2013年5月31日金曜日

いわさきちひろ展にて

 先日、札幌市で開催されている「いわさきちひろ展」を妻と見て

きました。札幌市の道立近代美術館で4月27日から開催されてお

り、ぜひ見たいものだと心に強く決めていました。

 いわさきちひろの絵は、多くの人が一度は目にしたことがある

思います。可愛い子どもたちが、淡い絵の具とぼかしのタッチで

やさしく微笑む姿。見ていることらがほのぼのとしてくる…。そんな

絵です。私の家の壁には、いわさきちひろの絵が数多く飾ってあ

ります。毎年買っている「いわさきちひろカレンダー」の絵も飾って

います。玄関にも、トイレにもです。

 いわさきちひろは1974年、ガンのため55歳の若さで亡くなりまし

た。現存する作品は9400点を超えます。その中から今回の展示

会には、代表的な選りすぐりの作品、ちひろの生きざまを物語る

作品など、132点が出展されています。

 その日が土曜日だったためか、予想以上の賑わいでした。誰も

が、作品一点一点に食い入るように目を凝らしています。いつし

か客の流れがストップし、なかなか前に進まないほどです。それ

にしても、どうやってこの絵を描いたのだろう。どんなテクニック

で、こんなやさしいタッチが描けるのだろう。私の興味も尽きませ

ん。

 いわさきちひろは、1946年、日本共産党の演説会で、戦争に一

貫して反対した姿に共感し、入党しました。その4年後、松本善明

氏(のちに衆議院議員)と結婚。その後、精力的に絵に没頭しま

す。青春時代に戦争を体験したちひろは、「世界中のこども、みん

なに平和としあわせを」という言葉を残しています。

 

展示の最後は、ちひろが亡くなる2年前、ベトナム戦争を題材に

描いた「戦火のなかの子どもたち」。墨一色で、恐怖と怒りと絶望

を描いた子どもの目は、見る者の胸をえぐります。戦争を憎むち

ひろの強いメッセージを感じます。親子連れや若いカップルの姿

も多く、ほほえましい中にも、この絵の前では誰もが言葉を失い、

じっとたたずむ姿が印象的でした。

 ちひろが描いた子どもたちや花は、今もいのちの輝きと平和の

大切さを語り続けています。子どもたちの笑顔のために、平和を

守り、憲法9条を守る闘いが迫っています。今、ちひろの思いを受

け継ぐためにも…。

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