴重な経験でした。

 帰り際、智貴君から手渡されたお礼の花は、まだ我が家の食卓で咲いています。

(「オホーツク民報」4月14日付 『野村淳一のかけある記』より


 

2025年1月19日日曜日

2024年備忘録⑥~「本庄陸男」でつながって・・・

本庄陸男とその墓

7月22日に行われた本庄陸男墓前祭

「本庄陸男生誕の地」の碑

小説「石狩川」の文学碑

 お盆には妻と石狩当別町に足を延ばしてきました。
 
 生チョコのロイズの本社工場があるところです。
 実はその敷地内に「本庄陸男生誕の地」の碑があるのです。そしてすぐそばの石狩川の河川敷に本庄陸男の小説「石狩川」の文学碑が建っています。

 7月22日、本庄陸男のお墓のある上渚滑町の西辰寺で本庄陸男没後85年忌を行いました。その余韻も冷めぬまま、当別にやってきたのです。

 どちらの碑も、ひっそりと静かに建っています。もちろん目的を持たなければ訪れる人も少ないでしょう。それでも、きれいに整備され花が生けられていました。

 本庄陸男は1905年当別で生まれ、陸男が小学3年生の時に一家で上渚滑町和訓辺に移住します。東京で教師になった陸男は、同時に文学にも傾倒し、やがてプロレタリア作家として作品を世に出します。

 その最高峰が、明治4年、仙台藩から原生林が続くトウベツに入植した武士たちの苦難の歴史を描いた大作「石狩川」です。
 しかし陸男は、「石狩川」未完のまま34歳で亡くなりました。

 当別神社の脇には、その開拓の苦難の歴史を今に残すため資料館が開設されています。

 お邪魔したその日は、ちょうど当別神社のお祭りで、出店やお神輿にと賑やかでした。

 本庄陸男でつながった今回の旅。少々地味ではありますが楽しい旅でもありました。
 もちろん、ロイズのチョコレートもお土産に・・・

(「オホーツク民報」9月1日付 『野村淳一のかけある記』より)


2024年備忘録⑤~100条委員会の今

 紋別市の避暑地化推進基本計画をめぐる不正と、オホーツク紋別空港利用促進協議会および紋別観光振興公社における不透明な支出の実態の解明を目的に、地方自治法100条に基づいて紋別市議会に設置された「不正事案等調査特別委員会」(いわゆる100条委員会)が、調査事項に関する資料の提出を紋別市に求めたのが4月26日です。

  その内容は、①紋別市が実施した不正事案等検証委員会の会議録、②その際に市職員などから聞き取った内容、③贈収賄事件に関連して釧路地方検察庁北見支部で謄写した供述調書、④平成27年度から令和4年度までの職員の配置ー。

 ところが5月15日、市から実際に提出されたのは④のみで、①は「不存在のため」、②は「個人が特定されぬよう配慮する旨を確認して聞き取りを実施していることから、市としても守秘義務が生じる」、③は「検証委員会で使用することで特別に許可されたもの」という理由で提出を拒否したのです。

 しかし100条委員会への資料の提出を拒む場合は、それ相応の法的な根拠が必要です。それなしに拒めば、罰則が課せられる場合もあるのです。それだけ100条委員会の権限は強いものです。

 もともと「検証委員会の会議録がない」などとは考えられませんし、本当にないのであれば、どんな会議だったのか疑われます。

しかも、職員への聞き取り内容も、個人のプライベートな問題ではなく、すべて勤務時間内で職務に関する聞き取りです。それはまさに公務であり、原則公開されるべきものです。そこに不正行為があったなら、それを明らかにしなければなりません。

 6月4日、100条委員会として、市に対し引き続きこれらの資料の提出を求めていくとともに、新たに贈収賄事件で警察に押収された書類一式などの提出を求めることにしました。

 そして6月28日、警察に押収されていた資料などが提出されました。

 現在、その資料を基に調査を始めています。ページをめくりながら「はて?」「えっ!」という内容も見えてきています。

(「オホーツク民報」7月14日付 『野村淳一のかけある記』より)

 

2024年6月21日金曜日

収賄事件にからむ不正事案をただす~2024年第1回定例市議会一般質問②

 

【 質問項目 】

不正事案問題について 

①公募型プロポーザルにおける一連の不適切な行為について

②エージェント対策費の使途不明金について 

③再発防止策に関連して 

④「市役所再生」に向けた責任の果たし方について


〇野村淳一議員

 次に、不正事案問題についてお伺いします。 

 最初にお伺いしたいのは、公募型プロポーザルにおける一連の不適切な行為についてです。 

 紋別市不正事案等に関する報告書に書かれている公募型プロポーザルに係る一連の行為は、どれもこれも目を疑うものばかりです。

 特に、JHAT及びAQUILAを何としても選定するために、市内に本店、支店を有する者という参加資格条件を意図的に加え、AQUILAの提案書を市側の意向に沿うように市の担当者が添削、修正し、参加受付期限を過ぎているにもかかわらず、日付を偽ってまで書類を受け付け、AQUILA側の書類の不備で提出期限が過ぎているにもかかわらず、提案書を受け取り、プロポーザル審査会当日には、市の担当職員を交え、リハーサルまで挙行していたというのです。 

 報告書では、いずれも不適切な行為、不適切な事務処理などと記していますが、果たしてそうでしょうか。私は、それにとどまらず、官製談合防止法第8条違反は否めないのではないかと考えるものです。

 その第8条では、職員が事業者に談合を唆すこと、予定価格など入札に関する秘密を教示すること、そして、その他の方法により、入札の公正を害する行為を行ったことと規定し、違反者は5年以下の懲役または250万円以下の罰金に処すると定めています。 

 報告書で不適切な行為とされた内容は、いずれも官製談合防止法第8条に言う、その他の方法により入札の公正を害する行為そのものではありませんか。

 たとえ随意契約の一種である公募型プロポーザルであっても、それが競争的手続により実施され、締結された契約である以上、裁量権の濫用が認められるとした判例もあるのです。 

 まず、この点についての認識と見解をお尋ねするものです。 

 

 次に、エージェント対策費の使途不明金についてお伺いします。 

 空港協議会部会による報告も信じ難い内容の連続です。そこには、Yの独断と市長の威を借りた言動、それを許した市長の姿勢と職場環境、職員の市長とYへの忖度、それらが累々と書きつづられています。

 その結果、報告書では、Y関連会社に支払われていた多額のエージェント対策費及び公社からの業務委託費の支出内容についての資料がなく、市長をはじめ、誰も具体的には把握しておらず、Yにしか分からないとのことであり、Y関連会社の支出については不明という結論となったと記されていま す。

 その金額は、全体で3億3,285万円余りに上ります。確かに、紋別市としてのチェックの甘さはあったとしても、この多額の使途不明金をそのままにしていいわけがありません。 

 実績も明らかにされていない第2の報酬とも言えるY氏への委託料、そして、再委託を禁止していたにもかかわらず、Y氏関連会社に再委託をした公社の責任について、紋別市として毅然と対応すべきではありませんか。

 それが、市民への信頼を回復する道でもあると確信します。見解をお聞かせください。 

 

 次に、再発防止策に関連してお伺いします。 

 報告書では、8点の再発防止策を提案し、行政報告でもそれぞれへの対応策が述べられました。そこで、何点か確認させていただきます。 

 今回の不正事案のポイントの一つに、公募型プロポーザルの実施要項に紋別市内に本店、支店のある事業者に限るとした極めて意図的な参加条件をチェックできなかったことがあります。 

 そこで確認します。 

 紋別市には平成25年に施行された紋別市プロポーザル実施要綱が存在しています。この第5条で、市長は、プロポーザル方式の実施を決定したときは、紋別市プロポーザル審査会を設置するものとすると規定し、その審議項目の一つに、プロポーザル方式の実施要領を決定するとあります。

