先日機会があって、北海道アイヌ協会紋別支部の畠山敏支部長と懇談することができました。
畠山さんとは、元紋別に建設された産業廃棄物施設問題などで何度か顔は合わせたことがあったのですが、じっくり話すのは今回が初めてでした。
話はまず、アイヌ人骨の返還問題から始まりました。
明治時代から戦後1960年代半ばまで、北大をはじめ旧帝国大学の人類学・解剖学の研究者などによって研究のためと称して、北海道・樺太・千島などのアイヌ墓地から遺骨を持ち出し(一部盗掘)たもので、1635体がいまも大学側に保管されています。
アイヌ協会は速やかな返還を求めていますが、北大側はいまだ「研究対象」として返還への誠意を見せていません。
2012年には遺族3名が返還を求める訴訟を起こしています。
そして、畠山さんも紋別市から北大に持ち出されている4体の遺骨の返還を求め、昨年訴訟に踏み切ったのです。
「とても悔しい思いです。きちんとアイヌプリ(伝統)にしたがってイチャルパ(先祖供養)したいと思っています」と話されました。
私も、ニュースでは知ってはいましたが、その差別の根の深さを感じるとともに、こんな近くにこの問題と闘う人がいたことに驚かされ、誇りの高さに共感しました。
話はやがて「先住民族」としてのアイヌの歴史、暮らしに及びました。
2007年に国連で採択された「先住民族権利宣言」を踏まえた具体的な施策が、日本ではまだ不十分だと指摘します。
カナダでもロシアでも民族差別政策を謝罪し、先住民族の権利を保障しながら伝統にのっとった生活を国として守っていると言います。
しかし、日本政府にはそれがありません。
アイヌの人権と風習を認めない「同化政策」への反省すらないのです。
畠山さんは「確かにアイヌの文化への理解は広がっていますが、差別と偏見は消えていません。先住民族としての生活と誇りを持てるようにしたい」と話されました。
最後に畠山さんは、「共産党の紙智子議員が、国会でアイヌの問題を取り上げていることを知りました。とてもうれしく思います。もし、紋別に紙さんが来ることがあったら、ぜひお会いしたいもです」と話されました。
私も「そんな機会を持ちたいですね」と答えました。
また一つ、新しいつながりを得ることができました。
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