2018年12月28日金曜日

12月議会の一般質問から①

 今回の一般質問は、地域医療、高齢者福祉と介護保険、福祉灯油、合葬墓、就学援助を取り上げ、生活弱者への支援を中心に市の考えをただしました。

 地域医療では、これまで多くは広域紋別病院の医師確保などを中心に訴えてきましたが、今回は一次医療、開業医の課題について取り上げました。

 私の記憶でも、この紋別市からいくつもの民間病院が姿を消しました。近藤病院、塚越医院、白松医院、平岡医院、岡和田医院など。これからも開業医の高齢化などにともない、減ることはあっても増えることは難しい現状です。

 でも、身近な医療、かかりつけ医としての医療ー一次医療の存在は決してなくしてはいけないし、広域紋別病院の負担を軽減し共存するためにも、一次医療・開業医への対策は必要だと考えてきました。

 そこで目に入ったのが稚内市や士別市で実施している「開業医誘致助成制度」でした。両市を視察して、その必要性を実感してきました。実際、稚内市では5つのクリニックが、士別市では3つのクリニックが、この制度で誕生しているのです。

 今回の質問では、これらの例も紹介し、市内の開業医の現状認識と、開業医誘致制度の実施を求めました。

 答弁では、稚内市や士別市と、紋別市における一医療機関当たりの人口は2200~2400人と同水準である、などととってつけたような数字を並べ、誘致制度の実施を見送るとしつつも、最後には「将来的には一次医療の減少も想定されるため、助成制度も含め研究する」と答えました。

 これから紋別市も確実に、開業医の減少は想定されています。今から現実を直視し、対策を打つことが必要です。誘致制度のような積極的な対応こそが、医療関係者の関心を集めることにもつながるはずです。

 地域医療では、在宅医療についてもただしました。高齢化が進む中で、在宅医療の必要性は増していきます。市内の医師の中にも、在宅医療に関心を持っている方も存在してます。それだけに、紋別市のイニシアが大切だと考えてきました。

 今回の質問では、在宅医療に対する認識と現状、今後の対策をただしました。

 答弁では、市内の一医療機関が在宅療養支援病院として機能している、と述べました。とはいっても、介護施設への診療を中心としているもので、いわゆる在宅医療・訪問診療とは性格を異にしています。

 そのうえで市長は、今年就任した急病センター長を中心に、在宅医療を含めた地域医療体制の構築に努めたい、と答弁しました。

 具体的な成果はありませんでしたが、一次医療についても、在宅医療についても、その必要性と問題意識を提起できたのではないかと思っています。


 高齢者福祉と介護保険の問題では、これまで多くは介護保険事業の問題、要認定者への対応などを取り上げてきました。これを今回は、その前の状況、介護予防の取り組みについて取り上げました。

 誰だって年をとっても、最後まで元気でいたいと願います。そのための努力もしています。そんなお年寄りをもっと応援し、支援する手立てが必要だと思ってきました。
 
 電球を取り替えたり、庭の草を刈ってくれたり、ちょっとの買い物や散歩に付き合ってくれたり、布団を干してくれたり。実は、そんなことができなくなっているのが現実です。そんなちょっとしたことができないために、孤立したり、引きこもったり、生活があれてきたり。

 でも、ちょっとしたそれらのことが、誰かの手助けでできるのなら、きっともっと生活は楽しくなるし、生き生きできるはずです。
 
 それを実践している例が道内にもいくつもあります。「住民参加型在宅支援サービス」と言われるもので、有償でのボランティア活動が行われています。

 紋別市でも検討できないか、提案しました。

 また、これまた多くのお年寄りを訪ねた時に感じることですが、交通の問題、外出の足の問題があります。

 紋別は山坂の多い街です。大山町、緑町、花園町、汐見町、そして落石町。坂道のため、外出が容易でないのです。危険なのです。タクシーではお金がかかるのです。福祉タクシーは介護度1以上でなければ使えないのです。

 だから、自然と家に引きごもりがちになる。孤立してしまうのです。

 これをこのまま放置していいのか。見て見ぬふりでいいのか。何らかの手立てはないのか。乗り合いタクシーやデマンドバスなど、もっと工夫する必要があるのではないのか。

 今回の質問は、この問題も取り上げました。

 どちらの答弁も、課題としては認識しているが、今後も計継続して研究する、というもの。

 介護給付費が増え、保険料も値上げし続ける現状にあって、元気なお年寄りをしっかり支える施策こそ、これからますます重要な課題になるでしょう。

 今回の私の質問が、その問題提起となってくれれば良いのですが…

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