 この実施要領とは、まさに市内に本店、支店を有する者と書き込んだ、それがこれに当たります。 

 さて、この実施要領は審査会で審議されたのでしょうか、お聞かせください。 

 さらに、第9条で、市長は、応募者が参加資格を満たしているかどうかを審査会に諮り、確認すると定めています。 

 さて、この審査も行われたのでしょうか、お聞かせください。 

 この不正事案のもう一つのポイントに、Y氏が市役所を退職してもなお、市役所内部に絶大な影響を持ち続けたことがあります。 

 そこで確認します。 

 紋別市では既に平成28年施行で紋別市職員の退職管理に関する規則が制定されています。そこでは、退職後、離職前5年間の職務に属するものに関し、離職後2年間は職務上の行為をしてはならないと定められています。

 今回の場合、Y氏はまさにこの ケースに当たり、場合によっては、振興公社社長も該当するのではないでしょうか。 

 この規則に違反した元職員には過料または刑罰があり、元職員から働きかけを受けた職員も、公平委員会にその旨を届け出る義務があります。

 今後の問題ではなく、現在の規則、法律でもしっかり対策が取れた問題です。 

 Y氏及び振興公社社長の行為に対し、どういう認識を持っていたのでしょうか、見解をお聞かせください。 

 それと関連し、市の幹部職員の再就職先の公表を行う必要があるのではないかと考えます。

 道内でも、旭川市、釧路市、富良野市、赤平市など、10以上の市で再就職先を公開しています。

 市政に対する公平性と透明性を担保するためにも再就職先の公表を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。お考えをお尋ねします。 

 今回の事案を受けて、私は、プロポーザル審査会の会議録と審査結果について、情報公開条例を使い、提出を求めました。

 まず、驚いたのは、その会議録自体が存在しない、会議の記録そのものがないということです。

 私に提出された2枚程度の質疑応答の文書も、技術上のノウハウがあるとして、そのほとんどが黒塗りでした。 

確かに公開には限界があるでしょうが、今回の事案を受け、審査の公平性と透明性を担保するためにも会議録の作成と積極的な情報公開の姿勢が必要だと考えるものですが、いかがでしょうか、見解をお伺いします。 

 報告書では、アドバイザーの見解として、最後に、市役所の風通しが悪く、是正を正そうとする空気が希薄となっていることが原因と思われると指摘しています。

 極めて厳しい指摘であり、正鵠を射ていると思います。この指摘をどのように受け止められたのか、率直な見解をお尋ねするものです。 


 最後に、市役所の再生に向けた市長の責任の果たし方について問わせていただきま す。 

 さきに述べてきたように、公募型プロポーザルにおける数々の不適切な行為は極めて重大で深刻な問題だと言わざるを得ません。まさに、法令違反とも言える違法行為を業務命令として市職員にやらせていたということになるのです。

 市職員の中には、参加資格を市内に本店、支店のある事業者に限るという不合理な条件を付すことにさすがに違和感を持つ職員もいたといいます。

 にもかかわらず、違法行為はなくならなかった。それは、報告書でも市長の了承を得られなければ先に進めない、市長が大きな信頼を寄せているYが紹介した会社なら、内容にかかわらず市長の了承が得られる、市長も、公募型プロポーザルの公表前からB社との契約を了承していると記されているように、事業の進捗への大きなプレッシャーの中で担当職員が次第に追い詰められていったことが容易に想像できます。 

 それは、空港関連でも言えるのです。報告書では、複数の関係者が疑義を持ちつつも、Yから市長に確認済みと一喝され、パワハラに近い言動もあり、意見の言えない職場環境が形成されたと述べ、市役所全体として声の大きい者にひるむ傾向があると指摘しています。 

 市長は、行政報告の中で、公務員として、一層の自覚、モラルの醸成や法令遵守の向上に努めると述べましたが、市職員がそのモラルや法令遵守から逸脱せざるを得なかったのはどうしてなのでしょうか。その責任は誰にあるのでしょうか。そのことが 今問われているのではありませんか。

 文字どおり、その責任は、行政のトップであり、管理監督責任者である市長、あなたではありませんか。

 人ごとではなく、自らの問題として、責任の在り方、責任の取り方を果たす必要があるのではありませんか。 

 今回の不正事案は、市政執行方針の中で市長の掲げる医療の再生、中心市街地の再生、観光の再生に新たに市役所の再生を加えるぐらいに重要なテーマではありませんか。そのぐらいの姿勢がなければ、市民の信頼の回復はありません。

 しかし、それに対する記述も位置づけも全く見当たりませんでした。 

 今回の不正事案を受けて、抜本的な改革への覚悟と決意を期待していましたが、市長の行政報告からは残念ながらそれも感じられませんでした。

 給料の減額だけが責任の果たし方でしょうか。改めて、市長としての責任の果たし方について、身の処し方も含めて、その認識と見解をお聞きするものです。 



〇宮川良一市長

 次に、不正事案問題についてであります。 

 1点目の公募型プロポーザルにおける一連の不適切な行為についてでありますが、弁護士に法的問題点について確認させていただいたところ、本案件が法に違反するとすれば、官製談合防止法第8条が問題となり得る可能性があるとして、法的解釈をいただきました。 

 一つには、官製談合防止法第8条違反が成立するには、入札等により行う契約の締結に関して行われた当該入札等の公正を害すべき行為でなければならないとされており、入札等については、一般競争入札、指名競争入札のほか、公募型プロポーザルを含む随意契約であっても、競争入札の実質を有する場合には第8条の公の競売または入札に当たると解されるが、本件公募型プロポーザルが競争入札の実質を具備していたと言えるのかについては疑問がある、二つには、避暑地化推進基本計画策定業務委託公募型プロポーザルにおいて不適切な行為を行った職員が、決定権やプロポーザル選定委員会の評価基準についての決裁権限を有する場合には、入札等の公正性に正当でない影響を与える具体的な危険を有する行為と言えるが、不適切な事務処理を行った職員は決裁権限を有していないことから、官製談合防止法第8条の入札等の公正を害すべき行為には当たらないと考える、三つには、避暑地化推進基本計画策定業務委託に係る贈収賄事件において、北海道警察本部及び釧路地方検察庁は、本件全体について、刑事事件の有無及びその立件につき詳細に検討し、捜査されたものと考えるが、 結果として、贈収賄事件については逮捕、起訴とはなったが、官製談合防止法第8条については逮捕も起訴もなく、捜査は終了しており、本件については、官製談合防止法第8条に違反したとは判断しなかったものと考えられると見解をいただいております。 

 しかし、不適切な事務処理が行われていたことは明らかでありますことから、今後、二度とこのようなことがないよう是正してまいります。 

 

 2点目のエージェント対策費の使途不明金についてでありますが、路線維持対策委託費につきましては、紋別市不正事案等検証委員会においても、Y氏に対し、質問状を送付し、その使途等について明らかにするよう求めましたが、具体的な回答は得られず、これ以上の追及は困難となっております。 

 再委託につきましては、検証委員会の報告書において、株式会社紋別観光振興公社は、当時、Y氏から協議会には再委託の了承を得ていると説明を受けていたが、実際はY氏が独断で進めたものであったことが判明しており、公社社長は、昨年の株主総会において、不祥事に対する責任を認めた上で謝罪し、事件発覚後の対応、再発防止策等に関する説明を述べております。 

 エージェント対策事業につきましては、令和5年度に全面的な見直しを行い、利用促進事業として、ANAグループ及びANA総代理店の株式会社紋別観光振興公社と一体となって取り組み、事業の透明性の確保と予算執行の厳格化に努めているところであり、本市といたしましては、二度とこのようなことのないよう、再発防止に傾注し、市民の信頼回復に全力で取り組んでまいります。 

 

 3点目の再発防止策に関連してについてでありますが、議員のご指摘のとおり、紋別市プロポーザル実施要綱第5条には、審査会の設置のほかに、審議項目として、プロポーザル実施要領、参加提案者の選定、提案の審査及び評価が規定され、第9条には、審査会が参加資格の確認をすると規定されております。

 しかし、避暑地化推進基 本計画策定業務委託プロポーザル審査会では、それらの審査等については、時間も限られていたことから、事務局での確認にとどめていたものであります。 

