2018年5月3日木曜日

「総合計画」の廃止に疑問~2017年第4回定例市議会一般質問③

〇野村淳一議員

 紋別市総合計画について質問いたします。

 さきにも議論がありましたが、私もいささか疑問を感じておりますので改めて質問いたします。

 新聞報道によると、紋別市は第6次総合計画の策定は行わず見送るとされておりました。まず、この真意を重ねてお聞きするとともに、その理由をお尋ねします。

 本来、市の総合計画は、市の総合的かつ計画的な行政運営の指針を示すものであり、市民にまちづくりの長期的な展望を示すものです。

 さらに、紋別市総合計画審議会条例によって多くの市民の手による議論と協議を経て、市民からのパブリックコメントを募集し、そして最終的に市議会の審議、議決を受け、文字どおり市民の総意で策定されるものです。

 たとえ地方自治法の改正によって従来の策定義務はなくなったとはいえ、総合計画の持つその意義と役割は、いささかも後退などしていません。

 そればかりか、さまざまな行政課題が交錯し多様化する中で、長期的なまちづくりの展望を指し示すことはますます重要になってきているのではありませんか。

 新聞報道では、2年前に策定された紋別市総合戦略が総合計画のかわりとなり、今後のまちづくりの基本になるとされています。

 しかし、総合戦略は人口減少克服、地方創生を目的としており、一方総合計画は各自治体の総合的な振興発展を目的とするもので、両者の目的は明確にそして本質的に異なるものだと考えます。改めて市長の見解をお聞きするものです。

〇宮川良一紋別市長

 紋別市総合計画についてであります。

 次期紋別市総合計画を策定しないこととした理由につきましては、さきに加藤議員及び石田議員のご質問にお答えしたことで、ご理解を願います。

(※加藤議員と宮川市長のやり取り)
〇加藤裕貴議員
 地方版総合戦略は人口減少の克服や地方創生を目的としていることに対して、総合計画では当市の総合的な振興、発展などを目的としており、必ずしも目的や含まれる政策の範囲が同じではないように思われますが、総合計画を策定しないこととした当市としての見解をお教え願います。

〇宮川良一紋別市長
 紋別市総合計画と紋別市総合戦略についてであります。
 第6次紋別市総合計画を策定見送りとした経緯につきましては、総合計画は産業の振興、医療・福祉の充実、教育の推進、生活環境の整備など、市政全般にわたる目標とその方策を明確化し、計画的かつ持続的なまちづくりを推進するための長期的な指針となるものであるのに対し、総合戦略は主に人口減少対策や地域経済の活性化に係る目標や具体的施策等を定めることを目的としており、それぞれの計画に含まれる政策範囲は必ずしも同じではありません。

 しかしながら、いずれの計画も、時代の背景による少子高齢化や人口減少問題をはじめ、産業構造や生活様式の変化などに起因する地域の諸課題に的確に対応し、本市の特性を生かした施策の展開を図ることにより、将来にわたる持続的な発展と潤いのある地域形成を目指すための計画であると認識しており、その根本的な目的や視点、目指すべき方向は同じものであると考えております。

 また、現時点におきまして、本市では総合計画を最上位計画、総合戦略を個別計画と位置づけておりますが、平成23年度の地方自治法の改正により市町村における総合計画の策定義務が廃止された一方、平成26年度のまち・ひと・しごと創生法の制定に伴い、市町村においては地方版総合戦略の策定が努力義務とされており、地方創生の取り組みに対する関心が全国的に高まり、総合戦略が重視される時流も生じているほか、国の見解として総合戦略等の改訂時において総合計画と総合戦略を一つのものとして策定することは可能との判断が示されております。

 これらのことを踏まえ、今後は本市における諸課題への対応方針や具体的な施策等が明記され、より実践的な事業計画である総合戦略を本市の政策展開の中心的な計画と位置づけ、他の個別計画とも連携し、相互に補完し合いながら本市の政策全般に対応できるよう、次期紋別市総合戦略の策定時期や策定手法等を含め、さらに検討してまいります。

~再質問~

〇野村淳一議員
 総合計画についてであります。
 
 きのうも同じような議論がありました。その答弁も含めて聞いていると、なぜ総合計画をつくろうとしないのか私は釈然としません。というよりも、総合計画そのものを非常に軽視しているんではないのかな、そんな印象を受けてしまいます。

