2015年7月31日金曜日

木質バイオマスセミナーに行ってきました

 7月17・18日と江別市で行われた「2015北海道森林・林業・木質バイオマスセミナー」に参加してきました。

 このセミナーは、北海道木質バイオマス機械協議会の主催で、林野庁や道庁、森林組合、自治体などの関係者が木質バイオマスの現状と課題、活用などについて報告、意見交換するもので、2日間とも中身の濃い内容でした。

 このセミナーのコーディネーターを務めた北大の山形定助教から案内をいただいたもので、紋別の住友による大型木質バイオマス発電所に関する勉強もかねて出席しました。

 会場には、紋別市の職員の顔もありました。

 

 基調報告は大友詔雄氏。ネルク(自然エネルギー研究所)の所長で、北海道における自然エネルギー研究の第一人者です。

 私も、何度もお会いし、刺激を受けた人です。


 話しは明快です。木質バイオマスなど、地元の自然エネルギーを活用すれば、エネルギーの地産地消となり、経済の地域内循環を促進し、雇用を創出できるというものです。

 足寄町、芦別市、美幌町など、大友さんがかかわってきた実践例が紹介され、説得力を持って胸に響きました。

 そこに共通するのは、行政も民間も合わせて「まちづくり」という観点です。

 大友氏は一方で、木質バイオマスによる発電事業については効率が悪く、本場のドイツでは撤退している状況であり、何より原材料の安定的供給が課題であり、その運搬費用などがネックになっている、と報告されました。

 課題の大きさを感じました。

 私も、紋別の場合、年間20万トンのチップが必要とされる中で、それが安定的に供給され続けるのか、山の資源管理と併せ、問題が生じないのか懸念を持ってます。

 実際、このセミナーでも、林地残材の賦存量や搬出方法、チップ化について議論がありました。というより、これらが主なテーマでした。

 その内容を聞くと、国有林も道有林も民間林も、確かに林地残材・間伐材は多く存在するが、それを効率よく搬出し、活用するまでには、まだまだ課題が多く、時間がかかる。それらが共通した内容だったという印象を持ちました。

 セミナーで圧巻だったのは、下川町の実例でした。下川町はまさに熱電エネルギーの自給自足をめざしている街です。

 情熱と確信、誇りを持って語るバイオマス戦略室のリーダー山本氏。今度、あらためて下川町にお邪魔することを約束してきました。

 果たして紋別の木質バイオマス発電所はどうなるのか。このセミナーで、また問題を深めた気がします。

 会場の外では、木質バイオマス関連の機械の展示も行っていました。





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