 紋別市職員の退職管理に関する規則は、営利企業等に再就職した元職員が離職前5年間の職務に関して離職後2年間は現職職員に対して働きかけを行うことを禁止するもので、今回の事案では、Y氏はその対象に該当する者であり、正しく退職管理がなされておらず、今回の検証委員会においても指摘を受けたところであります。 

 なお、公社の社長につきましては該当していないものと認識しております。 

 退職者の再就職先の公表につきましては、再就職後の業務への介入を防止するなど、不正事案への牽制にもなるものと考えております。

 今後は、退職管理を確実に行うとともに、再就職者の公表についても実施してまいります。 

 会議録の作成につきましては、これまで、会議の開催結果について、決裁行為にて決定事項の報告や質疑、意見などについて報告してきたところでありますが、公平性と透明性を確保するためにも会議等の内容によっては議事録の作成を必要に応じて検討してまいりたいと考えております。 

積極的な情報公開につきましては、開示できる情報は紋別市情報公開条例で規定しており、特定の個人を識別できるものや公開をすることにより明らかに不利益を与えるものなどの情報につきましては、全てを公開せず、部分公開としているところであり、保護すべき利益を守る観点からやむを得ないものであることをご理解願います。 

 アドバイザーからの見解につきましては大変重く受け止めており、今後、職員と一丸となって、不正は絶対に許さないという強い決意と覚悟を持って再発防止に取り組んでいかなければならないと考えております。 


 4点目の市役所再生に向けた責任の果たし方につきましては、さきに保村議員のご質問にお答えしたことでご理解願います。 


【 保村議員に対する宮川市長の答弁 】

〇宮川市長

 本事案についての責任の所在は、これまでも市政の最高責任者である私にあると申し上げてまいりました。

 本定例会の初日に報告させていただいた再発防止策を着実に実行していくとともに、現在山積する行政課題を職員、そして市民の皆様とともに遅滞なく進めていくことが私の最大の責務であり、それにより信頼回復がなされるものと考え、市長の職を辞することは考えておりません。 



【 再質問 】


○野村議員

 子育てに関してご答弁をいただきました。いろいろと言いたいことがありますが、また改めて順次やっていきます。対応してくれている職員の皆さん、ごめんなさい。10分しかないので、今回は、不正事案の問題を主に取り上げさせていただきます。 


 私は、最初に官製談合防止法違反ではないのかという話をしまして、先ほど市長の答弁では弁護士の見解を述べられておりました。 

 弁護士によってもいろいろな解釈があるのです。私が参考にしたのは、ある県でありました。そこでも公募型プロポーザルが行われて、紋別と同じように、最初から特定の業者が選考基準になって、それが違法ではないかということで弁護士を含めて調査が行われ、そこでは、はっきりと官製談合防止法違反、第8条の違法行為だと認定をしておりました。私は、それを参考にさせていただきました。 

 それを受けて、市民団体が地検に告発をいたしました。同時に、市に対して監査請求を行っています。そういうことで、やはり、この問題は曖昧にはできないのだという取組が行われるのですよ。 

 私は、罪人をつくろうという思いで言っているわけではないのですよ。それだけ重大な問題なのだということなのですよ、これは。

 裁量権の問題がいろいろあるから、また、これはどこかでやればあれですけれども、今日は時間がないのでやりませんけれども、昨日から今日にかけていろいろな議論がありました。 

 まず最初に、市長にお聞きしたいのです。 

 今回、最終報告書が出ました。去年は中間報告でした。最終報告書を市長は読まれたと思います。市長も聞き取りに協力されたと思います。これを読まれて、どんな感想を持たれましたか。

 そして、何でこんなことが長い間というのか、ずっと続いていたと思いますか。その原因は何だと思いましたか。そして、その責任はどこにあるのだと思われましたか。 

 まず、この報告書を読んだ感想について、忌憚なく、市長、教えてください。 


○宮川市長

 何度も申し上げているように、最高責任者である私に責任があるということは先ほどの答弁でも申し上げております。 

 こうしたことがなぜ起こっているのかということについてですが、報告書の中にコミュニケーション不足ということが書かれておりましたけれども、職員が私等に対して話をできなかったのか、どうなのかということです。

 私としては、非常に疑問で、それほど職員との間に壁があるという気持ちはなかったわけでありますけれども、実際には報告書ではそうした記載になったということで、非常に残念だなと思っておりますし、責任を感じているところであります。 


○野村議員

 報告書で、述べられている職員の思いというのは、聞き取りで発言されている職員の偽らざる声で、市長、そういうことなのです。職員の皆さんの思いはですよ。 

 もう一つ聞きます。報告書を読みますと、例えば、プロポーザルのことで、不正、不適切な行為がどんどんとやられている。読まれましたよね。それから、空港のことでもおかしいと思いながら言えない空気があったとつづられていますね。これは、職員の問題ですよ。実は、今回、この調査を行うに当たって、従来の職も捨ててまでこの調査のために頑張った職員がいるではないですか。この報告書を読まれ、そして、この報告書がつくられた過程における職員に対してはどう思われましたか。職員の皆さんに市長はど ういうふうに声をかけられますか、教えてください。 


○宮川市長

 この報告書の作成については副市長を委員長に行っていただきました。関係職員に対しては、本当に職務以外のことで非常に重い職務を与えておりまして、大変申し訳ない思いでおります。 

 その中でも、職員の皆さんは、この報告書の完成に向けて、今まで言えなかったようなことも言われていて、報告書として非常に立派なものができたのではないかなと思っておりますし、感謝しております。 


○野村議員

 立派なものができたということではないですし、喜ぶ話ではないのですよ。中身はとんでもない話なのだから。何を言っているのかなと思いますよ。 

 私は、この報告書を読んで胸が詰まりましたよ。苦しくなりましたよ。市の職員が、次々とこんなことをせざるを得なかった、追い込まれていったのですよ。それを許したのですよ、皆さん方が。そうさせたのではないのですか。本当に切なくなりますよ。 

 行政報告の中で、市長は、市職員の自覚とモラルを向上させる、法令遵守だと言われたけれども、それを逸脱させたのは誰ですか。皆さんではないですか。あなた方こそ、自覚を、法令遵守をしなければならないのですよ。本当、そう思います。それが責任ですよ。 

 今度のことの最大の問題は、組織的に行われていることです。今までの不祥事は、個人が公金を横領したぐらいなものです。

 これは、組織的に行われているのです。組織的に行われるということは、誰かが組織の者として命令しているのですよ。指示をしているのですよ。やらせているのです。それが組織的なことでしょう。プロポーザ ルの問題も含めて。

 問題は、誰がそれをやっているか、やらせているかということではないですか。私は、そのトップは、どうしても市長だと言わざるを得ないのですよ。 

 公募型プロポーザル、どこからこの一言が、どこからこれがスタートしたか、いろいろ書いているのです。もともとはC社という会社だったのですね。ほぼC社で皆さん方は決まっていたのだよ、担当職員、そして、前副市長も含めて。

 それで予算請求するといったとき、市長はC社では駄目だと言ったのですね。さらに、C社では駄目だ以上に、中島氏に相談しろと。市長はそういうふうに言っていますね。

 それで、前副市長は、中島氏は既に退職しているのですが、そこまで相談に行っているのですよ。 

 市長、C社という会社はなぜ駄目で、中島氏という人物がここに登場するのですか、教えてください。 


○宮川市長

 C社という会社のコンサルの完成されたものを見ましたら、建物は非常に立派で、お金がかかるものでできているのですけれども、その運用が全くできていないというか、そういうものがなされていなくて、俗に言う絵に描いた餅というような状況でありましたので、担当職員も含めて、その中でこれでは無理だなということでありました。 

 それで、どこか別なところはないのかどうかということで探していた中で、Y氏に伺いを立てるとか、そういうことではなくて、幅広く、都内等を含め、いろいろな企業を知っているだろうから、ちょっと聞いてみたらという感じでお話をしました。 

