かねてから話題になっていた住友林業による木質バイオマス発電所の建設が正式に決定しました。
22日、住友林業と住友共同電力が記者会見で発表したものです。
それによると、未利用の林地残材や間伐材などを主な燃料とするバイオマス発電所とチップ工場を紋別港第3ふ頭に建設するもので、発電規模50MW、敷地面積は全体で3万6000㎡、総事業費は150億円を見込んでいます。
ここが建設予定地です。
重要港湾として巨大な岸壁をつくったはいいものの、貨物船の利用も、土地の売買もうまくいかず、大きな赤字を生んできた場所です。私も、大きな無駄遣いだと、批判をしてきた場所でもあります。
それが、にわかに注目を集める場所となりました。土地を住友林業に貸し付けるもので、赤字解消の一助にはなるでしょう。
当然、地元への経済効果も期待されています。発電所などで16人程度を地元から採用するとのこと。さらに、運送、製造、保管など雇用も増える可能性もあります。
なにより、地域の山が活性化され、生き生きとよみがえることが大切です。
もちろん、この事業の背景にはFIT制度の存在があります。得られた電力は北電に販売し、年70億円強の売り上げが見込めるといいます。経常利益についても10億円以上になるとしています。
宮川市長は「バイオマス発電所は市が目指す『環境と産業の共生』にマッチした事業。紋別が木材利用のモデル地域となるようバックアップしたい」と述べたそうです。
ここで言う「紋別モデル」の具体的な姿はわかりませんが、紋別市が主体的に、自律的に取り組む姿勢が重要です。
もちろん懸念がないわけではありません。環境面での問題、
バイオ資源の継続的確保など、しっかりと注視していく必要があるでしょう。
そして、紋別市とのかかわりも同様です。
今日、臨時議会が開催され、木質バイオマス発電所にかかわる水道会計の補正予算が提案されました。
発電所では、1日5300トンの水が必要であり、そのうち4000トンを上水道で賄うというのです。
そのため、紋別市では発電所専用の新たな水道管を約4000メートル敷設する工事を行う計画です。
その事業費は、一部下水道事業も含め約17億円。
私は質疑の中で、これにより決して市民負担の増大があってはならない、と訴えました。
市は、発電所からの収入で十分賄える、と述べ、市民の負担とはならないとの認識を示しました。
とは言え、発電所の建設に間に合わせるために、わざわざ臨時議会まで開催して補正予算を議決するなど、どうも発電所事業に紋別市が前のめりになっているのではないか。そんな思いを強く感じます。
なによりも、紋別市民への説明がなにもないまま、このような巨大なプロジェクトが進んでいるのが現状です。
多くの市民は何も知らされず、「蚊帳の外」に置かれている。そんな不安ともどかしさを感じているのは、私だけではないでしょう。
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