2017年2月17日金曜日

地域で見守る認知症~砂川モデルを視察して

 1月31日、砂川市役所を訪問しました。
 
 認知症に対する施策を学ぶためです。

 砂川市は「砂川モデル」と呼ばれる先駆的な認知症対策を展開しているマチなのです。
 
 市役所の会議室には、市の高齢者福祉と介護保険の担当者、砂川市立病院の担当者、それに地域包括支援センターの担当者など7人もの方々が集まってくれ、ほぼ2時間にわたって説明を受け、議論しました。

 その内容は、まさに多岐にわたり、「さすが」というか、「うらやましい」というか、圧倒されながらも、地道に積み重ねてきた成果を実感することができまた。       

 いうまでもなく認知症は、老いなどによる脳の働きの障害ですが、症状が軽いうちに発見し、適切な治療とサポートで進行を遅らせたり、地域で暮らし続けることも可能です。これから、確実に増えるであろう認知症への対応は、地域にとっても、まちづくりにとっても重大です。

 それは他人ごとではないのです。

 国は、認知症対策として各市町村に、軽度の認知症の方を訪問し支援を行う「認知症初期集中支援チーム」の創設を求めています。

 とはいえ、そこには専門の認知症サポート医や看護師、介護福祉士などの体制が必要なのです。

 小さなマチでは簡単ではありません。

 もちろん紋別市でも苦労しています。

 ところが、砂川市では平成26年から支援チームが活動を始めています。

 そこには砂川市立病院の存在があります。

 砂川市立病院は90人の医師を有するセンター病院で、道内に18カ所しかない「認知症疾患医療センター」を完備し、年5000例に近い認知症の受診と治療を行っています。

 同時に、砂川市も独自に高齢者の見守り支援や認知症サポーターの養成、認知症の啓発、ボランティアの育成などを積極的に展開し、それらを総合して「地域で見守る認知症~砂川モデル」が誕生したのです。

         
       認知症ささえあい手帳

 これは砂川市で、全戸に配布している「認知症ささえあい手帳」です。認知症の正しい理解と支援について、わかりやすく記述されています。

 私も「認知症初期集中支援チーム」の存在は知っていましたが、どんなことをやるのか、イメージを持てないでいました。

 今回、実際に活動しているチームのメンバーから直接お話を伺うことができ、その内容を実感することができました。

 今やその取り組みは、周辺の町村を網羅し、広域での運営に広がっています。

 それにしても、砂川市立病院のすごさは圧巻です。人口1万8000人の街で90人お医者さん。

 「砂川は、この病院でもっているようなものです」―市の職員の言葉に、うなづくしかありませんでした。


 
 

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