 その中で出てきたのがJHATということでありますけれども、そこがどうなのかということについてはしっかり職員のほうで見定めるといいますか、リモートなんかで話を聞いた中で見定めていってほしいということであれしておりましたけれども、職員のほうで、ここは都内にもホテルを数十持っていて、旅行関係も得意としているところなので、いいのではないですかということで話が進んでいったということでありまして、決して、そこに決め打ちするという考えではなくて、ほかにあれば、それにこしたことはない、当時はそういう思いだったのです。それは間違いないです。 


○野村議員

 相談を受けた中島氏は、自分の友人のJHATを紹介しました。そして、市の担当職員はJHATで必死になってそれを進めていきます。

 ところが、中島氏からは、急遽、JHATではなくて、その子会社であるAQUILAに変えろというふうに指示が来ます。

 しかし、前副市長も、担当職員も、AQUILAでは駄目だと言っています。なぜなら随意契約に該当しないからです。経験も実績もないからです。強行に駄目だと言ったのです。この判断は正しかったのです。 

 それを聞いた中島氏が前副市長のところにどなり込んでいったのですよ。どなり込んだというのは、見ていないので、分かりません。報告書では要求しに行ったと書いてあります。AQUILAにしろと。

 それを受けた前副市長は、市長のところにそのことを報告しに行っています。 

 その2日後、市長は、AQUILAで進めろというふうに担当職員に指示をしたと 報告書で書かれています。違いますか。違うのなら言ってください。(「前副市長が 指示したと報告書に書いてあります」と呼ぶ者あり)いや、言うなら言ってください。 


○稲葉副市長

 報告……(発言する者あり)前副市長が指示をした。


○野村議員

 それはそうですね。そういうことです。ごめんなさい。間違えました。 前副市長がそういう形で市長のところへ行ってAQUILAになったのですよ。そうですね。違いますか。 

 これは、昨日も喜多議員から話もあったのです。随意契約の中ではAQUILAは駄目なのですよ。でも、無理やりAQUILAにしろと市長が指示したということになっているのです。なぜですか。(発言する者あり)そういうふうに報告書は書いて いるのですよ。(発言する者あり)いや、違うなら違うと言ってください。 いや、どうだったか、市長から言ってください。それはどうだったのですか。 


○宮川市長

 報告書にあります指示をしたというのは、私が指示をしたということのように取られていますけれども、この報告書では、前副市長が指示をして、私は言われて承認したということの読み取りになるかと思います。 


○稲葉副市長

 12ページですね。昨日も、12ページの下から7行目からで、前副市長はという主語になっているのですけれども、判断を仰いだ後に……(発言する 者あり) 


○野村議員

 そのとき、市長は、AQUILAというところについて了承したのですか。そういうことですね。だから、随意契約には該当しないということを分かっていなかったのですか、いたのですか。それでもAQUILAでいこうというふうに判断したのですか。どうされたのですか。 


○宮川市長

 説明では、随意契約でやっても何の問題もないという説明があったので、そこで了承をしたということです。 


○野村議員

 それは、誰が説明したのですか、随意契約で大丈夫だと。これは前副市長ですか。 


○宮川市長

 それと担当部署です。 


○野村議員

 これは後にどこかで確認しましょう。

 AQUILAは随意契約に該当しないから、でも、AQUILAにしなければならないから、これからですよ、プロポーザルに向けて、あらゆる不正が行われていくのですよ。

 実績も経験もないので。だから、提案書も手直ししなければならないし、リハーサルまで行わなければならないのですよ。どんどんそうやってみんな深みにはまっていくのですよ。 

 それで、私は、やはり、市長のこの判断というのがどうだったのか、きちっとすべきだったというふうに思います。

 これは、空港も同じなのですよ。時間がない中で空港の問題も聞きますが、中島氏に対して1,870万円というお金が支給されています。

 これが、報告書では、公社から報酬が支給されないからとの考えから、1,870万円を支給したというふうに言っていますが、事実ですか。


○宮川市長

 それは、いつかの答弁でもお話ししたように、事実です。 


○野村議員

 ということは、1,870万円という金額も、公社から報酬が支給されていないからというこの考え方に中島氏も了承してこの金額が決まったというふうに理解していいですか。 


○宮川市長

 そうだと思います。 


○野村議員

 この1,870万円は、公社から給与、報酬が支給されていないから、その補塡だと言っていたと。

 ところが、昨日の議論ではないけれども、報酬をもらっていたのでしょう、公社から。そうですよね。二重払いされていた、あるいは、二重取りしていたということで、市役所はだまされていたのではないのですか。

 これは、市役所の皆さんからすれば、こういう契約で報酬を払っているのに、公社からも給料をもらっているのだ、冗談ではないときちんと抗議をして、返済を求めることの根拠があるのではないですか。どうですか。 

 中島氏に言いますよ。やったら何かもう無理だみたいなのが来たと。それは、調査を依頼したのでしょう。でも、調査の結果、二重払いだ、約束をほごにしている、だまされた、だから、返済を求めると中島氏に言えばいいのではないのですか。できないですか。いかがですか。 


○山本隆博観光空港対策室長

 お答えいたします。まず、1,870万円につきましては、昨日答弁しましたとおり、中島氏個人ではなくて、繰り返しになりますが、あくまでも法人に委託料として支出しているということでご ざいます。 

 報酬というものが積算根拠になっている部分はあろうかと思いますけれども、そういったことで、あくまでも搭乗対策の委託経費ということで契約を結んでいるということでございます。 


○野村議員

 それは、あなた方の書類上の処理の話で、そんなことを聞いているのではないのですよ。中島氏は、公社から給料がもらえないから、その代わりとしてこれを受け取っていたのでしょう。そのための給料、そのための積算をして。 

 だったら、きちんと請求し続けなければ駄目ですよ。二重取りをしていたのだ、話と違うのだ、はっきりしました、ここで。だったら、中島氏に、公社からも金をもらっていて、市からもその金は行っているのだ、払えない、戻しなさいと言えるではないですか。言うことはできますね。請求できるのではないですか。もう一回、教えてください。 


○山本観光空港対策室長

 繰り返しになるかもしれませんけれども、あくまでも報酬は個人に対する報酬ということで公社から支出してございます。

 そのほかに、協議会から搭乗対策委託料ということで支出してございます。積算根拠は、先ほど申し上げたとおりでございますが、そのような判断の下、当時、契約したものというふうに考えてございます。 


○野村議員

 そんなことを言っていたら駄目ですよ。全然、みんな、納得しないではないですか。 

 3億円近いお金が、それ以上のお金が使途不明金になっているというこの事態を何でもうちょっと皆さん方は真剣に考えないのか。

 市民のお金、そして、この空港対策に使うお金にはふるさと納税からも入っているのですよ。寄附してくれた人に対する裏切りではないですか、こんなの。

 使途不明金になって、どこかへ行ったかは分かりません、それで市役所としては終わりですか。こんなことが許されるわけないではないですか。 

 公社に対しても、市長自ら乗り込んでいってくださいよ。どうなっているのだと。 

 再委託はしてはいけないと言っているのに再委託したのはあんただろうと公社の社長に言ってくださいよ。責任を取りなさいと。ちゃんと資料を出しなさい、それがなければ、分からない分はちゃんと返しなさいと、市長自ら先頭に立ってください。

 そうでないと誰も納得なんかしないし、結論なんか出やしない。幾ら再発防止だと市長が淡々と述べたって、誰もその決意も熱意も感じないのですよ。 

 私は、市長、昨日も今日もそうですが、本当に、この事態を受けて自らどうしようとしているのか、覚悟と熱意が感じられない、熱情が見えないのですよ。

 空気が漂って、よどんでいるのでしょう、今、ここは、風通しが悪くて。だったら、もう窓をばっと全開にしてくださいよ。春の風を入れて、その空気を入れ替えましょう。 

 では、この窓を誰が開けるのですか。市長、あなたですか。私は難しいと思う。もっと真剣になってほしい、自分事にしてほしい、そう思っています。

 私の言いたいことは市長も理解してくれていると思います。市長の自らの判断を私は期待したい。 

 時間がありません。答弁は要りません。自らの判断を、と思っています。 終わります。 



未来を担う子どもたちのために~2024年第1回定例市議会一般質問①

 

