2013年5月29日水曜日

木質バイオマス発電所が紋別に

 木質バイオマス発電所の説明が、紋別市からありました。

 住友林業が、紋別港の第3ふ頭に建設するもので、発電能力は

5万キロワット。6万世帯分の出力で、国内最大規模のバイオマス

発電となる計画です。

 市の説明では、平成23年度に住友林業が中心となり、「オホー

ツク森林バイオマス活用協議会」を設立し、林地残材の賦存量、

集荷経費、含水量等の調査を行い、紋別市を中心とした半径75

キロメール圏内のバイオマス回収可能量が12万3千トンあること

が判明。そこに昨年7月、再生可能エネルギー全量買取制度が施

行され、買取価格32円なら電気事業として成立すると判断。そこ

で、住友林業から紋別市に建設用地、冷却水の確保などの基本

条件について問い合わせがあり、市から建設用地として紋別港

第3ふ頭埋立地を提案。今回の発表となったものです。

 平成25年秋に着工し、28年度に完成という計画です。総事業費

は150億円。発電所のほか、チップ製造用破砕施設、チップ貯蔵

施設、原木ヤードも含まれています。

 私もかねてから議会で、捨てられている林地残材を活用して、

地元での資源の循環と雇用の確保を目的に、木質バイオマスの

利用を訴えてきました。その意味で、今回の発表は一つの前進と

して評価できます。

 ただ私の目指したものは、地元の事業者と行政が一体となっ

て、地元の資源を地元の力で循環させ、活用することでした。芦

別市や滝上町、下川町、美幌町などでは、地元の森林組合や役

場、住民が共同して取り組んでいます。芦別市を視察したときの

市役所の担当課長の情熱に圧倒されたことを思い出します。

 先日、オホーツク中央森林組合を訪問したときも、この発電所が

話題になりました。林地残材の搬出や輸送など、あらたな事業が

生まれ、雇用も創出できる、と期待の声が聴かれました。紋別市

も、雇用の拡大に期待しているようです。

 ただ、年間必要とする20万トン以上の端材がコンスタントに集荷

できるのか。75キロ圏内といえば、滝上町も下川町も入ります。

さらに枝幸町など、多くの自治体で独自に木質バイオの取り組み

を始めています。また、発電に伴う温排水について、海洋への影

響はどうなのかも注視する必要があるでしょう。

 新しく建設される広域紋別病院にも木質チップボイラーが導入さ

れます。今後とも、公共施設での木質バイオの活用を広げていく

ことが大切です。

 地域に存在する再生可能エネルギーの活用は、時代の流れで

す。それは、新しい事業と雇用を拡大し、街づくりの要ともなるも

のです。流氷が年々減少している今、地球環境への配慮と行動

を市民レベルで盛り上げたい。

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