2017年5月25日木曜日

なぜ、こんな事件が繰り返される~市職員逮捕

 5月12日、紋別市職員が逮捕されるというショッキングなニュースが流れました。

 エゾシカの捕獲用のわなの入札にかかわって、業者が落札でるよう便宜を図り、見返りに100万円を受け取ったとされる加重収賄の容疑です。

 13日に記者会見を行った宮川市長は次のようなコメントを述べました。

 『昨日、当市建設部都市建築課主任菅原猛が加重収賄の容疑で逮捕されました。このたびの市職員の逮捕につきまして、誠に残念であり、遺憾に思います。市民の皆様には大変なご心配、ご迷惑をおかけしましたことに心よりお詫び申し上げます。
 
 平成27年の秋ごろから、当該職員についての匿名の投書が複数あり、そのたびに本人に対し、市で事実確認を行ったところでありますが、調査には限界があったことから、昨年12月に紋別警察署に相談し、資料の提供など捜査に協力をおこなってまいりました。
 
 市といたしましては、このような事態にならないことを望んでおりましたが、残念な結果になったところであります。今後は関係職員に対する事情聴取等もあると思われますが、従来同様、警察の捜査に誠意をもって最大限の協力をして参ります。
 
 尚、捜査の経過をふまえ、しかるべき時期に、私共として、しっかり説明責任を果たして参りたいと考えております。
 
 最後になりますが、今後とも信頼回復に、職員一丸となり、取り組んでまいりますので、ご理解をよろしくお願い申し上げます』

 事件全容は、今後の捜査にゆだねられますが、どうしても気になるのは、紋別市役所全体としての問題です。

 7年前の2010年3月、元市職員による公金横領事件が発覚しました。その時のショックは、今回の比ではありませんでした。
 
 だからこそ市はこの事件を受けて、2010年の9月に「不祥事防止アクションプラン」を作成し、翌年の2011年3月に「市職員倫理規定」と「市職員等からの公益通報に関する規定」を作成しました。

 さらに2012年3月には、「職員不祥事検証報告書及び再発防止計画書」を作成、公表したのです。

 そして2015年4月、「紋別市職員等の倫理及び公正な職務の執行の確保に関する条例」(倫理条例)を制定したのでした。

 忘れもしません。市議会も2010年9月に100条委員会を設置し、真相究明にあたりました。私も委員として、1年以上に及ぶ審議と調査を経験しました。

 さらに、「倫理条例」を制定すべきと、一般質問で繰り返し訴えてきました。

 まさに、市も市議会も血のにじむような議論と努力を重ね、二度と不祥事を起こさせないと誓い、決意したはずでした。
 
 今回の事件は、まさにこの議論の最中に起きていたのです。だからこそ、なぜと、どうしても思ってしまいます。結局、それらは「絵に描いた餅」だったのか、形だけの飾りだったのか、と。

 なぜ、こんな事件が繰り返され、なぜ、チェックできなかったのか。原因は、根が深いような気がしています。

 頑張っている多くの職員のためにも、早く信頼を回復しなければなりません。しかし、ただ規則を厳しくしたり、監視を強めたりで解決するものではありません。それは、かえって息苦しさを強めるだけです。

 公務員としての自覚と誇りを培うことが大切です。それは、住民の利益を守り、住民と一緒に街づくりを進めるという気概を持った、やりがいのある仕事であることが前提です。情報を共有し、風通しの良い職場をどう作るかです。今の紋別市役所に、それがあるのかどうか。本質に立ち入った検証が必要です。

 でも、同じことを7年前にも言っていたような気がするんですが…

  

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