【 質問項目 】

未来を担うこどもたちのために 

 ①「子ども家庭センター」の設置について 

 ②特定妊婦への対応・対策と子育て世帯訪問支援事業について 

 ③生活困窮世帯と不登校の子どもへの学習支援について 

 ④スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーの配置について 

 ⑤子どもの国保税均等割の軽減について 

 ⑥第3期子ども・子育て支援事業計画の策定について


○野村淳一議員

 私は、さきに通告いたしておりました順に従い、質問させていただきます。 

 最初に、未来を担う子どもたちのために、幾つか提案を含め、質問いたします。 

 市長は、市政執行方針で、子どもから高齢者まで、誰もが紋別市民でよかったと実感できるまちづくりを目指すと述べています。

 そのためにも、私は、全ての子どもたちを誰一人見捨てることなく、まち全体で生き生きと育んでいくことが大切だと考えます。

 子どもたちを応援することは、子どもたちやその親のためだけではありません。子どもたちの笑顔があふれるまちは、全ての市民みんなの笑顔が輝くまちであると思っています。それこそが、紋別のまちづくりの大きな要ではないでしょうか。 

 異次元の少子化対策の掛け声の下、政府は、昨年末にこども未来戦略、2月には少子化対策関連法案を閣議決定しました。

 しかし、子どもと子育て当事者が抱える問題の解決にはいまだ遠いものがあります。子育てしづらい社会環境からの抜本的な改革が急務であり、子育てへの安心感を生むためには住民の身近な市町村の積極的な役割が重要です。

 誰一人置き去りにしない子育て応援の紋別のまちづくりのために、以下、質問いたします。 

 第1は、こども家庭センターの設置についてです。 

 児童福祉法の改正に伴い、今年、令和6年4月から全ての市町村でこども家庭センターの設置に努めることが義務づけられました。

 これまで、子育て支援は、妊娠、出産、子育てに関する相談に応じ、必要な支援を行う子育て世代包括支援センターと、虐待や貧困などの要支援児童、要保護児童への支援を行う子ども家庭総合支援拠点の二つが存在し、紋別でもそれぞれが設置されてきました。

 しかし、今度は、この二つの機能を一元化したこども家庭センターを設立し、子どもや子育て世帯を包括的に支援する拠点として、妊産婦への支援から、いじめ、不登校の相談、支援まで、幅広く切れ目なく、漏れなく支援を行うことを目的にしています。

 既に、千歳市や恵庭市、富良野市、室蘭市、士別市、岩見沢市などで設置が準備されています。

 紋別市総合戦略でも、妊娠、出産、子育てにわたるまでの切れ目のない支援に取り組むと明記されており、従来からの課題でもあり、今予算での具体化を期待しておりましたが、 その方向が示されず、極めて残念です。

 専門の市職員を配置し、分散している相談支援体制を一元化し、情報を共有しながら、子育て支援の統括拠点として、言わば紋別版児童相談所とも言える紋別市こども家庭センターの設置を早急に求めるものですが、その認識と見通しをお聞きします。 

 さらに、もう一つ提案ですが、このこども家庭センターを中核とした文字どおりのセンター、拠点としての施設が必要ではないかと考えます。

 相談窓口や個別の相談室はもちろん、談話室やおしゃべりコーナー、簡単なカフェ、そして、まちなか児童館や子育て関連のNPO法人、中高生の第三の居場所、さらには適応指導教室も併設した、まさに子育ての拠点としての施設の建設もぜひ視野に入れるべきだと考えます。 

 子育て支援に寄附してくださるふるさと納税の使い道としても適切だと思いますが、 いかがお考えか、お尋ねします。 

 

 第2に、特定妊婦への対応、支援と子育て世帯訪問支援事業についてお尋ねします。 

 特定妊婦とは、出産後の養育について出産前において特に支援が必要と認められる妊婦と定義され、望まない妊娠、若年の妊娠、精神疾患、支援者の不在など、家庭環境にリスクを抱え、育児が困難と予想される場合などです。 

 まず、市内における特定妊婦の状況とその方々への対応と支援についてお聞きします。 

 今回の児童福祉法の改正により、子育て世帯訪問支援事業が市町村の家庭支援事業に位置づけられ、計画整備が求められています。

 特定妊婦をはじめ、要支援・要保護児童とその保護者、支援を必要とするヤングケアラーなどの世帯を訪問し、子育ての相談に乗り、助言を行い、また、調理や掃除などといった家事援助も行うものです。 

 昨年の第3回定例会でもこの問題を取り上げ、令和6年度からの実施を求めた経緯があります。そのときは、必要性は認識しているが、スタッフなどの問題もあり、今後協議したいと答弁しておりました。

 しかし、残念ながら、今回も実施が見送られました。市内の子育て関連のNPO法人は、その実施に前向きだと聞いています。

 ともすれば、育児に疲れ、誰にも相談できず、孤独の中で苦しんでいる親子がいるかもしれません。そんなときに、ちょっと声をかけ、話し相手になり、家事を手伝う、そういうサービスがあれば、どんなに心豊かに安心できるでしょうか。 

 誰一人取り残さない紋別をつくるために、早急の具体化を求めるものですが、見解をお聞かせください。 


 第3に、生活困窮世帯と不登校の子どもたちへの学習支援についてお尋ねします。 

 生活困窮者自立支援法による子どもの学習・生活支援事業は、貧困の連鎖を防止することを目的に、学習支援をはじめ、生活習慣の改善や進路選択の援助などを行うものですが、紋別市は直営で学習・生活支援事業を実施していることになっています。まず、この内容と実績についてお聞かせください。 

 同時に、不登校となっている児童生徒への学習支援も重要な課題です。学習・生活支援事業には、センターなどの施設での拠点型とその家庭に出向いて学習をサポートする訪問型とがあります。

 この訪問型は、不登校の児童生徒にも活用を広げることで 学習効果が大いに期待できるものです。

 北見市では、委託事業により訪問型学習支援を実施しています。 

 本市でも、拠点型とともに訪問型の学習支援事業の導入に向けて検討すべきと考えるものですが、見解をお伺いします。 


 四つ目に、スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーの配置についてお尋ねします。 

 不登校やいじめ、さらには、学校内におけるトラブルや事件など、児童生徒をめぐる課題は山積しています。それは、学校や家庭は言うに及ばず、地域や社会の問題でもあります。

 様々な葛藤を抱えている一人一人の子どもの心に大人が本気で向き合う姿勢を示すことが大切です。そのためにも、専門家としてのスクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーの力と役割がなくてはなりません。

 今までの月数回、週数時間程度の勤務体制では、到底、継続的な支援と援助はできません。

 スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー両者とも常勤職としての配置が必要ではないかと考えます。それらの活動状況をお聞きするとともに、常勤化に向けた認識と方向性についてお尋ねするものです。 


 五つ目は、子どもの国保税均等割の軽減についてです。 

 過去にも同様な質問を行ってまいりましたが、改めて子どもの均等割の軽減を求めるものです。

 国保税の均等割は、加入者一人一人に課税されるもので、子どもが増えるたびに増税となり、こんな仕組みは国保にしかありません。

 しかも、今回、国保税額を引き上げる条例案が提案されています。それにはもちろん私は反対ですが、均等割額が年1人3万4,900円から3万7,900円へと3,000円も引き上げる計画です。

