2023年10月12日木曜日

「ウポポイ」を訪ねて

 


 5月の連休の話で恐縮ですが、念願だった「民族共生象徴空間・ウポポイ」に、妻と行ってきました。


 2020年にできたこの施設は、『私たちの国の貴重な文化でありながら存立の危機にあるアイヌ文化の復興・創造の拠点として、また将来に向けて、先住民族の尊厳を尊重し、差別のない多様で豊かな文化を持つ活力ある社会を築いていくための象徴となる空間です』(パンフレットより)


 白老町のポトロ湖に面した広大な敷地にいくつもの施設が立ち並んでいます。その日も、連休とあって家族連れでにぎわっていました。メインとなるのは、アイヌの伝統の踊りなどを上演する体験交流ホールとアイヌの歴史・文化を紹介、展示した国立アイヌ博物館です。


 私たちもアイヌの踊りやムックリなどの演奏を鑑賞し、博物館へ。祭事にかかわる調度品や衣服、アイヌの精神文化や和人とのかかわりなど、展示は続きます。そして、アイヌの文化を語り継ぐ若者たちの姿へと。


 でも、どうしても釈然としないもやもやが残りました。


 今でも、無法にお掘り出された遺骨をめぐる問題、先住民としての権利だったサケ漁の一方的な禁止など、解決されていない問題がいくつもあります。国による同化政策と差別への反省も謝罪もなされていないのです。


 それこそが、アイヌ問題を考える最も今日的な視点だと思います。その点で、ちょっと物足りなさを感じました。


 この旅で面白い出会いもありました。宿泊した苫小牧の夜。予約をしておいた「割烹・海辺」に食事に出かけました。


 
 そこの料理はどれもおいしく、おかみさんのおすすめの日本酒もどれも逸品で、楽しく豊かな時間を過ごしました。

 帰り際にふらりと立ち寄ったビールバーで、客の二人の青年と意気投合。私が議員だと知って、どんな街づくりが必要か、どうすれば苫小牧が活性化するか、など熱い議論となったのです。

 「いやー、政治って面白いですね。議員さんとこんな話をするのは初めて。今日は勉強になったし、楽しい」と話が弾みました。

 私もほろ酔いで、大言壮語だったかもしれませんが。

 たまたま酒場で出会っただけですが、気持ちのいい二人、気後のいい時間でした。

 最後に「本当に共産党の議員なんですか」と。いいのか悪いのか~

 旅の帰りに東川町の「三千桜酒造」と上川町の「上川大雪酒造」に立ち寄りました。どちらも大雪の伏流水で醸された日本酒は逸品です。

 それをちびりちびりとやりながら、旅の風景を心地よく思い出しています。


0 件のコメント:

コメントを投稿