 10年間を見据えた長期的なまちづくりの展望、基本的な構想をつくるってことは、これは絶対に必要ではないのかなとずっと思ってるんです。

 同時にこの総合計画、この前回の総合計画をつくったときもそうなんですが、私質問で言いましたが、市民の総意でつくられたものだというふうに言いました。

 総合計画審議会条例で40人に及ぶ市民を市長が任命をして、そしてそれぞれの分科会をつくって、約1年にかけて審議を行うんです。

 そのために市民のアンケートも行いました。地域別の懇談会、意見交換会も行いました。各団体との協議も行いました。そうやって煮詰めて、そして答申をする、パブリックコメントを求める。議会に諮り、議会も3カ月間特別委員会をつくってこれを議論するんです。

 前回は特に医療問題が焦眉の課題でした。この審議会は特別にこの地域医療の勉強会まで開いて、みんなで学んでこの計画づくりに生かしていこうと努力したんです。

 今紋別において、これだけの規模でこれだけ時間をかけて市民と一緒に計画をつくるのは、この総合計画しかないんです。

 私はこれがまちづくりの基本だと思っています。市長がよく言う、市民本位、市民協働のまさに原点がここにあるんじゃないんですか。

 それをなぜ今回しないんですか、見捨てるんですか、切り捨てるのか、意味がわからないんです。本当に市民と一緒にこのまちづくりを進めていく原点がここにあると思います。

 改めて、市長いかがなんですか、ご答弁いただけませんか。

○宮川良一市長
 昨日から総合計画の関係のご質問いただいておりますけれども、私としては決して総合計画を軽視しているということではありません。

 今の国からの義務的な部分については、なくなったということも、それはそれとして法としてありますけれども、決して軽視することではなくて、当然10年前の総合計画も私が市長就任してつくりました。

 しかしながら、今の第5次総合計画を見ましても、実際に今変える必要があるのかどうかということについては、現時点ではさほど、私は今のこの第5次総合計画の理念やまちづくりの方向性については、新たにつくる必要はないんではないかと。

 それより今の時点で必要なのは、今現実的に人口減少を大きな課題として各自治体、消滅自治体と言われるように、地域が本当に大変になっているときに実践的に今行えるものをどう市民の皆さんと理解をし合いながらそれを進めていくのが、そのほうが重要なんではないかなという認識に至っております。

 その中で、今、総合戦略という形である面では幅広く、これも総合計画を無視して行われているわけではなくて、これを基調として行われてるわけでありますけれども、よりスピード感を持って実践的に行える総合戦略を、これもまだまだ十分とは言えませんけれども、これもしっかりつくり上げて早急に進めていくということが大切ではないかなというふうに思っております。

 それとまた、この総合戦略におきましても、今できるだけ従来の審議会等の俗に言うメンバーではなくて、次の世代を担う若い方々に集まっていただいて、検証していただいております。

 本当にできれば高校生も入っていただいて、やっていければいいかなという、高校にもお話ししましたけどなかなかそこまでいっておりませんけれども、このメンバーにしても自由度を持って多くの方々の意見を聞けるような、そういう会にしていきたいなという、そういう思いもありますし、そういう形で今必要な本当にやらなければならないことを職員そして地域の皆さんと協議をし合って進めていける、そういうことで総合戦略をしっかりやっていきたいという、そういう思いでおりますので、その点ご理解をいただければなというふうに思います。

○野村淳一議員
 総合戦略ってのは一昨年つくられました。これは私も質問で言いました。きのうも加藤議員も言ってたんですけど、総合戦略は人口減少克服、地方創生を目的とする。そして、総合計画は各自治体の総合的な振興、発展を目的とする。

 目的に違いがあるんじゃないんですかという、きのう加藤議員の質問があった。私も今回その言葉を引用しました。それは言うまでもなく一昨年、市の企画調整課が出した文章、総合戦略に当たっての施策についてという文章の中で、同じような文章が書かれていて、総合計画と総合戦略は本質的に目的は違うんですよ、だから総合戦略はこういう目的を持ってつくるんですよという形でスタートしたのが総合戦略だと私は思ってたんです。

 なので、目的はもともと違うものだと思ってましたから。きのう答弁で市長は、大まかに言えば本質的に目的は同じなんだという、何か拡大解釈だなと私思ったんです。そのような印象私は持ってます。

 さきにも私言ったように、この市民が一緒になって10年間のまちづくりを進めるというこの機会をこの総合計画づくりの中でぜひ生かしてほしい、それが紋別のまちづくりに必要な観点ではないのかなというふうに思っております。ぜひ、私は改めて総合計画づくり、市民と一緒に協働のまちづくりを目指すという進め方を、ぜひ進めていただきたい。市長はそういう言い方なんで、意見が合わないかもしれませんが、私はそうあくまでも思っています。

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