 これは、子育て世帯にとってはまさに大打撃です。少子化対策、子育て支援に逆行する均等割の増税ではなく、軽減策の実施こそ必要ではありませんか。 

 少子化対策、子育て支援策としての福祉的観点から、その経費を一般会計から繰入れし、均等割の軽減の実施を求めるものですが、いかがお考えか、お聞かせください。 


 子育て支援策の最後に、第3期子ども・子育て支援事業計画についてお尋ねします。 

 第2期の子ども・子育て支援事業計画は令和6年度で終了するため、第3期計画に向けた策定作業が必要となります。 

 そこでまず、第3期計画の策定に向けたスケジュールと子どもや保護者などを対象にしたニーズ調査の実施についてお尋ねします。 

 特に、今回の計画策定には子どもからの意見の聴取とその反映が義務づけられていますが、その具体的な取組についてもお聞きします。 

 また、国のこども基本法の中では、市町村こども計画を策定するよう努めることとされています。この内容と次期支援事業計画との関連についてもお尋ねするものです。 

 

○宮川良一市長

 それでは、野村議員のご質問にお答えいたします。 

 初めに、未来を担う子どもたちのためにについてであります。 

 1点目のこども家庭センターの設置についてでありますが、本市は、令和2年9月に保健センター内に児童家庭課所管施設として子育て世代包括支援センターを設置し、令和4年4月にはこども家庭総合支援拠点を児童家庭課内に設置したところであります。

 こども家庭センターは、これらの機能を一元化したものであり、現在もその業務の大半を担っているところでありますが、児童家庭課の児童福祉機能と健康推進課の母子保健機能が別々の拠点に配置されており、こども家庭センターを設置するに当たっては、組織全体のマネジメントができるセンター長や、児童福祉と母子保健の双方の業務について十分な知識を有し、俯瞰して判断できる総括支援員の配置など、拠点 場所や人員配置等の多岐にわたる課題を整理するとともに、利用者の利便性を考慮しつつ、慎重に対応してまいりたいと考えております。 


 2点目の特定妊婦への対応・対策と子育て世帯訪問支援事業に関し、特定妊婦への 対応、対策についてでありますが、母子健康手帳交付時の面接及び妊娠届やアンケー トから特定妊婦を把握し、医療機関や関係機関と情報共有を図るほか、出産時の入院に協力者がいない場合を含め、緊急時に備え、消防署に情報提供を行うなど、本人の同意を得ながら生活環境を整え、安全に妊娠及び出産ができるよう、必要な支援を行っております。 

 また、出産後につきましては、リスクを抱え、育児をする母子の状況について、医療機関からの連絡及び養育支援連絡書により、新生児及び乳児、産婦の継続訪問等で養育環境を確認しながら、母子の健康及び子どもの発達、発育を把握し、医療機関や関係機関につなげるなど、支援を行っております。 

 子育て世帯訪問支援事業につきましては、令和5年第3回定例会で、議員のご質問に対し、民間事業者の活用も視野に入れ、訪問型支援の充実に向け、検討するとお答えしておりますが、現在、市内NPO法人と令和7年度の事業実施に向けて協議を進めているところであります。 


 3点目の生活困窮世帯と不登校の子どもへの学習支援についてでありますが、生活困窮者自立支援法による子どもの学習・生活支援事業において、学習支援は、現在、紋別市教育委員会で行っている学紋塾において、生活困窮世帯も含め、実施しており、実績につきましては、令和4年度は就学援助対象者8人、令和5年度は2月末現在で就学援助対象者2人となっており、両年度とも被保護者対象者はおりませんでした。 

 また、不登校などの児童生徒に対する訪問型の学習支援の導入についてでありますが、対象者の把握や運営する事業所の確保などの課題もあり、現在のところ、導入については考えておりません。 

 生活困窮者自立支援法による子どもの学習・生活支援事業の事業展開についてでありますが、生活困窮世帯に限らず、関係部署と連携し、市内の児童生徒全体に対し、事業を展開していくことが望ましいと考えております。 


 5点目の子どもの国保税均等割の軽減についてでありますが、国からの通知により、特定の対象者にあらかじめ画一的な基準を設けて減免を行うことは適切ではないとの考えが示されており、北海道においても、令和12年度の統一保険料率の実現に向け、減免基準の標準化や減免に係る財源の統一が進められているところであります。

 また、一般会計から繰入れを行うと、法定外繰入れとなって、本市のみならず、北海道への保険者努力支援交付金が減額されてしまうことから独自減免を行うことは難しいと考えております。 

 子育て世代の負担軽減に鑑み、全国一律に制度の拡充が図られるよう、今後も要望を続けてまいります。 

 

 6点目の第3期子ども・子育て支援事業計画の策定についてでありますが、令和6年度が策定年度である本事業計画のスケジュールにつきましては、現在、ニーズ調査の段階であり、本年4月中に調査票を配付し、回収は5月を予定しており、調査対象は就学児童及び就学児童の保護者となっております。 

 子どもからの意見聴取につきましては、ニーズ調査に盛り込むかについて委託事業者と検討中でありますが、令和5年第2回定例会で梶川議員のご質問にお答えしたとおり、紋別市青少年健全育成推進協議会などの従来からある子どもに関わる民間団体などと連携を図りながら意見聴取をしていきたいと考えております。 

 ニーズ調査後につきましては、9月頃までをめどに子育て世帯の現状と課題の洗い出し、市の関係部署における子育て支援分野別施策の整理、子ども・子育て支援サービスの提供見込み量を算出し、9月以降に計画骨子案・素案の作成を進め、本計画の完成に向けて、紋別市子ども・子育て会議で協議を重ねていく予定であります。 

 市町村こども計画につきましては、子ども・子育て支援事業計画とは別の計画に位置づけられておりますが、国のこども大綱と都道府県のこども計画を勘案して作成することとされており、北海道のこども計画は令和6年度に完成予定でありますことから、本市においては、北海道のこども計画が完成され次第、着手してまいります。 



2024年6月20日木曜日

オホーツク福祉園の移転建替問題を問う~2023年第4回定例市議会一般質問②


オホーツク福祉園

 

【 質問項目 】

紋別市百年記念福祉会の移転問題について 

 ① 移転に係る紋別市の「意見書」について 

 ② 法人の渚滑町への移転について 

 ③ 障害福祉施策の充実との関連について 

 ④ 「家族会」からの嘆願書提出について


〇野村淳一議員

 次に、社会福祉法人紋別市百年記念福祉会の移転問題について質問いたします。 

 一つ目にお聞きしたいのは、福祉会の移転に関わる紋別市の意見書についてです。 

 百年記念福祉会の移転事業計画がテーブルに上がってから8年、法人の理事会で渚滑地区に移転する決定がなされてから3年、しかし、この間、施設の存続を求め、移転に反対する上渚滑地域の「残す会」との協議も平行線のまま経過し、一日も早い移転を望んでいる家族会の願いも宙に浮いたままになっています。 

 そんな折、財界さっぽろの10月号で、「障がい者支援施設の移転問題で紋別市民が知らない宮川市長の〝裏の顔〟」と題した記事が掲載されました。

 その内容については言及しませんが、一つだけ気になった箇所があります。それは、このような部分です。 

 「補助金申請と福祉医療機構からの借り入れには地元自治体の意見書が必要。自治体の意見書が判断材料の1つになる。福祉会は昨年と今年の2回、市に求めた。2回分の意見書には否定的な意見ばかりが連ねられている」と記され、紋別市が事実上、移転反対の姿勢を示していると紹介している点です。 

 そこで、お聞きしますが、この意見書とはどういう性格のものなのでしょうか。そして、どういう役割を果たすものなのでしょうか、お聞かせください。 

 その上で、この意見書の内容についてですが、紋別市はどのような最終的な結論を述べているのか、市町村の支援、協力について、その記述内容とその理由についてお伺いいたします。 

 二つ目にお聞きしたいのは、法人が計画している渚滑町への移転についてです。 

 市長もご存じのとおり、オホーツク福祉園は築約40年、こまくさ学園は築30年とどちらも老朽化が著しいだけでなく、入所者の高齢化に伴い、段差の解消など、バリアフリー化が急がれるとともに、プライバシー確保のためにも、4人部屋の解消は待ったなしの状況であり、施設の移転、建て替えは喫緊の課題となっています。

 しかし、それがどこでもいいというわけではありません。 入所者の高齢化は、医療の必要性と緊急性を高めており、救急体制や在宅医療の確保など、医療機関とより緊密な連携が必要となっています。

