「地方消滅」などと盛んに言われ、「地方創生」がもてはやされたものの、それもトーンダウンの雰囲気です。
それどころか、今度は「1億総活躍社会」などと言い出しました。自治体も、国に付き合うのは大変です。
とはいえ、「人口ビジョン」「総合戦略」はつくらなければ、先に進みません。つくる以上は、実のあるものにしなければなりません。
紋別市も、検討委員会などで作業を進め、原案が公表されました。そして、パブリックコメントの募集がありました。
議会でもいくつか指摘した以上、無視はできません。「総合戦略」を読み、私なりに感じた点をまとめ、提出しました。
それが的を射たものかどうかはわかりませんが、一市民からの声として受け止めてもらえればと思います。
以下、私が提出したパブコメの内容を紹介します。
なお、「総合戦略」の本文は紋別市のホームページでご覧になれます。
1、「若者の子どもを生み育てたいという希望の実現」に関して
①重点施策とされている「妊娠・出産・子育てに係る支援」では、「妊娠から子育てまでのさまざまな負担について、支援の質・量の充実を図り、妊娠・出産・子育ての希望の実現に取り組む」としていますが、そのための具体的な施策、展開が示されていません。何をどう取り組むのか、その具体的施策を示してこそ、「KPI=出生数5%増加」への実現が見えてくるのではないでしょうか。また、「支援の質・量の充実」としていますが、それは何を意味し、何をさしているのかもわかりません。その内容を含め、切れ目のない支援を実施し、出生数5%増加へ向けた具体的施策の展開を明確にすべきだと考えます。
②第5次総合計画のアンケートでも、子育て支援計画のアンケートでも一番強い市民の要望は、子育てにかかわる経済的負担の軽減です。これを無視するわけにはいきませんし、その要望に応えてこそ希望の実現になると思います。しかし、これらを扱った項目も、事業の内容もまったく見られません。例えば、子どもの医療費への助成、保育料の軽減、学校給食費の軽減、出産経費への助成、不妊治療への補助、ひとり親世帯への経済的支援など、これらの拡充と創設は重要な課題と考えます。「負担軽減の推進」の項をおこし、施策を展開すべきと考えます。
③子育てにとって重要なのは、子育てしやすい環境、特に職場での理解と環境の整備だと思います。それがあってこそ、仕事と家庭と子育てが両立し、子どもを生み育てる希望が実現すると考えます。そのためにも育児休業取得の推進と目標を強く明記する必要があると考えます。
④もう一つ重要な課題に医療の問題があります。安心して妊娠・出産・育児ができるためには安定した医療環境の整備が不可欠です。その点で、安心した出産ができない現状は、重大な事態です。その解決に向けた取り組みこそ、「重点施策」ではないのでしょうか。「周産期医療と小児医療体制の整備」も項をおこして施策を展開すべきではないのでしょうか。
⑤「妊娠・出産・子育ての切れ目のない支援」P17のKPIは、出生数とともに「子育ての満足度」(第5次総合計画策定時3.7%)を、いかに引き上げるかも重要だと考えます。紋別市で子育てしたいと感じてもらうこと、それこそが「総合戦略」の要だと思います。その目標値として「子育ての満足度」のアップを明確に位置づけることが必要だと考えます。
2、「本市の魅力向上と発信強化による新たな人の流れの創出」に関して
移住の促進として、Uターン者への支援などを重要施策としています。特に若い世代のUターンの促進は重要な施策だと考えます。それを動機付けし、さらに人材の確保にもつながる、医者や看護師・医療従事者、さらに介護従事者や障害福祉の専門職員を育成する市独自の奨学金制度の充実と創設は極めて有効な施策だと考えます。具体化を求めます。
3、「個性と魅力あふれる地域づくりと安心な暮らしの確保」にし て
「安心な暮らしの確保」と言うのであれば、「防災対策」に関しても触れるべきだと考えます。
4、全体をとおして
①「施策の展開」の項目について、もっと具体的な施策が展開され、提案されるべきではないのでしょうか。どうも抽象的で具体性のない印象を受けます。「施策の展開」と言いながら、具体的施策が示されていないのは残念です。KPIの達成に向けて具体的に何をどうするのか、もっと具体的な展開と方向性を指し示すことが必要だと思います。
②この「総合戦略」の審議にあたって市民による検討会議がつくられ、高校生をはじめいくつかの団体からヒヤリングもされたといいます。しかし、それらの審議の内容もヒヤリングの結果も明らかになっていません。少なくとも、ホームページなどにそれらの内容や資料などを掲載すべきです。その審議の経過やヒヤリングの内容なども参考に、今回のパブリックコメントを考えられればと思っていたのですが。
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