 また、職員、スタッフにおいても、労働・通勤環境の改善も重要です。

 生活介護や日中一時支援事業などに通う通所利用者にとっても移動の負担の軽減が求められています。

入所者の家族にとっても、送り迎えなど、送迎の負担の軽減も重要な課題です。

 だからこそ、それらを勘案して渚滑町への移転を決定したのだと思いますし、そこには施設利用者の幸せを第一に考えた姿勢があると考えるものです。 

 市長も言うように、施設の移転は最終的には法人が決定することであり、その立場を尊重することがまずは基本であり、それが前提です。

 しかし、これも市長が言うように、歴史的経過を踏まえ、法人として上渚滑地域の理解を得る努力も必要だろうと思います。 

 そこで、これら施設の状況に鑑み、渚滑町への移転、建て替えについて、市長はどのような判断と見解をお持ちなのか、お尋ねします。

 また、市長の考える上渚滑地域の皆さんへの理解を得る努力とはどういうものなのか、見解をお聞かせください。 

 同時に、平行線のまま一歩も前に進まない状況が続いています。紋別市にとっても決して好ましい状況ではないと思います。紋別市がリーダーシップを果たす必要があるのではないかと考えますが、いかがでしょうか、お考えをお知らせください。 

 三つ目にお聞きしたいのは、この施設移転と紋別市の障害福祉施策の充実との関連についてです。 

 百年記念福祉会は、紋別市内唯一の障害者福祉の社会福祉法人として、これまでも紋別市の障害福祉事業を担ってきており、これからも紋別市と二人三脚で進めていくことが大事なのは言うまでもありません。 

 私は、さきの議会で、現在策定中の障害者福祉計画にグループホームの増設や生活介護の拡大などを盛り込むよう提案しました。また、ショートステイの増床も喫緊の課題です。どれも障害者の強い要望であり、紋別市としても、その必要性は十分理解していると思います。

 これらの事業の展開を紋別市も法人と連携、協議しながら進めることが必要だと考えるものです。

 一方、法人側も障害福祉を担う社会福祉法人としての責任を果たす努力を惜しまないことが必要だと考えます。

 百年記念福祉会として、渚滑町への移転に伴って、ショートステイや生活介護などの新たな事業展開も視野に入れているとの話をお聞きいたしました。 

 これらを踏まえ、紋別市、そして保健福祉部として、障害福祉の充実に向けた法人との協働の取組をさらに進めるべきと考えますが、見解をお尋ねいたします。 

 移転問題の最後にお聞きしたいのは、家族会の皆さんからの要望についてです。 

 11月20日、オホーツク福祉園、こまくさ学園の家族会の皆さんが集めた嘆願書3,616人分が市長に手渡されました。

 これは、紋別市の意見書を念頭に、一日も早く法人が計画する場所に移転、建て替えができるよう、市長に心ある判断を求めたものです。

 家族会の皆さんの声を市長もしっかりと受け止めてくれたと思います。

 今回の要請に体調不良のために来られなかったオホーツク福祉園家族会の会長は、10月15日に行われた臨時総会でこう語ったと言います。自分たちの子どもやきょうだいたちが最後に楽しく笑う姿を見て自分の人生は終わる、何かがあったときにすぐに広域紋別病院に行ける場所へ、両施設を移転させてもらいたい、と。 

 今回提出された多くの嘆願書への受け止めと家族会の皆さんの声をどのようにお聞きになったのか、宮川市長の思いをお聞かせください。 


〇宮川良一市長

 次に、紋別市百年記念福祉会の移転問題についてであります。 

 1点目の移転に係る紋別市の意見書についてでありますが、意見書とは、法人が施設建設等に対し、国の社会福祉施設等施設整備費補助金の申請時に必要な社会福祉施設整備計画に添えて提出するものであります。 

 その内容につきましては、要援護者・待機者の状況、市町村計画上の位置づけ、用地確保の状況、立地条件、医師の確保・協力医療機関の状況、地域住民に対する対応状況、資金計画の妥当性、市町村の支援・協力の8項目から成っており、市町村の支援・協力の記載内容は、現施設所在地の上渚滑地域、移転予定地の渚滑地域、それぞれの住民に対して理解を得ていないこと、また、現在の法人運営についての疑問点が残る状況では市として支援を行うことは難しいことから、それらの早急の改善を希望する旨を記載させていただき、平成28年より私が法人に対してお願いをしている地域との合意形成がなされていない事実についても記載させていただいたところであります。 

 2点目の法人の渚滑町への移転についてでありますが、私も入所者の皆さんとそのご家族のことを一番に考えており、一日も早く新しい施設での生活を送っていただきたいと思っております。

 そのためには、常々申し上げておりますが、設立より長きにわたり、当該施設の整備、運営に多大なる理解と協力をいただいてきた上渚滑地域の住民の方に対し、今後の法人運営に関するビジョンなどの説明や意見交換を重ね、双方が一歩ずつでも歩み寄る努力をしていただきたいと思っており、その仲介役として市も話合いに参加し、お互いが納得できるよう、議論を深めていければと思っております。 

 3点目の障害福祉施策の充実との関連についてでありますが、紋別市百年記念福祉会が渚滑町への移転がなされた場合には、将来計画の想定として、就労支援事業所の開設や相談支援事業所、グループホームの新施設の敷地内への移転、災害時における福祉避難スペースの確保などが想定されており、新施設での事業集約の合理性など、本市といたしましても障害福祉の充実について評価をしているところであります。 

 4点目の家族会からの嘆願書提出についてでありますが、こまくさ学園家族会の会長、道東知的障がい児・者家族会連合会会長より、それぞれ嘆願書をいただき、入居者の皆さんの思いも深く受け止めたところであります。

 一日も早く新しい施設での生活が送れるよう、法人が上渚滑・渚滑地域の住民の理解を得ていただく努力をしていただき、法人が努力をして行った行動、経過等につきましては次回の意見書には反映されるものと思います。

 また、法人からの要望があれば、市が間に入って、地域と法人が協議する場を設けたいと思っております。


【 再質問 】


〇野村議員

 福祉会の移転の問題です。 

 私としては非常に前向きなご答弁をいただいたと思っています。

 皆さん方としても 非常に勇気づけられたご答弁ではなかったかなと思っています。

 ただ、幾つか確認をさせてください。今の市長のご答弁の中にあった意見書のことです。 

 意見書は、さきに市長がおっしゃったように、法人が道に対して施設整備補助金を申請するのですが、そのときにこの意見書を添付しなければなりません。

 ところが、今、その申請がオホーツク総合振興局で不受理になったまま、令和4年、5年と続いていまして、その鍵が意見書なのです。

 市が移転に対して反対の姿勢だというのが不受理の原因になっていまして、この意見書が極めて重要な鍵を握っているのです。

 それで、お聞きしたいのです。先ほど市町村の支援、協力というところを読み上げていただきました。その中身で気になったところがあるので、それを確認します。 

 現施設所在地の上渚滑地域、移転予定地の渚滑地域、それぞれの住民に対して理解を得ていないという表現がありました。

 上渚滑地域の皆さんは、確かに、そこから移転していなくなることに対して反対している声は私も理解をします。

 では、渚滑町はどうなのですか。移転予定地の渚滑町住民は、その移転に対して理解を得ていないと書かれています。

 非常に断定的な表現です。昨年の8月5日、法人は渚滑の住民全てを対象にして住民説明会を開催しています。 

 そこに市は参加をしていますか。そして、理解を得ていないという表現をしている根拠は何ですか。 


○西田尚市保健福祉部長

 お答えいたします。議員がおっしゃるとおり、市としては説明会には参加しておらず、町内会の会長や役員の方にお話を聞いたということでございます。 

 なお、議員のおっしゃる理解を得ていないということについてですが、きちんとした法人としてのビジョン、また、この地域で下水道関係など、立地条件についてきちんと話をして、再度お話を聞かせてほしいということを町内会は上渚滑の福祉園サイ ドに話したということで、私が聞いたもので記載をさせていただいたということでございます。 


○野村議員

 私も参加している方のお話を伺いました。参加された方は20人を超えています。渚滑全域から集まっています。

 20人が多いか少ないかはあるかもしれ ませんよ。でも、20人以上の方が集まっており、確かに意見が出ているのですよ。 

 なぜ、この渚滑の元新なのですか、紋別市とはどういう意見調整をしていますか、上渚滑で反対する声がありますがどうですか、この地域は風が強くて冬の雪の対策が大変ですよと2人の方から意見が出された。

 これは当然出る意見や質問ですよ。これに対して法人はちゃんと説明しています。

 全体で20人が集まった中で、反対なんて声は一つもない、理解しないなんて一つもなかったのですよ。連合町内会長は大歓迎だと言ったのです。これが説明会の空気であり、雰囲気なのですよ。 

 昔、この近くに障害者の施設が来るといったら、怖いだとか、不気味だとかと言って反対運動をしたことがありますよ。でも、今は違うでしょう。

 障害者だって、皆、同じ人間なのだ、同じ地域で共生していくのだ、これは上渚滑の皆さんもそうでしたし、渚滑の皆さんもそうなのですよ。 

 理解をしていないという表現は読みようによっては反対しているというふうに読まれるのですよ。事実と違う記述がここにあるのです。渚滑の皆さんに対しても失礼な表現です。

 これをこのまま意見書として皆さんは出しているのですよ。直ちに訂正しなさい。訂正して、再送付しなさい。それが紋別市の福祉に対する質を高めることになるのです。このままだったら駄目ですよ。どうですか。訂正して再送付すべきですよ。違いますか。 


○西田保健福祉部長

 お答えいたします。私もお聞きした中でも、今、議員のおっしゃったようなことをお聞きしております。 

 ただ、その後にきちんと説明をしてほしい、ビジョンも含め、お話ししてほしいというふうに伺っているというふうに聞いたのですが、1回きりで、その後はないと私も受け止めておりますので、最終的な理解はできていないという判断でございます。 


○野村議員

 渚滑の皆さんの最終的な理解を得ていないという判断なのですか。 

 今の言葉でいいのですか。市長、どうですか。私はこれを読んだとき、この表現にどきっとしたのですよ。この表現は誤解を生む表現で、渚滑の皆さんに対して失礼な表現だと思います。 市長、どうですか、これは書き直すべきでしょう。部長は最終的な理解を得ていな いと言いましたが、事実ではないですよ。市長、いかがですか。 


○西田保健福祉部長

 すみません。先ほどの答弁の中で説明不足の部分もあったかと思うのですが、議員がおっしゃられたとおり、渚滑での説明会は20名ぐらいの参加者ということで私も聞いております。

 ただ、渚滑の町内会関係者については6名程度で、そのほかは家族会も含めた人が多く入っておられたというふうに私も聞いております。 

 先ほどは断定的なちょっと強い言葉になったかもしれないのですけれども、そういうふうに聞いていた中でこういう文章にしたということでございます。 


○野村議員

 これ以上はやりませんけれども、意見書というのは、先ほど言ったように、補助金申請の鍵を握るものなのですよ。

 だから、この意見書の文章の内容をしっかりと精査して、事実をもって記述していかないと、どちらにとっても利益に ならないので、来年度は必ずそういう形でしっかりとした意見書の提出をお願いしますよ。

 今後の問題についてです。

 市長にもいろいろとご答弁をいただきました。確かに、この数年間、問題がこじれて前になかなか進まなかった状況があります。

 それが1年、2年、3年と続いて、家族会の皆さんも何ができるのかということを精いっぱい考えて今回の嘆願書となりました。

 1か月で3,600筆という嘆願書です。非常に大きな力、エネルギーだと思います。それだけ切迫し、それだけ皆さん方の思いが強いのだと思います。

 市長も述べられました。これからは、紋別市もその仲介の労を取って、この法人と上渚滑の住民の皆さんと、胸襟を開いて、ビジョンを含め、上渚滑のまちづくりの問題も含め、紋別の障害福祉の在り方も含め、一緒に議論していこうと提案されたと思います。 

 市長、改めてそういう形でよろしいでしょうか、ご答弁をいただけませんか。


○宮川市長

 今、地域説明の中でもいろいろと相違があったりしております。ただ、何回も申し上げますけれども、法人自体が地域と本当に話をきちんとしていかないといけないと思っております。 

 こういう言い方をするのが議会の場でいいのかどうかは分かりませんけれども、例えば、理事構成にしても、評議員構成にしても、何か、地域と対立をして、多数派工作をするような感じのやり方、あるいは、地域説明会についてもお互いに考え方が違う、実際にはどうなのか、私は出ていなかったので、分かりませんけれども、人数的な問題からして、いろいろな食い違いがあるというのは、やはり、ちょっとおかしいのではないのかと思います。 

 ですから、そこら辺をきちっとした形で進めていく、その中で、市も中に入って、当初、市は関係ないというような話をされていたということも言われておりますけれども、そういうことではなく、きちんと市も入る中でお互いが理解をし合うということが大切だと思っております。


○野村議員

 今の市長の答弁ですが、お互いに理解を深めるという最後のところはいいのです。

 でも、前段に理事がうんじゃらかんじゃらと言っていましたが、それはこんなところで言う話ではないのですよ。

 だって、一個人の独立している社会福祉法人が定款に基づいて理事会を開き、評議会を開き、そこで決まった内容について、それがいいとか悪いとかおかしいとか、そんなことを何で市が言えるのですか。

(発言する者あり)いやいや、何を根拠に言っているのですか。 

 では、時間はあれかもしれないですし、ここまで言いたくなかったですが、最後の結論のところです。

 現在の法人運営についての疑問が残るという表現があって、これも支援を行うことが難しい一つの根拠になっているのです。

 現在の法人運営について疑問が残る、これもすごい表現ですよ。法人の運営に疑問が残ると書いているのですよ。 

 これは、正さなければ駄目ですよ。こんな法人、放っておいては駄目ではないですか。法人の運営に疑問が残ると市長が意見書で書いているのです。そんな法人がありますか。疑問が残るのなら、ちゃんと指導監査しなければ駄目です。

 社会福祉法人の指導監査は紋別市がやっています。紋別市として疑問が残るというのなら、この問題について、指導監査、是正、指導、勧告をやっているのですか。教えてくださいよ。 


○西田保健福祉部長

 お答えいたします。市では法人に係る事務の監査を3年ごとに実施しております。

 法人の運営する施設に係る部分については、以前どおり、都道府県が実施しているという状況でございます。 

 それで、今、議員からお話のあった疑問点のことでございます。法人の理事、役員に関して、市がああだこうだと意見をするような立場にはござい ません。

 しかしながら、ちょっと不審に思っているといいますか、疑問に思っているところがあり、以前の設立当初は、理事のメンバーには地元の住民の方が入って、上渚滑のことについてお話をして、上渚滑の発展と施設の運営のそれぞれについてという経緯がございました。

 しかしながら、移転のところから、上渚滑の今まで入っていた理事のメンバーが退任するなどし、地元住民の方が一切いなくなった状況に疑問点を抱いているということでございます。 


○野村議員

 疑問点を持っているのは構わないですけれども、それを意見書に堂々と書いて何なのですか。

 疑問が残っているのだったら、指導監査すればいいので す。

 理事会について指導監査する権限を市が持っているのですよ。ちゃんと議事録を精査する権限も市が持っているではないですか。

 そんな疑問が残っているのだったら 議事録を精査したいと言えばいいのですよ。そうやって、きちんと事実に基づいて書きなさい、そういうことを言っているのです。 

 それはともかく、どちらにしても最後なので、これから、ぜひ、前向きに、市長もおっしゃったように、一歩一歩、前進に向けて取り組んでいただきたい。

 私も、法人に対しては紋別市における障害者福祉のビジョンをしっかりと持ってほしいというふうに期待しています。 

 ぜひとも、仲介役として紋別市に一肌、二肌脱いでいただければということを要望し、終わります。